【感想・ネタバレ】僕が殺した人と僕を殺した人のレビュー

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Posted by ブクログ 2024年02月28日

登場人物と共に台北の路地を駆け抜けた日々からの結末に、衝撃が大きすぎて、心が揺さぶられ続け、読後は何も手につかないです。

あの瞬間の1つの発言が、1つの選択が、ちょっとしたノリが、振り返れば大きく人生に影響を与えていく衝撃。
切なくて、でも若い頃の勢いってそういうものだったりするよね。

台湾行き...続きを読むたい。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年01月30日

2015年、アメリカ。少年ばかりを狙って惨殺する連続殺人鬼<サックマン>が逮捕された。
彼の弁護を担当することになった国際弁護士の「わたし」は、30年前台湾で過ごしていた少年時代を思い出す。「わたし」は<サックマン>のことを確かに知っていた。


1984年の台湾と2015年のアメリカを舞台に、家庭...続きを読む的な不幸に振り回される少年たちの姿を描いた青春ミステリ。
解説が小川洋子さんだったので手に取った初読の作家さんの本だったのですが、とても良かったです。

1984年の台湾、当時13歳中学1年生だった3人の少年の物語。喧嘩や万引きなどをしつつも、ブレイクダンスの練習に興じ、困ったときには助け合ってきた3人の関係は、それぞれの家庭の問題によって崩れていきます。
1人は兄の死によって母親が精神を病み、1人は継父から日常的に凄惨な暴行を受け、1人は母が浮気相手と出奔したことにより家庭が崩壊し……。追い詰められた3人が選んだ選択が、結果的に後のアメリカの連続殺人事件へ繋がる事に。
ほんの13歳という子どもが選んだ選択肢を考えると、少年らしい頑なさと残酷さに眩暈がします。彼らには、周囲の大人に頼れる人間がいなかったと考えるとさらに。

「誰」が「誰」を殺し、殺されたのか。物語中盤で明らかになるシーンは淡々としていながらもパッと風景が変わるようで印象的です。

台湾での少年時代とは全く変わってしまった関係ですが、それでも少年時代の思い出は痛々しくきらめいています。死者の思い出に生者が敵わないように、死んでしまった思い出にしか放てない輝きがあるようでした。

ヘビが物語上重要なアイテムとして登場するので、物語の構成もありウロボロスを連想しました。自らの尾を食むヘビは円環となり、死と再生や永続性の象徴でもあります。物語の終末は冒頭へ還り、痛ましくも楽しかった少年時代へともどっていく……というのをイメージしているのかな、と。考えすぎかもしれませんが。

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Posted by ブクログ 2023年01月28日

流が面白かったので。流の脇役たちもところどころ登場。「おまえがおれたちを思い出さないかぎり、おれたちはおまえといっしょにいられない」で涙が出そうになった。これは誰なのか、想像しながら読むのも楽しかった。

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Posted by ブクログ 2022年10月13日

台湾が舞台の話で、聞きなれない名前や生活環境に初めは面食らいましたが、主人公の好きな日本の漫画が「AKIRA」である事に強く惹かれてw一気に読み終わりました。
連続殺人犯の現在と、子供の力ではどうにも出来ない境遇でもがく子供達の様子が上手いこと並行して進んでいきます。
ただのミステリーでなく、青春ド...続きを読むラマでなく、全部盛り

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Posted by ブクログ 2022年09月27日

一万円選書で選んでいただいた本作、この機会がなければ読むことがなかったと思うと貴重な機会をいただいたことを感謝せずにはいられません。1985年頃の台湾の雑多な雰囲気がリアルに映し出され、匂いすら感じられるほど。特に蛇の匂い、かつて香港で嗅いだ時のことがまざまざと思い出されました。作品通してとても少年...続きを読むとは思えないほどの言動が繰り広げられ、実に濃密。サックマンが誰なのか分かった時の衝撃は忘れられません。回想がオープニングに戻る構成にも唸らされます。忘れられない作品になりました。

