松立学の作品一覧
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ユーザーレビュー
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このような本が出ているとは知らなかった。
帰省した際、浜松を中心にして静岡県下に展開する書店「谷島屋書店」で発見し即購入。
上京して随分時が経つが、年に何度か帰省する度に浜松の街が少しずつ変わっていっていることは感じていた。
西武浜松がなくなり、丸井もなくなり、しまいには老舗百貨店であった松菱もなく
...続きを読むなった。イトーヨーカドーもあったけど、今はもうない。
はっきり言って、浜松の駅周辺は残念なことになっている。
こうなったことには、どのような問題があったのか、そしてこれからの浜松はどのような街づくりをしていくべきなのか。とても心配だ。だから、事あるたびに浜松の情報は得るようにしている。今の道に進んでなかったら、こっちの道に進んでいただろうと思う。
そんな中、本書を手にした。本書は八章構成。
第一章 家康公に工業の街 浜松市ってどんなトコ?
第二章 「知ったこっちゃない」リアル浜松人気質のなぜ?
第三章 静岡最大の80万都市 浜松大合併の光と影
第四章 栄えていたのは大昔 市中心部はボロボロ!?
第五章 旧市がそのまま区割りに 副都心を豪語する浜北
第六章 ままならない森林開発と第一次産業の実態とは?
第七章 南海トラフ巨大地震の被害予測と防災対策
第八章 工業があるから安心? どうなる未来の浜松市
浜松の産業や、静岡をライバル視しているようなことは既に過去に出版された浜松関連のビジネス書に記されているため、特筆することはない。本書で注目すべきは第二章にあると考える。浜松の商店街は静岡の商店街に比べ、敷居が低いという。その変わり、飽き性というか無関心というかともに伸びようとしない風潮がある。下手をすると同じ商売を展開し、お互いにつぶし合うようなことにもなりかねない。そうやって、街道筋の商店も随分寂れているように感じる。その根本はここで指摘される気質にあると感じる。
このあたりをどうにかしないと、過去を振り返り、未来を見据えることはできないのではないかと感じる。
「出世の街」を標榜するのはいいけれど、「通過点の街」だと思われてしまってはもったいないように思う。
また、本書どちらかというと合併前の旧浜松市に拠った記事が多いように思われる。合併したことで、例えば水窪の赤字ハコモノの存在や、山林を中心とする第一次産業のこれからについてももっと取材できたのではないかと感じる。このあたりがもったいないように思われる。
自分が小学生の頃には、社会科の教材として『のびゆく浜松』という副読本が配布されていた。今も配布されていると思うが、外から見た浜松の評価というものも意識する必要があるのではないかと感じる。その点で価値ある本であると思われる。
Posted by ブクログ
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