東山彰良のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
次回の読書会課題図書。
未だ混沌の中にある1970年代後半の台湾。蒋介石の死の翌月、当時17歳だった主人公、葉秋生の祖父が殺害されたところから物語は流れだす。
なんて饒舌で壮大でちっぽけな物語なんだろう。
中国近代史を背景に感じさせながら、
葉秋生の視点から現在と過去、近未来を自在に語り、ときに壮麗なレトリックをふんだんに織り込んで400頁もの長編小説でありながら、一瞬たりとも飽きさせないエンタメ作品に仕上がっている。
これは直木賞受賞も頷ける…。
物語の軸は祖父の死の謎を追うこと、
彼の何気なくも特別な青春の日々だ。
70年代後半の、雑多で暴力的で秩序も清潔さもない、だけど根拠不明 -
Posted by ブクログ
チャプターズ書店のYouTubeで知った一冊。
2015年冬、アメリカを震撼させた連続殺人鬼”サックマン”が逮捕される。
彼の担当弁護士は、30年前の台湾でともに少年時代を過ごしていた。
私はカタカナを覚えるのが苦手で、
登場人物がを覚えきれない時があるので、
本書も不安でしたが、今回は大丈夫でした!
舞台は1984~1985年で、
ちょうど私が生まれた年だったので、
そこも含めて、こんな世界だったのかと読み進めました。
本書のほとんどは、
台湾で過ごした少年時代が描かれるのですが、
暑くて湿度が高く、
緑やアスファルトなど
不衛生なものも含めて、
独特なにおいが立ち上って来る。
今の -
Posted by ブクログ
1975年以降の台湾を舞台にした若者の青春小説であり、祖父を殺した犯人を巡るミステリでもある
以下、公式のあらすじ
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一九七五年、台北。内戦で敗れ、台湾 に渡った不死身の祖父は殺された。誰に、どんな理由で? 無軌道に過ごす十七歳の葉秋生は、自らのルーツをたどる旅に出る。台湾から日本、そしてすべての答えが待つ大陸へ。激動の歴史に刻まれた一家の流浪と決断の軌跡をダイナミックに描く一大青春小説。選考委員満場一致、「二十年に一度の傑作」(選考委員の北方謙三氏)に言わしめた直木賞受賞作。
一九七五年、台北。内戦で敗れ、台湾に渡った不死身の祖父は殺された