東山彰良のレビュー一覧

  • 流

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    今年の初めに初めて台湾を訪れて、台北市内を観光した。その名残もあったのか、普段はあまり手に取らない台湾に関連したジャンルの本を手に取ってみたのだと思う。最初の方はストーリーに入っていけず、人物名が少々覚えづらくもどかしかったところがある。しかし、ゴキブリや幽霊などの馴染みのある表現に助けられて、大陸と袂を分った台湾の空気感を表現する本作品を一気に読み切ることができた。台湾はスピリチュアルを感じる国だと思う。どこか昭和レトロで、で同時に最先端の技術を併せ持つこの国は興味深い。本来台湾に住んでいた台湾人が、国民党に対して抱く感情を理解するのに役立つ一冊であったと感じる。実際に国民党が国家樹立後に、

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    2026年06月18日
  • ママがロックンロールしてたころ

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    「主人公の男の子と十年間音信不通だったお母さん(末期がん)が、サイドカーで旅をするロードノベル」かと思いきや、悩めるギター小僧の雌伏と再生を描く物語。
    東山彰良は、ロックンロールを文字化させたら当代随一!!

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    2026年06月16日
  • 僕が殺した人と僕を殺した人

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    いわた書店の1万円選書でチョイスされた本。

    端的に言うと、連続殺人鬼・サックマンは誰なのかを軸にしつつ、台北の廣州街に住む3人の少年たちが、ままならない人生に痛めつけられながらも友情を育み、そして壊れていくさまを描いた物語。

    ただ、登場人物たちの関係はやや複雑で、友情だけでは言い表せない複雑な感情がにじんでいて、終盤に向かうほど、できごとの意味が変わって見えてくる構成がみごと。なかでも、最後に近い場面で交わされるやり取りは、失われた時間への痛みと、なお残るつながりの温かさが感じられて、とても胸に残りました。

    いろいろと分かってくるp296以降まではやや前置きが長く退屈に感じるかも知れませ

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    2026年06月07日
  • 流

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    最も印象に残ったのは、戦後台湾の社会が生き生きと描かれていること。
    主人公・葉秋生の青春とミステリーが物語の軸になっているが、それ以上に、戦後の激動する台湾の空気そのものが大きな魅力だ。
    日本統治の記憶、中国大陸との関係、国民党政権の影響など、あまり知らなかった台湾の歴史が興味深かった。台湾の人々が日本をどのように見ていたのかが具体的に描かれ、新鮮な発見も多かった。
    登場人物たちは皆どこか不器用で、人間味にあふれている。ユーモアと哀しみが入り交じる語り口も心地よく、読み進めるほど物語の世界に引き込まれた。歴史小説、青春小説、ミステリーの面白さを併せ持った作品であり、台湾という土地と人々への理解

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    2026年06月03日
  • 三毒狩り(下)

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    いやぁ、面白かった!なんというスケール感。魅力的な登場人物。平平姐さん、皮蛋、和尚さん、みんなみんな好き。

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    2026年05月28日
  • 流

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    1975年、蒋介石が亡くなった1ヶ月後、祖父の葉尊麟が殺された。祖父は迪化街で布屋をやっていた。祖父は手足を縛られて浴槽に沈んでいた。

    新学校にいた秋生は替え玉受験に手を貸したため退学させられ、急遽別の高校に入る。

    大学受験に本腰を入れ始めた頃、女の子の幽霊をみる。その後助けてという幻聴を聞くようになる。幽霊を見かけた場所に行って見たら、秋生は暴れ出し、そして白骨を見つけた。

    受験に失敗して、陸軍軍官学校に入ったが半年で辞めてしまった。家から追い出された。最終的には頭を下げて家に戻る。大学を再受験するつもりだったが、ヤクザを敵に回してしまい、兵役に行くことになった。

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    2026年05月27日
  • 僕が殺した人と僕を殺した人

