歴史・時代小説作品一覧

  • 落日の鷹
    5.0
    天正12年、九州の雄だった竜造寺隆信が戦死し、佐賀35万石の藩主の地位は、隆信の家臣だった鍋島氏に引き継がれた。異例のこの交代劇は、表面おだやかにみえたが、竜造寺家につながる人々にとって、次第に怨念をつのらせる推移となった……。乱世に生きる武門の消長と士魂をドラマチックに描いた歴史長篇小説。
  • 洛中洛外画狂伝 狩野永徳 上
    値引きあり
    4.0
    その絵は、誰のために、何のために、描かれたのか? 狩野派の若き天才が挑んだのは、一筆の力で天下を狙う壮大な企てだった――。天才絵師・狩野永徳が「洛中洛外図屏風」完成に至るまでの苦悩と成長を描いた話題作文庫化。下巻に特別描き下ろし短編を収録。
  • 楽天旅日記
    -
    武士や市井の人々の喜怒哀楽、義理や人情を通して限りない人間愛を描いた時代小説、人情小説の名手・山本周五郎の長編全集。第20巻は「楽天旅日記」。お家騒動に巻き込まれる世間知らずの若殿の目を通して、派閥や権力争いの愚かさをコミカルに風刺した傑作長編。
  • 楽天旅日記
    3.6
    大吉田藩七十万石の正嫡順二郎は、四歳の時、側室一派の陰謀によって廃嫡され、国許で幽閉同然の生活を送る。ところが、二十四歳になった時、世継ぎとされていた側室の子が突然死亡し、順二郎は隠密裡に江戸表へ迎えられる事になるが……。お家騒動の渦中に投げ込まれた世間知らずの若殿の眼を通して、現実政治に振り回される人間たちの愚かさとはかなさを諷刺した長編小説。

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  • 落梅の賦
    3.0
    「俺は、武田を食うぞ」戦国最強を誇った甲斐武田家の落日。家を滅ぼす二人の裏切り者が出る。一人は、武田信玄の腹違いの弟、武田六郎信友。そして、一族衆筆頭、穴山梅雪。「武田の海」を任された二人は、なぜ悲劇の引き金を引いたのか――。歴史小説界で、いま最も注目される「ヒストリーテラー」武川佑の第二作長編。
  • 落陽(祥伝社文庫)
    3.9
    明治四十五明治天皇崩御――直後、渋沢栄一ら東京の政財界人は御霊を祀る神宮造営を計画、その動きは巨大なうねりになっていく。一方、帝国大学農科大学の本郷高徳らは、「風土の適さぬ東京に神宮林にふさわしい森を造るのは不可能」と反論、大激論に。東都タイムスの記者瀬尾亮一は、対立を追う同僚に助力するうち、取材にのめり込んでいく……。献木十万本、勤労奉仕のべ十一万人、完成は百五十年後という造営事業を成し得させた天皇と日本人の絆に迫る著者入魂作!年七月、天皇重体の情報を掴んだ東都タイムスの瀬尾亮一は、宮中の大事が初めて庶民の耳目に晒される状況に記者魂を揺さぶられる。快復を願う万余の人々が宮城前に額ずく中、天皇は崩御。直後、渋沢栄一ら東京の政財界人が「御霊を祀る神宮を帝都に創建すべし」と動き始める。一方、帝国大学農科大学講師の本郷高徳は、「風土の適さぬ地に、神宮林にふさわしい森厳崇高な森を造るのは不可能」と反論。しかし、曲折の末に造営が決定すると本郷は、取材をする亮一に“永遠に続く杜”造りへの覚悟を語った……。直木賞作家が、明治神宮創建に迫る書下ろし入魂作!
  • 洛陽の怪僧 薛懐義と武則天の物語
    -
    中華帝国唯一の女性・武則天の即位実現を後押しした怪僧・薛懐義を描く 奇想天外な歴史ファンタジー小説!
  • 洛陽の姉妹
    3.4
    動乱の時代、姉妹を襲う苛酷な運命……。ときの皇帝の正后で、世間で最も恐れられるという南風(なんぷう)。その異母姉である春暉(しゅんき)は、斉の国から洛陽へと、妹に会うためにやってきた。だが、春暉には会おうともしない南風には、姉への複雑な思いがあった……。時代が生んだ姉妹の運命を、力強くまっすぐな視線で描く表題作など、抒情あふれる中国短篇小説5編を収録。
  • 落雷の塔~夢次郎 紅毛カルタ事件帖~
    -
    文化年間の江戸。ある諍(いさか)いから逃れるため、英国船から飛び降りた大倉恭之介(おおくらきょうのすけ)は、深川に流れ着くと、身分を隠し夢次郎として暮らし始める。ある日、思いを寄せる芳奴(よしやっこ)が事件に巻き込まれた! 恋敵の源太郎とともに、謎の品川浜屋敷に潜入する夢次郎。得意の「紅毛カルタ(タロットカード)」を駆使し、大切な女を守れるか? 西洋占星術の第一人者が描く痛快時代小説!
  • 羅城門
    3.3
    木工技術にたけた番匠を数多く輩出する飛騨国は税免除の一方、毎年、京での土木事業に従事していた――。新都・平安京の象徴たる羅城門造営のため、桑野の丹心以下五十名の番匠たちが京へ向った。悲惨な待遇と役人の酷使に耐える日々。そんなある日、丹心の娘・もず女が役人に凌辱され、さらに彼女の夫も殺害されたのだ! 番匠たちの怒りと不満が一挙に爆発する。澤田ふじ子の原点となった傑作長篇。

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  • 落花
    5.0
    平安時代中期。天皇の従兄である仁和寺僧・寛朝は、己の楽音を究めるため、幻の師を追って京から東国へ下った。そこで荒ぶる地の化身のようなもののふに助けられる。のちの謀反人・平将門だった――。豪放磊落でまっすぐな将門は、次第に叛乱の将に祭り上げられていく。戦場に響く喊声、弓矢のうなり……武士の世の胎動を描く傑作長篇。〈解説〉新井弘順
  • 落花は枝に還らずとも(上) 会津藩士・秋月悌次郎
    3.9
    幕末の会津藩に、「日本一の学生」と呼ばれたサムライがいた。公用方として京で活躍する秋月悌次郎は、薩摩と結び長州排除に成功するも、直後、謎の左遷に遭う……。激動の時代を誠実に生きた文官を描く歴史長篇。新田次郎文学賞受賞作。
  • 乱

