光文社古典新訳文庫作品一覧

  • ユダヤ人問題に寄せて/ヘーゲル法哲学批判序説
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    急進的な民主主義者からプロレタリアートによる革命を目指す共産主義者へ。青年マルクスは、宗教批判から現実の政治変革としてヘーゲルの法哲学批判へと向かい、そしてユダヤ人問題、すなわち「貨幣」に支配される社会を変革することなしに、真の人間解放はあり得ないと喝破する。独創性あふれる「初期マルクス」の最重要論文集に、詳細かつ丁寧な解説を付す。
  • 幼年期の終わり
    4.2
    地球上空に、突如として現れた巨大な宇宙船。オーヴァーロード(最高君主)と呼ばれる異星人は姿を見せることなく人類を統治し、平和で理想的な社会をもたらした。彼らの真の目的とは何なのか? 異星人との遭遇によって新たな道を歩み始める人類の姿を、SFの巨匠クラークが哲学的に描いた傑作。初版刊行から36年後、現代に合うように著者が物語に調整をほどこした新版、初の邦訳!
  • ラブイユーズ
    4.5
    元近衛竜騎兵のフィリップは、酒や賭博に興じ、勤め先や家族の金を使い込んだ挙げ句、軍の謀議に関与して収監される始末。息子を溺愛する母は、釈放に必要な金を工面しようと実家の兄に援助を求めるが、そこでは美貌の家政婦とその恋人が家長を篭絡して実権を握っていたのだった……。
  • ラ・ボエーム
    3.8
    安下宿に暮らす音楽家ショナールは、家賃滞納で追い出される寸前。金策の途上で出会った詩人ロドルフ、哲学者コリーヌ、突然現れた画家マルセルと意気投合し……。気の多い女ミミ、金持ちの愛人ミュゼットらも加わり展開される、自由放埒で甘美な物語。本邦初、23の連作小説の全訳!
  • リア王
    4.0
    とつぜん引退を宣言したリア王は、誰が王位継承にふさわしいか、娘たちの愛情をテストする。しかし結果はすべて、王の希望を打ち砕くものだった。最愛の三女コーディリアにまで裏切られたと思い込んだ王は、疑心暗鬼の果てに、心を深く病み、荒野をさまよう姿となる。戯曲を読む楽しみを追求しつつ、原作の気品と格調、ユーモア、激しい罵詈雑言などが忠実に再現された《安西シェークスピア》の第1弾。
  • 聊斎志異
    4.0
    中国清代の作家蒲松齢が、科挙に落第しつづける中、古来の民間伝承などをもとに豊かな空想力と古典の教養を駆使し、仙女、女妖、幽霊や精霊、昆虫といった異能のものたちと人間との不思議な交わりを描いた怪異譚。目の中に住みついた小人同士の会話、愚鈍なイケメンのドッペルゲンガー、金持ち狐の復讐、菊好きな男に惚れた菊の精、仙術修行は壁抜けの術、酒好き幽霊の恩返し、美女幽霊二人の誘惑に負けなかった男など43篇を収録。
  • 梁塵秘抄
    3.5
    歌の練習に明け暮れ、声を嗄らし喉を潰すこと、三度。サブ・カルチャーが台頭した中世、聖俗一体の歌謡のエネルギーが、日本の第77代天皇でもあった後白河法皇を熱狂させた。画期的新訳による中世流行歌100選!「わたしは バカな 女です」「マリーのひとりごと」「わが子ゆえの嘆き」「も一度 抱いて」など。日本古典の現代語訳を一新! 歌謡曲のルーツはここにある。
  • 臨海楼綺譚~新アラビア夜話 第二部~
    3.0
    孤独な放浪のさなかに訪ねた草砂原の楼閣。そこで巻き込まれた事件の顛末を語る表題作。無頼漢として知られるフランスの詩人ヴィヨンの荒んだ一夜を描く「その夜の宿」。見知らぬ屋敷に閉じ込められた男が思いもよらない結末を迎える「マレトロワの殿の扉」。芸術という宿命に取り憑かれた旅芸人を主人公にした「天意とギター」の4篇。『ジーキル博士とハイド氏』『宝島』などの名作を生み出す作家の筆が冴える傑作短篇集第2弾。
