社会問題作品一覧

  • 日本の特別地域 特別編集49 これでいいのか 静岡県 浜松市(電子版)
    4.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 本書は静岡県浜松市民の「本当の姿」に挑戦した一冊である。 浜松市は度重なる合併を経て2005年、11市町村を版図に加える超広域合併を見事に実現、県内最大の80万都市として再出発をした。 そんな浜松の代名詞は、徳川家康から連綿と続く、立身出世に燃える野心の精神といえる。 時代に翻弄される家康本人が「今に見ていろ」と雌伏の時を経て、大きな野望をつかみ取る礎としたのがこの地であり、浜松城からはその後、5人もの城主が江戸幕府の老中へと上り詰めた。 浜松城をして、出世城の異名を取るのも納得である。 一方で、東京と名古屋の中間地点に当たる宿場町として古くから栄えた浜松は、文字どおり地の利を生かし、あるいは温暖な気候を武器にして発展していった。 第二次世界大戦時の浜松大空襲という大打撃さえはねのけて、昭和以降、織物業をルーツとする工業の街として大発展を遂げる。 江戸までの政治から工業へと大きく舵は切られたが、「負けてたまるか」という「やらまいか精神」は同様で、この浜松魂を力に成就させてきた。 しかし現代、全国的な交通網の整備、世界基準のグローバルなもの作りが求められている中、工業立国・浜松の向かう先には何があるのか。 長引く不況に立身出世も容易ではない。 出世・野心で版図を広げ、もの作りの実力を世界に知らしめてきた浜松市は、今、どこへ向かっているのか。 取材やデータを元に本書が解き明かす。
  • 日本の特別地域 特別編集48 これでいいのか 東京都 世田谷区 第2弾(電子版)
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 当シリーズでは以前に1度、世田谷区を扱っており、今回はその第2弾である。 前作では、まず世田谷の高級イメージをぶち壊すところから始め、そこから世田谷の現実と真の姿を見出そうとした。 その試みは成功したと自負しているが、前作から約4年、相も変わらず世田谷は「高級幻想」に苛まれている。 世田谷の高級幻想とは何か? 多くの芸能人や金持ちが実際に住んでいる世田谷は、高級住宅地、セレブタウンとして認知されている。 さらに今、下北沢や三軒茶屋、二子玉川といった人気タウンを筆頭に、区内の多くの駅とその周辺が再開発で変貌を遂げつつあり、世田谷という街の「パッケージ」は洗練度を増している。 だが、そうした「かたち」にこだわっているのは得てして余所者。 彼らが世田谷に住んだ、あるいは住みたいという背景には、自己顕示欲の充足という意図が多分にある。 彼らが世田谷に求めるのは「ステータス」であり、「一流」の看板。 とはいえ、単に世田谷に住んだからって一流ではない。 高級幻想を抱きつつ世田谷へ住み、一流だと勘違いした者たちは、成り上がり精神全開で、小ずるく狡猾に世田谷ライフを謳歌しているのだ。 もともと農村地帯だったのに、やがてハイソと呼ばれるようになった世田谷は、そもそもが成り上がりの街ではある。 だが、ハイソ(一流)な部分はあっても、いい感じに田舎臭くて自然体なのが世田谷の美点である。 世田谷とは本来、一流でも二流でもなく“1.5流”ぐらいがしっくりくる街。 そんな「中の上」を地で行く世田谷民こそ、「世田谷の正統派」といえるだろう。 本書では、冒頭に書いた前作のテーマを引き継ぎつつ、現在の世田谷の問題点を取り上げ、さらに区内にうごめく新旧世田谷民の実態に迫ってみた。 知っているようで知らなかった世田谷がここにはある!
  • 日本の特別地域 特別編集47 これでいいのか 兵庫県 神戸市(電子版)
    3.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 「オシャレ」「エキゾチック」「夜景がきれい」「行きかう女の子がかわいい」、 神戸という街を擬人化したらさぞがしモテることだろう。 実際に神戸は国内有数の観光地である一方、イメージで語られるほど素晴らしい街ではないことは、この街に暮らす読者諸兄が最も痛切に感じている。 確かに、高度成長期のころには株式会社神戸市とも称され、ポートアイランドや六甲アイランドの造成事業など、斬新なチャレンジで世の中の注目を集めてきた。 ただ、いま神戸市のあちこちから聞こえてくるのは景気の悪い話ばかりである。 ガラガラの観覧車が寂しく回るハーバーランド、ゴーストタウンのような一画もあるポートアイランド、そしてガールズバーのケバいおネエちゃんばかりがハバを利かせ、飲食店は閑古鳥が鳴く三宮の歓楽街――。 ただ、街に人がいないのも、産業に元気がないから当然ではある。 かつては国際貿易の拠点として港が存在感を発揮し、のちには鉄鋼や造船といった重工業が街の活気を生み出してきたが、いまや起爆剤となる存在すら見当たらない。 せっかくスパコンを作っても「2位ではダメなんですか?」とケチがつけられた途端、本当に2位に落ちてしまう始末である。 神戸を愛するからこそ、いまこのタイミングで声を大にして「これでいいのか神戸市!」と言わせてもらいたい。 街を包む閉塞感は今に始まったことではなく、阪神・淡路大震災以来ずっと続いてきたものであることは百も承知。 ただ、すべてを震災のせいにして立ち止まってきた時間がいささか長すぎはしないだろうか? 本書では地域性、行政、気質などさまざまな見地から神戸市が抱えるタブーや問題点に鋭いツッコミを入れつつ、神戸の街を紐解いていきたい。
  • 日本の特別地域 特別編集46 これでいいのか 茨城県 第2弾(電子版)
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 前作「これでいいのか茨城県」では、茨城の本質を暴くことに加え、東日本大震災をターニングポイントとした茨城の変化や将来への道筋をいろいろと探ってみた。 その前作の発売から2年あまり。 今の茨城はどうなってるの? 現地を訪れてみると、被災地の復旧はまだまだ道半ばだが、茨城県民の生活はすでに通常通りに戻っている。 と同時に、復興へと盲目的に突っ走っている状態では分からなかった地域の問題点がハッキリと見え出し、その「ごじゃっぺ」ぶりに対して、かなり「いじやけて」いたのだ。 地域格差を要因とした南北問題。 市町村合併後の住民間の歪み。 新旧住民のバトル。新たな市町村合併の模索。 自治体同士のいがみ合いなどなど――。 県内にはさまざまな問題が山積し、それらに対しての怒りが満ち溢れていた。 しかも、相変わらず自己中心的な考えが横行しているから、県内はどうにもこうにもグチャグチャな状態。 もともと茨城は県としてのまとまりが非常に悪いけれども、前作で震災を契機にひとつにまとまるんじゃないかと思ったのは、いささか浅はかな考えだったのだろうか? とはいえ、「怒り」というファクターは決して悪いものではない。 震災で沈んでいた茨城県民に元気が出てきた証拠でもある。 それならいっそ元気なうちに、思いっ切りキレるだけキレてみればいい。 怒りを内に溜め込むことなく腹を割り、全部吐き出してお互いがスッキリすれば、解決策だって見えてくるかもしれない。 茨城県第2弾では、そんな「キレる茨城」をテーマに筆を執ってみた。 本書を読んで、おそらく相当数の茨城県民が「いじやける」ことになるだろう。 ただ、そこから何かを感じ取ってくれたら……と願ってやまない。
  • 日本の特別地域 特別編集45 これでいいのか 埼玉県(電子版)
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 人口700万人を超える埼玉県。 これだけ人がいれば、それはもう特色満点、魅力満点! なはずなのだけど、何だかパッとしない。 県のイメージが湧かない。 その理由は「郷土愛ランキング」(ブランド総合研究所調べ)で47都道府県中47位という、 ありがたくない称号を得た県民性に表れている。 自分たちに埼玉県人の意識がないのだもの、色がないのは当然だ。 郷土愛のなさは、東京のベッドタウンという県の特色に関連する。 よそからきた新興住民、すなわち埼玉都民と、かねてから埼玉に住む土着民には、地域愛に圧倒的な差がある。 そんな中、地元意識薄弱な埼玉都民は増えるばかり。 だから「埼玉はこんなところですよ」といった、まとまりはない。 一体感のなさはまた、東西に脆弱な交通網のせいもあるだろうか。 移民と土着民に共通するのは、 「神奈川には敵わない。どうせダサイたまだし」 といった自虐のタネを蒔きながら、 よその人に 「ダサイたまだしね」 といわれると 「何いってんだ、千葉よりも都会だ!」 などと口にする千葉へのライバル心か。 そして県民の多くは、神奈川には敗北宣言しつつも、 「東京に近くて住みやすい県」 とうそぶきながら、どこか垢抜けない、B級感たっぷりな生活を満喫している。 本書では、県内各地での取材と各種データを分析することで、リアル埼玉の姿をあぶり出していく。 はたして実際、県民の埼玉愛はいかほどか。
  • 日本の特別地域 特別編集44 これでいいのか 福島県(電子版)
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 2011年3月11日に発生した東日本大震災とそれに伴う原発事故という未曾有の大災害は、福島県を激変させてしまった。 平和だった地に突然舞い降りた悲劇が、福島県民にもたらした嘆きと絶望感の大きさは計り知れない。 福島は、寒冷で厳しい風土の東北の中にあって比較的気候に恵まれており、農産物が豊かに実るまさに「豊穣の地」だ。 面積は広大だが全体の約7割が山地という福島は、奥羽山脈と阿武隈山地によって県が3つの地域に区分されている。 東から太平洋に面する浜通り、夏冬の寒暖差激しい盆地の中通り、そして豪雪地帯の会津。 先の災害によって直接的な被害を被ったのは浜通りだが、 中通りやさらに遠く離れた会津でも原発事故による風評被害に襲われ、 福島全体でいわれのない差別を受けてしまった。 さらに「福島はもう終わった」との無責任な外部からの声。 だが、福島県民は今、そうした状況から不屈の精神で立ち上がろうとしている。 ただし、復興に向けて県全体が一枚岩になって進もうにも、 県内には独立国家が3つあるようなものだから、まとまりに欠けるという指摘もある。 そこで本書では、福島県の各地域の歴史や特徴、問題点などを現地取材から明らかさせていただいた。 福島は悲運だと嘆くばかりではなく、 現実をしっかりと見つめて未来へと歩を進めるための一助になれれば幸いだ。
  • 日本の特別地域 特別編集43 これでいいのか 福岡県 北九州市(電子版)
    3.5
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 1963(昭和38)年、2月10日に旧五市(門司・小倉・八幡・若松・戸畑)の合併によって誕生した北九州市は、 2013年2月10日に市制50周年を迎えた。 小倉駅周辺の商店街には「市制50周年」のロゴ入りフラッグが飾られ、北九州モノレールには記念ラッピング列車が登場。 市内ではさまざまな記念事業や関連事業が行われるなど、記念すべき年を盛り上げようと市は熱心に活動を続けている。 しかし、そんな市側の思いとは裏腹に市民たちの反応は実にあっさりとしたもの。 「50周年? あ、そう」というつれない声がそこら中にこだまするほど、反応は悪い。 その原因のひとつは、飲食店関係者が刺される、飲食店ビルが放火されるという凶悪な事件が相次ぎ 多数の市民が深刻な被害を受けており、「今はそれどころじゃない!」というムードが漂っていること。 確かに、すっかり人通りが少なくなってしまった夜の繁華街を目の当たりにすると、合併50周年を祝う気分も薄れてしまう。 そして、もうひとつは“北九州市全体の出来事”に、市民はあまり興味を持っていないこと。 もともと個性の強い五市が合併したため、現在でも街の雰囲気は区ごとにバラバラ。 合併から50年経った現在でも“ひとつの市”としてのまとまりに欠けるため、「50周年」と言われてもピンと来ないのだ。 一体、“北九州市”としての個性はどこにあるのだろう? よく言われる「怖い街」というダークなイメージが本当に北九州市の実像なのだろうか? 本書は、こうした北九州市と市民を徹底的に取材・分析し、真の姿を暴き出した一冊である。 多少、強引な文書も度々登場するが、“北九州市への新たな視点”だと思って、暖かく見守っていただけたら幸いである。
  • 日本の特別地域 特別編集42 これでいいのか 岡山県(電子版)
    3.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 岡山に生まれた筆者だが、18の歳に青雲の志を持って東京に旅立ってから幾星霜(いくせいそう)。 気がついたら、東京で暮らした時間のほうが長くなってしまった。 しかし、未だに東京で暮らしていて、我慢できないことが山のようにある。 まずは食文化だ。 東京で驚いたのは、サワラやイイダコのような魚が、あまり手に入らないこと (岡山の人ならば「地のもの」であるかどうかを気にするだろうが、東京人にその感覚は存在しないこともビックリだ)。 なにより、ラーメンの味が我慢できない。 家系が流行ったかと思いきや、豚骨ブームになり…… どこでも一定のスタンダードが決まっている岡山のラーメンのほうが奇妙なのかと思ってしまうほど。 食文化以上に相性が悪いのは、笑いのツボだ。 まず、人は自分の生まれ故郷を「落として」語り笑いモノにするのが当たり前だと思っていたのだが、 そんなことをするのは、岡山県民だけらしい。 ……十数年を東京で過ごして、筆者はようやく気づいた。 全国標準からすれば「岡山のほうが奇妙」なのだと。 岡山は、その昔、大和朝廷に破れて、日本の覇権争いからは脱落したものの、どういった分野でも日本の上位に位置する県だと思っていた。 そもそも、中国地方であるという意識は希薄で、あくまで自分たちは関西文化圏。 そして、山陰、四国地方はおろか中国地方の覇者・広島県に対しても絶対的優位な地位にあるのだと。 ところが、東京で聞く岡山県の印象といえば「ああ、三十人殺しの……」とか、いわれる始末。 食べ物は豊富で、災害も少ない、新幹線はすべて停車する。 テレビも民放5局が全て放送されているし、文化レベルも昔から高い。 本書は岡山の暗黒面をぶっ叩きつつ、真の底力を示すべくに編まれた岡山県のスゴさが、よく分かる一冊になっているつもりだ。
  • 日本の特別地域 特別編集41 これでいいのか 栃木県(電子版)
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 関東でもっとも面積の広い県はどこ? と問われたら、なんとなく茨城、群馬か千葉のいずれかだろうと想像する。 でも「正解は栃木県です」といわれても、どうもピンとこない。 栃木にデカい県というイメージがないからだ。 県を擬人化するのもなんだが、群馬と茨城に挟まれる栃木は、やけに肩身が狭そうで、 そんなところも実際より小さな県と感じてしまう要因かもしれない。 では、その栃木には何がある? と、さらに問われたら……県外者はこっちのほうがおそらく困るはず。 栃木の存在は知っていても、その実態はおぼろげという人は驚くほど多いのだ。 とにかく栃木は存在が地味。 しかし、県のポテンシャルはやたらと高く、 首都圏という好立地を生かして関東の内陸型工業地域の中心を担っており、 さらに観光産業もすこぶる盛ん。 また当然ながら農業も盛んで、しかも災害も少ないという、まさに「豊穣の地」なのである。 その一方で、たとえ自らを卑下しても他人に土足で踏み込ませない領域(地雷源)は持っている。 大人しい様でいて、踏み込んで来たら苛烈に攻める専守防衛が栃木人スタイル。 それはまるでジキルとハイドだ。 本書ではそうした栃木人気質をベースに置きつつ、県内各地域の特徴や問題点、 さらに北関東3県内での栃木の立ち位置や防災の話など、 さまざまなテーマで現在の栃木の実像を捉え、僭越ながら先々への提言もさせていただいた。 さて、これから栃木人の“地雷”を踏みまくっていくとしますか。
  • 日本の特別地域 特別編集40 これでいいのか 大阪府 大阪市(電子版)
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 大阪のイメージと言えば「コナモン」「お笑い」「なんか危なそう」……。 まさに、その通り! あえて否定はしない。 大阪人には日本第二の都市、なんていう意識はまったくなく、 独立国家・大阪として笑いとコナモンにまみれながら、根っからの商売根性とノリで邁進してきた。 しかし今、大阪は間違いなく揺れている。 大阪維新の会が高らかに改革をぶち上げ、いろんな意味で注目されるようになった大阪市は、 街全体が改革の真っ只中なのだ。 さらに、大阪市を取り巻く環境に目を向けてみれば、 深い癒着体質だった市制や多額の負債を抱える3セクの遺物、 連続する府警の不祥事に犯罪ワースト1のオンパレード、 生活保護の町と揶揄された西成区など、 改革が進みつつある現在でも、さまざまな問題が山積み状態なのだ。 もうノリでは解決できまへん! これでええんか? 大阪市!! 「天下の台所」「東洋のマンチェスター」「くいだおれの街」と、 さまざまな名前で呼ばれながら時代を切り抜けてきた大阪。 果たして今後、アジアに向けた国際都市、大阪を作り上げることができるのだろうか? そこで本書では、大阪市が抱えるタブーに鋭くツッコミを入れながら、 開発に揺れる街と大阪人の特徴を地域ごとに分けて徹底的に分析。 「コナモン」と「お笑い」だけでは計り知れない、新たな街の解説書となれば幸いである。