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    台湾での子供時代がいきいきと語られていて、その分つらい。面白かった。

    アガンのお母さんは働かない夫アホンを横目に見ながら、アガンとダーダー、そして隣のうちの子である私ユンの面倒を見てくれていたが、夫に見切りをつけて離婚することにした。アホンの弁護士はユンの父だったが、アホンの素行が悪すぎてどうにもならない。

    アホンは床屋の奥さんに言い寄っていたが、床屋さんにとっちめられる。兄を亡くした母は過干渉になった。ユンは家から出るのがとても大変に。ジェイは継父に殴られて入院した。ユンはジェイの継父を毒蛇で殺すことにした。しかし間違って毒蛇が殺したのはアガンの父のアホンだった。

    サックマンと呼ばれる

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    2026年05月22日
  • 流

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     小さい頃、親戚のヨボヨボのおじさんから聞かされた荒唐無稽な話を、超高解像度で頭にぶち込んでくるお話。
     蒋介石が死んだ直後の混沌とした台湾の中、殺された祖父のことを色々と考えつつも、主人公が青春を送るというのが本筋だが、そこで登場する登場人物たちも一癖も二癖もある者が多く、面白かった。無秩序の中で元気いっぱいに彼らがもがき続ける様は、共感せずにはいられなかった。

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    2026年05月13日
  • NARUTO―ナルト― ド純情忍伝

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    気が抜けちゃうようなラストだったけど
    自来也自身の経験を文章に練り込んでいて
    “自来也が書いた小説“という設定も
    感じられる先生らしい作品だった( ¨̮ )

    しかし先生は色っぽい表現がお上手なので
    やはりイチャイチャシリーズのほうが
    売れる理由がよくわかります...

    5月のおはなしだったからちょうどよく
    きょう読めてよかったかも( ¨̮ )

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    2026年05月03日
  • 僕が殺した人と僕を殺した人

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    置かれた境遇は共感できないものの、子供の頃の、結果とか恐怖の想像が及ばない未熟さ、だからこそ無敵でいられるあのキラキラが眩しい。
    その時々の後悔が登場人物それぞれにある。
    幼少期の短い青春、時代や環境の残酷さ、どうしても逃れられなかった運命が淡々と押し寄せてくる。
    人物、事件、時代、国、色々焦点を変えて見られて良かった。

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    2026年03月06日
  • 流

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    台湾出身の作家、東山彰良氏の直木賞受賞作。70年代から80年代の台湾を舞台とした青春小説であり、同時に家族小説でもある。中国語の人物名が多く、慣れるまでに少し時間はかかったが、いったん馴染んでくると、独特でありながら温かみのある主人公周辺の人間関係がすっと入ってきた。また、現代の先進的な台湾のイメージが強い身としては、民主化前の戒厳令下、国共内戦からさほど時間の経っていない台湾を追体験できた点も非常に興味深かった。

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    2025年12月27日
  • 流

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    読んでいると、実話かなと思ってしまう(実際途中までは実話だと思い込んでしまっていた)ほど、描写がリアルで想像しやすいです。
    内容もめちゃくちゃ面白い。
    もしかしたら男性の方がハマるかもしれないです。
    ただ、名前が台湾語読みなので、覚えるのが困難です 笑

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    2025年12月06日
  • 三毒狩り(下)

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    素晴らしい! 素晴らしすぎる! 
    上巻の家族の大河ドラマから、一転、主人公の地獄巡りから、地上に死魂の溢れ出す幻想的な物語に。一気にエンタメ小説に転じる。なのに、読みながら何度涙したことか。まず、文章がいい。少し古風な地の文の味わいといい、登場人物の台詞や独白の口調といい、実に手練れ。そして返魂、返魂鬼というアイデア、おもしろすぎる! それにしても雨龍の性根の、魂の、なんともまっすぐなことよ! そして物語の行き着く先。エンタメでありながら、途轍もなく透徹した深い洞察に至る。果たして自分、ちゃんとこの物語に込められたメッセージをつかみ取れたのか。これは再読三読しなければならない。
    東山彰良、最も

