澤村伊智のレビュー一覧

  • 七人怪談

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    「サヤさん/澤村伊智」
    「貝田川/加門七海」
    「燃頭のいた町/名梁和泉」
    「旅の武士/菊地秀行」
    「魔々/霜島ケイ」
    「会社奇譚/福澤徹三」
    「何も無い家/三津田信三」
    七話収録の短編集。

    七人の作家が、霊能者・実話系・異界系・時代劇・民俗学・会社系・建物系の七つのテーマを題材に描いた書下ろし作品。

    澤村さん目当てで手にしたが、やはり一番面白かった。

    タイトルの『サヤさん』からそそられる。
    雑誌に投稿されたエピソードで構成されているが、『体験・報告』と明記されているのがミソ。
    実際に起こり得そうで震える。

    熱帯夜にオススメの一冊。

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    2023年07月14日
  • ししりばの家

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    琴子の回想から、友人の家が恐ろしいことがどんどん明るみになっていき、現在主人を変えても家の異常さは変わらず、家に関わった人たちが狂わされていくお話。


    でも実は、家の悪き物はキッカケにすぎず、本当はその人たちが抱えている闇が浮き彫りになっているだけなのかもしれない。。というお話。

    本当に怖いのは、スキマを抱えた人間。

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    2023年07月08日
  • 鉄道小説

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    ネタバレ

    5人の作家による短編集
    鉄道は背景の一コマ的な扱い。滝口氏の「反対方向行き」の目的地の宇都宮と逆方向の電車に乗ってそのままあえて小田原まで行く車内で祖父を回想する時間、空間が、ごとごと揺れるリズムとともに心に残った。
    犬の散歩の話、台湾からの帰化の話、宝塚線中山駅のホラー、青森のトラム、それぞれ作家さんの持ち味が出ていて面白かったです。

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    2023年06月29日
  • ひとんち 澤村伊智短編集

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    澤村伊智さんの作品、短編は読みやすいです。
    ホラーですがそこまで怖くはないかなと。
    それぞれテイストが異なり、そうくるか、という
    面白さはあるかなと思います。

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    2023年06月27日
  • ぜんしゅの跫

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    このシリーズ、読みやすいし勢いというかヒキが上手くて長編でも短編でも一気に読んでしまう。飽きさせない。ホラー感は薄いがエンタメとして書き方が上手い。

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    2023年06月07日
  • 謎の館へようこそ 白 新本格30周年記念アンソロジー

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    館ものミステリーを6名の作家が競うアンソロジー。
    本格もので短編ではあるけれど読み応えあり。
    ガラスの館や地下室が居室になっているもの、遊園地のアトラクションなど色々な「館」があって面白かった。

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    2023年06月06日
  • ししりばの家

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    さああああああああああああああ

     頭を流れる砂の感覚、幽霊屋敷と呼ばれた邸宅には何が潜んでいたのか、、、小学生時代、琴子たちが出遭った「ししりば」なる怪異は今も尚その屋敷で、、、
     琴子の霊能者への始まりの物語。 まぎれもなくホラーとして書かれているのだけれど所々にドキッとするような仕掛けが見える。 シリーズ通して4文字の怪異が登場するわけだがどれも設定が非常に面白い。 ただ存在するのではなく何故、何の為に存在するのがあり、当然対処法もそこから見えてくる。 その部分は推理するために提供されているわけではないのだが物語の重要な謎として私たちの前に立ちはだかるのだ。
     そして解説の三津田氏のコメ

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    2023年06月04日
  • ししりばの家

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    このシリーズは勢いがあるのか一気に読んでしまう。ただ、話自体は楽しめるのだが、登場人物の一人が話の都合でか、あまりに愚かで苛々。怪異の影響かと言いきかせはしたものの、後でやっぱり個人として愚かとしか言いようの無い言動されゲンナリした。
    あと読む順番を間違えたらしい。失敗。

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    2023年06月07日
  • さえづちの眼

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    三作の短編集。ホラー的な怖さはなく、比嘉姉妹も最初に真琴、最後に琴子がちょっと出てきただけで特に見せ場はなかった。

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    2023年06月01日
  • ばくうどの悪夢

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    シリーズものなんですね。初めて読ませてもらいましたが急いで読んだのもあり、あまり入り込めず残念。丁寧に読みたかった。昔の仲間と連絡取りたくなくなる。人間って怖いな。

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    2023年05月18日
  • 鉄道小説

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    【収録作品】「犬馬と鎌ケ谷大仏」 乗代雄介/「ぼくと母の国々」 温又柔/「行かなかった遊園地と非心霊写真」 澤村伊智/「反対方向行き」 滝口悠生/「青森トラム」 能町みね子

    日本初の鉄道が新橋~横浜間に開業した1872/10/14から150年を迎えることを契機に立ち上げた「鉄道開業150年 交通新聞社 鉄道文芸プロジェクト」の一環として制作した短編集とのこと。

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    2023年05月13日
  • さえづちの眼

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    母と子をテーマにした3つの中編からなる、比嘉姉妹シリーズの最新作。

    衝撃や恐怖という意味では、シリーズ内の他の作品と比べるとやや弱めではありますが、3作とも心に残るもやもや感や、この先どうなっていくんだろうなぁという想像の余地があるところは、今までの比嘉姉妹シリーズと同様に私の好きな部分でした。
    (ホラーは完全にスッキリ解決しなくてもOK派です。笑)