    3.0
    少年時代を独り野生児として育った「虎」が、畑を荒らして村人に捕まってしまう。処刑されそうになるところを四郎という少年に命を救われる。天草四郎と虎の出会いだった。そのころ、九州の島原と天草の切支丹に対する迫害は苛烈を極め、四郎の父親らを首謀者にして公儀への反抗が企てられつつあった。他方、老中・松平信綱は、三代将軍・家光の治世に不安を抱いていた。江戸に幕府が開かれて三十有余年、天下は徳川家の下に本当に治まっていると言えるのか。歯向かう大名家は無くとも、民草はまだ治まっていない。信綱の心の中に潜む闇が蠢く……。
  • 乱愛一刀流 艶殺 三万両伝奇
    -
    自分の道場で寝ていた大門一郎太の顔の上に、天井を破って何かが落ちてきた。それは男装の娘盗賊、天狗小僧千吉ことお千の臀であった。 そこへ斬りこんで来たのは、覆面の侍たち。一郎太は道場を捨て、お千を連れて逃げ出す羽目になる。 実は、お千が大名屋敷から盗み出した女雛には、三万両の秘密が隠されていた。それは、慶安年間に倒幕を画策した由井正雪の隠し金なのである。 次から次へと迫りくる女やくざ、女忍、刀腰女らの妖艶な刺客と戦い、巨砲で哭かせてしまう一郎太。 徳川御三家をも揺るがす大金の在り処は?そして争奪戦の黒幕の正体とは?  本篇の<前日譚>ならぬ<当日譚>を書下ろし──番外篇「女体道場」を新たに収録した大人気“乱愛シリーズ” の傑作長編!
  • 乱愛剣豪 美女めぐり秘譚
    -
    六千三百石の大身旗本・藤岡家の剣術指南役、五味源十郎──。年は四十二、樽のように逞しい巨漢で、無骨な凄腕剣豪であった。 そんな源十郎が、同家の腰元を手籠にした咎で出奔することに……。が、これはあくまで世間を欺く絡繰り。 多額な借金を背負い、お取り潰し寸前の藤岡家には、実は一万両という隠し金があるといわれ、その在り処を探索するため、白羽の矢が立った源十郎が浪人となったのだ。 しかしその秘密は、十八娘の背中に“白粉彫り”で記され、女悦の極みで浮かび上がるという。 剣は一流なれど、堅物で閨事には疎い源十郎が、果たして三人の美女に近づくことはできるのか──!? 新たに書下ろし番外篇「裸女の剣法」を収録した傑作が甦る!!
  • 乱愛剣法 魔忍者軍団を斬れ!
    -
    「若君、藤丸様の護衛役を命ずる!」──白馬藩九万九九九九石の納戸頭・南条家の部屋住みであった大輔は、国家老から大役に抜擢された。側室・お嘉世の方と手を組み、御家乗っ取りを企む奥用人・仙波頼母が、藤丸を亡き者にするため、魔忍者軍団〈斗狩衆〉を雇ったからだった。剣は強いが女嫌い、堅物で単純直情の大輔は、斗狩衆の女忍に襲われるが、巨根絶倫であることが幸いして危機を逃れる。しかし、守るべき藤丸君には、将軍家に御目見得もできない、ある重大な“秘密”があった。そしてついに、剣難女難に立ち向かう大輔と江戸へ向かう藤丸に、斗狩衆の頭領・幻夜斎が襲いかかる!果たして正義の剣は、邪法に勝てるのか──!?書下ろし番外篇「妄龍の夜」を収録した痛快時代傑作!!
  • 乱愛御殿 大江戸はーれむ物語
    -
    飲む打つ買うの放蕩が過ぎ、拝領屋敷も知行地も没収される身となった旗本・藤堂源四郎。 だが、全裸の美女を怪しい侍たちから救って屋敷に連れ帰った日から、彼の運命は一変する。 金策へ出かける度に、女壺振りや貧乏長屋の娘、双子の軽業姉妹など、なぜか、次から次に美女を拾って来る羽目に!? しかし源四郎は、美女と愛姦を繰り広げるうちに、彼女たちの受難に背後に陰謀があること突き止めた。 謎の女死客人や凄腕浪人と闘いながらも真相を追う源四郎。 果たして、巨悪を討ち、天命のように集まった美女たちを皆、幸せにしてやることができるのか? 御殿の美女はまだまだ増える!?──後日譚を新たに書下ろした番外篇「第八の天女」を収録した“乱愛シリーズ” の人気傑作!
  • 乱愛指南 姫割り役・美女絵巻
    -
    姫割り役──それは、男を識らぬ生娘に対し、優しく性の手解きをしてやる者のことである。 川越領の外れに隠棲する浪人・御崎源三郎も、村人たちの願いで姫割り役を務めていた。ところが、源三郎が閨業を指南したお光が、江戸で行方知れずとなった。 探しに出た源三郎は、彼女が〈地獄屋敷〉に連れ去られたことを知る。屋敷の賭場へ乗り込んだ源三郎は、そこで大身旗本家の恐るべき陰謀と闘うことになった! さらに、乱暴されかかった男装の武家娘を救ったことから、源三郎自身も隠していた重大な過去と対峙することになるのだが……!! 運命の出逢いへ至る〈前日譚〉を書下ろし──番外篇「牝泣き」を新たに収録した大人気“乱愛シリーズ”の極上長編!!
  • 乱愛修業 艶情お家騒動
    -
    岡崎藩五万石の藩士の次男坊・二階堂俊作は、剣には自信があるが、初心(うぶ)で女を識(し)らない童貞であった。 そんな俊作が剣術修業を許されて江戸にやって来たら、お峰という年増女の色香に迷って筆下ろしをされた挙げ句、財布を盗まれてしまう。 しかも、道場への紹介状と国家老が江戸留守居役に託した手紙も奪われていた。 金より大事な物を無くした俊作は、様々な美女たちと愛姦を重ねながら、必死にお峰を捜す。 実は、いつの間にか俊作は、藩を揺るがす江戸家老の陰謀に巻きこまれていたのだ。 果たして、俊作は、凶敵と戦って手紙を取り戻し、御家の安泰を守ることができるのか。 そして、剣術修業ならぬ女体修業の艶な結末は──!?  新たに書下ろし番外篇「妻か妾か」を収録した“乱愛シリーズ”の快作!!
  • 乱愛十手 淫闘! 拝領品探索
    -
    本所界隈で〈天狗の旦那〉と評判の元南町奉行所・定町廻り同心、天田久三郎──すらりとした長身、鼻筋の通った男前で、琉球渡りの釵(さい)十手を持つ正義漢、男の道具も立派であった。 ある日久三郎は、大名家の美しい奥女中から「家康公から拝領された家宝の黄金の獅子像が盗み出されたので、探してほしい」と頼まれる。 大目付の検分の日が迫っており、急ぎ取り戻さなければ御家はお取り潰しになるという。 艶福家の久三郎は、奥女中・雪絵、娘岡っ引のお綸、野生の娘・美々の三人を引き連れ捜査を開始。 釵十手と自慢の“肉の凶器”を駆使して、凶盗〈紅蓮組〉や謎の剣客、やくざ一味と闘い、巨悪の正体に迫る! 新たに書下ろし番外篇「裏の裏」を収録した「乱愛シリーズ」の傑作!!
  • 蘭学探偵 岩永淳庵 海坊主と河童
    3.8
    品川沖に突然海坊主が現れたという。続けて仙台堀では河童も出た。若き蘭学者岩永淳庵は辰巳芸者の豆吉とともに、騒動を解決すべく推理をめぐらせるが、そこには驚きの真相が隠されていた……表題作ほか、江戸の町で起きた難事件、怪事件を当時の最新科学知識・蘭学を駆使して謎を解き、さらに江戸の外まで冒険の旅に繰り出す痛快時代ミステリー!
  • 蘭学探偵 岩永淳庵 幽霊と若侍
    3.7
    幽霊の正体(カラクリ)見たり!! ライバルは平賀源内! 若き蘭学者の推理&活劇!! 恋人の辰巳芸者・豆吉が毎日のように寺に通っているのを不審に感じた若き蘭学者・岩永淳庵。実は亡くなった父親の幽霊に会うためだったと語る豆吉だが、裏に必ずからくりがあると踏んだ淳庵は、蘭学の知識を駆使して真相に迫る――「幽霊と若侍」ほか、江戸の怪事件の謎を暴く痛快時代ミステリー! 稀代の蘭学者・平賀源内との対決にも注目!!
  • 藍渓の玉
    -
    時は中国唐朝、第6代皇帝・玄宗の治世。梁恵麗は、徴兵された夫の無事を祈りながら、息子と舅とともに長安で暮らしていた。楊貴妃を超えるとも評されるほどの美貌を持つ恵麗は、ある日、路上で唐の宰相・李林甫の御曹司・李陽修に見染められる。その後、宰相暗殺の嫌疑をかけられた舅が逃走。残された恵麗と息子は、李陽修の好意で宰相家に身を寄せる。恵麗は夫を救うため、息子とともに通力の習得に励む。果して、夫の臨終に立ち会うことはできたものの、夫と会話することも叶わず、悲しみに打ちひしがれるのだった。しかし、恵麗の身にはさらなる危機が迫っていた。敵方の魔道士・斎霊大師との直接対決である。恵麗は無限の力が込められた「藍渓の玉」を胸に、空前絶後の戦いに挑む――。数奇な運命を抗うことなく受け止め、果敢に人生を切り拓く恵麗と、彼女を物心両面から支え、暖かく見守り続ける李陽修との恋愛過程も見逃せないエッセンスとなっている。長編伝奇歴史小説。

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  • 乱十郎、疾走(はし)る
    -
    秩父・大嶽村に暮らす乱十郎。村の若い者を集め「乱鬼党」を作り、日々剣の稽古や畑仕事にいそしんでいた。あるとき、仲間だった由利ノ丞が、乱十郎の態度に腹を立て、党を飛び出した。導かれるように、運命が動きだし、十六年前の事件の真実が明らかになる……。神ならんとする相手に立ち向かうことを決意した、一人の青年が疾走り出す。
  • 乱世玉響 蓮如と女たち
    -
    人は生得あさましいものであるが、南無阿弥陀仏と称えれば、必ず救われる――平易な言葉で教えを説き、近畿一帯に大勢力を振るった英邁なる高僧は、私的にはどのような男であったか。争乱と災厄の世に、真宗王国を築き上げた、常人を超えた精気の人蓮如の真実を、宿命の娘たちの恐るべき眼で描く、話題の長編。
  • 乱世、一炊の夢
    -
    天下動乱。 戦国時代末期を奔走した佐竹義宣とは何者か。 義宣が天下分け目の戦いでは「静観」するに至った道筋と、 信長の死後から関ヶ原までのドラマを鮮やかに紡ぎだした傑作歴史小説。 権謀術数が渦巻く戦乱の世に義を貫けるのか。 常陸国、現在の茨城県にて権勢を誇った佐竹氏の二十代目当主・義宣。 小田原の陣で豊臣秀吉に臣下の礼を執るものの、 揺れ動く時代と権力争いの波に吞みこまれ、翻弄されていく——。 諸侯蠢く戦国の世を克明に描いた、渾身の一作。