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Posted by ブクログ 2020年11月23日

2015年、アメリカを震撼させた連続殺人鬼〈サックマン〉が逮捕された。彼の弁護を担当することになった国際弁護士の〈わたし〉は、30年前、当時13歳で台湾で少年時代を送っていたとき、後に〈サックマン〉となった少年のことを知っていた。
 1984年から1985年、当時中学生だった台湾の三人の少年の物...続きを読む語が回想される。
 彼らの住んでいたのは台湾の廣州街と言う町で、線路によって〈大陸人側〉と〈台湾人側〉に分断されていた。語り手の元少年は、〈大陸人側〉に住んでおり、線路を越えた向こう側へ行くことは大人から禁じられていた。
 兄の死、親の不仲、義父からの虐待など家庭に問題を抱えている三人の少年は、つるんで万引をしたり、ブレイクダンスの練習に明け暮れたり、タバコを吸ったりそんな青春時代を過ごし、絆を固くしていた。
 線路の向こう側へも行った。中一から中二の多感な時代、大人から禁じられている〈線路の向こう側〉へ行くことは、彼らたちにとって、怖いものを見ることであり、大人への橋を渡ることであった。そして同時に自分たちの精神や性の〈向こう側〉を知ることでもあった。
 自分達を取囲む大人のどうしようも無さを知り、また分かりあっていると思っていた自分たち親友同士の理解しあえない部分を知り、彼らは大人になっていく。彼らだけでいるときは楽しかった日々が少しずつ狂い始めていく。
 ある日、三人のうちの一人をどうしようもない家庭環境から救うため、彼らはある計画を立てるが、その時から彼らの時間は止まってしまう。
 この小説は、初めから連続殺人鬼〈サックマン〉が語り手の元少年と30年前、台湾で共に過ごした元少年だといっているので、「犯人は誰?」という謎はなく、「サックマンがどうしてサックマンになったか?」という疑問を持って読み進めるわけであるが、それでも犯人を明かされた時には、背筋を冷たいものが走った。
 〈サックマン〉がアメリカで逮捕された、2015年には三人の元少年たちは、台湾、アメリカで生活していたが1984年に台湾で過ごした時の記憶が再び三人を結びつける。
 大人になり、「あの時彼らにとって本当は一番大事だったもの」を知った元少年。大人になれないまま時間が止まった元少年。サックマンの行為は人々を震撼させるが、元少年たちだけが共有てきる青春の思い出には心温まるものがある。

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Posted by ブクログ 2020年07月28日

80年代の台湾を舞台に描かれる少年達の美しい夏。一つひとつのエピソードを丁寧に、しかし短く繋いでいくのでとても読みやすいです。
だからこそ騙されるんだけどね。もう、タイトルを読んだ時から。。。

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Posted by ブクログ 2020年06月30日

題名で気になって適当に買ったのに本当に良くていい買い物したなと思えた。

BL要素もあるけど苦手な私でも総合していい内容だなとなる作品でした

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Posted by ブクログ 2020年06月15日

なんと痛ましい。1984台湾の少年時代と2015デトロイトの連続殺人を往還するが、そこには謎の仕掛けもある。少年時代の台湾での生活の描写は、光が眩しく影が濃い。

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Posted by ブクログ 2020年05月18日

第34回織田作之助賞
第3回渡辺淳一賞
第69回読売文学賞
三冠達成と、小川洋子さんの「いたましいほどに美しい少年小説の誕生を喜びたい」という帯に魅かれて読みました。

「1984年の夏休み前後の三カ月がぼくとジェイを結びつけた。アメリカへ渡った両親においてけぼりを食ったぼくは、ジェイのおじいさんの...続きを読むかわりに布袋劇をやり、バスケットシューズを万引きし、ブレイクダンスの練習に夢中になり、ジェイにキスをされ、そのせいで殴り合い、また仲直りをした」

そして30年後の2015年冬、アメリカを震撼させた連続殺人鬼<サックマン>が逮捕されます。
彼の弁護を担当することになった国際弁護士の、2015年の「わたし」と1984年の「ぼく」の視点で、物語は交互に語られます。
「わたし」は30年前に台湾で過ごした少年時代を思い出し、なんとか子供時代の親友を助けようとしますが…。

この、なんともやんちゃ過ぎるとしかいえない4人の少年たち、ユン、アガン、ジェイ、ダーダーの物語(ミステリー)で最後に泣かされるとは、まさか思いもしない展開でした。

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Posted by ブクログ 2023年09月25日

面白かった。ストーリーも良かったけど、1984年あたりの台湾の雰囲気が知れる。毒蛇や龍山寺が出てくるあたりが特に。日本の長屋みたいな感じだったのかな。近所の家に上がり込んで勝手に冷蔵庫のもの食べるとか、信じられない距離感。