  • 日本の特別地域 特別編集39 これでいいのか 東京都 武蔵野市三鷹市(電子版)
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 「住みたい街」「かっこいい街」そんな風に言われる街はたくさんある。 しかし、この『地域批評シリーズ』では、そうした街はあまり扱うことはなかった。 それはなぜか。 単純に「かっこいい街」などと言われる地域は、本当は薄っぺらで、 中途半端にうわべだけを整えたチェーン店が軒を連ね、歴史の蓄積もなく、 実際に住みやすいかもしれないが、「住んでいて楽しい街」ではない場所が多い。 そうした土地に深い「地域愛」は芽生えず、そんな地域を扱った本は面白くないのである。 もちろん例外は大いにあるが。 などと言ってしまったところで、今回は「武蔵野市・三鷹市」である。 武蔵野市と言えば、東京のみならず全国、 もしかしたら世界にも通用する一大おしゃれ先進文化都市「吉祥寺」を抱える 超ブランド地域である。 後述するが、「住みたい街」「住んで良かった街」系ランキングでは 金メダルの取得を義務づけられたようなチャンピオンである。 筆者はお隣の杉並区の出身である。 が、23区といっても大股で4歩ほど歩くと武蔵野市という境界線の生まれである。 武蔵野、三鷹両市は生まれ故郷と言っても過言ではない。 そんな人間から見ると、両市は確かに誇り高き我がスウィートホームだが、 欠点・弱点も多く存在するのである。 ここに武蔵野・三鷹の化けの皮をはがしてみる。 果たして、武蔵野市、三鷹市は本当にその人気に値するのか。 読者諸兄諸姉とともに見ていくとしよう。
  • 日本の特別地域 特別編集38 これでいいのか 新潟県(電子版)
    3.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 新潟県でイメージするもの。 豪雪、田中角栄、アルビレックス新潟……人によってさまざまだろうが、 リサーチすると「食」がもっとも多いそうだ。 なるほど、グルメに関心が無い人でも、 新潟と聞けば「コシヒカリ」ぐらいは思い浮かべるかもしれない。 魅力的な食コンテンツを持つ新潟の好感度は、 都道府県のなかでもけっこう高いのだ。 だがこれはあくまでも県外者の視点である。 飯がウマい、酒がウマい、名湯や自然が豊富――。 そんな新潟はまるでパラダイスのようだ。 しかし! その新潟から人が減り続けている。 おそらく県外者が感じる好印象とは裏腹に、 県の内側には大きな問題が潜んでいるのではないだろうか? もともと新潟には驚くほど人がいた。 やがて大量の出稼ぎにより、人が県外に流出した。 さらに上越新幹線や関越道などのインフラ整備によって、 多くの若者が新潟を後にした。 県も人口の流出を食い止めたい。 でも雇用が無いから地元に留まらないし、出て行った若者も戻れない。 新潟にウマい飯はあっても、その食い扶持を得る手段が不足しているのだ。 さらに若者がいないから高齢化が進み、 過疎に怯える地域は広域合併に頼り、 多くの市町村(故郷の名前)が住民の願いむなしく消失していった。 廃れまくる新潟。 県は過去の栄光を取り戻そうとするかのように 「新潟州構想」を打ち出したが、それもどうなのよ!! 本書では新潟県を構成する さまざまなファクターを取り上げて丹念に調査・取材し、 新潟の本質や問題点を探った(最後に提言もさせていただいた)。 これを読んでみなさんはどう感じるだろうか? まあ、地酒でも飲みながら肩肘張らず読んでいただければ幸いです。
  • 日本の特別地域 特別編集37 これでいいのか 東京都 大田区 第2弾(電子版)
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 前作を執筆する時、色々と都合がよかったので大田区に住んでみた。 メシ屋が美味い! スーパーが安いと言うことなしであった。 さて、この度数年ぶりに大田区をディープに再訪してみたが、 やはり住民たちは「こんな暮らしやすい街はない」といった感じだ。 安い! 美味い! そして、古い! そう、銭湯も商店街の数も都内最大数を誇る街、それが大田区だ。 そうした、大田区の妙な暮らしやすさを生み出してきた源流が、 「設計図を紙飛行機にして飛ばせば製品になって戻ってくる」 とまでいわれる、技術力の高さを誇る製造業だ。 しかし、今や大田区も徐々に変革の波に飲み込まれている。 国家レベルの産業セクターの変動によって製造業は海外流出の一途。 次第に工場は姿を消して、マンションが次々と立ち並ぶようになってきた。 でも、いくらマンションが立ち並んで、 蒲田にオシャレな店ができようとも、 一歩通りを裏に曲がれば、古ぼけたアパート、民家の合間の工場、 そして、総菜屋や立ち食いの焼き鳥屋が並ぶ商店街、 大田区はこれに尽きる。 そう、ここではまだ昭和が続いていたのだ。 映画にもなった『三丁目の夕日』に見られるように、 郷愁のなかにある昭和は素敵だ。 でも、その実態がどれだけ悲惨なものだったかは、 誰もがよく知っているだろう。 大田区が生まれ変わることができるか否か、いまが分水嶺だ。 焼け跡からの出発に次ぐ、 新たな大田区の出発のための本書としてとらえていただければ幸いだ。
  • 日本の特別地域 特別編集36 これでいいのか 静岡県 静岡市(電子版)
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 東には名峰・富士、北に南アルプスの山々など三方を山に囲まれ、 南は駿河湾に接する温暖な地、静岡市。 紆余曲折あったものの、 2003年には隣接する清水市と合併して新・静岡市が発足。 2005年には政令指定都市に移行し、 市内は葵区、駿河区、清水区の行政区に分かれた。 その後も蒲原町、由比町との合併を果たし、 人口71万人を超える一大都市となった。 改めていうまでもなく、静岡県の中部に位置し、 サッカー王国であり、静岡茶の名産地であり、 今や清水の港湾や名勝地・日本平も「静岡市」である。 話題に事欠かない市でありながら、全国的な知名度はどうか。 個人差はあれ、 「県庁所在地は浜松だったっけ?」 「東京寄り? 名古屋のほうだっけ?」 「新幹線で通過するだけだしねぇ」 「お茶は分かるけどほかは?」 と、周囲から「?」いっぱいの言葉が多く聞かれるのが現実だ。 これって、「駿河ボケ」とまで揶揄されるのんびりとした気質もあって、 外に自分たちをアピールするのがあんまり得意でないってことなのか? 家康の「鳴くまで待とう」の言葉さながらに、 「知らぬなら知られるまで待てる」、 「気候も温暖で住みやすいし、まっどうにかなるさ」が 静岡マインドなのかもしれないけれど、 少子高齢化で危惧される市の財務、産業ほか地方の空洞化が叫ばれて長い今、 本当に待ってばかりでどうにかなるの? 本書では、愛すべき静岡市、その広い、広すぎる市域を歩き、走り、 現実を見聞きし、さまざまなデータを徹底的に検証した。 旧静岡市と清水市が合併したはいいけど一体感まるでナシ……といった、 現・静岡市の真実、通奏低音に迫るとともに、 きたるべき未来を展望していくとしよう。
  • 日本の特別地域 特別編集35 これでいいのか 宮城県 仙台市(電子版)
    5.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 東北の中心地を自認する杜の都・仙台市。 市民は東北イチの大都市に住むことを自慢に思うが、 他市や他県民からは「その天狗っぷりが鼻につく」などとも思われていたりする。 が、データというのは残酷なもので、 実際東北地方に仙台市以上に重要な都市はない、というのは「事実」と断言できるだろう。 しかし、具体的に「仙台のイメージは」と聞かれると、 意外と多くは語れないとの声もある。 そんなことないぞ、歴史で伊達政宗がいて、食い物が美味い。牛タン最高。で…… あれ? 「街がデカい」以外となると、あんまり見どころないのかも!? 発展している都市というだけならば、それこそ日本全国にある。 仙台ならではという特徴となると、住民が思っている以上に「希薄」だったりもするのだ。 ならば大都市・仙台というのは伊達男たちが勝手に思い描いていた虚像なのか、 それともアピール不足なだけで、本当に重要で特徴的な要素があるのだろうか。 その辺を徹底調査していくのが本書の目的である。 が、すでに30を越える街を調査してきた本シリーズにあって、 今回は、やや特殊な構成にならざるを得なかった。 2011年3月11日に発生した東日本大震災により、 仙台、宮城をはじめとした東北~関東の沿岸地域は多大なる被害を受けてしまった。 純粋な震災被害を語る本でもないので、基本的には「仙台/宮城と震災」という目線から、 そして希望も込めて「アレからどこまで復興したのか」という切り口で、 多くの紙幅も費やさせて頂いた。 そもそも仙台市とはどんな都市なのか、そして仙台市がこれから担うべき役割とは。 仙台市の実力は本当に「伊達じゃない」のか!? とくとご覧頂きたい。
  • 日本の特別地域 特別編集33 これでいいのか 千葉県 千葉市(電子版)
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 『東葛』、『葛南』、『千葉県』に続き、本書にて千葉シリーズも4冊目。 満を持して県庁所在地にして政令指定都市・千葉市の登場……と言いたいところだが、 実は千葉市が東葛エリア、葛南エリアの「後回し」になったのにはワケがある。 実は、当初の予定では前述の東葛・葛南エリアよりも先、 千葉県内の都市として一番最初に取り上げるはずだったのだ。 県庁所在地が後回しになったのは一体何故か。 それは事前取材を進めるうちに発覚した 「千葉市、見どころねぇや!」という、身も蓋もない事実のせいだ。 商都・柏を中心に「千葉都民」たちが住む東葛エリア、 同じく船橋を中心とした葛南エリアに比べ、千葉市は実に特徴がない。 そもそも「千葉市といえば?」というイメージがわいてこない。 これが「千葉県といえば?」なら色々出てくるが、 その印象は東葛、葛南の各エリアの特徴だったり、 あるいは房総半島の豊かな漁場や自然だったり。 ピーナッツや菜の花だって八街や南房総が産地で、千葉市はあまり関係がない。 そんなこんなで「……とりあえず、後回しでいいか」というのが 千葉市に対する評価だったのだ。 東葛、葛南を刊行し終え、逆に浮き上がってきたのが 「なぜに千葉市はこんなにダメなのか」という疑問。 他の都市と比較した場合、いい部分が目立たず、 ダメな部分ばかりが目立ってしまうのが千葉市の印象だ。 しかし本シリーズの目的は、そういったイメージに捕らわれない調査・批評である。 本当に地味で見どころのない街なのか? 実は隠れた実力者だったりするんじゃないか?  もしかしたら、イメージ以上にダメダメなのか? 印象の薄い謎の都市・千葉市の真の姿を、これから一冊をかけて暴いていこう。
  • 日本の特別地域 特別編集32 これでいいのか 東京都 八王子市&多摩ニュータウン(電子版)
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 東京都の西部にドーンと控える大都市・八王子。 多摩地域の中心都市にして人口約58万人。 だがそんなに人がいても、ハコ(市の面積)自体が巨大だから 人口密度は高くなく、豊かな自然に恵まれていることもあり、 どことなくゆったりとした雰囲気を醸し出している。 市街地を少し離れると、 「えっ、ここどこの田舎?」と思わず口ずさんでしまうぐらいの“スカスカ感”で、 その見てくれは東京の都市というより地方の巨大都市といった風情である。 そんな八王子は歴史のある街だ。 江戸時代には甲州街道最大の宿場町として繁栄し、商都として発展してきた。 こうした歴史のある街は、得てして古くから住んでいる “旧住民”の存在感が強い。旧住民(特に高齢者)たちは、 この街を自分たちが作ってきたという意識があるためプライドが非常に高いのだ。 そうした閉鎖的な旧型社会に飛び込んできたのが“新住民”たちである。 1960年代以降、多摩ニュータウンを筆頭に大規模な宅地開発が行われ、 八王子と縁もゆかりもなかった人々が大量に当地に流入してきた。 近年も新たなニュータウンの開発が行われており、 八王子とその周辺は新たな住民を飲み込み続けている。 だが、こうした新たな人の流入が、大なり小なり摩擦を生んでいるのもまた事実だ。 そこで本書では、八王子の旧住民と新住民、 それに加えて学都として発展したことで増えた“学生(大学生)”の3者を テーマの中心に据えて取材や調査を敢行。 現在の八王子市の実態を浮き彫りにすると共に、 新住民の巣窟たる多摩ニュータウン全域まで調査エリアを広げて、 その実状と問題点を探っていった。 ぜひ最後までお付き合い願いたい。
  • 日本の特別地域 特別編集31 これでいいのか 広島県 広島市(電子版)
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 「広島出身なんです」というと「ああ、お好み焼き!」とまず返ってくる。 その次には「修学旅行で原爆ドームに行った」「やっぱりカープファン?」 ……この答えで大抵9割。 カープ、原爆、お好み焼き。 広島にはコレしか無いのか!? と考え続け……ある意味、間違ってはないよな、という結論に。 思えば広島市というのは不思議な都市だ。 政令指定都市であり、中国地方最大の都市としてビジネス的に見て注目度は高い。 しかしながら、大阪や神戸と地理的に近いにもかかわらず “関西”というイメージは少ない。 かつ、広島弁というのは全国的にもイメージが浸透しているものではあるものの、 「じゃあ広島人ってどんな人?」といわれると、 これがだれも一言ではいえないのではないだろうか。 当たり前だ、当の広島人がイマイチ把握していないのだから。 しかし。海外に出れば、ヘタをすれば“東京”の次に有名な都市でもあったりする。 この場合の広島はカタカナの“ヒロシマ”。 被爆地として有名だったり、カープや観光地で有名だったり、 でも自分たちのことは意外とよく分かっていなかったり……それが“広島人”だ。 この本を書くにあたり市内で取材を繰り返し、だんだんと分かってきたことは 「なぜ広島市がこうなったのか」という歴史が絡んだ複雑な事情と、 そして意外と広島の人々はその事実を漠然としか把握してない、ということだ。 日常過ぎて見落としている広島市の“謎”は意外と多い。 ヘビーな歴史も絡んできたりするが、事実だから仕方ない。 この機会に、自分たちも知らない「広島市の正体」を紐解いてみようではないか。
  • 日本の特別地域 特別編集30 これでいいのか 東京都 立川市(電子版)
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 たった18万。 この数字は何なのか? ズバリ立川市のおおよその人口である。 これまで東京23区や全国の大都市、 もしくは県単位で地域を批評してきた当シリーズにとって、 本書で扱う立川市はいかにも人が少ない。 だが、実際の立川には人が多い。 溢れ返っているぐらいである。 JR立川駅は、東京西部屈指のターミナル駅として大勢の人が乗り降りする。 駅周辺には大型の商業施設が充実し、 それらに交じって古くからある飲み屋、風俗店などが健在。 競馬や競輪といったギャンブルもでき、 とにかく老若男女が「遊べる」街だから人が大勢やってくる。 その一方、立川には、国の省庁機関や研究所が集積しており、ターミナル駅なので オフィスも多く、労働者も大勢やってくる。 さらには周辺に学校も多いから学生も集う。 レジャー、買い物、働き場所、行政サービス、学校――。 立川には何でもあるので、立川市民はもとより、多摩民は立川より都心に行く必要がない。 すなわち、多摩民は立川ですべてが完結してしまうのだ。 つまり、立川とは多摩圏最大の「自己完結都市」といえる。 だが、立川はいつまでもそんな周囲の「腰かけ都市」でいいのだろうか? そこで本書では、開発、南北地域の違いといったものをデータや取材で追いつつ 立川の本質を探り、さらに広域防災基地としての立川の実力もチェックした。 防災都市なのに断層がある。 近代都市のようだがゴチャゴチャしている。 場末の飲み屋でオッチャンが飲んだくれている。 そんな光もあれば影もある立川の未来をこれから探っていこう。
  • 日本の特別地域 特別編集29 これでいいのか 北海道 札幌市(電子版)