  • リヴァイアサン1
    4.2
    ホッブズは「万人の万人に対する闘争状態」こそ、人間の自然状態だと定義する。なぜそうなのか。この逆説をどう解消すれば平和が実現するのか。社会契約による主権国家の成立を理論づけた本書の第一部は、国家を構成する個々の人間を、その本性から考察する。近代国家論の原点であり、近代政治哲学の出発点である本書は、のちのスピノザ、ロック、ルソーだけでなく、現代ではハンナ・アーレントにも影響を与えた。(全2巻)。
  • レーニン
    3.7
    「巨人の全貌を映し出すには、巨大な鏡が必要」であり、その鏡となりうる唯一の人物だったトロツキーが、熱い共感と冷静な観察眼で鮮やかに描き出した「人間レーニン」。レーニンの死の直後、本書の主要部分はスターリンによる迫害の予感のなかで書かれた。「ソ連共産党とソ連全体が全体主義の悪夢に飲み込まれてしまう」直前だからこそ「等身大」に描きえた、珠玉の回想録。ロシア語原典からの初めての翻訳。
  • 老人と海
    4.0
    初訳から60年、まったく新しい「老人」の誕生! 数カ月続く不漁のため周囲から同情の視線を向けられながらも、独りで舟を出し、獲物を待つ老サンチャゴ。やがて巨大なカジキが仕掛けに食らいつき、3日にわたる壮絶な闘いが始まる……。原文を仔細に検討することによって、従来の活劇調の翻訳とは違う「老人」像が浮かび上がる! 決して屈服しない男の力強い姿と哀愁を描いたヘミングウェイ文学の最高傑作。
  • ロウソクの科学
    3.4
    ロウソクが見せる物理現象について学ぶことが、自然科学に入門するための、もっとも入りやすい最良の入り口だ。イギリスの科学者ファラデーが少年少女を相手に行った連続講義録。ロウソクの種類、製法、燃える仕組みから、燃えるときに起こる物理・化学現象までを、さまざまな角度からやさしく解説する。原著出版から160年以上経たいまでも、ノーベル賞受賞者ほか世界中で読み継がれてきた不朽の名著。
  • ロシア革命とは何か~トロツキー革命論集~
    -
    革命の理論的支柱であったトロツキーが、自身の永続革命論について展開した「総括と展望」と亡命後に行った歴史的な「コペンハーゲン演説」、スターリニズムを批判した「スターリニズムとボリシェヴィズム」など6本の論文を厳選収録。トロツキーの永続革命論の全体像とロシア革命の全体像を理解する手頃な入門書であり、マルクス以降のマルクス主義の最も優れた成果の一つを学ぶ手引きでもある。ロシア革命100周年企画第1弾!
  • ロビン・フッドの愉快な冒険
    3.5
    中世イングランド、おたずね者となった弓の名手ロビンはシャーウッドの森の奥に隠れ住む。棒術の名人、吟遊詩人、飲んだくれの修道僧など個性豊かな強者たちを仲間に引き入れながら、強欲な役人や聖職者らを相手に痛快な戦いを繰り広げるロビンだが……。著者による挿絵全点収録!
  • ロレンザッチョ
    -
    メディチ家の暴君アレクサンドル。放蕩の手先を務め腹心となって主君の暗殺を企てる従弟のロレンゾ。義妹チーボ侯爵夫人へのアレクサンドルの恋を利用して権力を握ろうとするチーボ枢機卿……。謎に満ちた暗殺事件を、二人の若者の間に交錯する権力とエロスを軸に描いたミュッセの代表作。日本で初めて上演(1993年)してから23年。満を持して完全版の新訳での刊行!
