講談社の検索結果

  • 愛の海峽
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    女子少年院で更生し出所した清純な若い女性が、世の荒波にもまれながら人間の真実と愛情に目覚めていく、映画化もされた感動の物語。スリ犯の不良少女・多恵子は、女子少年院の生活と院長の息子・弘志の愛情で更生したが、少年院を出て彼女の行く先はなく保護司に預けられた。だがその家で……。
  • ふくろうの歌
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    昼は写真工場の工員、夜は定時制高校に通う泰彦に注ぐ母の愛は、母一人子一人ゆえに大きかったが、職場の無理解、定時制に対する世間のハンデキャップから、泰彦は母に抵抗する。演劇部グループ内の恋のさやあて、学生運動、そして絶望、幻滅、孤独、虚無……。現代の若い生命の苦悩と哀歓を描いた長編力作。
  • タイトル・マッチ殺人事件
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    霧の深い夜、世界バンタム級チャンピオンのホセ・ネルボと、日本バンタム級チャンピオン・竹中義夫の、タイトル・マッチが行われた。第5ラウンド、リングの中央に進んだ竹中は、突然、異様な苦しみに襲われた。そして、ネルボの勝利が告げられた時、竹中は謎の死をとげた。それに続く、湖上の水死事件と自殺事件。全篇スリルとサスペンスに富んだ、私立探偵・矢笠俊平ものの傑作ミステリー。
  • 明けゆく島々
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    瀬戸内海の島に駐在することなった保健婦の俊子。懸命に島の人々の健康を守ろうとするが、島の風習とは対立してしまうことも多い。そういう島ならではの事件を経験しながらも、奮闘して成長する。『Dr.コトー診療所』などにも通ずる、僻地医療作品の傑作。
  • 妙齢失わず
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    本を読まない人を馬鹿にしているちず子が久しぶりに実家に帰ると、姉の明子が出迎える。その明子は、実は子供を……。大人の女性たちの心模様を、詩的な風景描写をまじえて描いた、日本を代表する詩人の長編小説。
  • 武四郎探検譚
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    動物文学の第一人者が、戦国・江戸時代の歴史的人物を描く、傑作短編7編。蝦夷地探検で名を残す幕末の探検家・松浦武四郎の大自然の中での行動を描いた表題作ほか、鉄砲伝来の種子島、織田信長、今川義元、武田勝頼など、ノンフィクション作家としても定評のある著者ならではの作品ばかり。
  • 武豪列伝
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    動物文学の第一人者にして、ノンフィクション作家としても多くの名作を残した著者による、12編の傑作。山岡鉄舟、千葉周作、沖田総司、嘉納治五郎などを見事に描いた作品。
  • 濡れにぞ濡れし
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    恐怖と表裏をなしている幼年時代の性の記憶、羞恥に彩られた少年期の性の意識……京都の三高に入学した私は、倉田百三の「出家とその弟子」の恋愛観、ひいては親鸞の「歎異鈔」の倫理観によって、新しい精神の世界にめざめていった。性には罪悪感がつきまとう。私には愛を伴わない情慾は考えられない。東大に進学した年、六本木のカフェで女給の柳とく子に逢ったとき、私は「ここに私の妻がいた」と直感する。彼女と旅に出た私は、宿では手を握り合って寝たが、帰京した夜、彼女の下宿で初めて烈しい性衝動に襲われ……。晩年までの性中心の自伝で、絶筆となった長篇。
  • 天国遠征
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    大雨の日、筑後川の氾濫を心配する人々。その中に、戦後の新しい時代に、資本家となり芸術に心を傾ける家族がいた。その家の娘は、お芝居に夢中になり、配役で抜擢されもする。そして……。キリスト教をモチーフに人間の罪と罰を、『糞尿譚』で芥川賞を受賞した作家が描いた長編小説。
  • 私も不良だ
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    大学の学生寮に住む真弓。友人のお見舞いのために寮の中へ忍び込みたいという、他大学の男子学生の願いに、偽善的な大人たちへの反発もあって……。衝撃的なラスト、親に反発して抵抗する女子大生の心理と行動を描いた、長編小説。
  • 子供は悪魔だ
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    弁護士、売春婦、留年続きの大学生が探偵役という3つの探偵小説に、奇妙な味のどんでん返しの短篇を加えた、4つの短篇集。親のすねをかじる子供たち、雪山での死、三角関係……当時の世相や風俗が浮かび上がる背景と小道具が盛りだくさんの傑作だらけ。
  • 山は大きい
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    大阪・心斎橋で、田舎から出てきた少年がスリを働き、地元のワルどもに因縁を付けられていたところ、一人の青年が助けに入った。お金持ちのその青年は、少年を自宅のある東京に連れてこようと上京すると、一人の女性が……。そして、ある事件に巻き込まれ……。少年と青年の交流を描いた感動の名作。
  • 紅だすき無頼
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    公儀直参五百石・織部主膳の嫡男に生まれながら、義母との不和から余儀なく家出して5年、今では渡世人「顎外しの勘八」と異名のある信太郎が、ふとした奇縁で雨中に武家娘の危難を救ったが、それがまだ見ぬ許嫁のお雪だったとは……。という、可憐な美女のひとすじの恋慕絵巻をくりひろげる「紅だすき無頼」ほか、主君の悲哀を察して処女妻を残したまま放浪10年を送る武士の意地を描く「めおと春秋」、天下の剣豪競い立つ幕末期、甲源一刀流の若い剣士が男谷信友・高柳又四郎の情の鞭に鍛えられてゆく「剣客」。ほかに、動乱期に狂い咲く仇花を描いた「夜の花道」などを集めた傑作集。
  • 花嫁太平記
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    親藩・松平家の江戸留守居役を、倅の藤太郎に譲って隠居した藤翁は、同藩目付役の娘・お乃芙を倅の嫁に迎えたが、藤太郎は国事に奔走するため、妻と相談の上、脱藩する。家名の断絶をおそれて倅を勘当した藤翁は、夫を信頼する嫁の強さといじらしさに心うたれて、勘当を思いとどまる。という、幕末の藩邸にありがちの事件を描いた「花嫁太平記」のほか、格式ばった武士階級の中に人情味を汲みとった「藪うぐいす」「ばかむこの記」や、勤皇浪人に危難を救われた男嫌いの姐御が、一夜の情交からすっかり女らしくなる「舞鶴屋お鶴」など、幕末動乱期のなかに義理人情を描いた、珠玉の名作集。
  • 雲を呼ぶ声
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    戦後、福岡の炭鉱の街。坑夫たちと農家との関係は微妙だ。その街に暮らす人形浄瑠璃に人生をかける一人の男……。絞首刑になったはずの戦犯など、まだ戦争を引きずりながらも、新しい時代へ羽ばたこうとする人々を、『糞尿譚』で芥川賞を受賞した作家が描いた傑作長編。
  • くれない系図 若さま侍捕物手帖
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    両国広小路「娘手ずま胡蝶斎一座」の君太夫が、何者かに殺された。親方・一神は、秘蔵弟子の死をきくと、なぜか花太夫の安否を気遣う。おなじみ遠州屋小吉が駆けつけ取調べていると、花太夫が行方不明となり、常回り同心・矢村小左衛門が検死にきたとき、君太夫の死体は煙のように消えていた。そのうえ小吉は、剣客風の武士に事件から手を引けと威される。花房家跡目相続にからむ一党と幻術師の死闘が展開され、渦中にまきこまれた「若さま」は、船宿・喜仙で淘然とばかりもしていられず、忍者もどきの大活躍をする。数多い作者の「若さま侍捕物手帖」のうちでも屈指の異色長篇。
  • お助け河岸
    5.0
    江戸の下町、居酒屋「上州屋」にあつまる常連のなかで、奇妙な話が流れた。どこの河岸かはわからないが、その河岸に悩みをもつ者がたたずむと、きっと「旦那」があらわれて窮境を救ってくれる……そこを「お助け河岸」と呼ぶそうな。上州屋の常連客のなかに、いわくありげな隠居がいる。そして、若い浪人・仙之介の闊達な飲みっぷりに、看板娘のお菊はぞっこん惚れていた。その頃、江戸の町に、奇怪な殺人が続発する。第一の殺人は、質屋の番頭・和三郎、彼は「お助け河岸」を探すうちに殺されたらしい。事件の探索に仙之介が立った。意外や若きこの浪人剣土の腕の冴え!