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 「いつかは住んでみたい街」ランキングに、毎回必ず上位に食い込む札幌。 政令指定都市であり、2009年には人口190万人を突破。 「人がおおらかで、よそ者に対してもすごく優しい」「碁盤の目で分かりやすい街並み。 買い物が便利」などなど、道外から絶大なる評価を受けている。 だが、肝心の札幌に住む市民の生態はどうだろう? 札幌は、典型的な一極集中型都市で 北海道の人口の約3分の1を占めている。 そのせいか、札幌っ子の脳内では『北海道イコール札幌』に変換されており、 道内他都市のひんしゅくをたまに買い、 本物の大都会に住む東京人の失笑ももれなく買っている。 また、札幌を含む北海道は深刻な不景気で働き口もなく、生活保護者は急増中。 札幌は元々、明治政府のエスコートのもと開拓され発展した街で、 言うなれば中央ありきなのである。 それがこの不景気のなか、地方切捨てでお先は真っ暗。 なのに市民は口癖のように「大丈夫」だと言い、 あいかわらず多幸感に満ちた表情をしている。 コレが今回の取材でひとつのキーワードになった「札幌の魔力」。 当初は?の連続であったが、調査してゆくうちに「札幌は既に滅んでいる。 が、パラダイス」という驚愕の結論へとたどり着いた。 一度暮らすと二度と離れられなくなる街、札幌。 職を求めて去ったはずの若者も、 帰巣本能に促されるハトのように「早く札幌に帰りたい」とつぶやくという。 本書は生まれてこの方・札幌一筋の生粋の札幌っ子の記者を中心に 各種統計データやローカルでしか流れないニュースを元に徹底的に解析、「札幌の魔力の源」に肉薄した類まれなる一冊である。
  • 日本の特別地域 特別編集28 これでいいのか 千葉県 葛南(電子版)
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 船橋市、市川市、浦安市、習志野市、八千代市の5つの市をまとめて 『葛南』と呼ぶことを、 現地の住民のどれくらいの人が知っているのだろう?  しかし『東葛』という言葉なら比較的、耳にしたことがあるはず。 そもそも『葛南』とは、その『東葛』に対してあるような言葉で、 かつてこれらのエリアを含む広大な地域が「東葛飾郡」であったことに由来している。 現在、『東葛』エリアといえば、 松戸市、柏市、野田市、鎌ケ谷市、我孫子市、流山市の6市のことを指し、 『葛南』エリアとはビミョーな距離感で、 対比されたり、友好関係があったりすることは このエリアに住む人なら誰でも感じているはずだ。 属する市はメジャー級でも、マイナーな響きの『葛南』。 先頃、東日本大震災の放射線量調査で要望書を提出した、千葉市と市原市を含む 『京葉地域7市』の方がメジャーになっていくかもしれない。 しかし本書はあくまでも『葛南』エリアにこだわって地域批評させていただく。 何故なら、震災で大きな被害を被った浦安市、 千葉県一の商業地である船橋市、東京の一部といっても過言ではない市川市、 ベッドタウンとして栄えてきた習志野市や八千代市をまとめた 『葛南』エリアだからこそ、浮き彫りになる特徴があるからだ。 本書はこのような『葛南』が持つ魅力や問題点、 そして、そこに住む千葉都民 (通勤、通学、レジャーなどの生活全般が東京都内にある千葉県民のこと)や 千葉県民の生態を、独自の視点と調査によって明らかにすることを目的としている。 その見解には賛否両論あるだろうが、面白可笑しく読んでいただければ幸いだ。
  • 日本の特別地域 特別編集 これでいいのか 茨城県(電子版)
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 『日本の特別地域』シリーズで、丸ごと一県を取り上げることになった初作品が本書「これでいいのか茨城県」である。 もっとメジャーな県はいくらでもあるというのに、なぜ今茨城なのか? そこには茨城の哀しき現状が理由としてある。関東地方にありながら関東の県だと思われていない茨城。 農業が盛んで田舎呼ばわりされている茨城。 県民の訛りが非常に強く、言葉が汚いと揶揄される茨城。 イバラキなのにイバラギと県名を正しく覚えてもらえない茨城。 そしてトドメは、全国47都道府県の地域ブランド調査で2年連続最下位に甘んじた茨城。 現在、これだけ負のイメージにさいなまれている県は全国的にも珍しいぞ! 茨城のこうした現状を踏まえて、県全体が一枚岩となってイメージの打開を図りたいところだが、県内の各地域(行政区分は県央・県北・県南・県西・鹿行の5つ)は、それぞれ「勝手にやっぺ」とひとつにまとまらない。 特に水戸を中心とした県央と、つくばを中心にした県南がなかなか手を取り合おうとしないのである。 今のままではイメージが最悪のまま、時代に取り残されるだけ。見栄っ張りで頑固な水戸周辺の茨城県民にしてみたら、この状況が続くのは我慢ならないだろう。 彼らは郷土に誇りと自信を持っている。 だが、外にアピールする「タマ」を残念ながら持っていないのだ。 そこで本書では茨城が内包する様々な魅力的要素を取り上げつつ、データと取材を元に各地域の特徴や問題点を指摘。 一般的なイメージやレッテルに流されず、茨城の本質と今後の進むべき方向性を探っていこうと思う。 是非最後までお付き合い願いたい。
  • 日本の特別地域 特別編集 これでいいのか 愛知県 名古屋市(電子版)
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 2011年3月11日――。 東日本大震災が発生した、この日を境に日本は変わった。 我々は、否応なしに物事の見方や価値観の変更を迫られた。 そうした中、ひとつはっきりしたことがある。 それは東京の歪さであり、東京一極集中がいかに脆いものであるか、だ。 福島第一原発の事故の深刻な状態が露呈していくにつれ、それがより明確になっていった。 まずは被災した東北・北関東の復興を切に望みたい。 そして今こそ、東京以外の地方が真に自立し、力を発揮していくべき時なのではないか。 そこで、名古屋の存在が改めてクローズアップされる。 振り返れば、前年の2010年は名古屋の年だった。 河村たかし名古屋市長が減税など公約の実現を掲げ、市議会の解散へと突っ走る。 「COP10」や「あいちトリエンナーレ」といった注目の行事が開催された。 中日ドラゴンズや名古屋グランパスがリーグ優勝を果たすなど、 スポーツでも圧倒的な強さを見せつけた。 2008年のリーマン・ショック以降、元気を失っていた名古屋が再び浮上したのだ。 かつて、名古屋は200万都市にもかかわらず「大いなる田舎」と言われ、 嘲笑の対象でしかなかった。 もちろん「突っ込みどころ」は満載だが、 一方で独自の進化・発展を遂げた稀有な都市でもある。 河村市長が言うように、独立できるほどの可能性を秘めている。 本書では、現地取材やデータ収集により、 奥深くて底知れない名古屋の姿をあぶり出すことに努めた。 今、われわれには確信がある。 「名古屋がニッポンを救う日」がきっと来るはずだ、と。
  • 日本の特別地域 特別編集 これでいいのか 福岡県 福岡市(電子版)
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 関東や関西のビジネスマンに「出張するならどこがいい?」と尋ねると、「福岡」という答えが返ってくることが多い。 その理由は、交通の便が良く行きやすい、人が温かい、食べ物がおいしい、中洲で遊べる、女性がきれい……などなど。 ほど良く都会で、ほど良く田舎。 暮らしやすく、東京とは異なる独自の文化もあり楽しみは豊富。 地方都市の中ではバツグンの人気で、2006年には『ニューズウィーク』で「世界で最もホットな10都市」に選ばれた実績もある。 福岡市民が自分たちの街を表現する際、良く使うのが「コンパクトシティ」という言葉。 「コンパクトやけん遊びやすかよ」「コンパクトやけん空港も近いとよ」と自慢気に話す。 確かにコンパクトであることは魅力だ。 朝は山に登り、昼は天神で買い物、夜は博多湾でクルージング。 そんなアクティブな1日もコンパクトシティだからこそ叶う(こんな人はそういないとは思うが)。 しかし、考えてみてほしい。 渋滞だらけの道路はコンパクトなゆえにパンクしつつある「街の狭さ」を示しているのではないか。 「便利な機能が集中している」といううたい文句は、過密と過疎の両局面があることもうっかりPRしてしまっているのではないか。 2011年3月、九州初上陸の阪急や東急ハンズなどが入る「JR博多シティ」が開業した。 市民からは、「市内はどこも遊び飽きていたのでうれしい」と、コンパクトシティに物足りなさを感じていたからこその声が続出し、大いに盛り上がっている。 一体、福岡市民の実像はどうなっているのだろう。 本書では、こうした福岡市と市民の特徴を細かく区ごとに分析。 福岡市の本来の姿を垣間見ることのできる街の新しい解説書として楽しんでもらいたい。
  • 日本の特別地域 特別編集 これでいいのか 神奈川県 相模原市(電子版)
    4.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 地域とその住民の真実を探る「地域批評シリーズ」。 ここ神奈川県ではこれまで横浜市、川崎市という政令指定都市をフューチャーした。 神奈川県では「横浜市2」「湘南エリア」を含めて第5弾となる本書では、 2010年に政令指定都市となった相模原市を取り扱うこととなった。 大阪府を逆転し、人口で全国第2位の県となった神奈川県だけに、 これまた全国最大となる3つの政令指定都市を抱えることになった。 これはめでたい、さっそく相模原市も一冊にまとめねば! しかしである。 横浜、川崎といえば知名度も高く、日本全国見回してもほとんどの人が知っている「地名」である。 それに対し、我らが「相模原市」はどうだ。 首都圏住民でも正確な位置関係をそらんじることを出来る人は、決して多数派ではない。 主要産業、名物、歴史名跡などはあったっけ? と聞かれれば、 「うーーーん」と腕を組んだまま固まってしまうレベルである。 だが、2011年3月11日、東日本大震災が発生したことで、 ぎりぎり首都圏域という立地にある相模原は、帰宅困難者を大量に出した。 神奈川県の水瓶である相模原のダム群だって、大地震の直撃を受けたら決壊してしまうのでは? これより展開されるのは、街を歩き、各種データを調査した結果見えてきた「相模原市の真の姿」だ。 読んでもらえば改めて思うだろう「これでいいのか相模原市」と。
  • 日本の特別地域 特別編集 これでいいのか 神奈川県 横浜市2(電子版)
    5.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 横浜市で巻き起こる東京型住民と横浜型住民による民族模様と、 表から見ればカッコイイ横浜の真の姿を鋭くえぐらせていただいた 『日本の特別地域 特別編集 これでいいのか 神奈川県 横浜市』発行から約2年。 横浜は「Y150」や「APEC」開催により、ますます国際都市としてのイメージを強めている。 そんな横浜を取材目的で訪れてみると、2年前に歩き回ったときよりも強くなっていたのが、 開発や再開発で輝く地域と、忘れ去られて朽ちていくのを待つ暗い地域のコントラストだ。 横浜市が持つ光と闇。 そこに注目すると見えてくるのが「ぶっ壊して発展するのが横浜流」という流儀。 古くなって朽ち果てたらまとめて大規模な再開発できれいにし、 横浜のイメージに合わないモノは囲い込んで消し去ってしまうという手法だ。 そうして作り上げようとしているのが、「オシャレ」、「安全」、「安心」が三本柱の横浜プライド『横プラ』だ。 横浜をテレビや雑誌でしか知らない人が持ちそうなイメージだが、横浜というブランドを 守るために絶対的に必要な三種の神器といってもいいだろう。 しかし、横浜市全域がこの『横プラ』に染まっているかといえば、そうではない。 鶴見区や神奈川区などの川崎市に近い地域では、 「危ない!」、「汚い!」 という川崎コンプレックス『川コン』の影響を色濃く受けているし、 18区からなる広大な横浜市が一色に染まるなんて、そもそも無理なのだ。 それでは、横浜市を地域ごとに色分けするとどうなるのか? という疑問に迫るべく、 現地取材とデータ収集によってまとめたのが本書である。 もしこれが、さらに新しい横浜を発見する解説書になっていれば、幸いだ。
  • 日本の特別地域 特別編集 これでいいのか 東京都 杉並区2(電子版)
    4.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 2008年発刊の『日本の特別地域 特別編集 東京都杉並区』では、 中央線沿線をモデルケースとして、杉並区に対するイメージは本当なのか、というか、 そもそもイメージばらばらじゃないか?といったあたりを考察した。 まあざっくりと要約してしまえば「駅ごとに人種が違う」。 さらに言えば、同じ駅を利用する人間たちの中にも絵に書いたようなブルジョワもいれば、 良くわからない自由人もいる。 これが杉並区に対する印象のバラつきの原因だった。 「駅ごとの違い」について考えるうちに、 駅と言っても中央線と井の頭線、西武新宿線でもずいぶん違うよね、 という杉並区民なら当然な結論にブチ当たる。 野蛮でガサツでそれが魅力なのが中央線なら、 ハイソで瀟洒でステータスになるのが井の頭線沿線。 西武新宿線は、杉並がどうこうというより「西武」の支配地域でまた別世界。 同じ杉並区内でも随分と違う、路線別、エリア別住民傾向もそれぞれ違う。 「貴族」と「素浪人」が杉並区というフィールドの中に同居しているのでは? これが杉並本2冊目となる本書のテーマだ。 永福あたりに住んでいる住民は、高円寺の端に住む筆者から見れば、まるで貴族である。 じゃあ俺らは素浪人か? 蛮族か? 善福寺川はルビコン川か!? そして、抱かれる「イメージ」が本当かどうか、 実際にデータと取材、自分の目と足で確かめるのが、本シリーズの持ち味でもある。 1冊分の紙幅を用いて、杉並区の人種クラスタをチェックしていこう。
  • 日本の特別地域 特別編集 これでいいのか 神奈川県 湘南エリア(電子版)
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 都心から目と鼻の先にある洗練されたオーシャン・リゾート。 世間一般から見た湘南は、そんなイメージで完全に固まっている。 ただしそれはメディアによって強調された湘南の一面でしかなく、 本当の湘南は、もっと多面的で魅力的なエリアだ。 多面性を持つ要因は、湘南がひとつの自治体ではなく、広域であるということ。 湘南は広い。 けど広いってどれくらい? 当シリーズで湘南エリアを取り上げるってことになったとき、 「それは面白い!」と思ったと同時にハタと困った。 湘南って一体どこなのよ?手始めに地元民に聞いてみると千差万別。 「あそこは湘南と認めない」「あそこは湘南と認めてもいいかな」といった エゴ丸出しの意見。 どうも地元民は湘南に対するプライドが強過ぎるのか、湘南論議になると案外狭量だ。 そのため、湘南エリアは各自治体同士の連携が弱く、ひとつにまとまらない。 そこにはやはり湘南が憧れの場所として認知されている、ということも大きい。 好イメージの湘南を我がモノとしたい各自治体。 地元民も「湘南はいうほどオシャレな場所じゃない」というけれど、 それは建前で本当は洒落た場所に住んでいるという自負がある。 湘南は外と内で感じるイメージは違うというけれど、 メディアによって作られた湘南イメージに翻弄されているのは自治体であり、 地元民たちなのかもしれない。 湘南にこだわり、翻弄される人々を内包する湘南は、今後どうなるのか?  イメージを破壊して、新しい湘南へと変貌を遂げられるのか?  それとも時代に取り残されるのか? 本書ではそれをデータや現地取材によって解き明かす! 新しい湘南を見つけ出すヒントになれば満足である。
  • 日本の特別地域14 これでいいのか 千葉県 東葛エリア(電子版)
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 千葉県の「東葛」と呼ばれる地域。 そこに住む人たちからすれば誰もが知っていて然るべき「東葛」も、認知しているのは長く東葛エリアに住む人たちやお役所勤めをしている人たちくらい。 隣接するとはいえ、利根川、江戸川といった一級河川を越えなければならない、東京都民、埼玉県民、茨城県民に「東葛」という言葉を投げかけてみても、その答えが正しく返ってくることは少ないと思われる。 それでも、本書で「東葛エリア」と称する、松戸市、柏市、野田市、我孫子市、流山市、鎌ケ谷市を歩いてみれば、そこかしこに「東葛」という単語を見つけることが出来るほど、地域に密着していることが容易にわかるこの「東葛」とは、一体全体どんなところなのか? そこでまず注目したのが「千葉都民」というキーワードだ。 千葉県に在住していながら、通勤や通学など生活の中心のほとんどが東京都内であることでそう呼ばれる彼らは、 地域や千葉県に対してあまり愛情がないとされている。もちろん東葛民のほとんどはこの千葉都民と思われる。 同時に郷土への認識はやっぱり薄く、いくつかの凶悪犯罪や暴走族で有名だよねって言われる松戸、意外と栄えているんだってね程度の柏、醤油、しょうゆ、ショーユと連呼される野田、常磐線の終点だよねっていわれる我孫子はまだマシで、流山は一部の鉄っちゃんに流鉄が認識されている程度、鎌ケ谷は大仏があるらしいじゃんと言われるくらい。 我々地域批評編集部は、「足立区」を始めに、これまで東京23区を中心に、政令指定都市の分析結果を発刊してきたが、東葛のようなエリア分析は初の試みである。 市を跨いだエリアに今何が起きているのか、また、このエリアが他とは異質なのか迫ってみた。