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  • 乱世をゆけ 織田の徒花、滝川一益
    3.3
    甲賀の忍びあがりの土豪、滝川久助は、里の陰謀で父を失い、兄を殺め出奔。久助は名を一益と改め、諸国を放浪中に織田信長と運命的な出会いをする。一益は、射撃や忍びの腕だけでなく、武将としても力をつけ、信長の寵臣として存在を大きくしていく。天下への道を着々と進んでいく信長だったが、天正十年(一五八二)、家臣・明智光秀の突然の謀反によって斃れてしまう──。一益を頼みとする若き前田慶次郎、伝説の忍者・飛び加藤といった魅力的な脇役も登場。謎多き武将、滝川一益の波乱に満ちた生涯を描く。選考委員が大絶賛した、第九回角川春樹小説賞受賞作。
  • らんたん
    4.2
    「BUTTER」著者渾身の女子大河小説。 大正最後の年。かの天璋院篤姫が名付け親だという一色乕児は、渡辺ゆりにプロポーズした。 彼女からの受諾の条件は、シスターフッドの契りを結ぶ河井道と3人で暮らす、という前代未聞のものだった――。
  • 乱都
    4.0
    応仁の乱にはじまる《仁義なき戦い》!! 応仁の乱から室町幕府の終焉まで、裏切りと戦乱の坩堝と化した京に魅入られ、争いに明け暮れた男たちの生き様を描く連作集。 ※この電子書籍は2020年10月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 蘭と狗 長英破牢
    -
    破牢を企てた高野長英の付け火で巻き添えを食い、焼死した女房の復讐を誓った岡っ引の瓢六。お上に飼われた狗から逃れながらも、当代随一の蘭学をもって、世直しに滾る長英。幕末の波に翻弄されたふたりの人生。第6回時代小説大賞受賞作。

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  • 蘭と狗 長英破牢
    -
    蘭学者・高野長英が、火を放ち牢を破って、逃亡した! 岡っ引の瓢六は、「地獄まで追ってやる」と獰猛に吼えた。密偵役の女房が、巻き添えをくって焼死したからだ。世直しの信念に燃える長英は、瓢六の執念の深さが掴めぬまま、必死に逃亡する。逃げる長英、追う瓢六。サスペンス溢れる12年の闘いを描く、時代小説大賞受賞作。
  • 乱灯 江戸影絵 上
    3.0
    江戸城の目安箱に入れられた一通の書面。それを読んだ将軍徳川吉宗は大岡越前守に探索を命じるが、その最中に芝の寺の尼僧が殺され、旗本大久保家の存在が浮上する。将軍家世嗣をめぐる思惑。本格歴史長編。 ※本書は角川文庫版(一九八七年刊・三分冊)を底本とした新装版です。
  • 蘭方医・宇津木新吾 : 1 誤診
    3.4
    長崎帰りの見習い蘭方医・宇津木新吾は、町医者の幻宗の治療にかける真摯な姿勢と見事な腕前に傾倒していく。しかし、新吾の養父・順庵は、新吾を自分の出世の道具にしようと、表御番医・上島漠泉のひとり娘・香保との縁談を進めていた……。
  • 蘭方姫医者書き留め帳一 十字の神逢太刀(かまいたち)(小学館文庫)
    3.0
    【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 戦国時代の争乱が収まって平和となった、開府以来六十余年の江戸。長崎奉行だった父・黒川与兵衛正直の娘である花世は、長崎で蘭方医学を学び、柳庵と呼ばれる治療所を開いていた。そんな市中で、首筋を十字に切られて男が相次いで殺された。警戒を強めるなか、花世の下で働く吉蔵が襲われ傷を負う。背後に切支丹の影が見え隠れし、花世は亡父への想いを秘めながら事件に立ち向かう。江戸市中を不安に陥れようとする、犯人は誰なのか。すべてを見通した花世は、心優しい解決策を提示するのだった。
  • 乱丸 上〈新装版〉
    -
    猛将・森三左衛門の三男として美濃・金山城に生をうけた森乱丸。 それは織田信長が天下布武を決意した年のことだった。 やがて才気溢れる若者に成長した乱丸は、天下人を目指す信長の側近くに小姓として侍ることになる。 魔王の覇道を共に歩む近習衆、そして名だたる戦国武将たち。 美しき若武者の目に映じた彼らの姿と心の裡とは……。 主君の大望を果たすため、乱丸は自らの命を賭ける! (宮本昌孝✕火坂雅志「特別対談」を収録) 【目次】 第一章 氷渡り銀狐 第二章 天下布武の子 第三章 初恋 第四章 安土へ 第五章 山百合 第六章 二条御新造 第七章 北国の風雲 第八章 猿の綱渡り 第九章 信長の烈火 第十章 名月相撲 第十一章 龍の玉 第十二章 乱丸、変貌 第十三章 刺客 第十四章 兄弟、揃う 第十五章 母の書状 対談 「格好いい男」を書きたい!
  • 乱紋(上)
    3.7
    織田信長の妹・お市の方と、近江の雄・浅井長政のあいだには3姉妹がいた。長女・お茶々は豊臣秀吉の側室として権力をふるった後の淀君。次女・お初は京極高次の妻となり、大坂の陣で微妙な役割を演じる。そして、最も地味でぼんやりしていた三女・おごう。彼女には、実に波乱に満ちた運命が待ち構えていた――。おごうの生涯を描いた長篇歴史小説。
  • 利休聞き書き 「南方録 覚書」 全訳注
    3.0
    千利休が確立した茶法、茶禅一味をめざす草庵茶の精神を伝える『南方録』は、高弟南坊宗啓が、利休居士からの聞き書きをまとめたものとされる。経済の発展とともに茶道が広がりを見せた元禄期、筑前福岡藩黒田家の家老、立花実山によって見出され、その自筆本が伝世する。「覚書」はその巻一で、利休の茶法の根本を述べる。その精神性と美意識を端的に伝える、平易な現代語訳とわかりやすい解説。原文は、総ルビ付き。
  • 利休椿
    4.5
    聚楽第の庭にふさわしい、紫の椿を探すように命じられた又左。又左がただ一度見た紫の椿は、忘れることのない女人との苦い記憶とともにあった――。表題作のほか、連歌師の里村紹巴を描いた「天下百韻」、醍醐の花見での料理勝負「包丁奥義」、落語の祖といわれた安楽庵策伝がただひとり敵わないと思った男を描いた「笑うて候」など、全七編。秀吉の世に生きた美の変革者達にまつわる珠玉の作品集。

