【感想・ネタバレ】三毒狩り(下)のレビュー

あらすじ

青年は、"あの男"と三毒を追って冥土から蘇った!
地獄をも巻き込んだ佟雨龍の空前絶後の"生涯"はいよいよ結末へ――。

「三毒の克星(天敵)は、死心(あきらめ)じゃとおれは思う」
養父母を失ったうえ、姉すらも守ることができず、悔悟と激しい怒りに苛まれる青年・佟雨龍。とうとう、その元凶である村の青年幹部・田冲に復讐し、自らも殺人の咎で銃殺刑に処される......。ところが、ようやくたどり着いた冥土で、ひょんなことから功績が認められ、ある条件と引き換えに、再び"この世"に舞い戻ることを許される。その条件とは、人間界に逃げ出した三毒の討伐だった――。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

素晴らしい! 素晴らしすぎる! 
上巻の家族の大河ドラマから、一転、主人公の地獄巡りから、地上に死魂の溢れ出す幻想的な物語に。一気にエンタメ小説に転じる。なのに、読みながら何度涙したことか。まず、文章がいい。少し古風な地の文の味わいといい、登場人物の台詞や独白の口調といい、実に手練れ。そして返魂、返魂鬼というアイデア、おもしろすぎる! それにしても雨龍の性根の、魂の、なんともまっすぐなことよ! そして物語の行き着く先。エンタメでありながら、途轍もなく透徹した深い洞察に至る。果たして自分、ちゃんとこの物語に込められたメッセージをつかみ取れたのか。これは再読三読しなければならない。
東山彰良、最も好きな作家のひとりになった。

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2025年12月04日

Posted by ブクログ

佟雨龍が地獄に行って、人の世に逃げ込んだ三毒を連れ戻すために鬼になって舞い戻ってきます。地獄でケルベロスになった親友・皮蛋と別れたのは残念ですが、人世では小皮蛋が佟雨龍の妹分として活躍します。

エンタメ作品としてはちょっと冗長というかよく言えば盛りだくさんでしたが、何とか読み終えました。小皮蛋の妹子が佟雨龍に「どこにも行かんで」とすがりつくシーンがいじらしく印象的でした。というか佟雨龍は一人で抱え込み過ぎなのが焦ったい。

あきらめるのも大事、あきらめないのも大事。佟雨龍や李平はその間で気持ちが揺れていました。どうしようもないことは潔く諦めるたほうがいいに決まっていますが、諦めきれずにもがく姿に人々は心を動かされるのだと感じました。

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2025年10月08日

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