  • 日本の特別地域13 これでいいのか 東京都 練馬区(電子版)
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 練馬区を語るとき、必ず出てくるキーワードが「田舎」である。 確かに練馬の北西部は至る所に畑や果樹園が残る陸の孤島。 エリア全体には牧歌的な空気が色濃く立ち込めている。 さらに北に広がるのはサイタマ県だ。 そんなサイタマとのボーダーレス状態も、練馬の田舎感を助長する原因であろう。 しかしそこから南に下って、都心に近い「練馬地区」になるとかなり趣が異なってくる。 区役所のある練馬駅、そしていかにも東京の私鉄沿線の大学町といった江古田駅の周辺はゴチャゴチャとして、 下町風の商店街や貧乏学生をやさしく受け入れるボロアパートがある風景など、 歩くととても同じ練馬とは思えない。 そして練馬の中心地を抜けて東西に横断する西武池袋線の存在が足かせになり、 これまで練馬は南北間が断絶していたのだ。 その負の歴史が練馬には重くのしかかっている。 それはまるで呪いのように、以後、練馬が立てる計画はことごとく頓挫。 あるいは中途半端に終わっているのだ。 たった60年ぐらいの歴史で完成してもらっては面白くもなんともない。 街は乱雑でメチャクチャだったりするのに、 取材中、練馬区民から「練馬っていいトコだよ」「ずっと住みたい」という声を多く聞いた。 こんなところにも未成熟な練馬の可能性の高さを感じたが、 これは単なる住民の幻想に過ぎないのだろうか? 本書では練馬の現状を綿密にリサーチ! 練馬のさまざまな「やりかけ・ツギハギ・計画倒れ」を白日の下に晒していきたい。 こうした作業によって練馬区住民の生態をも明らかにし、 さらに練馬の本質に幾分かでも迫れたものと筆者は確信している。
  • 日本の特別地域12 これでいいのか 東京都 足立区2(電子版)
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 2007年9月に発行した、地域批評シリーズの一作目『東京都・足立区』は、制作陣が意図しなかった程、大きな反響をいただいた。 反響の声は様々で「真実を書いていない」と批判の声もある一方で「その通り」と賞賛する声もあった。 ちなみに、「真実を書いていない」という声には二通りあって、 前著に書かれたほどヒドい土地ではないという声もあれば、もっとヒドいところがあるのに何故書かないのかと、 懇切丁寧に土地の因縁などを語ってくれた人もいた。 いや、これは、筆者の生地、岡山駅前の話だった。 ヒドいところだと書かれて、それは住んでいる人は激怒するかもしれないけれど、 人が住んでいる土地である以上、ヒドくないところなどないのだ。 ゆえに、足立区も、ヒドいなどとはいわれても、気にすることはないと思う。 なにしろ、もっとヒドいところは区内だけをみても、いくらでもあるのだから。 さて、前著を発行から3年が過ぎ、足立区にも大きな変化が起きている。 まず、日暮里・舎人ライナーの開通だ。この路線の完成によって足立区は大きな変貌を遂げた。 これまで、都心に行くにはバスに乗るしかなかった多くの区民が、山手線のターミナルに鉄道で接続することができるようになったのである。 しかし、それでも足立区が、全に他の区と同じになってしまったわけではない。 やはり、北千住の駅を一歩降りると、そこは他区とは少々違う雰囲気の街並みが広がっている。 本書を通じて、行われるべきは、もう一度、地域を活性化させる要素、浄化させる要素を見つけ出すことである。 そしてその未来を考えるためにも、本書にじっくり眼を通していただきたい。
  • 日本の特別地域 特別編集 これでいいのか 神奈川県 川崎市(電子版)
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 みなさんは「川コン」という言葉をご存じだろうか? これはある言葉を略した造語で、川は川崎を表している。 ではコンのほうは? コンビナート? いやいや川崎だけにそう答えたいところだが、コンはコンプレックスの略。 そう川コンとは「川崎コンプレックス」のことなのだ。 この地域批評シリーズで川崎市を扱うことになり、 手始めに川崎市について川崎市民に話を聞いてみると、 その歴史からくる負のイメージのために、「おらが町」に対してコンプレックスというか、 自信を持てない人がけっこういるんだなあと、つくづく思った次第。 「どうせ川崎だから……」街が再開発で立派になって市民は喜んでいるものの、 内心では疑心暗鬼。 またこれと同じセリフが、川崎市を挟む東京都や横浜市の住民からも聞かれる。 そこには「どんなにパッケージは良くなっても所詮は川崎」という悪意が込められている。 これでは川崎市民が卑屈になり、我が街に誇りを持てなくなるのも無理はない。 危ない、汚い、怖いなどのイメージでくくられてしまう川崎。 しかし、それだけで川崎を考えるのはいかにも短絡的である。 東京と横浜に挟まれた細長い川崎は、 地域によっては東京あるいは横浜との関係が強いため、 市内間の連携が薄いという特徴がある。 ゆえにそれぞれの地区が独自の進化を遂げている。 単一イメージでくくれるほど、川崎市とは浅はかな街ではない。 では、進化を遂げた今の川崎市とは一体どんな街なのだろう。 それを各種データと取材をもとに解き明かしていこうと思う。 大都市・川崎だけに、本書でそのすべてを語り尽くすことはさすがに難しいだろうが、 その真の姿の一端は垣間見えるはずだ。
  • 日本の特別地域 特別編集 これでいいのか 埼玉県 さいたま市(電子版)
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 さいたま市は人口約120万人を誇り、埼玉県の県庁所在地である政令指定都市。 埼玉県全体を見ると「ダサイたま」や「芋」など野暮ったく、 どことなく田舎のイメージを思い浮かべる人が多いと思われるが、 さいたま市とひとたび限定すると、県全体のイメージが濃すぎるせいか、 その存在感は非情に薄く、「これといった特徴が無い」、 もしくは県のイメージを引き継いで 「ダサイたまの中心地?」という印象になってしまう。 これまで東京都内を中心に分析してきた『地域批評シリーズ』でも、幾度となく 「ダサイたま」というキーワードが出現している。 それは遊び場を求めて池袋や板橋区あたりに出現する「サイタマ人」であり、 新宿や渋谷には近づけない「ダサイたま人」の姿だ。 彼らが放つ「独特の田舎臭」は強烈で、 本来ならば新宿、渋谷に次ぐ大都市であるにもかかわらず、 池袋が彼らの持ち込む田舎臭に汚染され、 都民が寄りつかない微妙にダサイ場所になってしまったのは、今日の姿を見れば明白だ。 ……とされている。 ただ、その「サイタマ人」の住処がさいたま市なのか? といえばそうではない。 「サイタマ人」の多くが東武東上線であったり西武池袋線沿線に住んでおり、 実の所、さいたま市とはあまり関係がないという意見もある。 では、さいたま市は一体どんな所なのか? これを分析するのが本書の役割であり重要な使命である。 短絡的に「ダサイたま」と思われているさいたま市は、 やはり「ダサイたまの中心地」なのか?それとも違う姿を見せるのか? 蓄積されたデータと取材をもとに、本書ならではの切り口で、 さいたま市本来の姿を解き明かしていくことにしよう。
  • 日本の特別地域11 これでいいのか 東京都 世田谷区(電子版)
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 完全に勘違いされている! 街というのは、何かしらのイメージを持たれるものだ。 世田谷区もその例に漏れず、しかも強固なイメージが存在している。 世田谷区は、江戸時代に多摩川の水を江戸市中に引き込むための 灌漑事業(玉川上水)が行われたことによって開発され、江戸の農産地帯として発展。 やがて1964年の東京オリンピックを契機に高度経済成長の流れに乗って、 農地の多くが宅地として開発され、世田谷は都心に近い郊外の住宅街に変貌した。 その住宅街の一部は、成城を筆頭にいわゆる「高級住宅街」と化していったが、 この高級住宅街というのが大きなポイントだった。 この印象がとにかく強過ぎるせいで、「世田谷=金持ち」のレッテルを貼られてしまったのだ。 そのほかに、世間一般の人々が世田谷を表現する言葉として、 「高級」「ハイソ」「セレブ」「オシャレ」などがある。 そのどれもが、聞くと思わず背中がムズがゆくなるくらいの「ゴマスリ言葉」ばかりだ。 内心では「違うのに~」と歯噛みする世田谷区民だって大勢いるのだ。 そこで、世田谷区の高級幻想の破壊を前提にした上で、東急と小田急という世田谷路線の二大巨頭を軸に、 さまざまな「対決」の図式を提示しながら、世田谷区という地域と、そこに住む人々を分析。 世田谷区が本当に進むべき、あるべき姿を追求していこうと思う。
  • 日本の特別地域10 これでいいのか 東京都 台東区(電子版)
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 上野、浅草などをかかえる区でありながら、他県の人に東京23区を尋ねたとき、 なかなか答えとして出てこない台東区。 しかも、隅田川が区界となっている東側以外、 どこが区界になっていて、どんな町名があるのか、 上野、浅草以外に何駅があるのかさえ、あまり認知されていない気がする区である。 さらに言えば、台東区が持っているイメージがあまり良いものとは思えない。 ズバリ言えば「古臭い」街と思われているのだ。 特に上野に対するイメージは昭和そのもの。 平成の空気は薄く、かといって江戸の空気が濃いわけでもない。 特に新しいものや古いものがあるわけではなく、ただひたすらに昭和の出来事の中に出てくる地名でしかないのだ。 北関東・東北地方から東京へやってくる路線は上野駅に集中していたにもかかわらず、 東京の他地区へのアクセスが他のターミナル駅と比べ非常に悪く、 「北関東・東北からやってきたビンボーな若者たちが台東区に留め置かれる」という現象を生み出した。 これは台東区で成功した富裕層の多くはお山の上の文京区などに移り住んでいったからだ。 また、日本有数の遊郭だった吉原、浅草寺や寛永寺といった有名寺社が必然的にコワ~い人たちなどを呼び寄せたという歴史的事実……。 そして、上野と浅草がそれぞれに目指した観光都市化。 こうした要素にも注目しながら、 現在の「台東区」とそこに住む「台東区民」を地域批評シリーズならではの視点から明らかにしていくことを、本書では最終な目的としている。 上野地区と浅草地区に住む人たちの確執についても分析しているので、楽しんでいただければ幸いだ。
  • 日本の特別地域9 これでいいのか 東京都 大田区(電子版)
    5.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 なんだかんだいっても、東京の中心は皇居を中心とした山手線の内側である。 それゆえに、大田区が東京における地の果てであることは否定できない。 多摩川を挟んで対岸は神奈川県川崎市だし、 地図をみてもやはり「東京のはじっこ」に位置していることは紛れもない事実である。 しかし、それだけでは、すまされないし、それだけでは、つまらない。 同じく「東京のはじっこ」であるにもかかわらず、23区の辺境みたいに扱われている足立区と比べれば、 さほど悪いイメージは持たれていない。 ところが、大田区の北西に位置して、やはり巨大な都内のふりをしていても、 実際には田舎の雰囲気を漂わせている世田谷区に比べると、ずいぶんと格オチのイメージを持たれている。 果たして、大田区は都会なのか田舎なのか。 はたまた、金持ちなのかビンボーなのか。 大田区は、白黒をはっきりつけにくい、実にカオスな街なのである。 それでも、大田区に住んでいる人も、住んでいない人も、もっと便利に、もっと気持ちよく、もっとステキに、もっと幸せになる! これが本書の狙いである。
  • 日本の特別地域8 これでいいのか 東京都 江東区(電子版)
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 知っているようで、知らない区。 それが江東区だろう。 江東区と都心の間には隅田川が流れている。 つまり、都心から見て、隅田川の向こう側が江東区ということになる。 でも、「隅田川の向こうの区は?」と、西東京あたりで無作為に聞くと、 10人中7人ぐらいの割合で墨田区という答えが返ってくる。 このふたつの区に知名度の差はないと思うが、名前が「墨田」区だからどうしても分が悪い。 江東区はマイナー区ではない(と思う)。 しかし、地元以外の人は江東区という名前を知っているが、江東区の町(駅)をよく知らない。 けれども門前仲町は別格だ。ここはたいていの人が存在と場所を知っている。 歴史の薫り漂う下町、観光スポットとしても人気がある。 が、ここまで。 比較的知名度の高いと思われた、東陽町、亀戸、豊洲クラスでも、名前は知っているのに、 江東区にあるということを知らない人が大勢いる。 東陽町なんて、江東区役所があるのに悲惨極まりない。 亀戸も不幸なことに錦糸町とセットで墨田区だと思われている。 豊洲のある臨海地域の大部分が、実は江東区だということも、案外知られていないのだ。 本書は地域批評シリーズとして、取材と各種のデータなどから、その地域の真実を探し出すことが目的である。 扱う地域はもちろん江東区だ。 その答えを探し出す作業はすなわち、江東区内の各地区住民の生態を明らかにすることにつながり、 ひいては江東区の知名度アップにもつながっていくと確信している。 果たして、下町と豊洲はどれだけいがみあっているのか? それとも我々の一方的な誤解だったのか? 是非とも最後までお付き合いしていただきたい。
  • 日本の特別地域 特別編集 これでいいのか 東京都 足立区vs葛飾区vs江戸川区(電子版)
    3.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 特別地域とそこに住む人々、その人たちの生活を色々な面から分析し、 批評することを目的とする『地域批評シリーズ』。 臆面なくいわせてもらえばご好評いただいているが、 その礎は『足立区』、シリーズ化の足掛かりは『葛飾区』である。 今回は既刊の2区に江戸川区を加え、「新下町編」というスタンスでこれらの地域を分析していきたい。 足立・葛飾・江戸川の3区には「庶民」があふれ、新しい下町。 すなわち「新下町」となっている。 必然的にお上品で高級な土地となるわけもなく、良くも悪くも庶民的だ。 しかし、区民が家財産をすべて焼かれたビンボー人であったのは今や遠い昭和の時代。 「相変わらずビンボーでヤンキーな東京のブロンクス」的なイメージに対して、 「ホントっすか」という態度で取材を始めたのが本シリーズ第一弾である『日本の特別地域1東京都足立区』だった。 当時「格差社会の象徴」扱いされていた足立区ではあったが、様々な分析の中で 「ビンボーではあるが凶悪犯罪はあんまりないし、物価は安くて家賃(土地)も安いし住みやすいじゃないの」 という結果になっている。 さて足立の次に「新下町」である江戸川区はどうなんだろうか。 今回のテーマは、「全体としての新下町」の真実と「それぞれの違い」である。 比較対象は練馬、杉並、世田谷の西側3区。 「格差社会の象徴」扱いされた新下町だけに、どうも3区の最下位争いに終始しそうな危惧もある。 が、「新下町」を、数々のデータを用いて解き明かしていこう。
  • 日本の特別地域7 これでいいのか 東京都 中野区(電子版)