  • おれは不服だ
    -
    バラエティに富んだ6編のサスペンス集。アパートで起きた殺人事件について黙秘する女子大生、痣のある子供を狙う猟奇殺人魔、……。変格作家としてこの作品集も、主要人物の独白が多く、トリックよりも人物関係に重きが置かれている。
  • おえん殿始末 若さま侍捕物手帖
    -
    将軍家の寵妾おえんの方付の奥女中が、宿下り中、謎の矢に射られて死んだ。その背後に秘められた大事件!? ――「ここは柳橋米沢町、船宿喜仙の大川に沿った二階屋敷。齢のころなら三十四五……」一向に格式張らず、何の屈託もなさそうな至極のびのびと育った人柄の若さま。船宿の一人娘で今年19のおいと。二人の閑談をいつも邪魔して無粋さをおいとにうらまれる御用聞き、遠州屋小吉。……ご存じ、若さま侍捕物手帖『おえん殿始末』は、将軍家の寵妾・おえんの方という歌川の局付の奥女中が、宿下りして謎の矢に射られて死んだことから、大奥を舞台に豊臣家遺臣の謀叛事件が発覚する。その底深さに挑戦する若さまの鋭い推理と、優美な剣の冴えが、錦絵さながらに繰り広げられる巨篇。
  • 痺楽
    -
    芥川賞作家から官能小説作家へと進んだ大ベテランが、性の世界をダイナミックな筆致で追求し、赤裸々な人間群像を描く異色作品集――高校の時間教師や家庭教師をやり、喰うだけの生活を送っていた主人公が、未亡人クラブへ勤めることになる。小金を持った未亡人を集め、パーティや男性の紹介をし、豪華な宣伝雑誌を編集して、事業へ出資させるクラブは、繁昌した。主人公は、そこで働く若い女事務員と交渉を持ち、一方、70歳近い女社長から出張先で夜中に奇怪な愛撫を受ける。醜悪な交渉に慄然とするが、以後、社長邸でその愛撫が続く。女事務員との激しい愛欲……そして妊娠。やがて破局がやってくる……。
  • 夜は新しく
    -
    香料技術家の夫・毛利直保が、銀座街頭に連れだっていた若く背の高い女は誰だろう……。平穏な日常生活に退屈した28歳の人妻・由美子の心にしのびよる愛の渇き。そして、濃い眉と逞しい胸をした建築家の小泉青年とともに、バア・トレントで乾したジン・フィズの味が、ひとつの危機の重みとなって冷たくのしかかる。傷ついた美しい獣のような由美子が、死を賭してまで捉えようとしたものは何であったのか……。人妻の不倫に内側から照明をあて、大胆な筆致と濃密なムードに浮彫した野心的長編。永遠にかなしく美しい〈女のかたち〉がここにある。
  • 夜の人魚
    -
    シベリア抑留から生還した、頑固一徹の元・師団長がたどる、変わってしまった日本の世相。清純な長女といわゆるアプレゲールの次女が、社長の息子で漁色家に翻弄され、ついには騒動に巻き込まれるが、その先に幸せをつかんでいく……。
  • 虹の誘惑
    -
    国鉄で若い頃一緒だった津村基幸と祖父江謙吉。平凡な幸せを掴んだ基幸家の人たちと、出世はしたが、道彦という長男が冷血な色魔である祖父江家の人たちの、愛と苦悩の物語を飽かせることなく読ませる。定年後、囲碁だけを趣味に生き、いかなる苦労も淡々と引き受ける飄々たる人生観が魅力的な基幸という人物像が、非常に魅力的に描かれている。
  • 東方の夢 ボナパルト、エジプトへ征く
    -
    ナポレオンの最も華麗な戦いであったエジプト遠征を、雄大な構想で描く歴史ノンフィクション。1798年5月、弱冠29歳の青年将軍・ボナパルトが、3万3千の大兵力を率いて、地中海へと乗り出した。革命騒ぎのあと、異例な速さで昇進を果たした英雄が、唯一抱いた憧憬「東方の夢」=東西世界融合の夢とは、何であったのか。
  • 地に満つる愛
    -
    瀬戸内海の同じ島に育った、高校の同級生という二人の青年。一人は高松市の講習所で農業を教えているが、船に乗って島へ帰ってきた。二人は役場に勤めている同級生の女性に声をかけるが、その女性は……。まじめな島の若者たちを描いた名作。
  • 大阪の風
    5.0
    しがないサラリーマンの大川清吉と朝子夫妻、その子どもたちの久子、一郎、次郎3人の成長の物語。清吉が東京支店に左遷させられた後、子どもたちは大人たちの生き方を見て、それぞれの形で自立していく。久子は台湾人との結婚を宣言、清吉と朝子は衝撃を受けるが、一郎と次郎は受け入れる……。長門裕之、南田洋子、浅丘ルリ子らが演じてで映画化された家族物語。
  • 若草軍記(上)
    -
    紀ノ川の近くの館で、真田昌幸・幸村に仕える忍びの又四郎。また猿飛佐助。徳川の策略で秀頼は……。そして真田が動くとき……。大阪城落城前後の攻防のとき、隠密の活躍や人心の混乱を描き、被害を受けた善意の人々を浮彫にした異色時代長編。<上下巻>
  • 若い樹々
    -
    快活で美しい立花理々子には、父がない。中学を卒業すると、東京に出て働きながら夜間高校に学ぼうと決心する。上京した彼女はお手伝いさん勤めをするが、慣れない環境で身も心も疲れていった。そういう理々子の心の支えになるのが、洗濯屋のご用聞きをしている戦災孤児の橘悟くん。周囲の無理解と蔑視に傷つき、また悩みながら、しかし希望をもって彼等は生きる……。幸せを願い、明日をさして伸びゆく若い樹々のような若者たち。働く人たちの愛と生活を暖かく描いて定評ある壺井文学の名作長篇。大映映画化。若い世代に贈る話題の1冊。
  • 死のある風景
    3.0
    妹の誕生日に、謎の失踪をした石山真砂子。嫁ぐ日近く、未来の夢にふくらんでいるはずの彼女なのに……。一方、北陸の内灘海岸で無惨にも射殺された看護婦の春日鶴子。疑惑の人間数人が、いち速く警察のリストに上った。真砂子の婚約者・鳥居、鶴子の同行者・百済木医師、鶴子が裏切ったセールスマンの橋口、鶴子を憎む塩沢という女性たち。金沢から遠路上京して、容疑者のアリバイ崩しに汗水たらす伴刑事の苦労。独特のカンで情報を集めまわるトップ屋の桑原。事件は泥沼におちこむかにみえるが、著者の精緻な構成はひときわ冴えかえる。昭和40年度最優秀作との声が高い傑作。
  • 絞首台の下
    -
    北海道の開墾地で兄と働く近代娘の千早。消息を絶っていた許婚のハガキを手に千葉へ向かうが、そこは刑務所で彼は殺人罪で服役中だった。そしていろいろと周囲に話を聞くうちに、事件を取材した新聞記者が会社を辞めていたり、不可解なことが出てきた。だが、彼は脱獄を……。赤木圭一郎、長門裕之らで映画化された傑作。
  • 見えない影に
    -
    戦後、数年にわたって起きた不可解な3つの事件。社会的地位のある被害者と加害者が、何のために殺し合わなければいけなかったのか、まったく不明な難事件だ。双方同時に殺意を抱くという、加害者もなければ被害者もない、この相互殺戮事件のカギは……。240年以上前にもさかのぼり、そして日米両国を舞台に繰り広げられる、直木賞作家の傑作。
