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小説家と女性誌編集者が過ごす、京都の一夜を繊細な心理主義的方法で描き、現代の「性」を見つめる「高瀬川」。亡くした実母の面影を慕う少年と不倫を続ける女性の人生が並列して進行し、やがて1つに交錯する「氷塊」。記憶と現実の世界の間(あわい)をたゆたう「清水」など、斬新で、美しい技法を駆使した短編4作。
Posted by ブクログ 2023年02月27日
とにかく実験精神に溢れた挑戦的な文学。
最初の掌編は記憶と流水のイメージを重ね合わせる。屁理屈っぽさすらあり読むのが少し苦しいが、ここで語られていることが後の3作のモチーフになるため、よく読むと読後感が変わる。
「高瀬川」は性交のための一夜の営みがクールっぽく描かれるも、何度か挟まれるダサい描写が印...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年05月21日
高瀬川、と氷解、が好きでした。
高瀬川は少し官能小説のようでもあるのだけれど、陳腐でなく愛情を感じるまでもないような、表現の仕方で。
でもやっぱり、少し男性目線かなと。
氷解が良かったのは特異な文章構造でときたま2人の人生が交差するところに少しはっとさせられる。
女の人から見た目線、思考、感情と...続きを読む
Posted by ブクログ 2016年06月07日
平野啓一郎さんが「葬送」後に著した短編集。
当時平野さんは28歳。ご自身の言葉によると
「作家としての挑戦」であり
「男と女の性的な関係に取り組んだ」作品集。
男女の性行為を細かに描いた「高瀬川」
不倫に悩む女性と
実母を求める少年の妄想が交差する「氷解」
の2作のみならず
難解な「清水」と「追憶...続きを読む
Posted by ブクログ 2013年01月21日
小説は、他者と自己の関係というテーマを絶えず題材としてきた。
そんな中で、タイトルにもなっている「高瀬川」という短編は、男女の性にからんだ人間の関係性を、男と女がホテルで一夜を過ごすというシチュエーションで、こんなにリアルに掘り下げることができるのか、と驚かされる作品だった。
遠い昔にサトウトシ...続きを読む
Posted by ブクログ 2011年09月15日
表題作。高瀬川。京都の一夜。その「性」をどっぷり。ただ性欲を満たすだけならば小説などなんの意味も立たない。SEX本。心理学本。そんなの意味がない。恍惚感。死の気配。隠された過去。本能。アンバランス。否定。肉体から心まで奪うこと。過去を消しさること。一度傷ついた心。もどらないこと。心の平安を取り戻すこ...続きを読む
Posted by ブクログ 2009年10月04日
純文学というのは、とっつきにくくてどうも苦手です。
「清水」「追憶」は、どうしても読めませんでした。
「清水」は、阿部公房のような、いわゆるシュールレアリズムというものでしょうか?
文庫版を電車の中で読んでたら疲れてしまいました。
「追憶」も同じく。実験的すぎて、頭に入ってこなかった。
こういう...続きを読む
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