東山彰良のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
今年とある書店さんの周年フェアでご縁があり手にした作品、その②。
詳しくは書けないのですが、作家さんたちがあるテーマに沿って選書された作品です。
1984年、台湾で4人の少年たちは友情を育んでいた。三十年後、人生の歯車は彼らを大きく変える。
本書を読んで分かったことなのですが、私はカタカナの名前より、中国・台湾系の名前の方が苦手みたいです。
作家さんたちには申し訳ないけれど、日本人の難しくて読めない名前は、自分で適当に呼び名をつけて読んでいることもあるのですが(笑)
中国・台湾系の名前の漢字って難しくて、適当に呼び名もつけれないし、本書に出てくる人物たちはあだ名がカタカナなので、一体誰が誰を指すのか、把握するのにめちゃくちゃ苦戦した(。•́•̀。)
いつの時代も、子どもたちが辛い思いをするのは大人の都合。
都合の積み重ねの結果として、子どもたちが背負わなくていいはずの痛みを背負わされる様は、読んでいて胸が痛かった。
厳しい環境に置かれながらも、時には悪さをしながら、日々を懸命に生きていく少年たちの姿が健気で、眩しく感じられた。
ミステリ部分の真相が分かった時は驚いた。
しっかりミスリードされていて、全然気付かなかった…!
ミステリだけど、謎が解けてスッキリ!という作品ではなかった。
誰かが完全に悪いわけでも、完全に正しいわけでもなく、結局いちばん弱い立場の子どもたちが、取り返しのつかないものを背負わされてしまったのかな。
重たい物語だったけれど、終盤には救いがあったことがよかった。
1章ラストと最後の文章も印象的だった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ著者の作風としては珍しい、ダークファンタジー。
日経新聞で取材記事を読んで興味を持った。
「新型コロナウイルス禍に続き、ロシアによるウクライナ軍事侵攻。現実が想像を超えたような状況に、僕自身、エンターテインメントに没頭できなかった。しかし、そんな時期だからこそ、いつか真正面から向き合いたいと思っていた戦争を取り上げ、ちゃんとしたエンタメ小説を書きたいと考えました」
邪行師という死者をよみがえらせる呪術を使う主人公の一族。
架空の国家ベラシア連邦と、その共和国のルガレとの間の独立戦争。どことなく、著者が言う、“現実が想像を超えた”とある事象を想起させる。
その点でも興味深く読むことができた。
独裁者の支配に抵抗を示す反乱軍、暗躍する殺戮集団、三つ巴とも言える複雑な対立構造の中に、ビビウたち邪行師たちも、否が応でも巻き込まれていく。
主人公ビビウと、ベラシアの軍人ケーリン・バイが戦場で出会い交わす会話に以下の言葉ある。
「正しい戦争なんてない」ビビウは言った。「でも間違っていることを正すためには、自分も同じくらい間違わなくては太刀打ちできないこともあると思います」
「人の業ってやつか。だとしたら、ベラシアが戦争に明け暮れてきたのも理解してもらえるはずだ。むかしの戦争に勝ったやつらが決めたルールに納得がいなかいなら、おれたちだって声をあげるしかない。さもなければ、世界はおれたちの頭を踏んずけている臭い足をどけてくれない」
前段のビビウの言葉は、中盤でも再度繰り返される。著者の思いの籠った一文のようだ。
一見、ロシア・ウクライナ戦争を題材にフィクションとして物語を構築してはいるが、根本のところで、現状の、このキナクサイ世の中を作っているのは、ケーリン・バイの言うところの、「むかしの戦争に勝ったやつらが決めたルール」の存在であり、それを作っているのは、80年近く前の戦争に勝利を収めた一部の列国による陰に日向にの支配に他ならない。
そんなことにも思いを馳せながら読むことができる。
それを、邪行術といった、死体を蘇らせて動かすチープなギミックと、日本のアニメ好きのビビウの伯父ワンダ・ニエのユーモラスな言動を交え、重くなり過ぎないように描く。
ライトノベルを書いていたこともあるという著者。その頃の経験も生きているのだろう。 -
Posted by ブクログ
独裁者が治めるベラシア連邦という架空の国を舞台にして、死者を歩かせる能力を持ついわゆるネクロマンサー的な邪行師のお話。
こういうサイエンスでないフィクション話はかなり好み・・と思って読み始めたんですが。んー・・・もちろん話の核には邪行師がいるんですけど、全体的な印象としてはベラシア連邦の反乱軍と政府軍の戦いみたいな感じが強くて。あくまでその内戦のお話に邪行師がエッセンス的な役割になってしまっているだけに感じてしまった。魅力的な題材なだけになんかちょっともったいないというか残念というか。
一番物語が大きく動くテロ行為について邪行師の能力が深くかかわっているとはいえその部分が代替できれば普通の戦記物でしかなくなっちゃう? -
Posted by ブクログ
こ、これは!東山彰良が描くアンドロイドのエクソシストとその相棒の悪魔の本の物語、って聞くともう胸熱でしかないんだけど、なんでだろうちっとも面白くなかった。マニュピレイテッドって設定も面白いけど、まず主人公のユマに感情がない時点で感情移入ができない。相棒でもありマスコットでもあるアグリはめちゃくちゃいい味出してるんだけどな。それとストーリーの展開がそんなに面白くなく盛り上がらないし、悪魔とのバトルの描写がなんか面白くないの。スタイリッシュな設定でかっこいいスポーツカーも出てくるし、テクノロジーもちゃんと考察されててディープラーニングとかも出てくるし、ロボット三原則の第一原則とかもバッチリ出てくるし、面白い要素しかなさそうなのにな?機械に魂は宿るのか、って言うテーマもいいのにね。なんだかとても残念な内容だった。東山彰良はこういうのには向いていないのでは?