  • 花園を荒す者は誰だ
    -
    渋谷のハチ公前に一人の貧しい青年がいた。古雑誌を売って今晩のおかず代にしようとして。そこにケーキの宣伝カーが現れ、美人のキャンペーン・ガールが登場した……。新しい時代には、金がものを言うことを今さらながら感じた青年は、犯罪に手を染めてでも……。アプレな戦後成長期の日本、そこでもがく若者たちを描いた傑作。戦争中に「糞尿譚」で芥川賞を受賞した作家の手による戦後の作品。
  • 愛が扉をたたく時
    -
    アパートの一室で、歌手の朱実は自殺した。彼女の突然の死は謎につつまれていた。朱実の死の翌日にその部屋を訪れる人が、朱実のほんとうの恋人なのだと、妹のみどりは言う……。男たちの欲望の渦の中を生きる美しい姉妹と、転向という過去を持つ中年の作家との交渉を描きながら、真実の愛の成り立ち難い戦後の暗さを追求した力作長篇。
  • トルコ日記
    -
    芥川賞作家から官能小説作家へと進んだ大ベテランが、ソープランドに就職した童貞ボーイにつぎつぎと起こるハプニングの連続をユーモラスな筆致と色香で綴る官能長篇――就職口がなくて、ボクは毎日、就職ニュースを読んでいたんだ、と、ボイラーマン募集、好遇、という三行広告が目に入って、張りきって出かけて行ったんだ……。ところが行った先はソープランド。毎日毎日、最低5人のノルマでソープ嬢の技術向上の実験台をさせられたり、新規入店の主婦アルバイトの美人を指導したり、そのうえ、スカウト係に任命されて田舎娘の初体験の相手までして、体がいくつあっても足りないくらい忙しい。ボクはチン上げを要求したいくらいだ……。 (注)現在ではソープランドと呼ばれている特殊浴場を昔は皆がトルコ風呂と呼んでいました。本作ではその時代を表す意味でも文学性からも昔のママの表現を使っております。
  • あげちゃいたいの
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    芥川賞作家から官能小説作家へと進んだ大ベテランが、現代っ子OLの性体験をあからさまに描いた官能長編。好評「あたし」小説――あたし、今年やっと成人式を迎えるOLなんです。名前はユリ、自分でいうのも変だけど、グラマーで美人、それにまだ処女なんです。そのせいかしら、新年早々満員電車のなかで、二人のチカンに前後をはさまれちゃった。もちろん会社の男性にもモテモテなんです。陰険な上役の課長には、新宿の飲み屋のお座敷で犯されそうになっちゃうし、スキーバスの中では、マジメ社員の鈴木さんのアレを見せられたり、もう散ザン。でも、あたし、心の中ではヒソカに楽しんじゃってるんです。
  • 1812年の雪 モスクワからの敗走
    -
    悲愴なモスクワ遠征の光と影を描く、エッセイスト・クラブ賞受賞の歴史読物――ナポレオン摩下40万軍勢の悲劇的撤退行を、知られざるフランス側の生なましい資料によって書き下ろした絶好の歴史読物。モスクワ遠征には分からないことが多すぎる。皇帝自身は、この侵略を展開するに当たり、充分な認識と戦略を持っていたのか? また、数10万の餓死・凍死・戦死した兵士にとって、皇帝とは何だったのか?
  • 掘割で笑う女 浪人左門あやかし指南
    3.9
    酒と怪談を愛する剣客が“この世の不思議”に対峙する。「時代×怪談×ミステリ」で話題をさらった第38回メフィスト賞受賞作。酔いどれ左門は腕が立つ。酒より好きなものは怪談ばなし。甚十郎も腕こそ負けぬが、こちらは怖い話は大の苦手。10年前、家老が闇討ちされた霧深い城下で「女の幽霊を見た者は死ぬ」という噂が。ふたたび家老闇討ちに巻き込まれた甚十郎は、城下の寺で女を見てしまう。
  • 魔楽
    -
    芥川賞作家から官能小説作家へと進んだ大ベテランが描く、ある日本人の異常な逸楽の世界を伝える表題作ほか、現代人の性を描く力作6篇――5年前にインドに来たとき、私は将来を嘱望された商社員だった。しかし、この国の物憂い空気は私の気負いを次第に蝕んでいった。ムドウライに出会ったのはそんなときだった。この舞踊一座の少年の美貌は、たちまち私をとらえてしまった。彼の足を抜かせるために公金を横領し馘首された私は、やがて二人だけの愛の巣をもった。生活のために彼は外人男の夜の相手をし、私は嫉妬に苦しめられながら帰りを待つ。そんな腐り果てた生活も、私にとってかけがえのない幸福なのだ……。という、ある日本人の異常な逸楽の世界を伝える「魔楽」のほか、現代人の性を描く力作6篇を収録。
  • 伯爵令嬢の妖夢
    -
    芥川賞作家から官能小説作家へと進んだ大ベテランが、波瀾に満ちた展開のなかに現代の性の本質をさぐる異色の長篇小説――旧伯爵家の令嬢という噂と、大学でつねに首席を占めているという評判が、奈緒子の美貌に、さらに神秘的な色どりを添えていた。非の打ちどころない婚約者との結婚も間近だった。しかし、彼女の体内にはもう一人の女、野卑への期待と自由への憧れが秘かに育っていた。結婚式の当日、奈緒子は安定した「幸福」から衝動的に飛び出した。その時から、奇妙な性の冒険がはじまる。静岡、神戸、松山、福岡と、予想もしなかった旅をつづける奈緒子を襲う、倒錯した欲望の奔流、そして彼女を慕う男たちの必死の追跡。
  • 縄目の快楽
    -
    芥川賞作家から官能小説作家へと進んだ大ベテランの、倒錯の性の世界を華麗に描く伝奇趣味横溢の物語集――作家である私は、人に顔を知られるのを好まない。私には強い変装趣味があるが、変装は私の官能世界を密度のあるものにしてくれる。私の仮面が見破られた唯一度の例外は、その男に会ったときだ。男はヨット仲間の爽やかで比類のない愛の交歓を告白したのだった。(「縄目の快楽」) 酔いのまわった老検校はうっとりして語る。「いや、昔は遊女にもよかおなごのおりましたな。優しゅうて、男にようつくしてくれて、男が踏んでくれといえば白か柔かか脚で踏んでくれ、蹴ってくれと頼めば優しゅう蹴ってくるるごとおなごの」(「花魁小桜の足」) など、倒錯の性の世界を華麗に描く伝奇趣味横溢の物語集。
  • 東京0番地
    -
    戦後、不運にも刑務所に収監された男がいた。その刑務所の中での囚人たちの姿と心を通し、犯罪の本当の姿を暴いていく。欧米や朝鮮半島などと日本との微妙な関係など、当時の世相も見事に活写した傑作。芥川賞候補にして『早稲田文学』で多くの作家と接した著者の代表作。
  • 耽溺
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    芥川賞作家から官能小説作家へと進んだ大ベテランが、現代人の性をさまざまにとらえた力作8篇――私は子供のころから警官の凜々しい姿に憧れていた。あの逞ましい肉体と鬱屈した精力の匂い。そんな私も人並みに恋をした。相手は同じ大学の秀才で、尖鋭な学生活動家だった。偶然の機会から彼女の秘所をかいまみた私は、いっそう愛慕の念をつのらせていった。デモに参加したのも、ただ彼女の軽蔑を恐れたためだった。角棒と放水、罵声とシュプレヒコールの渦のなかで、警官は堂々と動き、彼女は美しかった。そのとき、脳天に鋭い衝撃を感じて私は気を失ったのだが……。という、被虐的な悦びを大胆に描く「耽溺」のなど8篇。