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Posted by ブクログ 2022年12月26日

東アジアのスタンドバイミー。ストーリーは痛々しいけど、人類愛というか優しい眼差しがあって、心穏やかに読み進められました。
台湾行ったことないけど、情景の描写がとにかく良くて、街の喧騒、匂い、蒸し暑さ、空の高さ、少年たちの走り回る足音などなどが活字から立ち上ってきて最高だった。

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Posted by ブクログ 2022年10月02日

初めての東山彰良さん、読みごたえがあった。
翻訳小説を読んでいるようだなと思ったら、東山さんは台湾出身の作家さんなんだね!なるほど、台湾の描写が詳細でまるで体験しているようだった。

少し昔の台湾が熱気と生暖かい風と、どこか退廃的な南国の匂いとともにやってくる。
4人の子供たちが大人の事情というのか...続きを読む身勝手さに否応なく巻き込まれ、心身ともに傷つき、危うい方向に進むことでお互いを支え合う姿が痛ましい。
少年時代特有の生き生きした感じ、そこに暴力と血と汗が絡み合うので一層残酷だった。

サックマンが誰かというところは想像と違っていて驚いた!

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年08月28日

台湾の歴史と民俗、まとわりつく湿度と臭気、大人に翻弄される少年たちの複雑な感情がリアルに感じられた。最初スタンドバイミー?ブラザーフッド?BL?と思ったがどれとも違う。アメリカで起きた猟奇犯罪、その犯人と弁護士。少年たちの関係が徐々に明かされる。

P8「おれたちはガキで、世界はガキの思い通りになん...続きを読むかならねえんだ」

P268 連続殺人鬼の殺人衝動なんて、あとから専門家たちがとってつけたものだ。こういうことに正解なんてない。正解の代わりに誰かの想いがあるだけなんだ。」「人間はいつだってその誰かの想いによってつくられる。」

P284 正義が蒸発し、勇気が砕け散ってゆく。悲しみだけがピリピリと肌を刺してくる。目の前にいるジェイは、もう僕の知っているジェイではなかった。

P289 そしてわたしは変わった。時間をかけ、ゆっくりと。ただの不良少年が我が身可愛さに、法律という名の新しい暴力にすがり付いた。豚のように肥え太っていく不安を始末するには、法律しか手立てがなかった。

P294 「まあ、すんなりいかねえ時ってのはあるもんだ」男が言った。「けど、おれにいわせりゃ、もっとうまくいってねえやつはごまんといるぜ」
「そうだと思う」
「さてと。じゃあおれは仲間んとこに戻るよ」
【中略】こんな夜に限って、世界はどこまでも優しいのだった。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年05月03日

中盤まで、少年時代の話題が長々続くなぁ…という印象があったが、現代のシーンで弁護士と殺人犯が誰なのか判明して以降は色々な点と点が線で結ばれたような感覚を覚え、一気に読破出来た。
ジェイの立場だったら、アガンの立場だったら、と色々思いを巡らせながら、読み終わった後は少し余韻が残った。

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Posted by ブクログ 2022年03月27日

殺意はどこからどう生まれたのか。
「おれたちはガキで、世界はガキの思いどおりになんかならねえんだ」
若い熱がもたらしたかにも見えたむき出しのあやうさ、荒々しさ。
そこへ息苦しさもややり場のないいらだちは、変わることなく積もってゆく。
あの時、あれから、一体何があったのか―。

人物像、空気感、特にタ...続きを読むイミングやバランスを含めたストーリーの運び方に心引かれるものがあった。
東山彰良さん、ほかの作品も読んでみたい。
4人がいとおしい。

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Posted by ブクログ 2021年10月17日

久しぶりにこの手の本読んだけど、少年小説として傑作の1つとおもう。 著者の直木賞作「流」も良かったけど。1984年の台湾と30年後のデトロイト。ミステリー要素もあって映画にありそうな話。

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Posted by ブクログ 2021年10月01日

少年犯罪って、こんな些細な事が理由だったり、絡みあったりしているのかなぁ、と考えさせられた。
凶悪犯も、実は純粋な心、幼さを共存させていたり…!?