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  • 利休の死 戦国時代小説集
    3.2
    天正十年(一五八二)、武田が滅び、信長は本能寺で倒れ、それに代わった光秀が討たれ、天下は秀吉の手中へと動き出す――。桶狭間の戦い(一五六〇)から天目山の戦い、利休の死(九一)まで戦国乱世の三十年を十一篇の短篇で描く。出来事の年代順に編集した文庫オリジナル小説集。  〈解説〉末國善己 【目次】 桶狭間/篝火/平蜘蛛の釜/信康自刃/天正十年元旦/天目山の雲/信松尼記/森蘭丸/幽鬼/佐治与九郎覚書/利休の死
  • 利休の闇
    3.3
    利休切腹事件の真相がいま明かされる! 利休と秀吉、共に頂点を極めた二人の確執の原因は何か? 『信長の棺』に始まる戦国の謎はいよいよ最終章へ。 秀吉が若かりし頃、まだ織田家の足軽大将に過ぎなかった頃、密かに茶の湯の作法を教えてくれた千宗易(利休)。本能寺の変の後、秀吉は天下人となり、宗易は秀吉の庇護の下、茶道界の第一人者として君臨する。だが、二人の蜜月は長くは続かなかった。宗易の茶道と秀吉の茶道への理解は、やがて大きく隔たっていく。 一方で広く大衆に受け入れられるよう質素で親しみやすい「政道としての茶の湯」を、他方では禅の「無」と「静寂」の空間創造を目的とする「悟りの場としての茶の湯」を提唱する宗易。だが、宗易の茶の湯を理解できない秀吉は黄金の茶室や北野大茶会など、宗易の理想とはかけ離れた方向へ茶の湯を変えていく。そして豊臣政権の複雑な政治状況の中、宗易は思わぬ誤算から窮地に陥っていく……。 著者84歳にして書き上げた、圧巻の歴史ミステリー!
  • 利休遺偈(小学館文庫)
    -
    【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 秀吉による追及の憂き目から、紆余曲折の末復興した茶道家元・表千家。しかし、七代目如心斎の代、相次ぐ悲報が同家を襲う。茶の湯の求道者としての使命感と情熱を礎に、悲しみと困難を次々と乗り越える彼だったが、唯一、家元としてどうしても果たさねばならない難題を抱えていた。それは、いつの代からか行方不明となっている、祖・利休が割腹の間際に遺した辞世の書「利休遺偈」を探し出すことであった。宿願・家宝奪還は、果たしてなるのか―。
  • 理屈が通らねえ
    値引きあり
    3.5
    江戸算法塾・長谷部道場の二文字厚助は「十字環」の解法をめぐり、謎の算法者を追う旅に出た。事件、騒動、銭勘定――。算法ならば通る理屈も、まるくおさまるためしなし。悪戦苦闘の珍道中、痛快時代小説!
  • 李嗣源(上)
    3.0
    中国の唐代末期。遊牧民の有力者を父親に持つボギレは、その能力を河東の王・李克用に見いだされ、その仮子となる。やがて、李克用の息子・李存勗が皇帝になるが、彼の政治を顧みない態度に、李嗣源の不満は高まっていく。稀代の名君を描く中国歴史巨編。
  • 李世民
    3.2
    皇帝は帝都・長安を捨て、中国全土に反乱があいつぎ、隋の権威は地に墜ちていた。群雄割拠の時代を迎え、北方を守る太原留守(りゅうしゅ)・李淵(りえん)の次男・李世民(りせいみん)は李淵に決起をうながし、大陸の覇権を賭けて長安をめざした。唐朝第2代皇帝となる李世民の後戻りのできない戦いを描くロマンとスペクタクルの中国歴史長編。
  • 六花落々
    3.7
    「雪の形をどうしても確かめたく―」下総古河藩の物書見習・小松尚七は、学問への情熱を買われ御目見以下の身分から藩主の若君の御学問相手となった。尚七を取り立てた重臣・鷹見忠常とともに嬉々として蘭学者たちと交流し、様々な雪の結晶を記録していく尚七。だが、やがて忠常が蘭学を政に利用していることに気付き…。蘭学を通して尚七が見た世界とは―。
  • 立身いたしたく候
    3.2
    「おまえはなにを求めて武家の養子に入ったのだ」幕末前夜の江戸。瀬戸物屋の五男坊に生まれた駿平は、百五十俵の貧乏御家人「野依家」に婿養子入りした。男五人兄弟では、この先分家を立てられる保証もなく、うまくいっても商家の婿。いっそ武士になるのも面白かろうと軽い気持ちで引き受けたものの……当主になって待っていたのは、過酷な「就職活動」だった。新米武士の駿平が武家の世界を駆けずり回って「立身出世」を試みる!
  • 小倫敦の幽霊 居留地同心・凌之介秘帖
    -
    幕末、四方を海に囲まれた出島のような横浜外国人居留地。同心・草間凌之助のもとに厄介な事件が持ち込まれる。イギリス人の居住地区、リトル・ロンドンの屋敷で女の悲鳴が聞こえるという。その悲鳴は原因不明で死んだ前の持ち主のメイドの幽霊なのか!? それから程なくして日本人がピストルで撃たれて殺される。死体の脇に転がっていたのが羊羹のように甘い固形物。異国情緒漂う幕末横浜で謎が謎をよび、事件は拡大していく!
  • 龍華記
    4.3
    高貴な出自ながら、悪僧(僧兵)として南都興福寺に身を置く範長は、都からやってくるという国検非違使別当らに危惧を抱いていた。検非違使を阻止せんと、範長は般若坂に向かうが──。著者渾身の歴史長篇。
  • 龍が哭く
    4.0
    「新潟日報」他、10紙で連載の話題作、ついに刊行! 英雄か、大戯けか――。一介の武士から長岡藩家老に抜擢され、戊辰戦争に際し武装中立をめざした男、河井継之助の生涯を描き切った感動巨編。時は幕末、未曽有の財政難に苦しむ長岡藩を救いたい一心で、河井継之助は備中松山藩の山田方谷に弟子入りを申し込む。方谷のもとで経世済民の教えを学ぶかたわら、継之助は会津藩の頭脳・秋月悌次郎や仙台藩の隠密・細谷十太夫、のちに武器商人となるエドワード・スネルらと親交を深め、やがて長岡藩において軽視できない存在になっていく。しかし大政奉還、戊辰戦争といった時代の渦に、長岡藩はいやおうなしに巻き込まれていくことになり――。司馬遼太郎が『峠』で書いたのとは違ったかたちで、一人の人間としての河井継之助を鮮やかに描き出した、著者渾身の歴史小説。