  • 濡れて飛ぶ―スチュワーデス日記―
    -
    芥川賞作家から官能小説作家へと進んだ大ベテランが、スチュワーデスの性態を若さ溢れるお色気で描く「あたし」小説!――あたし、女子高校を卒業したばかりのビューティフルな女の子。憧れの航空会社の試験を見事にパスして、スチュワーデス見習いになったんです。でも、スチュワーデスの仕事って思っていたよりずっと大変。初めてのフライトでアフリカのジャングルに飛行機が不時着したり、怖いことも多い。それに、飛行機のお客さま、みんなとてもエッチなんです。ヘンなサービスを求められたりして、体がいくつあっても足りないくらい忙しい。でも、あたし、いろんな初体験のお蔭で、オンナとしてもだんだん開花してゆくみたい……。
  • 脱いで試して ―デパート店員日記―
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    芥川賞作家から官能小説作家へと進んだ大ベテランが、現代っ子デパート店員が売場狭しと繰りひろげる性態を描く「あたし」小説! ――あたし、若さ溢れるデパート店員、自分でいうのも変だけど、グラマーで美人、とても魅力的な女の子なんです。デパートにくるお客さま、とてもオカシナ人が多い。女の人が試着した水着を好んでペロペロなめるおじさんがいたりして面白いんです。あたしも、下着売場の試着室で、お客さまに失礼のないように体まで使ってサービスしてあげたり、オモチャを買いにきたサラリーマンには小さな戦車で恥ずかしいことをされたり、結構、勤務はキビシイ。でも、あたし、心の中ではヒソカに楽しんでるんです……。
  • 水つき学校
    -
    「水のつかないところへ学校を移してくれ」――サワンド小学校生徒の訴え! 雨が降るたびに、洪水に見舞われる村、水がついてしまう学校。テンリュウ川の自然の力なのか、電力会社のダムのせいなのか……。洪水に悩まされる小学生や村民の声を、著者自身の体験に基づいて綴った名品。厚生大臣賞受賞作品。
  • 女の繭
    -
    菱川佳世は、銀座「丸藤」専属の若い和服デザイナー。彼女の染めた衣裳を、一流会社の社長夫人・菅野三千代が着ると、人目をそばだてる。生家が西陣の帯地問屋と織元という関係で、三千代の方が年上だが、二人は幼い頃から姉妹のように親しかった。佳世の兄・豊喜は太平洋戦争の軍医で、ある夏、突然帰国する。彼は抑留中のいまわしい経歴から、虚無的な影のある男となっており、佳世はそんな兄の底知れぬ冷たさに幻滅するが、彼の帰還を10年待ち暮して今は人妻の三千代の瞳は、妖しく燃えるのだった。人間に絶望した男を愛のちからで蘇らせる、京おんなの激しくも哀切な恋を描く傑作。
  • 獣の悦び
    -
    芥川賞作家から官能小説作家へと進んだ大ベテランが、人間の獣性を眼をそむけずに追求した異色作ほか8篇――アルバイト学生の公雄は、高校時代からの友人・信也の「どれい」だった。「どれい」の屈辱に耐えながら、信也の行状を、アメリカにいる彼の母に書き送り、その謝礼として、多額の送金を受けていた。傲慢な信也は、公雄の女を、公雄の見ている前で犯した。セックスの支配と裏切りを通じて、二人はそれぞれ、獣のような、倒錯した悦びを感じ始めていた。……という表題作「獣の悦び」は、人間の獣性を、眼をそむけずに追求した異色作。本書には、同じような姿勢で、仮面の裏側に挑んだ短篇「柘榴」「飢えと怒りの夏」「光と風と恋」「雪女の贈り物」など、計8篇を収録している。
  • 子供は知っている
    -
    大人はわかっているつもりでいるが、子供のことを本当にわかっているのだろうか。そして、子供のことを大切にしているのだろうか。だから、いつもこんな……。貧しい家庭に生まれながら肉体労働をして早大で学んだ経験を経て、「子供をよくする会」設立、更生施設建設など、自ら少年少女の救済活動をおこなった作家による、大人と子供の相容れない視点の差異を描いた、リアルな長編小説。現代の教育・子育ての課題・問題にも通じる、心揺さぶられる普遍性に満ちた傑作。
  • 妻は知っていた
    -
    デパートの設計部に勤務し、若くて優秀な室内装飾デザイナーの菊雄を夫にもつ多緒子は、幸福な家庭生活をおくっている。ところが、菊雄が上顧客である貿易会社の社長令嬢・潮子から、商業装飾の店の専門技師として転職をすすめられ、この事件をめぐる夫婦の感情のもつれが、やがては家庭の苦悶の姿に変っていく……。
  • 現代好色一代女
    2.0
    男の欲望のまにまに押し流されて生きる美しい母・よし乃。真実の愛を求めて悩む娘・ゆかり。夫の岳夫と母との不倫な関係を知ったゆかりは、恋人・篠田との新生活を望みながら、夫の脅迫に怯えその腕に抱かれつづける。この女体の哀しさは、母の弱さとどこが違うといえようか……。戦争を境に、衣笠家は没落した。かつて宮家の姫たちに仕え由緒ある豪農に嫁いだよし乃は、夫・義則の嗜虐的な愛撫に馴らされていたが、夫の死後は女手一つで生きるため、次々と男に身を委せていくのだった…。女盛りの寡婦のたどる数奇な男遍歴を通して、女体に潜む「業」を追求した、円地文学の会心作。
  • 血の聖壇
    -
    芥川賞作家から官能小説作家へと進んだ大ベテランの力作8篇――「最近の同人雑誌のなかには性描写が露骨になってきたものが多い。この風潮についてご批判を頂きたい」との依頼を出版社から受けた作家のもとに何冊かの同人雑誌が届けられた。商業雑誌の小説のなかには金をめあてに書きとばされたものもあるだろうが、同人雑誌の小説は一字一字が血の一滴だと思いながら、同時に、その血の滴で書かれたに違いない性描写というものを読んでみたい誘惑に駆られる。共感できない作品のなかに一編だけ心にひっかかるものがあった。戦後新聞を賑わせた暴行殺人事件をテーマにしたらしく「血の聖壇」という題名であった。……という表題作など8編を収録
  • 完全な女
    -
    芥川賞作家から官能小説作家へと進んだ大ベテランが、愛はどこまで教育が可能であるか、果敢なテーマで「神の領分」に挑んだ現代小説――蘇我と朝子との契約は、互いに侵されることのない対等な、二つの個性の接触という関係を保つことにあった。デパートの女子店員からモデルへ、そして大学進学、雑誌ライターと華やかに転進しながら朝子は、一方的に蘇我の手で、完全な個性としての女性につくり上げられていくが、彼との初夜を契機に、彼女の心に宿命的な「女」が目ざめ、朝子は彼への献身的な愛に埋没しようとする。蘇我にとって、愛の美徳は愚劣にすぎなかった。やがて朝子は彼と別れて、別のボーイフレンドに傾いていくが……。愛はどこまで教育が可能であるか、果敢なテーマで「神の領分」に挑んだ現代小説。