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年03月06日

文庫で再読しました。
1984年の台湾と、2015年のアメリカ。
アメリカで連続殺人を起こした〈サックマン〉は、台湾の少年たちの誰なのか。そして弁護士も誰か。。
台湾での少年時代が鮮やかに描かれ、そしてどんどん後戻りできなくなる転落で、彼らが決定的に変わってしまったという悲しみがありました。3人(ダ...続きを読むーダーも重要だけど、だいたいユンとジェイとアガンだったな…)がとても生き生きと描かれていて切なくなります。
周りの大人たちの影響で否応なしに歪み、そんな状況をなんとか打破しようとして更に悪くなる、という悪循環がつらいです。
アガンもジェイも、ユンの弁護を依頼したり担当したりして、少年時代をきちんと終わらせていくのかなと思いました。
2度目でも泣いてしまいます。しみじみ、良かったです。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年01月02日

以下ネタバレ感想文。

ジェイが書き記した少年時代のユンとジェイとアガンのお話。
誰だって連続殺人鬼に初めから感情移入したり、共感するのは難しい。この本は「構成」を巧みに使い人間が無意識のうちに作る線引きを作らせず、読者を「サックマン」という一人の人間に向き合わせようとする話だった。

ブラッ...続きを読むクライダーより読みやすく、ユーモアある文章で『しばらく待っても地球は滅びなかったので、表に出た。』など、不貞腐れた少年の心情描写が愉快で所々くすっと笑える。
親を選べず愛されなかった力のない子供達が世界を呪うには十分でどうしようもないことばかりだったが、悪いことばかりじゃなかったと当人達が悲観的でないのがいい。
誰もが罪を犯し間違えながら生きていて、すべての人間が自分の行動に責任を取り、現実と向き合いながら生きているわけじゃない。ユン一人が悪かったわけじゃないと彼を傍で見ていた親友二人が思っていることが救いだ。

個人的にはユンはジェイやアガンが思っているようなヒーローではなく、人並みに心の弱い寂しい少年だったのではないかと思っている。
彼が本当にサックマンになったのは記憶喪失になった後ではなく、親友アガンを殺そうとしたときではないか。(ダーダーが乱入していなければ一番初めの被害者はアガンだった)
彼の殺人衝動を全て別人格のせいにしてしまうのは少し違和感がある。ジェイ視点の本だから彼の優しさや甘さ、願望があったのか。

内容は悲劇的な話だが、この作品で最後に残るものは温かくて優しい、懐かしいような情景だ。
『人生在世是瞬然(人がこの世にいるのは一瞬のこと)』は作者からサックマンへの励ましの言葉だったのかもしれない。

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Posted by ブクログ 2020年10月07日

ユン・アガン・ジェイの3人(+ダーダー)の中学時代の話がメインで、所々に現在の話が出てきながら話が進んでいく。

読み始めは、中国語の漢字の名前の読みが不明やしちょっと読みにくく、なかなか進まず挫折しかけた。
中盤くらいから面白くなり一気読み。

サックマンが誰かは予想の通り。
3人の青春時代、その...続きを読む時に起ったたくさんの出来事。3人の特別な絆を感じた。

失ったものや後悔や、取り返しのつかない事もたくさんあり、3人の関係に憧れは抱かないが、でもなんとなくその絆が羨ましく思う部分もある。

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Posted by ブクログ 2020年09月01日

アメリカで起きた連続少年殺人事件の犯人サックマンが捕まった。そこを主軸に、台湾で少年時代を過ごした少年たちの結び付きと、縛られた未来。台湾の猥雑とした雰囲気や国民性が垣間見れて面白い。エネルギッシュに生きているのに、どこか文章は淡々としていて、その静かだけど、うちにこもるエネルギーのアンバランスさが...続きを読む不安を煽る。

途中、え、あ、そうなのとビックリも仕掛けられている。ところどころヒントはあったけど、違和感すっとばしてしまった…。

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Posted by ブクログ 2020年08月14日

一万円選書サービスで選んでもらった本の中の一冊。
自分では決して選ばないであろう本。
正直言って好みのジャンルではない。
にも関わらず面白かったのだから、作者の力量の素晴らしさに感嘆します。

本の世界から流れてくるアジア特有の湿気含みの暑さに息が詰まるようで、決して楽しくて気分の良い読書体験ではな...続きを読むいです。
にも関わらず
やはり、面白かったです。

