【感想・ネタバレ】ミノタウロス現象のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

特殊設定でもSF感強めなものは苦手なのですが、この作品は論理的にすっと入っていけるものなので大丈夫でした。
ライトな陰謀論や、元ベーシストの市長のキャラもそこはかとないユーモアセンスも好みでした。
(重たくて後味の悪いイヤミス系を読みすぎてるかも)

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2024年04月06日

Posted by ブクログ

楽しかった。ちょうどこんな小説が読みたい気分だった。
田舎のとある場所に同時に2体現れたミノタウロスのうち、1体は着ぐるみを着た市議会議員。
怪物と一緒に駆除された彼はどうしてそんなことになってしまったのかというミステリー。
地方政治が絡み、陰謀論や都市伝説の要素も出てきて、事態はやがて世界規模に。
市長が弾くベースが武器になるのかと思ったら違った。
テンポよくゲームのような面白さだった。

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2024年04月10日

Posted by ブクログ

世界各地に人を襲う怪物が突如として現れるようになるが、その怪物は『案外弱い』ため、人類滅亡の危機とまでは至っていない、という独特な設定のお話。実際にもしそうなったら人々はどう対応するか、社会はどう変わるか、という思考実験は面白い。主人公の性格がさっぱりしていて小気味良い。

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2024年04月06日

Posted by ブクログ

最初、ホラーだと思いながら、よんでいたらまさかの特殊設定ミステリだった。
でめ、なんか設定は面白かったし、楽しかった。

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2024年03月15日

Posted by ブクログ

何コレ?! 怪物とゆるふわキャラが大暴れする荒唐無稽SF×政治社会派ミステリー #ミノタウロス現象

■あらすじ
世界各国で怪奇現象が発生、各所で突然に牛の怪物が出現するようになってしまった。舞台が変わり日本の眉原市では、最年少女性市長である利根川翼が市政の様々な問題に苦慮していた。ある日、翼と議員たちが市議会議場で話し合いを進めていると…

■きっと読みたくなるレビュー
なんじゃこれ、もうこんなミステリーを書けるのは潮谷先生しかいないよ。天才的発想力、この緩さとシビアさの絶妙なバランス感覚、これは凡人には絶対書けない。しかも今回はエンタメ要素もしっかりありますし、唯一無二の作品ですね。

本作でイチ推しなのは、怪物が出現するという設定と、それに対する人間たちの行動が面白過ぎる点。何なんでしょうか、この「ゆるーいゴジラ」は。

人類の危機かもしれないにも関わらず、予算が少なかったり、YouTuberが調子に乗ったり、学者が変人だったりと、まさに現代の世知辛さと他人事な感じがリアルに描写され、とにかく馬鹿馬鹿しい。それなのに、戦闘時の緊迫感や綿密な考察もあって、作品のえぐ味が凄まじいんですよ。

特に後半の怪物に関する研究結果や考察については、何ソレ感が満載なんですが、なかなかどうして納得性も高い。人類未踏の地を切り開くためには、常にリスクを追っていては遅々として進まず、時には破天荒な行動力が必要かもと考えされられました。

また本作は、政治の在り方についても、ゆるふわな感じで綴られています。ただ現実に政治の世界で話し合いがなされていることも、あながち間違っていないでしょう。結局は金や人集めが得意な人だけが暗躍する世界、そんな政治で誰もが幸せな人生を送れるような世の中が作れるんでしょうか。

謎解きとしてもオチがあるし、意味不明な背景やドタバタ劇の中にも手がかりが忍ばせてあるのは流石です。でもわかんねー、常人には理解が追い付かないところが素敵。ミステリーとしてエンタメ爆発してところがいいですね。

■ぜっさん推しポイント
読書は作者と読み手で作り上げられると言いますが、結局私は何を読まされたのか… 
例えば人間の成長や悪を憎む正義感のような主張など、まるで感じない。荒唐無稽さと不条理な感覚が押し寄せてくるだけ。もちろんそれが魅力ではあります。

ただ、本作は「変化」というものに対する意思を感じることができました。コロナ禍では世界中で大混乱を招きましたが、この問題に対する各国や人々の対応には特徴がありました。世の中に変化があったとき、実は原因なんてどうでもいいのかもしれない。ひとりひとりが他人事にならないことが重要だし、思いやりって大切だなと胸に刺さりました。

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2024年03月08日

Posted by ブクログ

半人半獣で牛頭の怪物が世界中に突如出現。しかし怪物は案外弱く、人類の脅威にはならなかったwそこから幕を開けるミステリー。怪物出現の謎を追う話ではあるのだが、小さな田舎町の市長が市議会の与野党と対立したり共同戦線を張ったりというやけに辛気臭い設定が面白い。怪物と遭遇して生き残った人が大人気YouTuberになって視聴者を扇動するという描写もめちゃくちゃ現実にあり得そうw