  • 逸楽
    -
    芥川賞作家から官能小説作家へと進んだ大ベテランが描く、現代の性を追求する異色作7篇――レスビアン・ショウの女役・リカは、相手のカズミが最近、別の女に関心を持ちはじめたことが不満だった。痴話喧嘩の果て、ある夜リカは家を飛びだし、知合いの作家をホテルに訪ねた。リカの類まれな腹の美しさに魅せられていた作家は喜んで招じ入れたが、そこへカズミがもう一人の女を連れてやってきたのだ。女同士の陰湿な嫉妬心と対抗意識から、リカは得意の切腹ショウを演じることになる。やがて、冷たい刃が琥珀色に輝やくリカの腹に細い赤い線を刻み上げていった……。という、戦慄的な美と倒錯的な感動を描く「腹の逸楽」のなど、現代の性を追求する異色作7篇を収録。
  • よろこび
    -
    芥川賞作家から官能小説作家へと進んだ大ベテランが、現代のエロチシズムのありようをユーモラスに活写する、お楽しみ長編小説――本当の「よろこび」って、どんな感じかしら。あの気持ちは、みんな同じなのかしら。あたしのからだ、男の人に気にいってもらえるかしら。あたしたち、女3人で、自分の体験した感覚のすべてを正直にしゃべりあうことにした……。教えあおうと……。3人とも、とっても好色! あたしはホテルの宝石店の新入社員。逞しい外人に先ず誘惑されて……。スチュワーデスのあけみは凄い! 若い男の子では、もう物足りないらしい、恥しいくらい! さまざまな性のテクニックを奔放に告白しあう女3人を通して、現代のエロチシズムのありようをユーモラスに活写する、お楽しみ長編小説。
  • 男たらし
    -
    芥川賞作家から官能小説作家へと進んだ大ベテランが描く、江戸の町の四季おりおり、大評判のあたし小説決定版! ――この頃めっきり、春めいてきて、砂ぼこりのまじったあったかい風が吹いたりして。桜の蕾も、一雨ごとにふくらんできてるみたい。なんとなく、悩ましくって。女の一人寝がもったいないという気になっちゃうんです。夜なんか、なかなか寝つかれずに、太腿に夜着をはさんで、寝がえりばかり、うってることがある。腰巻をひらいたあそこに、丸めた夜着を、こすりつけるように、したりして、あたしってすごく体がほてる性質なんです。夜這いにくるほど、勇気のある男ってこの長屋にいないのかしら……。
  • 大蔵官僚 超エリート集団の人脈と野望
    -
    日本を実質支配し国家運営する、大蔵官僚の権力構造と生態。国家のなかの国家=大蔵省のすべてを解明! ――「われら富士山、他は並びの山」と豪語し、他省庁はじめ政・財界までを操って日本を実質支配している大蔵官僚。その強大な支配構造のメカニズムやエリート・オブ・エリートとも呼ぶべき大蔵官僚の生態を、具体的に見事に浮き彫りにする。
  • 千姫春秋記
    -
    千姫は、祖父・家康の命のままに、豊臣秀頼に嫁いだ。そして大坂夏の陣。秀頼は城と共に滅び、千姫は炎の中を助けられた。心ならずも永らえた千姫は、様々の想いを秘め、再び祖父の意に従って本多忠刻の妻となった。美男の忠刻に彼女は、かりそめの幸せを託したが、秀頼の旧臣・菅野長三郎に再会したことから、姫路城での千姫の春秋に秘密の翳がさすようになった。忠刻に死別した千姫は、江戸に帰った。やがて美しい女主人の住む竹橋御殿は、妖しい噂につつまれて行った……。数奇な運命を生きた美女・千姫の、嫋やかな肉体にすむ官能の妖しさと、孤独な愛の姿を描いた長編。
  • 食べられたいの 見習い看護婦日記
    -
    芥川賞作家から官能小説作家へと進んだ大ベテランが、現代っ子看護師の若さ溢れるお色気をコミカルに描いた、大評判「あたし」小説決定版――あたし、ピチピチした19歳の看護師見習い。外科のほかに、産婦人科や泌尿器科のある大きな病院につとめているんです。でも、その病院、とってもヘンな病院。産婦人科の老先生や泌尿器科の綺麗な女医先生、それに患者さんたち、みんな、とってもエッチなんです。精密検査を受けにきた男の人には特別に念入りなマッサージをさせられたり 盲腸で入院している中学校の先生にはムリヤリ処女を奪われちゃったり、もう散ザン。でも、あたし、心の中ではヒソカに楽しんじゃってるんです……。
  • 女体育教師
    -
    芥川賞作家から官能小説作家へと進んだ大ベテランが、女体育教師の生態をユーモラスに描いた「あたし」小説――あたし、女子体育短大を出たばかりなんです。腕も腿も健康に張りきった、ピチピチの19歳なんです。就職難で卒業後、半年待機させられたけど、都下の中学・高校併設校に勤務することになったんです。でも、体育の先生って思っていたより、ずっと大変。保健体育の授業で、マセタ女生徒たち相手に男性自身を黒板に図解させられたり、体育館で何人もの男の先生たちに床(ユカ)運動ならぬ床(トコ)運動の特訓をさせられたり、結構、勤務はキビシイ。でも、ウブだったあたしも、おかげで女としてだんだん成熟してゆくみたい……。
  • 女じめり
    -
    芥川賞作家から官能小説作家へと進んだ大ベテランが、ユニークな文体と軽快なタッチで明るいエロティシズムを描く官能長篇――仮にもあたし、あの人の、義姉なんだもの。あたしみたいなお色気たっぷりで、どこもここもムチムチした女ざかりのからだに、もし徳さんがフラフラとなって手を出してきても、うまくそらして、無事に妹の手にもどしてあげなくちゃ。それでも、もしあの人が、しつこく迫ってきたら、どうしよう。夜なんて、あんなにせまい家に二人きりで寝るんだもの。いくら義理の姉と弟だといっても……。江戸の町の四季おりおり、恥ずかしいことの大好きな大工の若女房がまき起こす、ハプニングの連続。
  • 自治官僚
    -
    知事、副知事、総務部長など、都道府県の重要ポストは自治官僚によって独占されている.地方から日本を支配する自治官僚。大蔵省も恐れるパワーの秘密を解く! ――地方から日本支配をたくらむ、自治官僚の全容をレポート。知事、副知事、総務部長はじめ、そのラインにつながる財政課長や地方課長など、都道府県を牛耳る重要ポストを占める自治官僚出向組の数には、目をみはるものがある。大蔵省が「最大の敵」と恐れる自治省パワーの秘密を解明する。
  • 四角な卵
    -
    戦後のオフィス不足の時代、銀座にオフィスを持っているだけで信用される……。元植木職人とその妻、姪……経営者と普通の人々……。新しい時代に立ち向かう人々を、作者ならではの暖かい眼で描いた、朝日新聞連載小説。
  • 好きで上手で(上)
    -