    3.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 中野区は不思議な街だ。新宿からJR中央線快速でほぼ5分、東京駅へも15分程度。 新宿までが近いのだから、首都圏の主要部分すべてへのアクセスが抜群といえる。 通常、これだけ主要なビジネス街や繁華街まで近く、 それでいて「郊外の住宅街」であれば「高級住宅街」になってしかるべきである。 だが、中野区と聞いて思い描くイメージは違う。 ひとつには中野ブロードウェイを中心とした「ヲタクの街」というものがある。 ヲタクのメッカといえば秋葉原、次にくるのは池袋となり、 中野区は池袋と同等、部分的には上という「ヲタクの街としてのランキング」にある。 思うに、中野区は様々な「目立つ要素」のために、やたらと「低く」見られているのではないか。 前にも述べたとおり本来であれば高級住宅地として見られていてなんの問題もないはずである。 それが証拠に、中野区よりも都心部から遠いお隣の杉並区は、 まあ最近は「中央線」なイメージにとらわれて少々おかしくなってはいるが、 一応は高級住宅地として認知されている。 中野区と杉並区を比べた時、確かにイメージの差は歴然としてある。 というわけで、本書では随所でここに挙げさせてもらった杉並区と足立区を比較対象とし、 中野区の真の姿を探っていくこととする。 たぶん全項目で杉並区も足立区も蹴散らすに違いない。 中野区の全貌が、ここで明らかになるのである。
  • 日本の特別地域 特別編集 これでいいのか 神奈川県 横浜市(電子版)
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 これまでは東京都の特別地域を巡ってきた『地域批評シリーズ』。 まだまだ東京23区踏破も先の話だというのに、今回は初めて東京を飛び出し、神奈川県横浜市を「特別編集」として取り上げることとなった。横浜市とは日本に17しかない政令指定都市のひとつである。 実はそんな横浜市には、東京への通勤・通学が中心の住民と、横浜市で生活を完結させている住民が存在する。 東京型住民と横浜型住民を分類する上で注目したのは、交通手段であるところの路線だ。東急田園都市線、東急東横線で東京へ向かっていく住民、港北ニュータウンから湧き出て都内へと向かう住民を「東京型住民」と、相鉄線、京急、市営地下鉄、根岸線、東海道線、横須賀線を使い、横浜市から出ることなく生活している住民を「横浜型住民」と仮定するところから、取材を始めることにした。 取材を重ねていくと、東急資本によって新しく作られた東急田園都市線のあざみ野駅やたまプラーザ駅周辺、港北ニュータウンのセンター北とセンター南に暮らす東京型住民は、大金持ちというよりも、思っていた以上に上中流の人たちが多かった。しかもそうした東京型住民のお父さんたちは、殺人的な混雑で骨折しそうになりながら通勤し、今は不景気に喘ぎ、会社でも大変な思いをしているに違いない。 こうした噂レベルの話から始まり「横浜にまつわる話ってホントの所、どうなのよ?」本書はそんな疑問にとことん突っ込んでみた。 この本の解説はあくまでも、これまでのシリーズと同じく『地域批評』によって進んでいく。新しい横浜を発見する入門書になっていただければ、幸いだ。 ※本作品は電子書籍配信用に再編集しております。
  • 日本の特別地域 特別編集 副都心線(電子版)
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 豊島、新宿、渋谷と続いてきた『地域批評シリーズ』の副都心編。 今回は、その総集編として東京メトロ副都心線沿線すべてを分析する特別編集版をお届けする。 2008年6月に開通した副都心線。 だが、その期待度に反して、今のところ「あんまり使えない」路線となっているようだ。 だが、100万人単位の規模である副都心周辺が、たとえ鉄道が通ったといえ、 短い期間で大きく変わるとは思えない。 変化は、これからジワジワと、 そしてなにかターニングポイントとなるような事件が起こったときに、 急激にやってくるのではないか。 副都心線のキモは、これまで池袋と渋谷で終点となっていた 東武東上線、西武池袋線、そして東急東横線が、そのまま連結することにある。 鉄道の終点というものは、乗客に対して与える心理的な影響が強く、 それなりの目的などがない限り 「乗り換えるのが面倒だからここでいいや」というように、その先へ進むことを拒む。 池袋に埼玉県南部、練馬区、板橋区の住民が集い、渋谷に横浜市北部、川崎市西部の住民が 集まるのは自然の流れだった。 だが、これが変化するかもしれない。 大きな壁となっていた「終点」が取り払われたのだ。 本書では、新宿、池袋、渋谷の三大繁華街(三大副都心)の比較を中心に、 「現在の」これらの街を比較する。 今、三大繁華街はどのような利点と弱点を持ち、 どのような人が集い、どんなイメージの街となっているのか。 これらを、蓄積されたデータと新たに行った取材をもとに解き明かしていく。 副都心の真実の姿は、今どうなっているのか。 それを知ることで、この先副都心にどんな変化が起きるのか、それともなにも変わらないのか。 探っていくことにしよう。
  • 日本の特別地域6 東京都 渋谷区(電子版)
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 「渋谷」とは、東京23区のひとつである渋谷区と、 JR、東急電鉄、東京メトロの乗り入れる渋谷駅を中心とした繁華街を指す。 だが、「渋谷」という言葉、その意味は、ただ単に地名や駅という範疇に収まらない。 「渋谷」にはその地を出発点として、日本全国、場合によっては世界に広がって行く現象の意味もある。 本書では、これをカタカナで「シブヤ」と呼ぶことにする。 「シブヤという現象」は、それこそ星の数ほど存在する。 古くはハチ公物語から始まり、VANを始めとするアイビー・プレッピーの主流を銀座から奪い取り、渋カジへと発展。 なぜか新不良形態「チーマー」が生まれ、日焼けサロン、ルーズソックス、ガングロくらいまでは良いが、 ヤマンバ、そしてしまいには誰彼かまわず襲い掛かることに意義のあるアマゾネスなどというものも登場。 また、「たまごっち」「デコケー(デコレーションをした携帯電話)」など、 渋谷から火のついた商品も数多く、「シブヤ」が日本の社会に与えた影響は計り知れない。 渋谷区とは、「シブヤ」を頂点として、ともかく個性が強く、 むしろ特殊で、それぞれ馴染む人間、馴染まない人間を強烈にわけるという、 色々な方向に突き抜けた地域が、約15万平方キロメートルという大して広くもない土地の中に凝縮され、 お互いに徒歩で行き来できる距離に存在している、そんな街なのである。 本書は、渋谷駅を中心に生まれ全国に絶大な影響力を行使し続ける渋谷文化を解明し、その真実の姿に迫るものである。 渋谷区と「シブヤ」は、知れば知るほど特殊だということがわかる、『日本の特別地域』の決定版だ。 ぜひ、その面白さに触れてもらいたい。
  • 日本の特別地域5 東京都 新宿区(電子版)
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 「新宿区」と聞いて、読者のみなさんは最初にどんなものを思い浮かべるだろうか。 やはり世界最大の規模を誇る新宿駅や、大オフィス街。 もしくは巨大な都庁だとか、とりあえず「大」の字がつくものばかりだと思う。 これら「大」の字群は、新宿駅から徒歩数分圏内にあるものばかり。 つまり、「新宿区のイメージ」とされるものは、勤務地であったり買い物をする場所であったり、 電車を乗り換える駅であったりする新宿駅周辺のみで成り立っているといっても過言ではない。 それに加えて「やくざ銀座」やら、歌舞伎町や新宿二丁目、ゴールデン街など 「危険だったり怪しかったりする飲み屋街」といったところか。 これもまた世界最大級の規模である。 そして、商業地区・オフィス街のみの区ではなく、多くの人間が暮らす街である。 とはいっても、 「新宿に住んでいるのって、すげー高い億ションとかに住んでいる少数の金持ちだけでしょ」とか 「治安が悪そう」など、 住宅地としての新宿区は「高くて危険」という悪いイメージをもたれている。 だが、これは果たしてどの程度正確なイメージなのだろうか。 新宿区を調べれば調べるほど、 「本当は新宿区内のそれぞれの地域が密接な関係性を持ち、それぞれが影響しあっている」 ことがわかってくる。 そしてまた、 「なぜ、密接に関係しあっているのに、表面的にはまったくの別物に見えるのか」 ということも見えてきた。 その原因は、30年前に新宿区を襲ったインフラの再整備、つまり都電の廃止が大きく影響していたのだ。 こうした新宿の噂・闇なども含め新宿区の過去から現在を見ながら探っていくことにする
  • 日本の特別地域4 東京都 豊島区(電子版)
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 みなさんは「池袋菌」なるものが存在することをご存知だろうか。 「池袋菌」とは、新宿・東京に次ぐ全国第3位の乗降客数を誇る池袋駅を利用する人々全員が保有する菌のことである。 「池袋菌」の保有者たちは、乗り換え駅の池袋までは堂々としていられる。 それが一歩足をのばして新宿や渋谷に向かうとドギマギが始まる。 六本木だ、お台場だなんてことになると完全におのぼりさん状態。 何しろ池袋駅を利用する人間の大多数はあの「ダサイタマ人」なのだから。 ところがだ。 2008年の6月から東京メトロ「副都心線」が開通。 「池袋菌」の保有者たちが、池袋で乗り降りしないまま、新宿や渋谷に向かう地下鉄が出現したのだ。 従来、西武池袋線や東武東上線の利用者だった「副都心線」の乗客たちは、池袋で降りずに都心へと行けるようになった。 するとどうなるのか。 「副都心線で新宿や渋谷に直接向かう乗客に何らかの変化は生じるのか」 本書「日本の特別地域」シリーズ第4弾(既刊は足立、葛飾、板橋。ほかに、特別編集版の杉並がある)『豊島区』は 実はその検証を兼ねて企画された一冊である。 果たして、「池袋菌」と「副都心線」の因果関係については、正直な話、結論を出すに至っていない。 しかしながら「池袋菌」を生みだした豊島区という地域については、いかに特殊地域であるか、 何故に特殊地域になるに至ったか、他の地域とどこが異なるかはまずまず検証できたと思う。 是非一読あれ!
  • 日本の特別地域 特別編集 東京都 杉並区(電子版)
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 足立、葛飾、板橋と続いてきた『地域批評シリーズ』。 今回はちょっと雰囲気を変えて「特別編集」版として、東京23区の西のはずれ、杉並区を取り上げる。 都道府県レベルでも、市区町レベルでも、「街」というものは、かならず何らかの広く知られる「イメージ」をもたれる。 例えば葛飾区なら「下町風情」あたりか。 それが事実と合致していようが間違っていようが、「他所からだと〇〇区はなんとなくこのように見られている」というイメージがある。 この意味で、今回取り上げる杉並区は、「いくつものイメージで語られる」というなかなか珍しい地域だ。 ある人は「文化人が住んでいる」つまるところ、「高級住宅街」というイメージで杉並区を見ている。 だが同時に、ある人は「酔っ払いの巣窟」つまり、まあ「貧困地域」ではないにしても、 「変な場所。住みたくない」くらいのイメージで杉並区を語る人間もいる。 さて、最近杉並区を語る「何となくのイメージ」として「中央線」というものがクローズアップされている。 「中央線」とは、ここでは電車路線のことではなく、新宿から立川あたりまでの文化圏を指す言葉だ。 今後、本書ではカギカッコつきで「中央線」と表記した場合、 こちらの「文化圏としての中央線」を指すこととするので、ご混乱なきよう願いたい。 本書では、取材と各種統計データなどを利用して、こうした街にベッタリと張り付いたレッテルや傾向を検証し、 「やっぱりイメージどおりだった」であったり、「案外違っているかもね」などと検証していくのである。 この本一冊で、杉並区のすべてを語りつくせるわけでは決してない。 だが、理解の出発点にはなってくれるはずだ。
  • 日本の特別地域3 東京都 板橋区(電子版)
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 私は昭和50年に板橋の仲宿商店街に産まれ、 それ以降ずっと板橋区役所周辺を住処としている、自称「生粋の板橋っ子」だ。 その私に「板橋について書け」と依頼を出してくるマイクロマガジン社とは、 剛毅と言うか向こう見ずと言うか……。 これ程までに「板橋ラブ」に満ち溢れた私に書かせたら、 意地でも板橋区の素晴らしい点しか取り上げないに決まってるではないか! 板橋53万の人口を、この本一冊で60万人に増やしてみせるわ! そんな意気込みで始めた執筆作業ではあったが、 調べを進めるにつれて中々にヘビーな「シャレでは済まないデータ」が転がり出てきた。 その「衝撃」や「驚愕」といった感情の全てを、本書に濃縮して詰め込んだ次第である。 キャバ嬢と山手線ゲームをやっていて「板橋区!」というと「どこそれ?」と言われるのは何故なのか? 本書ではそういった板橋区民なら誰でも一度は味わった事があるだろう体験や、心を痛める噂話について、 徹底的にデータをしらみつぶしにして調べ上げ、結論を出してみせた。 だがしかし、それが板橋区民にとって耳の痛い答えであったとしても、私は一切関知しない。 私はただ冷静にデータを並べ、それをストーリーテラーのように語ってみせただけである。 ここまで言ってしまってなんだが、この本を読み終えた後に、 きっと「板橋区に住みたい!」と思ってもらえるのではないかと思う。 私はここに恥ずかしげもなく断言する。 これが「山手線ゲームで名前を出してもらえない区」こと板橋区の真実であると!
  • 日本の特別地域2 東京都 葛飾区(電子版)
    3.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 本書は、地域批評シリーズの第2弾である。葛飾区という呼び名は、日本人には大変なじみのある地名だ。 なぜなら『男はつらいよ』と『こちら葛飾区亀有公園前派出所』という誰でも知っている長寿映画とマンガ、 それぞれの舞台になっているからだ。 そんな有名な葛飾区だが、実際に足を踏み入れたことのある人はどのくらいいるだろうか。 東京に残された数少ない下町風情が残るとよく聞くが、葛飾区の全体像にふれた書籍や記事というものは、あまり目にしない。 隣接する足立区が、ここ数年の格差社会ブームの中で、 生活保護受給者が多いとか、ヤンキーが多いなどと注目されているのとは、対照的である。 足立区は、格差社会の負け組で酷い酷いといわれているが、隣接する葛飾区の状況はどうなのだろうか。 葛飾区は、下町の象徴のようにいわれてはいるが、それは本当なのだろうか? 地図を見ると、鉄道がカバーできていないだろう地域が多く見つかるし、区内を走る主な鉄道は京成線。 JRと地下鉄の密集に慣らされている東京都民は、これだけで「不便な街だなー」と思いがちだ。 また、街はというと葛飾区には大企業が数多く本社を構えているイメージは当然なく、 あるのは『男はつらいよ』でおなじみの町工場と、あまり近代的とはいえない住宅街だ。 本書は葛飾区のイメージを、様々なデータ分析と取材により、裏付けたり、はたまた覆したりすることになる。 比較対象として、隣接しながら「いっしょにするな!」と葛飾区民がアピールする足立区を使わせてもらった。 葛飾区の本当の姿を見てみたいと思う人は、ぜひ最後まで読み進めていってほしい。
  • 日本の特別地域1 東京都 足立区(電子版)
    4.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 本書は、東京23区のひとつ「足立区」の分析書である。 足立区は、実は東京の中でも今もっともホットな地域のひとつだ。 「つくばエクスプレス」の開通にあわせ、足立区内のあちこちで。大規模な再開発が行われている。 古い建物が消え、工場が移転し、巨大なショッピングモールやマンションが林立している。 だが、足立区は、他の地域に住む人間から、 「ヤンキーが多い」 「ビンボー人ばかり」 など、世界に冠たる大東京の中でも珍しい貧困地帯、要するにブロンクスのようなイメージを持たれている。 はたしてこれは、本当なのだろうか。 確かに、近年足立区を一躍全国で有名にした出来事に、「女子高生コンクリート詰め殺人事件」がある。 足立区綾瀬で起こったこの事件により、「足立区は危ないヤツが平気な顔をして住んでいる」ということが、 いわば実証される形となってしまった。 それに対して、物語の世界に登場する足立区は、それほど悪いものでもなさそうだ。 足立区を扱った物語の中で有名なものとして、「3年B組金八先生」や、 足立区出身の大スターである北野武(ビートたけし)の自伝である「たけしくん、ハイ!」などがある。 これらの物語で描かれる足立区は、やはりビンボーでガラが悪く、 しかしそれでも明るく本当は心の温かい人たちが暮らす土地のようだ。 少なくとも一部分はその実情通りなのだろう。 本書では、足立区に貼られている各種のレッテルを、各種データの分析と取材により、 ひとつひとつ検証していく。 足立区の本当の姿を見てみたいと思う人は、ぜひ最後まで読み進めていってほしい。
  • 尖閣激突
    3.0
    東京都の調査団員として尖閣調査した海洋学者と尖閣視察経験のある軍事学者が、今年夏に勃発した中国漁船による尖閣上陸問題を検証し、併せて今後の危機を予測、そして紛争を未然に防ぐための方策を語り合う。

