モーセと一神教

モーセと一神教

ビジネス・実用
1,166円 (税込)

5pt

3.6

多くのユダヤ人が迫害されるなか、ユダヤ人差別の由来を、ユダヤ教の成立と歴史を考察しながら、キリスト教誕生との関係から解き明かそうとしたフロイトの遺作。「原父殺害」「潜伏期」「エディプス・コンプレックス」「抑圧されたものの回帰」など、みずからの精神分析の理論を援用してその謎に迫る、まさに「歴史ミステリー」とでも呼べるフロイト最大の問題作。

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モーセと一神教 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    オーストリアの高名な精神分析学者ジークムントフロイトの書いた最晩年の遺書的論文。彼自身がユダヤ人でもありナチスの迫害を受け親族のうちの何人かが強制収容所に送られている。
    モーセがエジプト人でありアメンホテプ4世の一神教時代の神官であったという大胆な仮説を前提に、原始宗教のあり方やフロイトのエディプスコンプレックスをはじめとする精神分析論と絡めながら考察を展開している。世界史でも特異な人物として登場するアメンホテプ4世への当時の欧州での見方について(一神教であるキリスト教が価値観の前提にある欧州社会において多神教の古代エジプトの中で一神教を主張したアクエナテンは好意的にみられていたのかもしれない)見ることができ興味深かった。

    0
    2024年08月31日

    Posted by ブクログ

    アテン賛歌(エジプト):汝のわざのなせるものはいかに多いことか。おお唯一の神よ、汝に比すべきものは他にない。汝は思いのままに世界を創造された。
    旧約聖書(ヘブライ):御業はいかにおびただしいことか。あなたはすべてを知恵によって成し遂げられた。地はお造りになったものに満ちている。詩篇104章

    アテン賛歌(エジプト):汝が西の果てに沈むとき、地は死のごとく闇にとらわれる。獅子はみなその穴より出で、這うものが出てきて人を刺す。
    旧約聖書(ヘブライ):太陽は沈む時を知っている。あなたが闇を置かれると夜になり、森の獣は皆、忍び出てくる。詩篇104章

    前14cアメンホテプ4。一神教を発明。その息子ツタンカーメン時代に多神教へ戻る。▼前13cモーセ。一神教再び。モーセはエジプト人であり、エジプトのアテン神はユダヤの神ヤハウェの原形。フロイト『モーセと一神教』1939

    0
    2023年03月29日

    Posted by ブクログ

    ・「モーセはエジプト人だった」または「モーセがエジプト人だったら?」
    ・「ユダヤ教の元ネタはイクナートン(アクエンアテン/アメンホテプ4世)のアトン(アテン)信仰」
    みたいなことがつらつら書いてあるジークムント・フロイトの遺著。
    あとはユダヤ教発発生の経緯(考察)とか。

    0
    2025年02月07日

    Posted by ブクログ

    フロイト最晩年の書として有名な本書をやっと読むことができた。ユダヤ教成立の事情を、モーセの人物を推論して解き明かしていく。その立論の当否を論じる能力はないが、ユダヤ人フロイトがどうしても書き残したかった思いが強く感じられた。

    0
    2020年10月16日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    フロイト最晩年の著作。支離滅裂な部分があり全面的に信じることはできないものの、真実を含んでいるのではないか。

    ・唯一神教の起源をエジプトにみる。若いファラオであるアメンヘテプ(後のイクナートン)は、それまでの多神教を捨て太陽神のみ(アトン教)を信仰するようになるが、エジプトの地では衰退した。
    ・エジプト脱出を指揮したモーセは高貴な生まれのエジプト人と推測する。イクナートンが亡くなり多神教信仰者から迫害を受け、アトン教は滅ぼされつつあった。そのときアトン教を信仰していたモーセ(政府の高官)がユダヤ人を引き連れ脱出した。モーセが口下手とされるのはユダヤ人と言語が通じず、通訳を通していたため。
    ・割礼は中近東では見られない風習であり、当時のエジプト人は一般的に行われていた。異民族と距離をとるためのユダヤ人に割礼を行うことで「聖別された民」とした。モーセによる宗教理念はアトン教よりも厳しく、脱出当初からユダヤ人の反発を受けた。そしてモーセはユダヤ人によって殺害された。
    ・エジプトを脱出したユダヤ人は近隣の民族と合流し宗教的にも混合した(カデシュ)。このとき導入された神がヤハウェであり、もともとは火の神である。モーセの信じた神とは全く性質の異なる民族神である。聖書の原文が確定されるまで800年ほどかかり、当時は歴史を事実通り残すという考えはもちろんなかったことから、モーセはユダヤ人ということになり、またカデシュのものと同化していった。
    ・モーセは殺害されたものの、モーセの教えを知っていたレビ人(モーセの仲間の子孫?)が口頭伝承にてユダヤ人に伝えていった。不遇にあえぐユダヤ人が生き抜く力を与えたのは、ヤハウェではなくモーセの神の理念であった。ユダヤ人にとってはおそらく、モーセという人物の姿と神の姿を区別するのは困難であったであろう。預言者を通し過去の信仰が復活していった。

    0
    2020年03月05日

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