あらすじ
猫好きで鳴る人気作家7人が集結。
猫の小説7編を収録する文庫オリジナルのアンソロジー登場!
巻末には「猫小説オールタイム・ベスト」紹介も。
【収録作品】
「マロンの話」湊かなえ
「エア・キャット」有栖川有栖
「泣く猫」柚月裕子
「『100万回生きたねこ』は絶望の書か」北村薫
「凶暴な気分」井上荒野
「黒い白猫」東山彰良
「三べんまわってニャンと鳴く」加納朋子
「猫と本を巡る旅 オールタイム猫小説傑作選」澤田瞳子
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
「ハッチは念入りに顔を洗ったあと、今度は熱心に右手を舐め始めた。だからきっと、明日は雨のち晴だ」
うちの猫はひとりはこの部屋の隅で丸まって寝ている。もうひとりは玄関の半開きにした網戸の外で寝転んで周りを見ている。今は。
一日中猫をさがしているような気がする。よく外に出る猫なので、顔を見ると安心する。もちろんツンデレなのでベタッとくることは滅多にない。
この本を読んで、まあ実に作家というものはいろんな話を創り上げられる人種だと感心する。
中でも加納朋子の作品が気に入った。はじめて知った作家だが何か読んでみよう。
Posted by ブクログ
ジャケットの猫の目にやられた猫アンソロジー。
短編が7作並んでいるけど、気に入ったのは柚月裕子さんの「泣く猫」だな。猫が脇でいい仕事をする。
あと、「100万回生きたねこ」が感動の書なのか、絶望の書なのかは深いテーマだ。
最後の猫小説傑作選も、また読まなきゃいけない本を増やしてくれる。
Posted by ブクログ
柚月裕子さんが入っているのと、表紙に惹かれて。
柚月さん、北村さん、井上さん、加納さんの作品が良かったのと、最後の「オールタイム猫小説傑作選」もよく、猫好きの方におすすめ。
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・マロンの話 ★★★★★
ほたんとマロンの関係がいいね!
私も猫と話したい
・エアキャット 欲しい★★★
火村先生のシリーズの短編だった!
ちょっと長めの短編かと思いきや結構短く収まってた。
内容としては、まあまあね。
・泣く猫 ★★★
普通。悪くはない!
・「100万回生きたねこ」は絶望の書か ★★★
後半が良かったわ。
特に本を読む姿勢というか読んだ感想ってのが人それぞれってところが。
・凶暴な気分 ★★★
始めは茉莉子に全く感情移入できず、むしろ嫌なやつだなーと思ってた。
ただ後半この凶暴性って誰しも内に秘めてるもんじゃないかと思った。
・黒い白猫 ★★★★
興味深いタイトル
台北が舞台で彫師たちの話
ちょっとダークな雰囲気もあり結構好きな話。
黒と白の対比もまた◎
・三べんまわってニャンと鳴く ★★★★★
むっちゃ良かったー!
初めて読む作家さんの話なので他の本も読みたい。
Posted by ブクログ
有名作家による猫アンソロジー本。
猫が主人公のアンソロジーではなく
人間がメインで猫はオマケのようです。
「『100万回生きたねこ』は絶望の書か」北村薫
を目当てに読みました。「うんうんそうだよねぇ。」と
頷いてしまいました。
他の作家さんはすべて初読みの方でした。
湊かなえさんの作品は自身の体験を
基にしたのでしょうか。興味深く読みました。
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猫に纏わる短編やエッセイを集めたアンソロジー。
豪華なメンバーと表紙の美しい猫に惹かれて手に取りました。
どれも魅力的な作品でしたが、中でも東山彰良さんの「黒い白猫」が良かった。舞台は台北という物珍しさに、ニン姐さんという気骨のある彫物師(タトゥー)が素敵。浅はかに刺青を入れたがる若者を諭すセリフに感動です。クリスティアーノ・ロナウドが好きなりました(笑)。
東山作品は一つだけ読んで苦手になって遠ざけていましたが、今後は読んでみたいと思います。アンソロジー効果ですね。
Posted by ブクログ
「猫がでてくる小説集」というだけで読んでみました。
今まで読んだことのない作家さんの作品にも触れられて「猫関係なく読んでみたい」と思える出会いもあってよかったです。
それにしても、登場する猫を速攻頭の中で3D化して触り心地や声、眼の色、肉球の具合なんかをついつい妄想してしまう…地の文を読むよりもそっちに割いた時間の方が長かったかも!?
