東山彰良のレビュー一覧
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今年の初めに初めて台湾を訪れて、台北市内を観光した。その名残もあったのか、普段はあまり手に取らない台湾に関連したジャンルの本を手に取ってみたのだと思う。最初の方はストーリーに入っていけず、人物名が少々覚えづらくもどかしかったところがある。しかし、ゴキブリや幽霊などの馴染みのある表現に助けられて、大陸と袂を分った台湾の空気感を表現する本作品を一気に読み切ることができた。台湾はスピリチュアルを感じる国だと思う。どこか昭和レトロで、で同時に最先端の技術を併せ持つこの国は興味深い。本来台湾に住んでいた台湾人が、国民党に対して抱く感情を理解するのに役立つ一冊であったと感じる。実際に国民党が国家樹立後に、
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いわた書店の1万円選書でチョイスされた本。
端的に言うと、連続殺人鬼・サックマンは誰なのかを軸にしつつ、台北の廣州街に住む3人の少年たちが、ままならない人生に痛めつけられながらも友情を育み、そして壊れていくさまを描いた物語。
ただ、登場人物たちの関係はやや複雑で、友情だけでは言い表せない複雑な感情がにじんでいて、終盤に向かうほど、できごとの意味が変わって見えてくる構成がみごと。なかでも、最後に近い場面で交わされるやり取りは、失われた時間への痛みと、なお残るつながりの温かさが感じられて、とても胸に残りました。
いろいろと分かってくるp296以降まではやや前置きが長く退屈に感じるかも知れませ -
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最も印象に残ったのは、戦後台湾の社会が生き生きと描かれていること。
主人公・葉秋生の青春とミステリーが物語の軸になっているが、それ以上に、戦後の激動する台湾の空気そのものが大きな魅力だ。
日本統治の記憶、中国大陸との関係、国民党政権の影響など、あまり知らなかった台湾の歴史が興味深かった。台湾の人々が日本をどのように見ていたのかが具体的に描かれ、新鮮な発見も多かった。
登場人物たちは皆どこか不器用で、人間味にあふれている。ユーモアと哀しみが入り交じる語り口も心地よく、読み進めるほど物語の世界に引き込まれた。歴史小説、青春小説、ミステリーの面白さを併せ持った作品であり、台湾という土地と人々への理解 -
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1975年、蒋介石が亡くなった1ヶ月後、祖父の葉尊麟が殺された。祖父は迪化街で布屋をやっていた。祖父は手足を縛られて浴槽に沈んでいた。
新学校にいた秋生は替え玉受験に手を貸したため退学させられ、急遽別の高校に入る。
大学受験に本腰を入れ始めた頃、女の子の幽霊をみる。その後助けてという幻聴を聞くようになる。幽霊を見かけた場所に行って見たら、秋生は暴れ出し、そして白骨を見つけた。
受験に失敗して、陸軍軍官学校に入ったが半年で辞めてしまった。家から追い出された。最終的には頭を下げて家に戻る。大学を再受験するつもりだったが、ヤクザを敵に回してしまい、兵役に行くことになった。 -
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台湾での子供時代がいきいきと語られていて、その分つらい。面白かった。
アガンのお母さんは働かない夫アホンを横目に見ながら、アガンとダーダー、そして隣のうちの子である私ユンの面倒を見てくれていたが、夫に見切りをつけて離婚することにした。アホンの弁護士はユンの父だったが、アホンの素行が悪すぎてどうにもならない。
アホンは床屋の奥さんに言い寄っていたが、床屋さんにとっちめられる。兄を亡くした母は過干渉になった。ユンは家から出るのがとても大変に。ジェイは継父に殴られて入院した。ユンはジェイの継父を毒蛇で殺すことにした。しかし間違って毒蛇が殺したのはアガンの父のアホンだった。
サックマンと呼ばれる -
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素晴らしい! 素晴らしすぎる!
上巻の家族の大河ドラマから、一転、主人公の地獄巡りから、地上に死魂の溢れ出す幻想的な物語に。一気にエンタメ小説に転じる。なのに、読みながら何度涙したことか。まず、文章がいい。少し古風な地の文の味わいといい、登場人物の台詞や独白の口調といい、実に手練れ。そして返魂、返魂鬼というアイデア、おもしろすぎる! それにしても雨龍の性根の、魂の、なんともまっすぐなことよ! そして物語の行き着く先。エンタメでありながら、途轍もなく透徹した深い洞察に至る。果たして自分、ちゃんとこの物語に込められたメッセージをつかみ取れたのか。これは再読三読しなければならない。
東山彰良、最も -
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第13回山中賞の作品ということで、読んでみました。
拾い子の佟雨龍が養父によって愛情深く育てられ成長します。上巻では村幹部を殺した罪で銃殺されるまでが描かれていますが、下巻では佟雨龍がこの世に舞い戻って三毒を討伐する物語になるとのことです。三毒の象徴みたいな悪役の田冲は殺されたので、どんな冒険になるのでしょうか。
上巻では佟継漢の生い立ちから、家族の貧しくも明るい暮らしを「革命的再生産」などのエピソードを交えてコミカルに描いています。犬の皮蛋や、養母や姉、ライバルの大宝・小宝など生き生きとしたキャラクターたちが登場し、テンポよく楽しく読み進められました。たくましい李平は特に印象に残った登場 -
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三代にわたる大河小説みたいな物語になっているが、ミステリ小説の緊張感や時に出てくるユーモア、それから狐火のような神秘的な要素をもうまく織り交ぜていて最後まで興味津々であった。登場人物と事件をリアルに作り上げる筆力がすごいと感じた。
台湾という国の近代史を表面的にしか知らなかったが、そこに住む人の目で描き上げた面々がとても面白かった。直面してきた社会現象が我々と似ていながらもそれらを消化していく方式が違っている気もした:理念の対立、同族戦争、離散家族、独裁体制、軍隊文化、それから教育現場の様子。
虐殺の歴史と向き合って和解を図るとの物語から、時間の威力がどんなにすごいのか再び感じさせられた。