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  • 龍が哭く 河井継之助
    4.4
    戊辰戦争の際、官軍と奥羽列藩同盟の間で武装中立を目指した長岡藩家老・河井継之助は、「英雄」として語られることが多い。しかし、彼は本当にそうだったのか――。藩を救うために諸国を巡った若き日、妻・すがとの絆、会津藩家老・秋月悌次郎や仙台藩隠密・細谷十太夫、そして武器商人エドワード・スネルとの親交を通して、動乱の時代を峻烈に生き抜いた人間・河井継之助の、真の姿に迫る感動の長編小説。
  • 琉球歌劇の周辺
    -
    沖縄県発・おきなわ文庫シリーズ第7弾。 著者は、近現代沖縄文学とそれに係わる幅広い問題について研究を行い、ぼう大な成果を発表してきた仲程昌徳氏(元琉球大学教授)。 本書は琉球歌劇の名作「伊江島ハンドー小」、「泊阿嘉」、「奥山の牡丹」をとりあげて、その成り立ちなどについての論評に始まり、第2章では尚泰王の歌や遊女よしや(女性琉歌人)の琉歌について、さらに第3章では戦後琉球民謡集の変遷について、そして附章では宮古歌謡・伝説の潜勢力を紹介している。なかでも「戦後琉球民謡集」は、戦後に普久原恒勇をはじめ著名な方が編集した民謡をずらりと列挙していたり、またその時代時代で異なる屋嘉節(沖縄民謡)の歌詞を比較していたりと沖縄民謡好きには楽しく読み進めることができる1冊。「三大名作歌劇「泊阿嘉」「伊江島ハンドー小」「奥山の牡丹」はどのようにして作られたのか。各々の舞台が感動的であるだけに、その創作の秘密を探ってみたいと思うのはごく自然なことである。作品の創作過程は舞台をみただけではわからない。その秘密を探るには、見るだけでなく読むことが必要となる。うまく読むことが出来さえすれば、その謎は明らかになる。歌劇の感動がどこからやってくるのか、といった興味ある問題を始め、沖縄のこころを言い表した名言として知られる『命ど宝(ヌチドタカラ)』という大切な思想がどこから生まれてきたか、さらには、沖縄ブームを呼んでいる沖縄民謡の民謡集の刊行を見ていくと、そこから何が読めるかといった、沖縄を知る為の、興味ある課題を解きほぐしていく楽しみを本書は満喫させてくれるであろう。(1994年当時のあとがきより)。」
  • 琉球漢詩選
    -
    沖縄県発・おきなわ文庫シリーズ 「沖縄の漢詩文は日本からの渡来僧や中国からの帰化人、留学生によってもたらされ隆盛をみた。さらに冊封史渡来の際、あるいは江戸上りの際に彼の地の詩人たちと唱和をなすなど、琉球文学の重要な一分野として壮大に展開していった。隆盛期の琉球漢詩の一方を代表する久米村人の詩を集めた本書は、沖縄における漢文学の第一人者である二人の研究者の真摯な交流から生み出されたものである。本書は、琉球漢詩の初の注釈書であり、その魅力を引き出すだけでなく、王国時代の豊かな文学の精髄を改めて我々に提示してくれる。」 著者は琉球大学名誉教授の上里賢一氏。1989年の初版発行より大幅な加筆・修正を加えた本書が電子版あとがきと共に復刻。程順則を中心とした詩人をメインにして、沖縄県久米村出身の詩人7名(程摶萬・蔡温・蔡鐸・曽益・周新命 蔡文溥・蔡肇功)だけに限定し、作者紹介・漢詩・読下し文、そして注釈という構成で読みやすくまとめてある。
  • 琉球警察(文庫版)
    値引きあり
    3.3
    奄美諸島徳之島出身の東貞吉は、琉球警察名護警察署配属時に、米軍現金輸送車襲撃事件で手柄をたて公安担当になった。 そして沖縄刑務所暴動で脱獄した人民党の島袋令秀に接近し、自分の作業員に育てることにした。 人民党の瀬長亀次郎に心酔していく令秀に影響を受け、次第に瀬長を敬愛していく貞吉は、公安としての職務を全うできるのか? 米軍の横暴に立ちはだかった瀬長亀次郎と知られざる沖縄の姿を描く傑作小説! (解説・内田 剛)
  • 琉球建国記
    4.0
    15世紀、琉球王国。勝連半島の無頼漢の赤や氷角たちと役人の加那は、立場を超えて仲間となり、民衆に悪政を強いる勝連城主を倒した。新たな按司となった阿麻和利(加那)は、活発な交易で繁栄をもたらす。一方、王位を巡る内乱を経て国王となった尚泰久と側近の金丸は、彼らの活躍に脅威を感じ、失脚させるための計略をめぐらす。国のありようをめぐる阿麻和利と金丸の対立。琉球王朝の興亡という史実を背景に、血湧き肉踊る物語に換骨奪胎し再構築、それぞれの熱い生きざまを描く長編歴史小説。「これは琉球版、水滸伝だ!」――今野敏さん絶賛!
  • 琉球政府―自治権の実験室―
    -
    沖縄県発・おきなわ文庫シリーズ第4弾。 かつて琉球政府がこの島に存在したという事実だけでも誰かが後世に語り残しておかねばなるまいと著者自ら語り部となり米軍統治下にあった沖縄の政府の実態に迫る。著者は本シリーズ2作品目となる大城将保氏。当時の行政主席、5名の名セリフの背景で沖縄、アメリカ、日本という奇妙な三角関係がどのように発展し変化していったのか、戦争と占領という未曽有の災難によって奪われた自らの権利を回復する為に沖縄県民がどれほどの悪戦苦闘をくぐりぬけてきたのかを琉球政府という実験室の中で見事に再現してくれる電子復刻版。また本書は『琉球政府』の存在を知らない若者たちへ送る遺言書でもある。 「戦後27年におよんだ米軍統治時代の沖縄には二つの奇妙な“政府”が存在した。「琉球政府」は一国なみの政治機構をそなえてはいたが、実態は統治権を一手ににぎる「米国民政府」にあやつられた下請け機関にすぎなかった。だがやがて、県民の自治権要求のエネルギーが琉球政府を“改造”していく。無権利状態のどん底から立ち上がった沖縄民衆が、あの手この手の戦術を駆使して、自由と権利を一つ一つもぎ取り、ついに主席公選をかちとって琉球政府に自由の旗を掲げるまでのプロセスはスリルにみちた歴史のドラマを思わせる。沖縄民衆の自由権獲得運動は、祖国復帰運動と車の両輪をなして沖縄戦後史を推進する巨大なエネルギー源であった。復帰二〇年の今、歴史のページをめくりかえして、民衆にとっての自治権とは何か、沖縄の真の自立とは何かを考えてみたい。(1992年初版発行時の作品紹介文より)」
  • 龍虎の生贄 驍将・畠山義就
    3.0
    「応仁の乱」勃発の原因となった武将・畠山義就。その戦に明け暮れた怒涛の生涯を描く稀有な歴史小説! 畠山義就を中心に描くことで見えてくる「応仁の乱」とは? 畠山家の壮絶な家督争いは、ついに応仁の乱を引き起こす!畠山義就は、何を想いどのように戦ったのか 稀代の名将の知られざる激動の生涯を描いた初の歴史小説! 小説で読む「応仁の乱」!! 畠山義就(はたけやま・よしなり)1437-1491 室町時代の武将。畠山持国の子で、持国の養子になった叔父の畠山持富の次男の政長と家督を争い、畠山家は両派に分裂。時の将軍、足利義政の仲裁で一時和睦するも、その後対立し、山名持豊とくみ、政長とくんだ細川勝元と戦い、応仁の乱の発端となる。
  • 龍神剣始末帳 流浪
    値引きあり
    -
    天翔る龍を刀身に浮かび上がらせた天下無双の名刀、龍神剣。突然の刀匠の死によって主を失った龍神剣は、狂気に似た煌めきを放ち始める……。正か、邪か! 妖気漂う龍神剣と、それに魅入られた者たちの流転の旅が幕を開けた!