Posted by ブクログ
どれもみんな面白かった。
北村薫びいきの私は、やはり安心して読める北村薫が一番でした。この話はまだ、単行本に入ってないですよね。
共通点は猫、ということで(だけで、かな?)筆致もストーリー展開も個性的なのだけれど、やはり、皆が名手。同じ素材で作ったフルコース料理をいただいたようで満足感でいっぱいです。
アンソロジーっていいなあ。
Posted by ブクログ
タイトルに猫とついていたら読まない訳にいかない
私もつい最近まで犬派を自称していたが、引っ越しを機に犬に加えて猫を飼いすっかり犬猫派に…
湊かなえさんの実話?のようなお話がとても共感できて良かった
巻末のオールタイム猫小説傑作選を読み、次は何を読もうかワクワクしている
Posted by ブクログ
映画「朽ちない桜」つながりで、この作品に。
短編集の中で、気に入ったのはふたつ。
・泣く猫 柚月裕子
17年音信不通であった母が死んで、真紀は母の住処に訪れる。母の同僚サオリが弔問に訪れる。
母が大切にしていた猫・マキは母のために泣いたという。
P.76
(中略) あっけらかんとした人生じゃなかったと思うよい サオリは俯いたまま、自分のことのように語る。
「男に夢中になると、ほかが見えなくなっちゃう。男と別れたあと、自分がしでかしたことを後悔する。そんときは、もう男なんかいらないって思うけど、好きなやつができ ると、また突っ走る。そして別れて悔いての繰り返し、心底、自分で自分がいやになる。 だから、悪い酒を呑む。そりゃあ身体もダメになるよね」 サオリは顔をあげると、真紀を見た。
「別にあんたに、母親を許せ、なんて 言ってるんじゃないよ。ただ、猫が泣くんだから、あんたが泣いてもおかしくないって言いたいだけ」 じゃあ、そう言って、サオリは部屋を出て行った。
真紀はしばらく、その場から動けずにいた。 やり場のない怒りと、悔しさが胸に渦巻いている。それはサオリに向けられたものではない。自分に対してだった。
テーブルの下で泣く猫を怒鳴った理由は、自分でもわかっていた。あんな母親のため に、泣きたい自分がいることに、気づきたくなかったからだ。 耳の奥で、忘れかけていた母の声がした。ひとつの布団に一緒に入り、後ろから抱き しめられたときの声だ。
「お前は優しいね。ほんとにいい子。」
その声を吹っ切るように頭を振ると、部屋に戻って窓を開けた。忍っぱい風が、頬にあたる。
下を見ると、空き地にマキがいた。前で顔を洗っている。真紀の視線に気づくと、 二階の窓を見上げながら、ひと声ないた。 マキが、ビルの隙間に姿を消す。
真紀は猫が消えた先を、見つめた。 マキが本当に泣いたのかはわからない。だが、真記の頬は濡れていた。
(後略)
猫は人の感情がわかるという。犬もそうだと思うが( 私は今は、とりあえず 犬派)。
・「黒い白猫」 東山彰良
異世界の話のようだ。強烈。
Posted by ブクログ
タイトルに「猫」が付いてると やっぱり手に取ってしまいます。
しかも 錚々たるメンバーのアンソロジー…の割にパッとしない感じがしました。
加納朋子さんが良かったかな
Posted by ブクログ
登場人物が作家やら出版関係者やらが多くて猫だけじゃなく職業のしばりもあったっけ?と思ってしまった。おそらく書きやすいんだろうけどこうも同じような職業の人がでてくるとちょっと飽きてしまうところはあったかな...。
三べんまわってニャンと鳴くが一番好みだった。アプリゲームの話からまさか主人公のあんな話が出てくるなんて。青信号渡ってたら急に車突っ込んできた!みたいな衝撃だったけど、ナナちゃんの不幸話で一気にチープになってしまった。あのまま主人公の鬱々とした気持ちを昇華してくれたら...と思うのは完全にわたしの好みです。
Posted by ブクログ
猫が大好きです。タイトルと企画の面白さに惹かれて購入しました。
「猫が見ていた」というテーマで、現代の人気作家が執筆された短編小説集です。
色々な小説家の作品を一気に読むことができたのも良かったです。
Posted by ブクログ
『猫が見ていた』
湊かなえ、有栖川有栖、柚月裕子、北村薫、井上荒野、東山彰良、加納朋子/文春文庫
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猫にまつわる短編集。
加納朋子さんの「三べんまわってニャンと鳴く」は絶望感からやけになっていても、実はちょっとしたことが周りを勇気づける力を持っていたり、描かれていないけど将来に希望を持てる話でよかった。
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Posted by ブクログ
猫がお話に出てくるとファンタジー要素が多く、非現実的に感じると思います。
ですが、ここに出てくるお話は現実とマッチしていてリアリティがあり楽しく読めました。
Posted by ブクログ
湊かなえ、有栖川有栖、柚月裕子、北村薫、井上荒野、東山彰良、加納朋子の「猫」に関する作品が味わえる短編集。
作家陣を見て面白そう!と購入しましたが・・楽しめたのは有栖川有栖と柚月裕子、井上荒野でした。
(北村薫の作は「中野のお父さん」で既読でした)
中でも柚月裕子がグッときました。この作品を読むだけでも、価値ありです!