    芥川賞作家から官能小説作家へと進んだ大ベテランが描く、色香溢れると評判のあたし小説――あたし、深川で芸者をしていたんですが、今の旦那に見染められてお妾ぐらし。でも五十男の小商人の旦那、商売に頭を使いすぎるせいか、あっちの方が強くないんです。それで、あたしはいつも、女ざかりのからだをもてあましているんです……。旦那がくるので、入れ混み湯にいったんです。そこで幼な友達の源さんに会ったんです。源さんのものすごくりっぱなんで、あたし……。湯上りに旦那と二人でウナギを食べにいったんです。そこへ花蝶院さまという高貴な女性がいらっしゃって、ウナギが花蝶院さまのあの部分にもぐりこんで大騒ぎ……。<上下巻>
  • クロへの長い道
    3.7
    名探偵、大人顔負けの大胆推理で謎に迫る! 難事件はボクが解く! ――私の名は渋柿。一匹狼の私立探偵。独身で6歳の、ちょっとシャイな黄色人種。母親や知人たちは、私のことを気安く《しんちゃん》と呼ぶ。ライセンスを持たない幼児探偵が、難事件を次々と解決していく、ハードボイルド感漂う表題作、「見えない人」をテーマに描いた『八百屋の死にざま』など、4編を収録。
  • お菓子の家の魔女
    -
    芥川賞作家から官能小説作家へと進んだ大ベテランの、妖美異色の伝奇趣味溢れる短編集――妻がお菓子を焼いている間に、男はその会に出席したのだった。4人の驕慢な女性たちの白いお尻が、タイツからハート型に露出して輝いている。男は苦しかった。全く自由を奪われて肉体をもてあそばれているのは、えもいえず快よい。(「お菓子の家の魔女」)…鞍馬の山に鬼が出た、という噂が京にひろまった。雪が消えて炭焼小屋に戻ってきた木こりが、小屋の中に恐ろしいものを見た。髪も髯もぼうぼうとのばしたすさまじい男が、人間らしいものをしっかとかかえこみ、股からむさぼり喰っていた、というのである。(「姫君を喰う話」)…など4編。
  • 夜間飛行 ミステリについての独断と偏見
    -
    ミステリを通して人生を語る異色のエッセイ。ミステリの楽しみが数行の謎ときだけなんてモッタイない。名作の行間から垣間みえる芳醇な人生の味を洒脱に描く! ――名探偵が登場して、「事件」は解決する。だが、「人生」という厄介なナゾは、そうスッキリ割り切れるものじゃない。ミステリの行間から垣間見えるほろ苦い人生の味、そんなプラス・アルファの魅力を、名コラムニストが軽妙に、ときにセンチメンタルに語る、大人のためのミステリ論。好評「課外授業」の姉妹編。
  • 滅尽争のなかの戦士たち ―玉砕島パラオ・アンガウルー
    -
    奇跡的生還者が証言するアンガウル島の玉砕。唯一故国防衛のため、米軍の近代戦の前に勇猛果敢に闘い、そして玉砕していった若き戦士たち。この人間の「滅尽争」を、彼ら英霊の叫びを、代って報告する。 ◎三島由紀夫はこう評している。――近代戦のもっとも凄壮な様相が如実に描かれている点で、又、ただ僥倖としか思えない事情で生き永らえた証人によって、人間の「滅尽争」がはっきり描かれている点で、これは世界に比類のない本だということである。この本は実にありえないような偶然によって書かれたものであるから、これ以上の文学的贅沢などを求めるのは全く無意味である――と。
  • 日本とは何か
    4.0
    日本には、「特殊戦後的基準」によって、経済的成功をはじめ、日本式経営や日本型官民協調体制を自賛する声が高い。だが、経済は、国家や国民が目指す理想を達成する手段の一つにすぎない。その上、経済そのものも、全体として見れば、世界に威張れるほどの効率と豊かさには達していない。日本及び日本人論の決定版。
  • 徳川吉宗の人間学 変革期のリーダーシップを語る
    -
    元禄バブルを生き抜いた男・吉宗。人気時代小説家が読み解くスーパースター吉宗の手腕と戦略――元禄のバブルに挑み、享保の改革を断行。大胆なリストラクチャリングを行った、八代将軍・徳川吉宗。情報網を掌握し現状分析能力にすぐれた吉宗こそ、現代に通じるリーダーシップではないだろうか。『大わらんじの男』の津本陽、『小説徳川吉宗』の童門冬二の二人が、書かれざる吉宗の成功と失敗の真実に迫る快著。
  • 自伝的戦後史(上)
    -
    恐怖からの解放、自由と正義のための闘いの書。自由の敵・戦争の原因たるファシズムとの闘争に一生をかける著者の抵抗と革命への意志。たぎる情念が我々を闘いへと駆り立てるダイナミックな予見者の書。――アウシュビッツの大量虐殺が、なぜ起こったか? 本書は、この現代における人類の絶望からの解放なくして、人類の未来の希望はありえない、と偽りの平和を生きる我々に、忍び寄るファシズムの恐怖を訴え、自由と正義のための闘いに読者を駆り立てる、情念の書。また、困難な時代にこそ、繰り返しひもとかれるべき現代の聖書。<上下巻>
  • 株価操作
    -
    証券界の腐った土壌、株式相場を闇より操る勢力とその手口、総裁選資金調達のカラクリ! ――建前として禁止されている手張り(証券会社の社員が自分の思惑で相場を張り株を売買すること)の咎で、課長の座を追われた「一匹狼」がつかんだキナ臭い団体の存在と秘密……。闇の錬金場とカゲ口される証券業界の歪んだ土壤を背景に、株式相場を影より操る勢力とその手口、総裁選資金調達のカラクリを暴く企業小説。
  • 銀行壊滅
    -
    銀行冬の時代の肌寒い前夜に、大蔵官僚が企む都銀水平合併の策謀を描破。書下ろし問題作――貸付金利・預金金利の収支逆ざや現象。そして米国の強硬な銀行自由化要求。迫り来る銀行冬の時代の肌寒い前夜に、現総理の密命を負い、地銀と相銀の吸収合併を押し進める大蔵省銀行局長の真の目的は何!? 三行同時垂直合併の巧妙な仕掛けの果てに、都銀さえも…。水平合併の策謀を描破した、書下ろし長篇企業小説。
  • 教育の論理―文部省廃止論―
    -
    情熱をこめて説く若者独特の「教育の自由」。文部省を廃止せよ。それは教育を荒廃から救い教師や子どもたちを甦らせる。具体的なデータを提示し、教育の自由のために情熱をこめてつづる力作。――いま、日本の教育を荒廃と腐敗に陥れているのは、文部省である。官僚主義のはびこる文部省の関心は、管理監督取締りにあり、教育の自主性は皆無の現状なのだ。だが輝ける未来は、教育の自由なくしてはありえない。ここに文部省廃止の必然性が生じるのである。教育の自由にささげられた、羽仁五郎の文部省廃止論。
  • 偽装倒産
    -
    新規株式上場前日の突然の破産申し立て。銀行と大証券の驚ろくべき陰謀を描く問題作。小説が予見する明日の経済スキャンダル! ――時価発行増資によって手にした22億5千万円のカネを「横領」する、というオリエンタル興業社長・天野実の仕組んだ犯罪劇は、罪もない2人のミドルを自殺に追いやった。二部上場を前にした「優良企業」の突然の倒産に疑問を感じた経済記者・酒井竜也の追及の前に、銀行、証券会社絡みの「悪の筋書」が浮かび上がる!