  • 論理哲学論考
    4.4
    20世紀を代表する哲学書であり、最も難解といわれる『論理哲学論考』は、シンプルなドイツ語で書かれた美しい作品だ。今回の新訳では、その微妙なスタンス、ニュアンスを、細やかな目配りで忠実に再現した。いつでも、どこでも、肩の力を抜いて読める、まったく新しい『論考』をここにお届けする。■野家啓一さんの解説「高校生のための『論考』出前講義」を収録
  • 若きウェルテルの悩み
    4.2
    故郷を離れたウェルテルが出会い恋をしたのは、婚約者のいるロッテ。彼女と同じ時間を共有するなかで愛情とともに深まる絶望。自然への憧憬と社会への怒りのあいだで翻弄されもするウェルテルの繊細な心の行きつく先は……。世界文学史に燦然と輝く文豪ゲーテの出世作。身悶え不可避の不朽の名作。
  • 若草物語
    4.1
    メグ、ジョー、ベス、エイミー。感性豊かで個性的な四姉妹と、南北戦争に従軍する父親に代わり家を守る堅実な母親との、1年間の物語。隣家のローレンス氏や少年ローリーらとの交流を通し、少女たちは大人に近づいていく。ティーンエイジャーの日常を生き生きと描く。150年の間、世界中の女子が夢中で読んできた、今も全世界で愛されるベストセラーを、鮮度抜群の新訳で贈る。
  • 若者はみな悲しい
    3.6
    理想の女性を追いつづける男の哀しみを描く「冬の夢」。わがままな妻が大人へと成長する「調停人」。親たちの見栄と自尊心が交錯する「子どもパーティ」など、本邦初訳4篇を含む9篇を収録。アメリカが最も輝いていた1920年代を代表する作家フィッツジェラルドが、若者と、かつて若者だった大人たちを鮮やかに描きだした珠玉の自選短編集。
  • 笑い
    3.7
    「笑い」を引き起こす「おかしさ」はどこから生まれるのだろうか。ベルクソンは形や動きのおかしさから、情況や言葉、そして性格のおかしさへと、喜劇のさまざまな場面や台詞を引きながら考察を進める。ベルクソンの主要著作群のなかで異彩を放つ、「ベルクソン哲学の可能性が最も豊饒に秘められた」、独創性あふれる思考の営み。ベルクソンの著作のなかでもっとも版を重ねたロングセラーを分かりやすい訳文と詳細な解説で読み解く
  • われら
    3.5
    地球全土を支配下に収めた〈単一国〉では、24時間の各人の行動は、食事から性行為まで、すべて合理的に管理されている。その国家的偉業となる宇宙船〈インテグラル〉の建造技師であるД-503は、古代の風習に傾倒する女I-330に執拗に誘惑され……。『一九八四年』『すばらしい新世界』に先駆けるディストピア小説の傑作。
  • ヴェニスの商人
    4.0
    裕福な貴婦人ポーシャへの恋に悩む友人のため、貿易商アントニオはユダヤ人高利貸しのシャイロックから借金をしてしまう。担保は自身の肉1ポンド。商船が難破し全財産を失ったアントニオに、シャイロックはあくまでも証文どおりでの返済を迫るのだが……。「ユダヤ人には、目がないのか。ユダヤ人には、手がないのか……」登場人物の生々しいまでの真情が胸を打つ。迫力の安西シェイクスピア、第3弾登場!
  • ヴェーロチカ/六号室~チェーホフ傑作選~
    4.0
    こころと向き合うすべての大人に響く、悩める文豪による迫真の短篇! 世話になった屋敷の娘との別れ際、どうも心が動かない青年を描く「ヴェーロチカ」、精神科病棟の患者とのおしゃべりに愉しみを見出すも周囲との折り合いが悪くなっていく医師を描く「六号室」など、作家としての転換期の最中、人間の内面を深く覗き込んだチェーホフならではの傑作を収録。
  • 椿説弓張月5
    12/10入荷
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    絶体絶命の危機を脱出した為朝と寧王女は巴麻島へと渡り、神仙の導きで舜天丸と家来の紀平治と再会する。また鶴と亀は因縁の敵である託女、阿公を天孫廟で討ちとる。こうして為朝と舜天丸はふたたび首里を攻めて曚雲と雌雄を決する。その後為朝は八頭山にのぼって神仙と出会い、また残った舜天丸はついに琉球王となる。登場人物それぞれの因縁、生前と死後のことなどがすべて明かされる最終巻。全5巻完結!

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  • ノーサンガー・アビー
    12/10入荷
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    ゴシック小説に夢中な十七歳のキャサリンは、逗留先のバースで社交界デビューを果たす。舞踏会で知り合ったヘンリー・ティルニーに惹かれ、彼の妹とも懇意になる。親友の兄ジョン・ソープの身勝手な妨害のために、関係が危うくなりもしたが、ついにティルニー家の自宅に招かれることに。そこは小説の舞台さながらの古い元僧院だと聞き、キャサリンの期待はいやがうえにも高まるが……。夢見がちな女子の成長と恋愛を描く。

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