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  • 天の摂理 地の祈り インド哲学で読み解く、原発の過ち・再生への道
    -
    人類の命運を賭けて脱原発が迫られる今われわれが学ぶべきものは?新たな文明を築くために、インドの賢者が示唆する、豊かさと幸福の真実。

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  • 男という名の絶望 病としての夫・父・息子
    3.3
    現代社会において男性を取り巻く環境は凄まじい勢いで変化し、男たちを追い込んでいる。理不尽なリストラ、妻の不貞、実母の介護、DV被害……彼らはこれらの問題に直面して葛藤し、「男であること」に呪縛され、孤独に苦しんでいる。そのつらさや脅えは〈病〉と呼んでも過言ではない。「男であること」とはいったいなんなのか? 市井の人々を追跡取材するジャーナリストが、絶望の淵に立たされた男たちの現状を考察し、〈病〉を克服するための処方箋を提案する最新ルポ。
  • PTA、やらなきゃダメですか?(小学館新書)
    4.3
    こんな組織、もういらない! 「自動的に加入させられた」「会費を強制徴収された」「子どもの在学中に、一度は役員か委員をやらなければならないと言われた」――まるでブラック組織並みの強権集団に成り下がっているPTA。そのすべての原因は、PTAに参加することが義務であるかのように思われていることにある。 しかし本来、PTAはボーイスカウトなどと同じ任意団体で、加入しなくてもいいし、役員を押しつけられるいわれもない。ただ、PTAを牛耳っている人たちにも悪意はなく、前例を後生大事に守っているだけなのだ。 こうしたPTAの“常識”から自由になれば、生徒にとっても保護者にとっても学校は楽しいところになる。“経営学の父”ドラッカーのビジネス書『マネジメント』にヒントを得て、小学校のPTAから役員会や委員会をなくし、完全ボランティアでの運営を実現させてメディアからも注目を集めている山本浩資氏が、そのポイントと“脱PTAのススメ”を説く。
  • それでも親子でいなきゃいけないの?
    完結
    3.8
    「母がしんどい」の田房永子が、“その後”の母子関係を描いた最新エッセイコミック。両親との関係に疲れ果てたあなたへ捧げます。自分が壊れるまで、親子関係を続けなくてもいいのです。
  • ダブルギアリング 連鎖破綻
    3.9
    今年デビュー10周年を迎える真山仁がデビュー作『ハゲタカ』の前年の2003年に発表した幻の第一作、ついに文庫化! 破綻の危機に瀕した大手生保を舞台に人びとの欲望が渦巻く大型経済小説。真山仁の全てがここにある! 電子特別附録として著者インタビュー「真山仁、『ダブルギアリング』を語る」、2015年1月幻冬舎から刊行予定の書き下ろし単行本『雨に泣いている』の冒頭部分を収録。 *本書は、二〇〇三年八月にダイヤモンド社より刊行された『連鎖破綻 ダブルギアリング』のタイトルを変更して文庫化したものが底本です。
  • 「スーパー名医」が医療を壊す
    4.0
    医療訴訟の激化、産科医の激減、地方医療の危機、医者と患者の相互不信……。「神の手」持つスーパー名医がドラマの中でもてはやされる一方、この国で刻々と進む深刻な「医療崩壊」。名医でもヤブ医者でもない普通の一勤務医が、日常の現場から唱える、日本の医療を救うための緊急提言!

