辻村永樹の作品一覧
「辻村永樹」の「ラ・ボエーム」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「辻村永樹」の「ラ・ボエーム」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
プッチーニのオペラ『ラ・ボエーム』の原作。オペラとはだいぶストーリーは異にするけれど、オペラにも登場する人物たちによる貧困にあえぎながらも芸術や哲学、食に恋に生きる19世紀のボヘミアンたちの生活を楽しむことができる。登場人物たちが成功しブルジョワになったのちに登場するセリフに上流の味を知ってしまったというセリフがあるのだけれど、一度成功したらもはやあそこに戻ることはできないけれど、やはり可能性はそこにあるのだというノスタルジーでもある。同様に、ボヘミアンたちが時計や測ることを敵視しているのは資本主義的な論理とは測ることであるとしたら、そこから逃れるべきという本能的な防衛感覚なのだと思う。
全面
Posted by ブクログ
rボエーム芸術家の自由放埓な生活と恋愛模様を描いた23話から成る連短編集。
正直、ボエームのハチャメチャな生活振りにはあまり共感を覚えない。もっともそのような堅実を尊ぶのは彼らからブルジョワと軽蔑されるだろうが。
芸術に身を捧げるということは金銭的な苦労を厭わないということなのかもしれないが、社会的に成功する者はほんの一握りであろう。本書では、主要登場人物のボエームたちは一応社会的にも評価される形で終わっているが、「十八 フランシーヌのマ、フ」に出てくる彫刻家ジャックのように、悲惨な最期を迎える者も多かったのではないだろうか。
もっとも、いかに借金返済を先延ばししたり人に借金を頼む