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  • 流星 お市の方(上)
    3.8
    激動の戦国時代、織田信長という風雲児の妹として生まれたがために、あるいは、その比類なき美貌ゆえに、お市の方は激しく厳しい運命を生きる。近隣の国々を切り従え、天下統一を狙う兄・信長と、その兄と対決せざるを得ない最愛の夫・浅井長政。日々激化する抗争の狭間に身を置いて、お市の方は苦難に満ちた生涯を送るのであった――。
  • 流星刀しのび恋
    -
    内藤新宿の本屋『東西屋』に勤める夕吉は、下総生まれの百姓の末っ子。江戸で奉公を始めて三年になる十八歳だ。夕吉は手習いの頃から学問が好きで、読み書き算盤はもとより、読み物が何より大好き。そして中でも、不思議な話に目がなかった。そんな夕吉は、ある日、隣の空き家で二百四十年先から来たという謎の女刀鍛冶・美百合と出会う。怪異も畏れず、美百合から流れ星の隕石で作った「冥王丸」という脇差を預かった夕吉。女将に頼まれて、喘息が快癒したという『東西屋』の娘・多恵を迎えに療養先の鎌倉に迎えに行くことになった夕吉だったが、そこで彼を待っていたのは!? 好評江戸あやし官能シリーズ第三弾。
  • 流星刀ぬめり花
    -
    病弱だった藩主の娘・小夜姫の危篤を知らされ、蘭方修学のため留学していた長崎から急遽江戸藩邸に戻ることになった長塚藩の下級武士・浅見順吾。だが、途中数人の山賊に襲われ、逃げるうちに迷い込んだのは青梅の山中だった。そこで出会ったのは、二百六十年先の世から来たという謎の女刀鍛冶・美百合。事情を聞いた美百合は、流れ星の隕鉄で作られた[冥王丸]と、和合によって授けられる人智を超えた力を順吾に与えてくれた。流星刀の妖力に導かれ、小夜姫の命を救った順吾。だが、本復までの治療を続けるうち、姫にせがまれた順吾はついに一線を越えてしまう。さらに、主君の正室・和泉までも娘の恩人である順吾に執着して……。好評シリーズ第二弾!
  • 流星刀みだら蜜
    -
    関ヶ原の合戦で西軍に与したため家康の追及を受け、国許から逃れた常陸国麻生藩の真奈姫と数名の家臣たち。逃亡のさなか一行とはぐれた雑兵の山中耕太は、武蔵国青梅の山中で不思議な女と出会う。山小屋で刀を打つ彼女は不思議なからくりを使い、類いまれな剣技をもつ神仙のような美少女だった。美百合と名乗った少女から流星刀[冥王丸]と妖しい力を授かった耕太は姫たちと再会し、お家再興の道をめざす。そんな耕汰に手を貸す美百合だが、はたしてその正体は?耕太は彼女の不思議な力と美貌に惹かれるが、一方で真奈姫に藩の跡取りを産ませるという大役を仰せつかって…。待望の江戸あやし官能、新シリーズスタート!
  • 流星刀みだれ露
    -
    牧田小四郎は微禄の家の冷飯食いだが、学問所の成績を見込まれて、中井徳之進という典薬頭の手伝いをしていた。典薬頭は江戸城の奥医師たちの上位にあり、医術と典薬の全てを掌る高禄の家である。取引先の薬種問屋「山葉屋」の女将と娘、そして徳之進の娘・志穂が、青梅の山中に薬草を採りに行ったまま行方知れずになった。徳之進に命じられ、彼女らを探しに青梅にやって来た小四郎だが、山中で未来から来たという女刀鍛冶・美百合と出会う。美百合から淫気と流れ星の隕石で作った流星刀「冥王丸」を授かった小四郎は、山賊に囚われている女たちを発見し、冥王丸の力でみごと救出。無事江戸に戻った小四郎だが、いままで目もくれなかった志穂に言い寄られて…。
  • 流星刀夢しずく
    -
    時は幕末、慶応四年。倒幕をめざす薩長の東征軍が迫るなか、江戸の西の入口にあたる青梅村の人々は、戦乱の予兆に戦々恐々としていた。そんなとき、村の百姓の五男坊・甚介は山中の小屋で謎の女刀鍛冶・美百合と出会う。美百合は百五十年後の未来からやって来たという美少女。甚介は美百合から流れ星の隕鉄で作った流星刀「冥王丸」を授かり、不思議な力を身につけることになった。男女の和合と剣技を掌る流星刀に導かれた甚介は、今後、歴史がどう動いていくかを美百合に教わり、戦乱を避けるべく、幕軍と薩摩軍のあいだを取り持つことになるのだが……。時を駆ける神秘の剣を巡る時代ロマン、完結編!
  • 流星のごとく~御算用日記~
    5.0
    「そやつは贋者(にせもの)じゃ、数之進(かずのしん)にあらず」。――幕府御算用者・生田数之進は、いつもとは違う方法で、筑後国鶴見藩に潜入している。走り者が続発し、財政は苦しいはずなのに、なぜか贅沢を続けられる藩。その調査を続けるうち、明らかになる驚愕のからくり。そして、その奥には、さらに根深い陰謀が……。千両智恵が窮地を救う、好評シリーズ第4弾!
  • 龍の海原 小説・矢野龍渓 巻之二
    -
    幕末の佐伯藩(大分県)に生まれ、藩校で優秀な成績をおさめるなど頭角を現わし、明治維新後に上京、慶應義塾に学び、官吏から政治家となり、そのかたわら新聞人・作家として大きな影響をあたえた傑物・矢野龍溪。 彼が生きた時代とその生涯を、同郷の著者が熱い思いを込めて書き下ろす、歴史大河小説! 本作は、明治維新後、新たな首都に生まれ変わった東京へやって来た矢野龍渓が、きびしくも楽しく学業に邁進し、青春を謳歌する清新な姿を描く。 新首都・東亰へやって来た矢野文雄は、活気にわく街のなかで勉学に励み、ここでも力量を遺憾なく発揮していく。 そんな文雄が出会ったのが、福沢諭吉が開いた慶應義塾。盟友・林茂吉とともに入塾し、個性的な塾生にかこまれながら、きびしくも楽しい学生生活を謳歌する。 いっぽう、誕生したばかりの明治新政府は、内部に大きな波乱を含みながら、危険な舵取りをつづけていく…… 若き矢野龍溪を通して、活気に満ちた文明開化の政治と社会を描きだす、歴史大河小説第2作!
  • 龍の水脈 小説・矢野龍渓 巻之一
    -
    幕末の佐伯藩(大分県)に生まれ、藩校で優秀な成績をおさめるなど頭角を現わし、明治維新後に上京、慶應義塾に学び、官吏から政治家となり、そのかたわら新聞人・作家として大きな影響をあたえた傑物・矢野龍溪。 彼が生きた時代とその生涯を、同郷の著者が熱い思いを込めて書き下ろす、歴史大河小説! 本作は、平穏な佐伯藩にも押し寄せる歴史の荒波と、そのなかでひたむきに成長する若き矢野龍溪の姿を描く。 豊後国佐伯藩の武士の家に生まれた、矢野文雄。そして、同郷ながら水主の子として生まれた林茂吉。二人はのちに同じ慶應義塾に学び、矢野龍溪と藤田茂吉として、政治と言論の世界で明治という時代を切りひらいていくことになるのだが…… 豊かな自然と伝統にかこまれ、なごやかに、そして活力に満ちた少年時代を送る文雄と茂吉。だが、時代の変化は、佐伯藩にもひたひたと近づいていた。多感な若者たちも、その空気を感じ、変化を目の当たりにする。 若き矢野龍溪を通して、佐伯の風物とともに、幕末の全体像を描きだす、野心的な歴史大河小説開幕! 菅 紘(かん ひろし)一九四五年、大分県生まれ。立教大学文学部英米文学科卒。出版社に入社し海外文学やミステリー小説の編集に従事した後、フリーランスの編集者として独立。雑誌や単行本の企画、編集、著述にたずさわる。著書に『藤子不二雄A -夢と友情のまんが道-』、訳書に『失われた世界(ロスト・ワールド)』。
  • 龍之助一両剣 狐退治
    -
    江戸薬研堀の裏長屋に住む浪人、佐分利龍之助。傘張りで糊口を凌いでいるが、時折用心棒を引き受ける。日当は一両。ある日、南町奉行所の同心・星野謙蔵からの依頼が舞い込んだ。近頃頻発している辻斬りに備えての夜廻りに同行することになったが……。馬庭念流を極めた龍之助の剣が、今夜も流星のごとく鮮やかに一閃する。

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  • 龍之助一両剣 狢ごろし
    5.0
    佐分利龍之助は薄ぼんやりとした闇の中、目を覚ました。鈍痛がする。助けを求めた女に迂闊にも気を許し、簪に仕込まれた薬で意識を失わされ、拐かされたのだ。やがて狢と名乗る男が現れ、日当一両の用心棒の腕を買いたいという。近頃巷を騒がしている、悪徳商人や役人の家を襲う義盗の頭領だ。思わぬ誘いに戸惑いを隠せぬ龍之助だが……。