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    2023年05月07日
  • ばくうどの悪夢

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    夢と妄想って何度も繰り返し見ると現実とごっちゃになって、普通に連想したけど考えたけど自分の妄想だったとわかって怖くなる。そんな小説。
    人間関係の嫌な部分を気持ち悪くなりすぎないように書くことが上手い作家が書く、ネットの関係ないと好き放題言う方々の感想と手のひら返しへの一連の流れが、ああもう…となる。
    都会への憧れも田舎への偏見もどっちにも馴染めない人間の描く自己憐憫と救済なのだと思います。

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    2023年04月08日
  • さえづちの眼

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    比嘉姉妹シリーズ本編のサイドストーリー的な感じもありつつも、 1話1話がまあまあのボリュームでどれも違う雰囲気のため、お得感がある。1話だけ比嘉姉妹関係ない?と思ってると、関わりのある人がいてなるほど。今回はそういうの仕込むのか!と驚くようなミステリ的要素が強い部分もあり、新しい一面も見える。本のタイトルにもなってるさえづちの眼は展開も意外で、こう思わせといてこう、とホラーに落とすところや琴子の存在感など、一番インパクトが大きい。

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    2023年04月02日
  • ゆびさき怪談 一四〇字の怖い話

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    百壁さんのは私には合わなかった。
    「せめてもの」と「星の声」は繋がっているのか、と思ったが作者が違うしたまたまだろうな。

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    2023年04月02日
  • などらきの首

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    比嘉姉妹シリーズ3作目。

    「ぼぎわんが、来る」や「ずうのめ人形」でチラッと語られた、真琴が今の家に住むきっかけとなったエピソードや、野崎と真琴の出会いなどの話も入ったスピンオフ的な短編集で、全編通して怖いというよりは不思議な読後感でした。

    真相がわかるとちょっとびっくり(何気なく使ってる言葉がこんな風になるんだ...という意味で)な「ゴカイノカイ」。
    読んでいるとどこか懐かしい気持ちにもなる、学校を舞台にしたジュブナイルホラーな「学校は死の匂い」。
    とにかく爽快な「居酒屋脳髄談義」。
    過去作に登場したある人物が、ここでも...な「悲鳴」。
    爽やかな読後感の「ファインダーの向こうに」。
    正統

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    2023年04月02日
  • ばくうどの悪夢

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    シリーズとして認識しながら読んだので、途中、野崎さん?あれ?真琴さん?と、混乱する。入れ子細工のように夢、夢の中のまた夢と言った具合に何が現実なのか読みながらだんだん疑心暗鬼となる。たくさん騙されました。現実が酷すぎていつまでも幸せな夢の中にいたい気持ちはわからなくもない。でも現実を選び続ける強い気持ちにジンとくる。真琴さんが目覚めることを祈ります。そして冒頭のシーンはグロかったです。

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    2023年03月17日
  • ばくうどの悪夢

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    比嘉姉妹シリーズ第六弾。
    今回の敵は夢の怪異「ばくうど」。

    凄絶な殺人と不気味な笑い声。
    序章からフルスロットルで恐怖の世界へ突き進む。

    何の疑いも持たず読み進めていくと物語中盤でシリーズの重要人物、野崎と真琴がとんでもない事に。
    シリーズを覆す程の衝撃を受ける。

    一体どういう事?
    いつのまにか自身も夢の中に取り込まれその場所で繰り広げられている事を事実と認識していた。

    夢と現実世界の境界もタイミングもばくうどに支配されている様で悔しい。

    田舎の閉塞感と友人間でのマウンティング、承認欲求を悪夢の怪異と融合させた王道ホラー。

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    2023年03月06日
  • ぜんしゅの跫

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    比嘉姉妹シリーズ第五弾。

    「鏡」「わたしの町のレイコさん」
    「鬼のうみたりければ」「赤い学生服の女子」
    「ぜんしゅの跫」
    五話収録の短編集。

    『鏡』は第一弾『ぼぎわんが、来る』の重要人物・田原秀樹が再登場。
    ぼぎわんの前日譚にあたるが、この時から既にヤな奴オーラを撒き散らしていた。

    『わたしの町のレイコさん』は学校の怪談もの。
    阿部定を思わせる展開にゾッとする。

    『鬼のうみたりければ』と『赤い学生服の女子』は王道ホラー。
    説明のつかない現象が一番恐ろしい。

    表題作は、琴子と真琴、野崎が揃い踏み。
    巨大な化け物との対決を見逃すな。

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    2023年03月04日
  • などらきの首

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    比嘉姉妹シリーズ第四弾。
    といっても本作は初の短編集。

    「ゴカイノカイ」「学校は死の匂い」
    「居酒屋脳髄談義」「悲鳴」
    「ファインダーの向こうに」「などらきの首」
    六話収録。

    前三作で描かれた、もののけとの壮絶な闘いはないけれど、真琴や美晴、野崎などお馴染みの顔ぶれが活躍する。

    特に、第72回推理作家協会賞短編部門を受賞した『学校は死の匂い』は秀逸。

    学校の隠蔽体質と、人の心に巣食う悪意、怪異が混然一体となり、読後の後味も最悪にして最高。

    表題作の『などらきの首』は終盤で一気に恐怖が押し寄せる。

    澤村ホラーを堪能出来る一冊。

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    2023年03月03日