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    2025年12月04日
  • 流

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    気力をめっちゃ感じた。

    幼い頃の経験や体験、その記憶が今の人生に力として流れ込んでいることを実感した。

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    2025年09月30日
  • 三毒狩り(上)

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    第13回山中賞の作品ということで、読んでみました。

    拾い子の佟雨龍が養父によって愛情深く育てられ成長します。上巻では村幹部を殺した罪で銃殺されるまでが描かれていますが、下巻では佟雨龍がこの世に舞い戻って三毒を討伐する物語になるとのことです。三毒の象徴みたいな悪役の田冲は殺されたので、どんな冒険になるのでしょうか。

    上巻では佟継漢の生い立ちから、家族の貧しくも明るい暮らしを「革命的再生産」などのエピソードを交えてコミカルに描いています。犬の皮蛋や、養母や姉、ライバルの大宝・小宝など生き生きとしたキャラクターたちが登場し、テンポよく楽しく読み進められました。たくましい李平は特に印象に残った登場

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    2025年09月24日
  • 僕が殺した人と僕を殺した人

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    再読。ああ、もう、ほんとうに、はあ…。はじめて読んだときに傑作だと思ったけれど、今読んでもやっぱり傑作だと思った。まぶしくて、うつくしくて、幼くて、無力で、ゆるぎない。連続殺人鬼も、弁護士の「わたし」も、30年前の少年時代も、ぜんぶがしっかりと結びついて、最後の一文にたどり着く。あの最後の一文のセンスがわたしはだいすきで撃ち抜かれるんだよ〜…。台湾の温度が感じられるような描写も圧倒的。ため息ついちまう。

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    2025年09月21日
  • 三毒狩り(上)

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    いや、良い!!こういう大人の御伽話は好きです。更に東山さんの書く大法螺がまた面白い。ラストが少々せせこましかったですが

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    2025年09月09日
  • 流

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    三代にわたる大河小説みたいな物語になっているが、ミステリ小説の緊張感や時に出てくるユーモア、それから狐火のような神秘的な要素をもうまく織り交ぜていて最後まで興味津々であった。登場人物と事件をリアルに作り上げる筆力がすごいと感じた。

    台湾という国の近代史を表面的にしか知らなかったが、そこに住む人の目で描き上げた面々がとても面白かった。直面してきた社会現象が我々と似ていながらもそれらを消化していく方式が違っている気もした:理念の対立、同族戦争、離散家族、独裁体制、軍隊文化、それから教育現場の様子。

    虐殺の歴史と向き合って和解を図るとの物語から、時間の威力がどんなにすごいのか再び感じさせられた。

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    2025年09月01日
  • 小さな場所

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    親や友達とは別の斜めの関係として、彫り師達とのやり取りが、微笑ましい。そんな関係も、主人公の成長と共に変化し、終わりを告げる。永劫不変なんてものはない。それでも、心の中に、入れ墨のようにハッキリと残る。

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    2025年06月29日
  • 僕が殺した人と僕を殺した人

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    冒頭や途中で挟まれる連続殺人鬼の話により、輝かしい子供時代の友達とのエピソードも常に背景が暗雲たちこめるような不穏な予感に包まれながら読むことになる。それが、ユン、アガン、ジェイそれぞれの子供の力ではどうにもならない不幸な家庭環境等によるものだけではない。そして、このうちの誰かが殺人鬼になるの?と疑心暗鬼な気持ちとそうだとしたらやるせない気持ちになり、とにかく淡々と読んでいるのにドキドキしているような感じだった。
    スタンドバイミー を思い出した。ただ、それ以上の不穏さが終始つきまとっていた。なんだかずっと心に残りそうな話だった。

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    2025年03月15日