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  • 体罰はなぜなくならないのか
    4.0
    大阪・桜宮高校での生徒の自殺を機に体罰撲滅が叫ばれる一方、「愛情があれば殴ってもよい」という支持の声は大きい。教師が子どもに罰として肉体的苦痛を与える「体罰」は、学校教育法で明確に禁止されている。体罰に教育効果などなく、子どもに致命的なダメージを与えるだけ。だが、教師は子どもを暴力で支配する快感に溺れ、親はそれを「教育熱心」として讃え、世間も「愛の鞭は必要」と容認してきた。これまで多くの子どもの命を奪ってきた暴力の共犯構造にメスを入れる。
  • まち再生の術語集
    3.4
    停滞と閉塞の時代に注目されるコミュニティデザインという発想。地域の力は、人がヒト・モノ・コトの中に参加し物語りを紡ごうとする意志から始まる――まち再生・まち育ての助っ人として全国を駆け回る筆者が、行政や住民のトラブルをドラマに変える様々な現場で捕まえた、思想と手法のキーワード集。

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  • タックス・ヘイブン 逃げていく税金
    4.2
    税制の根幹を破壊する悪質な課税逃れ。そのカラクリの中心にあるのがタックス・ヘイブンだ。マネーの亡者が群れ蠢く、富を吸い込むブラックホール。市民の目の届かない場所で、税負担の公平を損なうさまざまな悪事が行なわれている。その知られざる実態を明らかにし、生活と経済へ及ぼす害悪に警鐘を鳴らす。

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  • 自分年金をつくる -今からでも遅くない!-
    4.0
    あなたの年金は大丈夫ですか?  本書は年金への不信と不安が渦巻く中、国に頼らず自分で自分の年金をつくるマネー術を提言します。  「公的年金」プラス「自分年金」―-老後難民にならないためにはこれしかない! 今からでも遅くないのです!  ただし自分年金作りは出来るだけ早く始めた方が勝ち。  低金利時代でも、時間とアタマを使えば大きく育ちます。  本書には自分年金をつくるノウハウが盛り込まれています。業者のセールストークに惑わされないためにも、金融商品の正確な知識と的確なアドバイスを大いに役立ててください。 <目次>  序章●自分で年金をつくるしかない  第1章●足りない年金をどう補うか?  第2章●企業年金は本当に大丈夫か?  第3章●投資信託の落とし穴とは?  第4章●年金保険で自分年金をつくる  第5章●ワンルームマンション投資で節税  第6章●自分に合う自分年金を見つける
  • あんぽん 孫正義伝
    4.1
    異端経営者はなぜ生まれたのか。 今から一世紀前。韓国・大邱で食い詰め、命からがら難破船で対馬海峡を渡った一族は、豚の糞尿と密造酒の臭いが充満する佐賀・鳥栖駅前の朝鮮部落に、一人の異端児を産み落とした。 ノンフィクション作家・佐野眞一が、全4回の本人インタビューや、ルーツである朝鮮半島の現地取材によって、うさんくさく、いかがわしく、ずる狡く……時代をひっかき回し続ける男の正体に迫る。 在日三世として生をうけ、泥水をすするような「貧しさ」を体験した孫正義氏はいかにして身を起こしたのか。そして事あるごとに民族差別を受けてきたにも関わらず、なぜ国を愛するようになったのか。そしてなぜ東日本大震災以降、「脱原発」に固執し、成功者となったいま、再び全米の通信業界に喧嘩を売りにいこうとするのか――。飽くなき「経営」の原点が本書で明らかになる。
  • ふしぎな部落問題
    3.8
    二〇〇二年に同和対策事業が終了した。しかし、それは部落差別がなくなったことを意味するわけではない。インターネット上には、どこが部落か、などといった情報が氾濫している。一方、差別を解消しようとする部落解放運動も時を経て、変化を余儀なくされている。「歴史」から学び、「メディア」によって現在を知り、「地域」から未来の方向性を模索する、これまでにない部落問題の決定版。
  • 「奇跡の自然」の守りかた ──三浦半島・小網代の谷から
    4.5
    源流から海までの生態系が自然のまま残された「小網代の谷」はどのように守られたのか? 地元の人や訪れた人たちが手伝い一緒に森を育てる、自然保護の新しい形とは?
  • どん底 部落差別自作自演事件
    3.7
    前代未聞の部落差別事件の犯人に迫る。 03年12月から09年1月まで、被差別部落出身の福岡県立花町嘱託職員・山岡一郎(仮名)に対し、44通もの差別ハガキが送りつけられた。山岡と部落解放同盟は犯人特定と人権啓発のために行政や警察を巻き込んで運動を展開していったが、09年7月に逮捕された犯人は、被害者であるはずの山岡一郎自身だった。  5年半もの間、山岡は悲劇のヒーローを完全に演じきった。被害者として集会の壇上で涙ながらに差別撲滅と事件解決を訴え、自らハガキの筆跡や文面をパソコンを駆使して詳細に考察し、犯人像を推測していた。関係者は誰も彼の犯行を見抜くことができなかった。  被差別部落出身で解放運動にたずさわる者が、自らを差別的言辞で中傷し、関係者を翻弄したこの事件は、水平社創設以来の部落解放運動を窮地に陥れた。06年の大阪「飛鳥会」事件で痛手を負っていた部落解放同盟は、この自作自演事件で大打撃を被ることになった。  なぜ山岡はハガキを出さざるを得なかったのか--現代の部落差別の構造と山岡の正体に鋭く迫りながら、部落解放同盟が“身内”を追及する前代未聞の糾弾のゆくえを追う。
  • 回避性愛着障害~絆が稀薄な人たち~
    4.3
    結婚率や出生率の低下は、主に経済問題の側面から論じられることが多い。しかし、それは経済問題とは別のところに原因がある。多くの人が、自分一人で過ごす時間や自分のために使うお金を削ってまで、家族をもちたいとは思わなくなっているのだ。そこには回避型愛着が浸透していることが関わっている。われわれの身には、人間から別の種へと分枝していると言えるほどの、生物学的変化が生じているのである。
  • 気高く、強く、美しくあれ 日本の復活は憲法改正からはじまる
    4.0
    1巻825円 (税込)
    日本の伝統文化に立脚した憲法改正案を開陳! 新聞・雑誌・テレビ等で活躍するオピニオンリーダー、櫻井よしこ氏による憲法改正草案の「ザ・決定版」。GHQ占領下の公布から60周年、日本人自身の手による憲法改正を発議する。「天皇、第九条、前文、基本的人権、教育、家族、政教分離など、憲法改正に必要な理念は、実は聖徳太子から幕末・明治期の歴史のなかにあります」――櫻井氏がそう自説を展開し、大好評を博した『SAPIO』誌連載をベースに、十七条憲法、五箇条の御誓文、明治憲法や海外事例も参照しながら、個々の憲法条文がどうあるべきかを問う。同時に私たち日本人が世界に誇る歴史・文明は何かを改めて考えさせる1冊です。

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  • おひとりさまが死ぬまで自立して生きるための本 成年後見人がいれば大丈夫
    5.0
    1巻825円 (税込)
    私は「成年後見人」である。(中略)本書では、11年にわたる成年後見人としての経験から、おひとりさまの老後に対して、いくつかの処方箋を提示した。(中略)人間、息を引き取るまで、好むと好まざるとにかかわらず、いろいろな事柄が心を悩ませる。まさしく苦の連続とも言える。しかしながら、こうなってしまった現実を嘆いてばかりいても仕方ない。正面から捉えて対応することで、少しは心を軽くすることができるのだ。(中略)そして、これは私にとっても決して他人事ではなく、正真正銘、由緒正しきおひとりさまである私が、少しでも心穏やかに最後まで行きぬくための方策でもあるのだ。(まえがきより)
  • いじめと探偵
    4.2
    使いっ走り、カツアゲ、万引きの強要、度重なる暴力、そしてクラスメイトによる集団レイプまで、いじめはさまざまだが、ほとんどの被害生徒は、いじめを必死に隠し周囲に相談しない。仮に子供が告白し、親が学校に相談しても、多くの学校は調査すらしない。そればかりか「証拠を持ってこい」と言う。そこで調査、尾行、録音・録画に秀でた探偵の出番となる。いじめ調査の第一人者が、実際に体験した具体的な事例を挙げて、証拠の集め方、学校や加害生徒の親との交渉法や解決法を伝授。いじめという社会の病巣に斬り込む。
  • 体を壊す10大食品添加物
    3.8
    食品添加物は食べ物を長持ちさせたり、見た目をよくしたり、カロリーを減らすために使われているが、それらは消費者の体を確実に蝕んでいる。とはいえ、添加物を完全に避けるのは不可能。そこで本書では最も危険な10の食品添加物を紹介。明太子おにぎりやサンドイッチ、カロリーオフ飲料や菓子パン、栄養ドリンク等々、普段口にする食品には体に悪い物質がこんなにも使われていた! 食を根本から見直すきっかけになる、現代人必読の書。
  • 僕らはいつまで「ダメ出し社会」を続けるのか 絶望から抜け出す「ポジ出し」の思想
    3.9
    ここ二十年の経済停滞からくる個人の生きづらさを反映し、益のない個人叩きや、意見・提言へのバッシング合戦が横行する日本。でも僕らには時間がない。一刻も早く、“ポジ”ティブな改善策を“出し”合い、社会を少しでもアップグレードさせなくては――。注目の若手評論家が、政治・経済、社会状況のバグ(問題)を総チェックし、解決のためのフレームを提示。誰かを採点し続けるのではなく、自ら当事者として社会を変えていくための実効性ある方法を提言する。
  • ルポ ゴミ屋敷に棲む人々 孤立死を呼ぶ「セルフ・ネグレクト」の実態
    3.4
    悪臭のする不衛生な「ゴミ屋敷」で、他者の介入を拒否し、物に埋もれながら暮らす人々が増えている。彼らの多くは、実は「セルフ・ネグレクト」の状態にある。セルフ・ネグレクト(自己放任)とは、自分の生活に極度に無関心となり、著しく生活環境と健康状態が悪化する状態のことで、やがては孤立死に至る。毎年2万人に上る孤立死の約8割は、このセルフ・ネグレクトが要因とも言われている。彼らはなぜ自らの人生を「放棄」し、ゆるやかな死を選ぶのか。少子高齢化、家族崩壊、高齢者虐待などを背景に急増する、現代の病理に迫る画期的な書。
  • ガラパゴス 上
    3.9
    1~2巻814~913円 (税込)
    大ベストセラー『震える牛』ふたたび!  警視庁捜査一課継続捜査担当の田川信一は、メモ魔の窓際刑事。同期の木幡祐司に依頼され、身元不明相談室に所蔵されている死者のリストに目を通すうち、自殺として処理された案件を他殺と看破する。不明者リスト902の男の発見現場である都内竹の塚の団地を訪れた田川と木幡は、室内の浴槽と受け皿のわずかな隙間から『新城 も』『780816』と書かれたメモを発見する。田川が行った入念な聞き込みにより者不明者リスト902の男は沖縄県宮古島出身の派遣労働者・仲野定文と判明した。田川は、仲野の遺骨を届け、犯人逮捕の手掛かりを得るため、宮古島に飛ぶ。仲野は福岡の高専を優秀な成績で卒業しながら派遣労働者となり、日本中を転々としていた……。  現代の生き地獄を暴露する危険きわまりない長編ミステリー!
  • 毒家脱出日記~親が苦手じゃダメですか?~ 1
    完結
    -
    アルコール依存症、DV、モラハラ…それが当たり前の家族だと思っていた少女・ポコ。成長して初めて、両親が「毒親」だと知り……!! このお話は、著者自身の実体験をもとに、リアルに描く「毒家からの脱出」――「普通」だと思っていた家族が「毒」だと気づき、親との関係を見つめ直し、決別、自立、そして「新しい家族」を築くまでの物語です。
  • 教師はサービス業です 学校が変わる「苦情対応術」
    3.6
    めちゃくちゃな苦情・クレームをするモンスターペアレントの登場に、教育現場は大混乱……それって本当? 少子化時代の保護者と向き合わない教師や学校側にこそ原因が、と喝破するのがご存知「クレーム対応アドバイザー」の関根氏。この本は、教師が身に付けるべき心構えやコミュニケーションのノウハウ、ケース別苦情対応方法を徹底指導。より良い学校と保護者の関係構築を目指します。苦情に向き合えば学校は変わる!
  • マネーの闇 巨悪が操る利権とアングラマネーの行方
    3.0
    巨悪が操るアングラマネーとは何か? 利権に群がる政治家、暴力団とアングラの集団。日本の闇をえぐり取る「日本人と犯罪」第3弾!
  • 人間の闇 日本人と犯罪<猟奇殺人事件>
    3.5
    グリコ事件、世田谷事件、他、戦後を代表する重大事件がいかにして起こり、日本人にどう影響を与えたか。未解決事件の本質の闇を覗く。
  • 「ストレス」の肖像
    3.0
    二十世紀末の現在、「ストレス」という言葉が蔓延している。一体、ストレスとは何か? 言葉の生みの親セリエは、生命法則の一部という。ストレスは、生体と環境との間に起こる「さざ波」であり、人間が生存していくための意思決定が複雑な社会にあっては「生きる証し」でもある。本書は、現代文明の必然的落し子「ストレス」誕生の謎から最新研究まで、時代背景と必然性の経緯を辿り、研究・臨床両面から、対応・解消法を探る。

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  • はじめての不倫学~「社会問題」として考える~
    3.5
    既婚者が「不倫」の誘惑に抵抗するためにはどうすればいいのか? 多くの社会問題の背景に潜む「不倫」は個人のモラルの問題として捉えられており「社会の問題」として捉えられることは少ない。本書では、既存の「結婚」に囚われない多様なあり方を実践する男女への取材をまじえながら、「不倫」を「社会の問題」として捉えなおすことによって「不倫」の予防と回避のための処方箋を提供する。本邦初の実践的不倫学!
  • 日本の医療格差は9倍~医師不足の真実~
    3.5
    医者が最も不足しているのは関東地方、医者が多いのは四国・中国・九州など西日本だ。医者の数は圧倒的な「西高東低」で、その新しい「格差」は、戊辰戦争と明治政府、日本陸軍、そして田中角栄によって歴史的に作られてきた。なぜ関東に医者は少ないのか? なぜ医学部は西日本に多いのか? なぜ金持ちの子どもしか医者になれないのか? 素朴な疑問から現代社会の「格差」を見出した東京大学医科学研究所特任教授が提言する。
  • メディアの苦悩~28人の証言~
    3.7
    「マスゴミ」「オワコン」と言われる新聞・テレビと、炎上などさまざまな社会問題をたびたび引き起こすネットメディア。これからメディアは、知の進化に貢献するのか、はたまた混乱の発生源となるのか――? 亀山千広フジテレビ社長、木村伊量朝日新聞社社長、川上量生ドワンゴ会長、アリアナ・ハフィントン、中川淳一郎、津田大介、東浩紀――さまざまなメディア人の「苦悩」を、元電通ビジネス・デジタル局長がインタビュー。
  • 不機嫌な夫婦 なぜ女たちは「本能」を忘れたのか
    3.9
    『オニババ化する女たち』から8年、不機嫌な夫婦が増えている。男女ともに駆り立てられるように働き、セックスする余裕もないほど疲れて、ギスギスする家庭。草食男子も晩婚・非婚の流れも、全ては家庭の問題に直結している。本当に幸せな生活とは何かを鋭く問う。

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  • 震災と鉄道
    3.4
    「早々に当日復旧を断念したJR東日本の決断は正しかったのか?」 「日本全国の海沿いの路線は、内陸に付け替えるべきか?」 「地元住民にとって、バスはローカル線の代替になりうるのか?」 「災害対策にならないリニア建設で誰が恩恵を受けるのか?」… シリーズ10万部突破の『鉄道ひとつばなし』(講談社)の著者が「震災」を語る。今、鉄道の視点から、現代日本を問う!

