潮谷験のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ亡き大叔母が名探偵として名を馳せた学園に進学した翔。やがて、彼女が解決した事件をなぞるように難事件が発生。地縛霊となった頭脳明晰な協力者とともに、「名探偵の子孫」の名は守れるのか―!?
面白かった。
黒幕の存在と正体については、イニシャルによるヒントもあったため早い段階で察することができたが、それでも最後のどんでん返しは楽しめた。
ラストのMとの会話にあった、「自身の悪意が長い年月をかけて摩耗していくこと自体が一番の罰かもしれない」という趣旨の言葉には深く頷かされた。悪を完膚なきまでに懲らしめるとは、まさにこういうことなのではないだろうか。
文章はライトで読みやすく、登場人物も親しみやすい -
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Posted by ブクログ
「新しい法律ができた。」という一文から始まる短編小説が25編載っています。
25人の書き手が、もしこんな新しい法律ができたら、という視点でお話を綴ります。
「新しい法律」ができた理由がそれぞれ興味深いです。
例えば、
・金子玲介さん「ルパちゃん」では、「少子化対策」のために「子どもがわりに人口知能を搭載したぬいぐるみを所持することを禁止する法律」ができます。
・日野瑛太郎さん「推し活制限法」では、「推し活にハマり過ぎて身を持ち崩す人が出た」ために「推し活への課金上限を制定する法律」ができます。
(わたしが、ぜひ読んでみたいと思っていた、くどうれいんさんの場合は、)
・くどうれいんさん「ショ -
Posted by ブクログ
新しい法律ができた、から始まる物語を色んな書き手が描く1冊。
新しい法律ができているわけだから、世界設定がSFっぽかったりディストピア感を感じるものがあったりして、楽しく読めた。
その他にも、ぞっとする物語、切なくなる物語、短い中でミステリーのような作りになっている物語…
叙述トリックが含まれているものや、ばかばかしいと思ってしまうような内容の法律が大真面目に取り扱われる物語など、本当に色んな味がする1冊。
なかでも殺人を罰する法律が"新しい"法律として制定される「もう、ディストピア」が特に良かった。
有り得ないはずの世界に説得力があって冷たい汗をかく。
「ルパちゃ