Posted by ブクログ
今更感想を書こうとしたが、記憶が朧げ。
湊かなえさんの「マロンの話」が湊さん自身のお話のようで、ほっこりしたのと、
初めて読んだ井上荒野さんの「凶暴な気分」が、ちょっと粘液質な感じで、思っていたのと違ったなぁ…ということくらいしか覚えていない。
短編集ってすぐに感想書かないとだめだわ。
2021.2.23
Posted by ブクログ
2月22日は猫の日ということで読んでみた。これまでアンソロジーはあまり手に取ることはなかったけれど、普段読まない作家さんの作品に触れることができてよかった。
1作品あたりのページ数も少なく、隙間時間で読むことができる。
【最も好きな作品】
柚月裕子さん「泣く猫」
17年会っていない母が猫に自分と同じ名前をつけていたことを知ったときの真紀の気持ちを想うとともに、母はどのような想いでマキと呼んでいたのだろうかと思う。
マキの登場が真紀の感情を引き出し、自覚させるきっかけになったのではないか。
【最も印象に残ったフレーズ】
北村薫さん「『100万回生きたねこ』は絶望の書か」
「本の読み方にひとつの正解はない。『100万回生きたねこ』を読んで素直に感動するのは正しい。……しかし《絶望の書》だと感じてしまう者を、ただ、ひねくれてるとはいえないんじゃないかな」
Posted by ブクログ
猫好きにはたまらない、猫ばかりが出てくる話。
猫にほだされた家主、お馴染みの准教授
母親になれない母親を持った子供
100万回~の絵本について
飼ってはいけないマンションで猫を飼う女を見た女
猫に刺青を彫る男の女、アプリにはまっている男。
なかなか色々だな、と思いましたけど
会社の人の台詞に共感するのは最後の話。
消えてなくなるし、そこに金をつぎ込んで満足するのは
確かに分かるのですが…触れないものですし。
でも、主人公の気持ちは分かります。
Posted by ブクログ
いろんな猫の話があって面白かった。
1番心に残ってるのは、「100万回生きた猫は絶望の書か」という話だ。物語の読み取り方は人それぞれだなと改めて感じた。
短編集で読みやすかった。
Posted by ブクログ
啓文堂文庫大賞で見て。
猫に魅かれて読んだが、面白くなかった。
稀代の女流作家たちだから、面白さがわからなかった、と言うべきか。
短すぎるのかもしれない。
「三べんまわってニャンと鳴く」かな、一番面白かったのは。
Posted by ブクログ
猫と小説はナイスな組み合わせですね。
ミステリアスな空気の中に、どこかほっこりする要素があって楽しめました。
どのお話も前向きなラストでよかったです。
猫好きにはたまらない1冊!
Posted by ブクログ
作家さんが猫にまつわるお話を書いたものを集めた短編集。
切り口がそれぞれの作家さんによって全く違っていたのが面白かった。
猫を飼っていないあたしでもこんなに楽しめたのだから猫好きであったり、実際に飼われているひとにはたまらないだろう。
新しい作家さん発掘も兼ねていたけれど
どうかなぁ。短すぎてよくわからなかったのが残念。
Posted by ブクログ
作家の家の庭に住みついた野良猫。同じマンションの住人の猫を密かに飼う女…。現代を代表する人気作家たちが愛をこめて贈る猫の小説、全7篇を収録。
タイトルから「犯行現場を猫が目撃していた」的な短編推理小説集かと思っていたけれどまったく違った。人気作家たちの短編のうち猫絡み(濃淡あり)を集めただけだった。
(Ⅽ)