  • 課外授業 ミステリにおける男と女の研究
    -
    海外のミステリにおける男と女の徹底的研究。ミステリも小説という信念から、作中の男女の関係をとおして分析する洒落たミステリ研究――この世は、男と女で成り立っている。そして、男と女の間には、つねに恋愛という大問題が横たわることになる。ミステリ作品のなかの男女にもまた、さまざまな形の恋愛が生じないはずがない。海外ミステリに現われた男と女の複雑微妙なかかわりを紹介分析した、ユニークなミステリ研究。日本推理作家協会賞受賞作品。
  • この人を見よ
    -
    人はいかにして、自分が本来あるところのもの=超人になるのか? いかにしてニーチェが、ニーチェその人となったのか? プラトン哲学、キリスト教、近代とドイツとを相手に鉄槌で哲学する一個の運命、ディオニュソス、ニーチェ。稀有の個性のニーチェ・44歳、発狂直前、荘重と放縦、賛歌と諧謔の交錯する筆致で、自己と自己の著作について喝破した「破天荒な」自伝。
  • 「大変」な時代 常識破壊と大競争
    -
    いま日本の常識は破壊された! 不連続への不安と衰退の予感。新時代を生き抜く常識とは? ローコスト革命への提言――政界、政策、経済、経営、社会。5つの「五五年体制」が崩壊し、高齢化、国際化、成熟化、情報化の「四化」は、根本的に変化した。日本が「右肩上がり」から「うつむき加減」の社会に変わったことを嘆くばかりではなく、新しい世の中にふさわしい目標をもつべきだ。その鍵を握る「ローコスト化」と新常識を提言。
  • 男の博物誌 雨彦のサラリーマン講座1
    -
    ヒラ社員必読、管理職必携の好エッセイ集。サラリーマン人生の運転免許証にして、会社という戦場で闘う戦士たちに必須の兵法書――サラリーマンは、男らしい仕事である。出世の競争もあろう、自分では選べない上司の理不尽なふるまいもあろう、無駄な会議も多かろう……。だが、愚痴を抑えて、ラッシュの電車にもまれ、少しばかりの酒にやりきれなさを託しつつ、今日も働いているこの健気な戦士たちを、男らしいと呼ばずして、何と言おうか?
  • 性と日本人 日本人の歴史第1巻
    3.0
    日本人にとって性は人間の根源の力であり神聖なものであった。性の歴史には裸の日本人を理解する最上のヒントがある。面白さ抜群の画期的な日本史――古代日本人は、「性」を人間と自然の繁栄の根源の力としてとらえ、その神秘的で不思議な力に霊性を感じ、それを生活の根本とする意識をもっていた。そして、世界に冠たる恋愛小説『源氏物語』を生みだすほどの、性の先進国となった……。秀れた日本人の知的蓄積を該博な知識で綴った、画期的な部門別日本史。渾身のライフワ-ク。<全5巻>
  • 歴史に学ぶ
    5.0
    いま、こんなリーダーが欲しい! ――時代を動かす人間の力!  安定より発展を指向した信長、時流に乗った強運の秀吉、用心深さと謀略の家康。この戦国三傑をはじめ、幕末動乱期の龍馬や隆盛、そして中国・奏の時代の英傑まで、時代を切り開いたリーダーたちの知力眼力を、歴史小説家・津本陽が独特の視点で縦横無尽に語りつくす、力作エッセイ。
  • 麻雀を打つ剣豪
    -
    剣法に通じる麻雀の妙諦。空前の剣豪小説集――闇をつらぬいて飛来する手裏剣、と思いきや、麻雀牌! さては忍びか!? 名だたる剣豪が麻雀にしたしむ。それは、麻雀の持つ奥深さが、兵法の奥義や剣法の妙諦に深く通じているからだ。富田勢源、佐々木小次郎、山崎重政、神子上典膳、柳生十兵衛、荒木又右衛門、平手酒造ら、そうそうたる剣士が、雀士という奇想天外な着想で描く、空前の傑作剣豪小説集。
  • 同族追放
    -
    企業内外の陰謀。迫真の経済小説――同族経営の中規模建設会社のワンマン社長・唐木正一が急逝すると、遺族役員や幹部社員たちの間に、確執と陰謀が渦巻き始める。同時にライバルの大企業などとの激烈な競争もからみ、政治家と企業、創業者一族と雇われ重役たちとの間に、恐るべき巧妙な計略が幾重にも……。そこから脱却すべく考案された、驚嘆すべき計略とその結末は!? 果して勝者は? 建設業界を背景に描く、迫真の長編企業サスペンス小説。
  • 都市の論理 第一部 歴史的条件
    3.0
    全国民必読の書といわれたベストセラー。真に豊かで自由な人間生活のために、国家から都市の自治権を奪回せよと説く情熱の書――人間が豊かで自由に暮していくために、あの戦後民主主義が理想とした自治の精神を、今こそ蘇らせよう。都市の自治権を国家から奪回せよ! 国家独占の腐敗と堕落を許すな。ヨーロッパの都市の歴史を辿りつつ、われわれ市民には自立の喜こび、実践家には行動の指針を示して、勇気と情熱をあたえる真の名著。<全2巻>
  • 占領軍慰安婦
    -
    アメリカ占領軍に提供するため、日本政府の手で造られた占領軍セックス用慰安所と、日本政府が募集した日本人慰安婦の真実――「戦後処理の国家緊急施設の一端として、進駐軍慰安の大事業に参加する、新日本女性の率先協力を求む」……<日本婦女子の防波堤>の名の下、政府が募集した占領軍慰安婦。そこに送りこまれた7万人の性囚たちは、どのような行動を強いられたのか? その実態をさぐり、正史にない女たちの痛恨を追うルポ。
  • 私が捜した少年
    4.0
    連続する難事件を華麗に解く、孤高の私立探偵! 渋柿信介、独身。ライセンスを持たない私立探偵。日常のしがらみに追われながらも、鋭敏な頭脳と大胆な行動力とで、次々に舞い込む事件を解決へと導く。友人の弟が失踪し、行方を追った渋柿は、一見無関係と思われた殺人事件の鍵を握った。本格推理の旗手が放つ傑作ハードボイルド・ミステリー。全5編収録。
  • 薩南の鷹 人斬り半次郎異伝
    3.0
    幕末動乱の修羅場で暗殺剣を揮い、京洛に名をはせた薩摩示現流の名手・中村半次郎。この剽悍剛毅な男にも、意外なやさしさ人間味があった――幕末動乱のとき、薩摩にすごい奴がいた。示現流の名手、その名は中村半次郎。人斬りの異名を京洛にとどろかせて、京童をふるえあがらせた、後の桐野利秋である。この剽悍剛毅な快男児は、西郷隆盛に殉じて城山の露と消えた。その短くも激烈な生の軌跡を、祗園名妓との恋物語を織りなして描く、渾身の歴史長編。幕末動乱の修羅場に暗殺剣が躍る!