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2024年04月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 世界各国で牛頭人身の怪物が出現。牛頭人身、つまり、いわゆるミノタウロスだ。
 その登場の謎と、殺人事件、SF X ミステリーとでも言おうか。その怪現象と現代社会と地方政治の現場を絡めた、ちょっと面白い建付けで始まるストーリー。

 対峙するのが、日本の京都府、その南方にあるという眉原市の若き女性市長の利根川翼。こうした、怪物の登場に、行政がいかに対応するかを描くのは、『シン・ゴジラ』でもお馴染みだが、怪物が身の丈3メートルと、ちょっとお手軽なところが、逆に現実味ある(のか?)。
 これを、謎の怪物と捉えてもよし、自然災害のひとつと考えるもよし。山の食料不足と暖冬傾向で、昨冬は全国でクマ出没の被害が相次いだことも思い出される。

 神話や伝説において「牛」の存在は、洋の東西を問わず描かれてきた。
「日本では牛頭天王がスサノオノミコトと同一視され、祇園信仰の祭神として畏怖されている。ギリシャ神話には、牡牛に姿を変えたゼウスにさらわれた美女エウロパが、広大な大地に流れ着き、その地、ヨーロッパの祖になったという神話が残されている。」
 牛を神聖な存在として崇め奉る宗教もある。そして、本作では、あの有名なクノッソス宮殿のミノタウロスを、現世に登場させ、この脅威に現代人が、いかに対応するかを描く。

 元バンドマン、ベースをかき鳴らしていたロックな利根川翼は、まだ20代。就任2年目の若さだ。議会でベテラン議員が怪しげな提案、市政を操ろうと跋扈する。その翼を支えるのは、元有力議員の秘書だったが、翼に希望を見出し、市政に打って出るところからサポートする切れ者の私設秘書の羊川葉月。
 世界中でミノタウロスが発生しているのに、なぜ京都が舞台か? 怪しげな郷土歴史家の永倉秀華博士が絡み、ギリシャの宮殿に潜む「迷宮」の謎から、ミノタウロス存在の理由を解き明かしていく。

 怪物と現代地方都市の行政対応を絡めた設定や、ギリシャ神話をベースにした奇想天外さ、登場人物のキャラ立ちなど、そこそこ飽きのこない設えで、楽しく読めたが、ちょっと、途中から物語の勢いが落ちてくる。
 それは、このミノタウロスが、そんなに強くないことが分かってくるから。いや、もとより、アメリカの警官が拳銃で退治できたりと、それほど強くはないのだが、永倉博士によって種明かしされる、とある条件を備えた人間の言うことを聞いてしまうという、なんとも締まりのないオチ。うーん・・・。

 何故そんな謎の生物が、この地球に存在するのか。宇宙人説など、遠い銀河から、我らがホモ・サピエンスの進化と成長を見守る存在がいるのかもしれないという可能性は示唆されるが、そこは明らかにされない。う~ん、それも、ちょっと尻切れトンボ・・・。

 でも、若き市長のキャラと、「シン・ゴジラ」的な味付けで、最後までサクサクと読めました。
 これは、誰かが映像化の権利を買い取って、さらに構想を膨らませて、まったく別のオチのお話にしても面白そう。市議会での殺人事件の顛末で終わらせてしまうには、もったいない、ミノタウロス登場の謎だった。

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2024年04月07日

Posted by ブクログ

結果から言えば、詰まんなかった。

多分、若い人たちが読めば面白いんだと思うんだけど、このところのこういう小説にイマイチ入り込めない。
SF ではない。ファンタジーでもない。
なんだろうな、SF考証なんてもうないというか、なんだろう、進化し尽くした科学は魔法と見分けがつかないと言ったし、プロセッサだって何も意識せずもはや家電以下の世代では、ルールの理解とか、世界観とかそれを成り立たせるための努力とか、全く意味がないのかもしれない。

ラノベとかRPGとか漫画とかアニメとかで、それっぽくあればあっという間に共通ルールが共有されるようになったのかと思う。

ま、それはそれとして。

そう言うのを抜きにすれば推理物に近いと思うのだけど、根底にワタシルールと後出し開示がある少年ジャンプ的なところがあって、なんじゃあそりゃと。
そう言う筋すら、政治とか、浅い人間関係を描写するための道具でしかない。
人が死ぬのに、極めて軽い本。
一番根本のアリバイを仮定のまま置いて、話が進む。

星二つにならなかったのは、それでも、文章が上手くて、構成自体は悪くないよね、と思ったから。

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2024年03月05日

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