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  • 龍之介始末剣  同心殺し
    4.0
    八丁堀組屋敷近くで例繰方同心が斬殺された。二年前、義憤ゆえに幕臣を襲ったため北町奉行所同心を解任され、今は裏店に〈萬揉事【よろずもめごと】相談所〉の看板をかかげる相楽龍之介は、元上役の定町廻り同心・坂本伊三郎に助けを頼まれ、下手人探索に立ち上がった。南茅場町の湯屋、弾正橋たもとと連続する同心殺し。必死の探索を続ける龍之介だったが、調べの末に浮かび上がったのは、黒薊【くろあざみ】の六蔵と名乗る元武士の一味だった。かつて、無実にもかかわらず弟と朋友を当番方与力に殺された六蔵は、町方への復讐の鬼と化していたのだ。事件の背景を知った龍之介は一味を次第に追い詰め、ついに二人は思川の畔で対峙する。吹き荒れる斬戟の嵐の決着やいかに!?
  • 龍の袖
    -
    北辰一刀流、千葉道場の主定吉の娘として生まれた佐那は十代にして免許皆伝、その美貌も相まって「千葉の鬼小町」と呼ばれていた。ある日、佐那が道場に行くといきなり手合わせを申し込まれた。土佐の坂本龍馬と名乗ったその男は、日本だけでなく世界を見据える広い視野を持っていた。そんな龍馬に佐那は次第に惹かれていく。龍馬もまた佐那に想いを寄せ、二人は許嫁として互いの家族も認める存在となった。京都へ赴く龍馬のために佐那は坂本家の桔梗紋入りの袷を仕立てるが、龍馬はそれに袖を通すことなく非業の死を遂げる。悲しみの中、佐那は袷の右袖をほどき、龍馬の形見とした――。「私の人生は、この袖に翻弄され、この袖に泣き、この袖に守られてきた――」大政奉還後の日本の道筋を作るため奔走した坂本龍馬。その許婚として龍馬を待ち続けた千葉佐那。運命に翻弄された二人の愛の物語。
  • 龍の波濤 小説・矢野龍溪 巻之三
    -
    幕末の佐伯藩(大分県)に生まれ、藩校で優秀な成績をおさめるなど頭角を現わし、明治維新後に上京、慶應義塾に学び、官吏から政治家となり、そのかたわら新聞人・作家として大きな影響をあたえた傑物・矢野龍溪。 彼が生きた時代とその生涯を、同郷の著者が熱い思いを込めて書き下ろす、歴史大河小説! 本作は、明治維新後、国内外の騒乱が相次ぐ不穏な情勢のなか、ついに言論人として歴史の表舞台に立つ矢野龍溪の姿を描きだす。 明治維新が成ったとはいえ、征韓論争から江藤新平らによる佐賀の乱、さらには台湾への出兵と、新政府は次々起こる激動に見舞われていく。 そんななかでも矢野文雄は、福澤諭吉の慶應義塾の秀才として、公私ともに充実した日々を送っていた。いっぽう盟友・藤田茂吉は、活力に満ちた新聞界で頭角を現していく。 しかし、政府は報道統制に乗り出し、活発に動きはじめた言論界は騒然とする…… 矢野龍溪の人生を通して、動乱の明治を総合的に描きだす、歴史大河小説第3作!
  • 竜は動かず 奥羽越列藩同盟顛末 上 万里波濤編
    5.0
    仙台藩下級藩士の婿養子だった玉虫左太夫は、学問を究めるため江戸に出奔した。昌平坂学問所の林復斎に認められ、仙台藩江戸藩邸の儒学者・大槻磐渓に邂逅する。世は、黒船騒動から安政の大獄の時代。蘭学を学ぼうとした左太夫は、日米修好通商条約のために渡米する外国奉行・新見豊前守の従者となる機会をつかむ。安政七年、咸臨丸の勝海舟を追うように、左太夫の乗った船は品川沖を旅立った。左太夫にアメリカはどう映ったのか?
  • 劉邦の宦官
    4.3
    劉邦が前漢の初代皇帝となった四年後、新たに都となった長安の長楽宮に、小青胡と張釈という二人の幼い少年が宦官として仕えた。貧しい生まれの二人は宮殿での悲惨な生活のなか、強く惹かれ合う。しかし劉邦の死後、後継者争いが激化するなか、劉邦の息子・劉盈に仕える小青胡と、権力の虜となった張釈の関係は変化していく――注目の新人が描く、歴史小説の新境地。
  • 劉裕 豪剣の皇帝
    3.5
    “史上最強”皇帝を生んだ下剋上! 1000人をこえる叛乱軍をたった一人で殲滅した稀代の剛勇の一代記。 貴族政治が民衆を苦しめた四世紀末の中国・東晋に歴史を激変させる男が出現。 その名は劉裕、貧しい家の出で食うために軍へ入った博徒だ。 戦地では先頭に立ち強敵を次々撃破。 出世すれども学はなく、政治に無関心。 規格外の男が剣の腕だけで切り拓いた道とは。 町の無頼漢から頂点へ。史上最強皇帝の一代記。
  • 流離譚(上)(新潮文庫)
    -
    「私の親戚に1軒だけ東北弁の家がある」代々土佐に住む安岡の一族が、なぜ遠い北国に渡ったのか。歴史を遡った著者は、幕末維新を駆け抜けた安岡3兄弟にだどりつく。戊辰戦争で戦死した長男覚之助、吉田東洋を暗殺、刑死した次男嘉助、自由民権運動に関わった三男道之助。膨大な資料と綿密な取材で安岡家の歴史をひもとき、同時に激動の時代の全貌を鮮やかに描ききった巨編。
  • 流離の譜
    -
    皮肉な運命に翻弄された最後の老中を描破! 本当は勤王の志を抱きながら、幕府の要職につかされたために朝敵となり、会津、函館に逃げ、数奇な生涯を送った、最後の老中・小笠原長行――徳川幕府の弱体化がすすんだ幕末、唐津藩主の座に、心ならずも就いた小笠原長行は、すでに36歳だった。藩中の反対勢力を制し、江戸城に伺候した長行は、時代改革の必要を次々と具申、若年寄をへて老中職を仰せつかる。しかし時勢は、あまりにも急旋回しようとしていた。長行の数奇な運命とは? 最後の老中の生涯を精緻に描いた出色長編小説。
  • 龍を見た女
    -
    那古野城の大たわけと呆れられていた少年城主は、夏の河原で手強い美少女と出会った。甲賀の忍びの技を持つ彼女は、以来、城主の影として生涯つき従うが、彼女は、恐るべき猛将・織田信長が、ただひとり心を許した女性でもあった。 驚くべき軍略で乱世を統一し「白雲深きところ、金龍躍る」を体現した非情な稀有の武将を、影として支え続けた女の視点で鮮烈に描いた傑作。
  • 燎原の覇者 1 唐入りの罠
    -
    文禄三年(一五九四)、朝鮮征伐に邁進する太閤秀吉の間隙をつき、徳川家康が叛旗の狼煙をあげた! 家康は関白・豊臣秀次を取り込み、また外様の東国大名、そして梟雄・黒田如水にも調略をかける。豊臣VS徳川の壮大な戦いの火蓋が今、切って落とされた!

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  • 涼州賦
    4.0
    【第4回小説すばる新人賞受賞作】中国は唐の時代末、長安の都からはるかに遠い涼州の地に赴任した若き都督・尚参。この辺境の地でひたすら私服をこやす悪人どもをむこうにまわして戦うには少々頼りない存在である。そんな彼を助けるのが謎の賞金稼ぎ・豹狄と酒場の女・小杏――。アップテンポのストーリー展開、アクションありロマンスありの新感覚中国時代活劇。第4回すばる新人賞受賞作。
  • 龍馬(一) 青雲篇
    3.5
    土佐郷士の家に生まれた坂本龍馬は、ジョン万次郎からアメリカの文明について聞かされ、まだ見ぬ世界への期待に夢を膨らませていた。嘉永六年、親友の妹と結婚の約束を交わした龍馬は一年間の江戸遊学へと旅立つ。小千葉道場で剣術修行に励む一方、佐久間象山を知るなど見聞を広めるが、折しもペリー率いる黒船が来航し、外国の脅威を目の当たりにする。土佐では、思わぬ悲劇が待ち受けていた。等身大の英雄像に挑む歴史巨篇。
  • 龍馬、蝦夷に征く! (上)
    -
    戊辰戦争の最終局面、新政府軍によって北へ北へと追い詰められていた幕府軍。かつての新撰組副長・土方歳三も、ジリジリと退却を余儀なくされていた。そんな土方の前に突然現れたのは、慶応3年、京都近江屋で暗殺されたはずの坂本龍馬だった! あれは本当に龍馬なのか? なんのために現れたのか? 困惑する土方に龍馬が投げかけた言葉は?
  • 龍馬残影
    -
    初航海の途中、海援隊のいろは丸は事故で沈んだ。相手船、紀州藩籍の明光丸艦長高柳は、いろは丸の代表者、才谷梅太郎のとらえどころのない対応に不安を覚える。激動の時代、野心と志のために手段を選ばず行動する男たちと、藩の生き残りのため奔走する男たちを背景に、坂本龍馬のしたたかな策略家ぶりを描く異色の幕末小説。
  • 龍馬伝 I
    4.0
    幕末の風雲児・坂本龍馬33年の生涯を、幕末屈指の経済人・岩崎弥太郎の視線から描くオリジナル作品。土佐から江戸、そして世界へ。龍馬の行くところ、時代が怒涛のように動き始める。名も無き若者が世界を動かす「龍」へと成長していく姿を、壮大なスケールで描く。

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  • 龍馬と弥太郎
    3.0
    幕末の志士・坂本龍馬と三菱グループを興した実業家・岩崎弥太郎。二人は同じ土佐藩に生まれ、藩の身分制度に苦しみながらも困難を乗り越えていく。広く海外に眼を向けた龍馬の〈言葉〉に弥太郎の詩才が感応するとき一一ふたりの“いごっそう”の邂逅を描く歴史読み物。

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  • 龍馬の姉・乙女
    3.0
    安政四年。坂本のお仁王さまといわれた乙女が、藩医・岡上(おかのうえ)家の新甫(しんすけ)に嫁いだ。絵を描き、長刀(なぎなた)を使う大女の乙女と小男の新甫は、まさに蚤(のみ)の夫婦。長男・赦太郎(しゃたろう)も生まれ、姑とも上手くいっていた。ところが、長姉の突然の死、弟・龍馬の脱藩、さらには夫の不倫が発覚し、俄に乙女の身辺に変化が生じてきた。――龍馬の姉・乙女の実像。他一編収録。
  • 龍馬のピストル
    3.0
    幕末きっての英雄・坂本龍馬が、北辰一刀流の剣豪ながら短銃を愛用し、寺田屋事件では包囲する幕吏に発砲して難を逃れた話はよく知られている。「スミス&ウェッソン第II型」、通称アーミー・モデル、中折れ式の回転式連発銃(リボルバー)である。スミス&ウェッソン社は、1852年に設立されたアメリカ合衆国最大の銃器メーカー。映画「ダーティー・ハリー」でキャラハン刑事が愛用する「44マグナム」などを開発している。創業まもない同社のピストルを、幕末のヒーロー・坂本龍馬が愛用していたことは、それだけでロマンを掻き立てられる。本作品は、寺田屋事件に始まり、龍馬とお龍の薩摩へのハネムーン、その後の薩長連合・大政奉還での活躍を経て、近江屋での暗殺に至る龍馬の疾風のごとき生涯を、「龍馬のピストル」の数奇な“運命”とともに描いた長篇小説である。龍馬の死後、彼の手を離れて流転するピストルの後日譚も印象的な傑作となっている。