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Posted by ブクログ 2021年04月24日

何か途中で、予想した人物が違ってた。
名前が、少し分かりにくいのか、勘違い作者のミスリードが効いてるのか、最有力は、物覚えが悪いか…で、登場人物のページと読んでるページ行ったり来たり…^^;
連続殺人鬼とそれを弁護する弁護士、共に過ごした少年時代を絡めながら、進む。3人の少年時代と現在を交互に語りな...続きを読むがら…
原因は少年時代にあるんやな。確かに、家庭環境は厳しそうな…結構悪さしながらも青春って感じ。
でも、何か決める時に神頼みみたいなんやめよ!自分らで考えて!関羽さん困ってるよ!
それもこんな殺人鬼になる原因は関羽さんになるんか?(まぁ、違うけど(^^;;)
最後は、何か切ないような感じやけど。
でも犯人あんまり後悔してなさそうで…

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Posted by ブクログ 2020年11月22日

最初は、漢字が多く読みづらいと思ったが、読み終わった時はゆっくり、じっくり読んで良かったと思った。
悲しいお話だけど、最後には美しさも感じた、清涼感のある物語でした。

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Posted by ブクログ 2020年11月06日

1984年、台北で暮らす3人の少年。兄を亡くし母が病んでしまったユン、母が店の客と出奔してしまうアガン、継父に殴られてばかりのジェイ。
それぞれに家庭的不幸を抱えながらも13才の夏を過ごす3人の描写は、友情、嫉妬、鬱屈、楽観、消沈、そしてセクマイ、あらゆる日常を含んでいて、暑くて湿気た町の雰囲気もさ...続きを読むながら、あまり共感はないのだけれど、それなりに読み応えはあり。
とは言え、これだけではちょっと良い感じの青春もので終わってしまうところ、話を冒頭の連続殺人鬼の話に結びつけていくところは面白い趣向。
ただ、ミステリーとしては長すぎた前置きの感もあり、話の流れとしてはこんな方向にもっていかなくても良かったんじゃないかなという思いもあり。
まあ、こちらの結末も余情はあって悪くないのだけど、13才の自由な夏からすると、あの計画が実行されて、その後、彼らが強かに生き抜いた話のほうが読みたかった気がして、ここはもう好みの問題かと思う。
★はちょっと辛いめ、気持ちは3.5くらいの感じ。

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Posted by ブクログ 2020年09月16日

台湾で少年時代を過ごした仲間たちとアメリカの殺人鬼はどう繋がるのか、その謎を追っていく青春ミステリと出版社は言いたいのだろうか。狂気の沙汰にも感じられるような少年たちの行動と葛藤に想いを寄せることは出来なかった。わざわざ読みにくい展開にでもしたのではないかと思われる構成も私には無理。

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Posted by ブクログ 2020年06月14日

一九八四年。
わたしたちは十三歳だった。

台湾で暮らす3人の少年たち。
兄を亡くしたことで母親が鬱になってしまった少年、母親が牛肉麺屋の父親に見切りをつけて出ていってしまう少年、継父に暴力をふるわれている少年。

時は変わって2015年アメリカ。連続児童誘拐殺人事件の犯人「サックマン」の正体とは。...続きを読む

後半、弁護士が名乗るシーンでちょっとフリーズしてしまった。そうきたか。

そこからラストまでずっと切ない。
静かに運命は狂っていった。それぞれの苦しみと孤独を抱えながら。

でもやっぱりエピローグ前の1章がもう切なすぎて無理ぃぃ。ずっと1984年だったらよかった。ビッグ・ブラザー。

ブレイクダンス、ナイキのバッシュ。
牛肉麺、蛇酒。
台湾の熱気が伝わってくるような文章がよかった。

ただサックマンの苦しみの描写があまりなかったので、連続殺人とか爪剥ぎとかちょっと唐突感はあった。構成上難しいのかもしれないけど。

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Posted by ブクログ 2020年06月10日

台湾の熱気、湿度、匂いが感じられる秀作。
「スタンドバイミー」と「羊たちの沈黙」を足して2で割ったアジア版。

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Posted by ブクログ 2020年05月13日

自分のヘソとなるような青春の傷を癒やすための物語。
自分の中の因果関係ってのは
やっぱり子どもの頃に出来るものです。

因果関係を解決する、
自分で認識しているにしろしていないにしろ、
とても大変なこと、
加えて意義あることだろうなぁ。

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