  • 偽装取引
    -
    政権はゼニから生まれる! ――ゼニが権力を生みだす現代政治。保守政権のメカニズムを抉り、暗闇にうごめく巨魁の姿を白日に曝す。衆議院大蔵委員会で、古沢総理の政治資金に不明朗な点があると爆弾質問を炸裂させ、内閣をゆさぶった反主流派の領袖・浜田重明。だがその浜田の周辺にも黒い噂が渦巻いていた……。ビジネスマン必読の書。
  • 遠くて近きは……
    4.0
    男と女の「他愛もない話」に鋭く光る観察眼。夫婦の関係、結婚、浮気、離婚、男と女のホンネ……身辺でとりかわされる男と女の何気ない会話の奥に、キラリと光る人間の本質を探り出し、そっと描く独特の職人芸――男と女の、この不思議な距離! ああ、この熱い憧憬と深い断層! 遠くて近いか、近くて遠いかは、みなさまがたの経験やら自負によって、異なりましょう。理解しあって、誤解しあって、それでもお互いに求めあって、別れるのでしょうか? 愛しているよ、好きよ、1回きりよ、またね……。呟く言葉はさまざまですが、そこが凡俗煩悩の男と女の業というものでしょうか、雨彦さん?
  • 嘘でもいいから……
    -
    男と女の微妙なアヤを洒脱に描くエッセイ集。美女、猛女、才媛、妻、人妻……女性のことなら何でも熟知(?)している青木雨彦氏の実感的男女関係論。正規・不正規とりまぜて、男と女の結びつきを鋭く分析。愉快、難解、不可解な男女の仲を爽快に截断! ――結婚している、ということのメリットは、かりにヨソの女とそんなことになっても、「ねぇ、あたしと結婚して!」と言われなくて済むことだろう(「妻と別れて」)……。恋愛、結婚、浮気、別れなど、男と女の関係の、はかりしれない深淵を、独特の文体で描く名人芸。エッセイ全篇を流れる『嘘でもいいから……』の呟き!
  • ユリ迷宮
    3.6
    大胆な設定、意外な結末。名探偵・二階堂蘭子、颯爽と今日も登場! 豪壮な館が消える「ロシア館の謎」「密室のユリ」「劇薬」3篇。初短編集――バイカル湖近くの豪壮な館が吹雪の中で忽然と消えてしまうトリックの見事な「ロシア館の謎」。コントラクトブリッジのパーティーという衆人環視の中で殺人が行われる「劇薬」。誰も入れない密閉状態の新築高級マンションで殺人事件が起きる「密室のユリ」の計3篇。名探偵・二階堂蘭子の推理が冴える、初の短篇集。
  • たまげた録
    3.3
    驚きは、癒しなのだ! 「え゛ーっ!」ここに向かってしろというのか!? そんな精度が必要なのか!? もよおした私が急いで向かった場所にあったのは、5センチの穴だけだった……。模様替えであんぐり、詩の神様に感涙、AV男優に思わず赤面。驚きについてあーでもないこーでもないと考えながら、いつの間にか癒されている傑作大爆笑エッセイ。
  • サラリーマン反道徳精神のすすめ
    -
    きみはサラリーマンになりたくて、サラリーマンになったのである。生まれたことは、自分の意思ではないかも知れないが、サラリーマンになったのは、自分の意思でなったのである。「オレは、サラリーマンになりたくて、この会社に入ったんだ」と自分自身に言い聞かせろ……。サラリーマン武芸百般、雨彦流の秘伝!
  • いっしょうけんめい生きましょう おばあさまの一日一言
    -
    明るく有意義な老境を生きるために! 静かな感動と人生への示唆に富んだ日々の随想集。高齢化社会に贈る言葉の数々――元文部大臣・永井道雄氏の母堂が、82歳から5年半、明治・大正・昭和三代を体験した思いをこめて綴った随想集。ただ生きながらえるだけでなく、明るく充実した老境を生きた著者の言葉は、読む人に豊かな感動と示唆を与えずにはおかない。朝日新聞〈天声人語〉が「なにげなく見える文章の中にたくさんの宝物が隠されている」と絶賛した名著。敬けんなクリスチャンである筆者の幅広い教養が、こたつの埋み火のように人々の心を暖める!
  • 歴史の光と影 歴史エッセイ集
    -
    茫々たる廃墟の中に、幾多の興隆と衰亡を、生と死を、井上靖の「詩魂」が捉えた歴史紀行。歴史への確かな目と抒情が織りなす名編――中国、韓国、ロシア、幻の王国・ヒッタイトの故地・アナトリア高原へ。藤原三代のミイラが眠る奥州平泉・大和へ……。古き美しきものの中に、そして霧に包まれ、茫々たる廃墟の中に、往古の繁栄と衰亡を、人々の誇りと哀しみを、生と死を、井上靖の稟とした「詩魂」が捉えた歴史紀行。抒情にみちあふれた名篇。
  • 楊貴妃伝
    3.6
    「在天願作比翼鳥 在地願為連理枝」――白居易の傑作「長恨歌」に歌われた玄宗皇帝と愛妃・楊貴妃。寵愛をほしいままにし、権力さえも手中にした貴妃の、波瀾に満ちた短い生涯。時が移っても、変わらぬ人間の業を、絢爛な絵巻のごとく流麗に描き出す。唐代の壮大な叙事詩にして、今なお熱く胸を打つ傑作長編小説。
  • 夢見る沼
    4.0
    結納まで取り交したカメラマンとの縁談を解消する使者となったのが縁で、その男性に心をひかれていく大瀬伊津子。彼女に求婚していた新聞記者は、彼女の心の中にいつしか他の男が入り込んでいるのを感じる。伊津子は、友人を裏切ってカメラマンとひそかに交際している自分自身を、恐ろしい女だと思いはじめる……。適齢期の女性の心の中に棲む、愛と悪魔の葛藤を描いた、傑作長編。
  • 北国の春
    -
    青春の頃、恋人を奪われた男が、25年振りにその友人に再会して知った新事実と、長い間、旧友に燃やし続けた敵愾心の真因を悟る「北国の春」、男手一つで育てた一人娘を嫁がせた父親が、旅先で、おきゃんなホステスにその孤独を癒される「凍れる樹」など、人間の深層にひそむ心の動きを鮮やかに描いた、傑作9編。
  • 知的風景の中の女性
    -
    男女ともに人間であるから、人間という点では、同じである。しかし、また、単なる「人間」なるものは、どこにも存在せず、必ず男か女であることも、また事実である。生物学的な差異から、歴史的・社会的な役割まで、冷静に考えてみると、男と女は、常に相補的な関係にあることがわかる。おたがいに理解しあうための、知的女性論。
  • 男と女のト音記号
    -
    わかりあって誤解しあって、男と女の人間学。男性からは「こんなに女の悪口を書いてダイジョウブか?」と心配され、女性からは「いつも男をやっつけてくれてうれしいわ」と励まされる、雨彦流辛口の男女関係論――男と女をくらべれば、男はおしなべて規格品であるのに、女のひとは個性的だ。男はどいつも似たり寄ったりだが、女のひとにはアタリハズレがある。「だから、男にとって結婚は賭けだ」というのである(「賭けと負け」)。……など、男と女の間の微妙で繊細なアヤを解いたり結んだり、ご存知、雨彦氏の軽妙辛口エッセイ!
  • 女と男の方程式
    -
    微妙な女心と男の本音、理想の結婚相手と浮気相手、など、知らずにやれない恋のかけひき秘訣集。優しくシニカルな魅力のエッセイ!――結婚前の女たちと花ムコ候補生、そして不倫志願の大人のあなたに贈る、優しくシニカルな雨彦流「女と男のつきあい術」指南書。微妙な女心を探り、男の本音を知る。いま、はやりの結婚の条件とは? 結婚難の実態は? 長女を口説く法。理想の浮気の相手。浮気の時効。最近「不倫」事情。優しくシニカルな、恋のかけひき秘訣集。

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