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  • 豚インフルエンザの真実 人間とパンデミックの果てなき戦い
    4.5
    豚インフルエンザことインフルエンザA(H1N1)。幸いにも当初危惧された惨事には至らなかったが、日本政府は水際作戦に失敗。人々は徒に不安を煽られ、経済活動も停滞した。専門家にとっても想定外の豚インフルはなぜ発生したか? 毒性が強まるおそれは? 鳥インフルはもう心配ないのか? 世界の最新情報を分析しつづけ「現代社会で何千万人も死者が出る事態は起こらない」と訴える著者が、今回の騒動を冷静に総括。今後、どんな新型ウイルスが発生してもパニックにならずに済む、真に有用な知識と情報を提供する。
  • 大往生したけりゃ医療とかかわるな 「自然死」のすすめ
    4.0
    3人に1人はがんで死ぬといわれているが、医者の手にかからずに死ねる人はごくわずか。中でもがんは治療をしなければ痛まないのに医者や家族に治療を勧められ、拷問のような苦しみを味わった挙句、やっと息を引きとれる人が大半だ。現役医師である著者の持論は、「死ぬのはがんに限る」。実際に最後まで点滴注射も酸素吸入もいっさいしない数百例の「自然死」を見届けてきた。なぜ子孫を残す役目を終えたら、「がん死」がお勧めなのか。自分の死に時を自分で決めることを提案した、画期的な書。
  • 2015年放射能クライシス
    4.0
    1巻792円 (税込)
    4年後に起こるニッポンの危機とは何か? おびただしい量の放射性物質が拡散してしまった日本。かつては「原発推進派」で日本原子力学会平和利用特賞まで受賞した科学者である著者が、2015年が日本の節目であると分析する。チェルノブイリ事故による小児がん患者が4年後に急増したからである。ヨーロッパの論文によれば、今回の事故で最大40万人のがん患者が発生する可能性まで指摘されている。かつて旧ソ連も原発事故が引き金となって崩壊へと突き進んでいった。高度なネット社会のなかで、この厳しい現実に直面した時に予想される国内外の激しいリアクションに日本は耐えられるのか? 放射能汚染によって世界の中で孤立化する日本の辿る道とは? 生活、社会、経済に忍び寄る本当のクライシスとは? あらゆる側面から近未来予想図を描く。そしていまある食品や水は大丈夫なのか?魚はプルトニウムに汚染されていないのか? といった具体的な例を挙げながら現状での危機を避ける生き方も提示する。さらには「事実を隠しウソをつく」企業や政府、メディアの欺瞞と裏側を暴き、2015年の悪夢を回避するためにいま最も必要なものは何なのかを説く。
  • 2時間で学ぶ原発・電力の大問題
    3.3
    電力に関する素朴な疑問を、一問一答形式で解決! 新聞に出てくる単語から、日本の電力事情の複雑さ、そして次世代エネルギーまで、読んですぐ使える電気雑学本の決定版!
  • 節電社会のつくり方 スマートパワーが日本を救う!
    3.2
    世界から日本だけが取り残されていた”電力インフラ”整備。深刻化する節電の正しいあり方と、スマートグリッドなど日本のビジネスを一変させる技術について第一人者が緊急提言する。
  • 原発とプルトニウム パンドラの箱を開けてしまった科学者たち
    3.0
    自然状態ではほとんど存在しない猛毒の放射性元素、プルトニウム。原爆の材料として科学者によって人工的にこの世に生み出された。核兵器所有国、ならびにいまは北朝鮮とイランが、この物質、プルトニウムを隠し持っていると疑われているが、じつは、日本も「平和の原子力」=原発の使用済み燃料として、長崎原爆5000発分のプルトニウムを所有している。テロリストにも狙われるプルトニウム。この問題をめぐって、いま日本は、どうしたらいいか、大きな岐路に立っている。 いったいどのようにしてプルトニウムは科学者によって作られたのか。自らの好奇心に忠実に真理に迫る科学像から政治や経済、国家の動向に左右される科学へ、科学の性格が大きく変質した20世紀前半の半世紀を、懸命に生きる科学者たちの群像としていきいきと描き出す。そして今日の日本の原発とプルトニウムをめぐる複雑な事情にメスを入れる。

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  • FUKUSHIMA 福島原発メルトダウン
    3.9
    福島第一原発の惨状は目を覆わんばかりだ。原発震災を招いた原因は何なのか。「次」を防ぐ策はあるのか。 「揺れも津波も想定外」とする東電幹部や識者たち。しかし、時がたつにつれ「事故は人災」との指摘が強まっている。折しも列島は「地震激動期」に突入した。日本を救うために、原発震災の危険性をいち早く指摘していた著者が、「全原発を即、止めよ」と緊急警告する!!

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  • 2011年7月24日 テレビが突然消える日
    3.4
    2011年7月24日を境に日本中のアナログテレビが映らなくなる。地上波デジタル放送が全国いっせいに実施され、6500万代台のテレビが、ゴミになる。地上波デジタル放送とはいったい何者なのか。生活にどんな影響があるのか。テレビ放送出身の老練専門家が、メディア論、テレビ論、ジャーナリズム論から徹底的に解説する。さらには、米国、英国、韓国の地上波デジタル政策と比較しながら、日本の国家としての放送政策を問い直す。この一冊で、「地デジ」騒動がわかる!

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  • ヒルズ黙示録・最終章
    3.7
    堀江貴文、村上世彰、東京地検特捜部。彼らの闘いが描き出す現代日本社会の実相。2006年に証券取引法違反容疑で逮捕、起訴された、二人の「カリスマ」。「時代の寵児」としてもてはやされた彼らは何をしてきたか、なぜ、摘発されたのか。社会の新勢力を代表する彼らと、旧勢力を代表する検察側との死闘を暴きだす、同時代ノンフィクション。

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  • 公務員の異常な世界 給料・手当・官舎・休暇
    3.6
    安定と安心の職業として昨今、ますます人気の公務員。なかでも、地方公務員の厚遇ぶりには目を見張るばかり。その地方独自の特殊手当と充実が過ぎた福利厚生で、住民との給与格差は開くばかり。一日の実働2時間半の通称みどりのおばさんに年収800万円、公共バスの運転手に1300万円を支払う自治体もある。公務員の厚遇は、もはや異常だ。だが彼らに、自らの人件費が国や地方の財政を圧迫しているという意識はない。国が破綻する前に、公務員を弾劾せよ。
  • 思い通りの死に方
    3.9
    何歳まで生きたいですか? 大往生は万人の願望。マスコミは90歳を超えても元気な「スーパー老人」をもてはやし、死ぬまで健康であるべきだという圧力は強まる一方だが、いま現実はどうなっているのか。現役医師2人が、誰も本当のことを言わない高齢者の生き方・老い方・逝き方を赤裸々に語り合った。アンチエイジングを謳い、高齢者を飯の種とする医療界はどこまで信用できるか? そもそも医者の多くがなぜがんになるのか? 大往生は可能なのか? 等々、遅かれ早かれ誰もが直面する生死の真実。
  • 訳アリ先輩の彼女になりました
    4.8
    【死にたい時に、出逢っちゃいました。】コンビニでバイトをする学生・相模 由妃(さがみ ゆき)。その目はいつも虚ろで何にも動じない。早くいなくなりたい…。そんな彼女の前に現れた人。地元で有名なワル×消極的な美少女。――「やり過ごすだけの毎日が、楽しくなるなんて、思ってなかった。」 相模 由妃はクラスの女子からイジメのターゲットにされていた。嫌がらせや悪口、時には暴力…。それらに対抗する術は全てを諦めること。機械的に登校して、その後はコンビニのバイト。このループを終わらせたい、ただそれだけだった。 しかし由妃のモノクロな日常は、不良達のリーダー的な存在、鬼塚(おにつか)との出逢いで変わっていく。 辛いこともあるけどこの人といると、世界がキラキラしはじめる。 ちょっと不思議な組み合わせのカップルが織り成す胸きゅんな日々、花田 デビューコミックス。
  • あきらめないでよかった 41歳で双子が生まれるまで ~不妊治療14年目の奇跡~
    -
    子供をあきらめかけた夫婦の、感動の不妊治療エッセイ!! 子宮腺筋症でどの病院でもサジを投げられ断念した妊娠。しかし、ある医師との出会いが出産への道を開く!! 「まだ子供は…」と思っていた28歳で発覚した子宮腺筋症。そこからタイミング法、体外受精など不妊治療を始めた作者。貯金も体力も気力も尽きて一時は断念しながらも14年後に妊娠・出産に至った奇跡とは!? 不妊に悩む全ての男女に読んでほしい、子供を授かるまでに起こった出会いと努力、そして奇跡のリアルエッセイ!!
  • 長生きしても報われない社会 ──在宅医療・介護の真実
    4.0
    長い療養が必要な病気にかかったとして、安静に過ごせる居場所はあるだろうか。「病院から地域へ」という掛け声のもと、地域包括ケアシステム、在宅医療が推奨されているが、その内実は患者をないがしろにするものが多い。そういった環境で、私たちは安心して長生きし、死を迎えることができるのだろうか。在宅医療・介護や看取りの身近な現場から認知症医療、そして地域、自治体、国へと枠を広げながら、日本の医療の問題点とそこに残された可能性を探る。
  • ニュース、みてますか? - プロの「知的視点」が2時間で身につく -
    3.5
    池上彰氏と共にNHK「週刊こどもニュース」を創りあげた放送プロデューサーが、毎日のニュースの“読み砕き方”“楽しみ方”を伝授! 「この本を読み終える頃には、今までつまらなく見ていたテレビの定時ニュースが、待ち遠しくて仕方がないエンターテイメント番組に思え、 ネットニュースや新聞を開くだけでまるで推理小説を楽しむような気分を味わえるようになることでしょう」―著者より ○池上彰氏による「特別寄稿」を収録。 「この本は、「わかりやすさ」を追求した記録ですが、と同時に、ニュースの基礎知識を知ることもできる構成になっています。 さらに、「ニュースとは何か」という本質的な問いにも答えようという無謀な挑戦も出てきます。 この本を、どう読むか。それは、読者の問題意識によって、引き出せる内容も変わってくるのだと思います」 ―池上彰氏より 【プロフィール】 杉江義浩(すぎえ よしひろ) 1960年東京都生まれ。神戸大学文学部卒。 「NHKスペシャル」「天才てれびくん」をはじめ、「週刊こどもニュース」では番組の立ち上げから8年間にわたり総合ディレクターを担当。 以後、「真剣十代しゃべり場」「ピタゴラスイッチ」「からだであそぼ」などプロデューサーを歴任。 NHKエデュケーショナルを経て、2008年よりNHKインターナショナル勤務。 国連COP10、APEC、IMF世銀総会等の国際会議においてホストブロードキャスター業務を担当。 現在は放送プロデューサーの他にボランティアで池上彰公式ファンクラブを主宰。 オピニオンサイト「YSUGIE.COM」を運営するなどメディアの可能性を探求している。
  • 移民大国アメリカ
    3.5
    世界最大の移民国アメリカは、いま大きな危機を迎えている。一九九〇年代以降、中南米出身の移民が急増し、現在一〇〇〇万人を超える不法移民がいる。多くの移民の支持を得たオバマ大統領は、五〇〇万人を超える不法移民に合法的地位を与えた。建国以来、移民の国であることに誇りを持ってきた米国人の間で、不法移民批判が高まりつつある。米国の移民政策はどこに向かうのか。日本はどう対応すべきなのか。気鋭の政治学者が、移民問題を切り口に米国社会を鮮やかに分析する。
  • 台湾人から見た日本と韓国、病んでいるのはどっち?
    4.0
    15ヶ国語以上を操る台湾人・李久惟(リ ジョーウェイ)氏。 李氏は東京外国語大学を卒業後、世界中を飛び回り、 さまざまな分野で語学講師・セミナー講師として活躍するなど、 積極的に国際交流や言論活動を行なってきた。 また通訳としても台湾新幹線プロジェクト、野球の国際大会(オリンピック予選、WBC)、 サッカー国際大会(アジア予選、東アジア選手権)などで輝かしい実績を残している。 そんなグローバルな活動を展開する李氏には、緊張状態が続く日本と韓国の関係はどのように映っているのか? 「歴史」「政治」「文化」「社会」「教育」「経済」「スポーツ」という7つの分野から、 多角的かつ客観的に綴ってもらった一冊。 台湾人から見て、病んでいるのは日本と韓国、果たしてどっち?
  • 日本が好きでなぜ悪い! - 拝啓、『日之丸街宣女子』から思いを込めて -
    3.0
    「日本、ヤバイんじゃね? そう思った時に、何ができるかと考えたら、漫画で周知だった。 日本が好きで、ちっぽけなイチ日本人として何かしたくて、漫画を描いている。 これからも書いていくだろう」(本文より) --2015年5月15日、富田安紀子が世に送り出した漫画『日之丸街宣女子』は発売前から大きな話題となり、 ベストセラーへの階段を一気に駆け上がる。 しかしその裏では、著書とその周辺への過剰なまでの“弾圧”が行われていた!  ……それでも「日本が好きでなぜ悪い?」。 初の新書で著者が当たり前のことを当たり前に綴る!! 第1章…『日之丸街宣女子』にまつわるエトセトラ 第2章…『日之丸街宣女子』発売日周辺一カ月記 第3章…漫画家という職業 第4章…私と「新保守」のヒストリー 第5章…私が漫画家としてできること 第6章…拝啓、『日之丸街宣女子』から思いを込めて
  • 慰安婦問題
    5.0
    従軍慰安婦は、なぜいま大きな問題となってしまったのか。韓国は誠意ある謝罪を求め続け、日本は法的に補償は終わったと主張し続ける。果たして和解はありうるのか。問題が複雑化してしまった経緯をたどり、その背景にある戦後補償問題、そして失敗に終わったアジア女性基金問題、女性の人権問題に対する国際的関心の高まりについて解説。さらに民族主義、ポストコロニアリズム、フェミニズムの三つを重ね合わせる多面的な理解の必要性を訴え、冷静な議論のための視点を提供する。

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