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  • 龍馬の明治(上)
    -
    坂本龍馬、暗殺者の凶刃を逃れる! 九死に一生を得た龍馬は、〃廃幕〃による改革を目指し、陸奥宗光(むつむねみつ)とともに精力的に動き始める。が、討幕の気運は諸藩に広がっていた。長州に続き、薩摩の西郷隆盛も武力討幕へ傾いていく。さらに諸外国までもが、龍馬の志を阻(はば)もうと……。龍馬が生きて明治を迎えたら日本はどうなったか。大胆な発想で描くもう一つの歴史物語。
  • 龍馬の明治(上・下合冊)
    -
    暗殺者の凶刃(きょうじん)を逃れた坂本龍馬は、精力的に動き始める。が、討幕の気運は諸藩に広がり、薩摩の西郷隆盛も武力討幕へ傾いていく。そして西郷政権が誕生したが、旧徳川家臣の憤懣(ふんまん)は内乱へ向かった。その後、欧米列強、ロシア、清(しん)の内政干渉が強まり、岩倉具視(ともみ)の後を受け、急遽、総理となった龍馬は事態打開に奔走する。
  • 龍馬の油断 幕末七人の侍
    3.0
    撃剣家として知られた坂本龍馬は、人を斬るのを厭いピストルを常に所持していた。彼が池田家でみせた油断とは? 父の失脚で辛酸を舐めた少年時代をおくり、勝海舟のもとにきた陸奥宗光の剣。ほか山岡鉄舟、吉田松陰など、幕末維新の世にひと際光を放った七人の剣士たち、それぞれの剣の道を枯淡の筆致で描く短篇集。
  • 龍馬は生きていた
    4.0
    著者が、およそ10年をかけて積み上げてきた、全国各地に残された史片や伝説、伝承を繋いで、紡ぎ出す“もう一つの維新物語”――。 1867年11月15日、京都・近江屋で暗殺されたのは、じつは坂本龍馬と中岡慎太郎の影武者だった。暗殺をかわした2人は討幕派の王政復古を阻止し、「翔天隊」を率いて、第3次長州征伐の休戦に奔走する。「生きていた」龍馬のその後とは。 坂本龍馬没後150周年におくる、歴史が10倍面白くなる本格的歴史シュミレーション小説。
  • 龍馬奔る 少年篇
    4.0
    天保六年十一月十五日、土佐城下の坂本家では、一貫の目方があって、背中まで金色の毛がびっしり生えた男児が誕生した。龍馬と名付けられたその子は、両親や姉など周りの人びとの深い愛情を受け、たくましく育っていった。そして弘化二年、十一歳の龍馬を、母・幸は、「鯨組に世話になりなさい」と一人、旅に出したのだった……。一方、土佐の山里では、二年半遅れで生まれた中岡慎太郎が大庄屋の跡とりとしてふさわしい少年に成長していた。土佐出身の著者が渾身の力をこめて描く、「龍馬伝」の幕開け。
  • 龍馬を斬った男 今井信郎伝
    3.0
    暗殺者のレッテルを覆す、その知られざる生き様!! 気鋭の歴史学者が描く、初のノンフィクションノベル!! 幕末の英雄・坂本龍馬を斬った男、今井信郎。見廻組に属して龍馬を斬ったことのみが注目されてきたが、この男の本領は、龍馬暗殺以後にあった。鳥羽伏見から五稜郭までの激烈な戊辰戦争を戦い抜き、維新後は、西郷隆盛に加勢し西南戦争に従軍しようとした。牧之原開墾にも従事、ついには初倉村(現・静岡県島田市)の村長にまでなり、後半生を地域振興に捧げる。官軍史観では見えてこない敗れし男の美学と生き様を描ききる! 明治維新150 年記念出版!!
  • 「龍馬」を読み解く100問
    -
    NHK大河ドラマ『龍馬伝』時代考証家が、最新の研究成果と史料をもとに作成。33年の激動の生涯を読み解く100問100答!龍馬と彼を取り巻く人々が生きた時代についてクイズ形式で学ぼう。

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  • 旅行屋さん
    3.7
    日本初の団体旅行(ツアー)は、汽車で行くお伊勢参りだった! 日本旅行 創業120周年! 〈旅のお世話〉に生涯を賭けた南新助の奮闘を描く感動の旅行屋さん小説!! 旅の思い出は、奪われることのない宝。 時は明治、鉄道開通に揺れる滋賀県草津の村長・南信太郎は駅の開業に尽くし、立売り弁当販売を始める。 その志を継いだ息子の新助は地元の人々、そして鉄道への恩返しの気持ちから伊勢神宮、善光寺への団体参拝を実現させる。 それは図らずも日本における団体旅行のはじまりであった。 やがて、旅の世話を商売にすることを思い立ち… 〈日本旅行〉創業者・南新助の奮闘と激動の生涯を描く、旅行屋さん一代記!
  • 呂后
    3.3
    高祖劉邦(りゅうほう)の死は権力の空白を生んだ。陰謀、粛清、そして反乱。天下の権を巡って争う人間たち。漢代初期の狂瀾の半世紀を、劉邦の未亡人・呂后(りょごう)、呂氏追討に活躍した朱虚侯(しゅきょこう)・劉章(りゅうしょう)、劉邦の末子で奔放不羈の淮南王(わいなんおう)・劉長(りゅうちょう)、「呉楚七国の乱」を平定した将軍・周亞夫(しゅうあふ)の4人に託して描く連作史劇(講談社文庫)。
  • 呂氏春秋
    値引きあり
    3.5
    戦国末期、若き始皇帝の宰相として秦の百官を統率し、全国から3千の賓客を招集した呂不韋(りょふい)。彼が諸国に対抗し、秦の国力と文化の向上をめざし秀れた上客と編集した『呂氏春秋(りょししゅんじゅう)』は、「天下万物古今の事」を備えたいわば百科全書だった。長寿の秘訣、人物の見分け方から殷の湯王、周の武王の故事によった王者への道など、古代中国の英知の結晶を読み解く。(講談社学術文庫)
  • 呂布 「飛将」と謳われた三国志最強の武将
    -
    鬼神の如き戦闘力を有し、天下無双の豪傑と呼ばれた呂布。その強さは尋常ではなく、劉備・関羽・張飛の3人が束になってかかっても敵わないほど圧倒的だった。また、二度までも養父を裏切り、隙あらば敵の領土に襲い掛かる狡猾さも併せ持っていた。もとは一本気で無骨な男が、名馬・赤兎と最強武器・方天戟を自在に操り、戦国乱世をのしあがっていく様を雄渾なタッチで描く力作。

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  • 呂蒙 関羽を討ち取った、知勇兼備の名将
    3.7
    かつて武勇一辺倒だった生粋の猛将が、のちに儒学者に優るとも劣らない学問を身につけ、恐るべき知将へと転じた――。その名は呂蒙。光和元年(178年)生まれの呂蒙は、寒門の出身でありながら、主君の孫権による「学問せよ」の一言から書物に親しむようになり、故国の運命を背負う武将へと大成長を遂げる。その劇的な変貌ぶりから、魯粛は「呉下の阿蒙に非ず」(呉にいたころの蒙ちゃんではない)と表現し、それに対して呂蒙は「士別れて三日なれば、刮目して相待すべし」(日々鍛錬している者は、三日も会わなければ見違えるほど変わっている)との名言を残した。かの有名な赤壁の戦いや江陵の戦いで、大きな功績を挙げた呂蒙は、魯粛が死去したあと、荊州方面の責任者となり、巧みな計略を用いて関羽を捕らえることに成功。荊州全域を呉の支配下に置くようになる。知勇兼備の波乱に満ちた男の生涯を描く、長編歴史小説。
  • 霖雨
    3.6
    天領の豊後日田で、私塾・咸宜園(かんぎえん)を主宰する広瀬淡窓(たんそう)と、家業を継いだ弟・久兵衛。画期的な教育方針を打ち出す淡窓へも、商人としてひたむきに生きる久兵衛へも、お上の執拗な嫌がらせが続く。大塩平八郎の乱が起きるなど、時代の大きなうねりの中で、権力の横暴に耐え、清冽な生き方を貫こうとする広瀬兄弟。理不尽なことが身に降りかかろうとも、諦めず、凛として生きることの大切さを切々と訴えた歴史長編。

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  • 臨時廻り同心日下伊兵衛 全5冊合本版
    4.0
    南町奉行所の名うての定町廻り同心だった日下伊兵衛は、息子新一郎に譲るため、臨時廻りに転じることになった。扱う事件は迷宮入りの一筋縄でいかないものばかり。妻萩乃との縒りはなかなか戻りそうにない。新内の師匠おさわとのひとときが唯一の伊兵衛の安らぎだった。だがおさわに呉服問屋松島屋の後妻の話が舞い込む。しかも縁談に反対していた松島屋の娘が拐かされたというのだが? 人情捕物帖。

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