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近い将来、人類はこの怪物に駆逐されるのか。そんな世界で、不可能犯罪が起こった。
目の前には三メートル超えの怪物、背後には震える少年。好感度を何よりも重視する史上最年少市長・利根川翼は、人生最大のピンチに陥っていた。だが、その危機からの脱出直後、「異様な死体」が発見される――。容疑者の一人になってしまった翼は、自身の疑惑を晴らすために謎解きを始める。『スイッチ 悪意の実験』『時空犯』で話題の新鋭が挑む、渾身の本格ミステリ。
〈著者・潮谷験さんからのメッセージ〉
この現代に突然、ファンタジーに登場するような怪物が現れたら、社会はどんな風に変わるだろう? しかも一体や二体ではなく、とんでもない数だったら? そんな空想を膨らませて書き上げた作品です。楽しんでいただけましたら幸いです。
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Posted by ブクログ
何コレ?! 怪物とゆるふわキャラが大暴れする荒唐無稽SF×政治社会派ミステリー #ミノタウロス現象
■あらすじ
世界各国で怪奇現象が発生、各所で突然に牛の怪物が出現するようになってしまった。舞台が変わり日本の眉原市では、最年少女性市長である利根川翼が市政の様々な問題に苦慮していた。ある日、翼と議員たちが市議会議場で話し合いを進めていると…
■きっと読みたくなるレビュー
なんじゃこれ、もうこんなミステリーを書けるのは潮谷先生しかいないよ。天才的発想力、この緩さとシビアさの絶妙なバランス感覚、これは凡人には絶対書けない。しかも今回はエンタメ要素もしっかりありますし、唯一無二の作品ですね。
本作でイチ推しなのは、怪物が出現するという設定と、それに対する人間たちの行動が面白過ぎる点。何なんでしょうか、この「ゆるーいゴジラ」は。
人類の危機かもしれないにも関わらず、予算が少なかったり、YouTuberが調子に乗ったり、学者が変人だったりと、まさに現代の世知辛さと他人事な感じがリアルに描写され、とにかく馬鹿馬鹿しい。それなのに、戦闘時の緊迫感や綿密な考察もあって、作品のえぐ味が凄まじいんですよ。
特に後半の怪物に関する研究結果や考察については、何ソレ感が満載なんですが、なかなかどうして納得性も高い。人類未踏の地を切り開くためには、常にリスクを追っていては遅々として進まず、時には破天荒な行動力が必要かもと考えされられました。
また本作は、政治の在り方についても、ゆるふわな感じで綴られています。ただ現実に政治の世界で話し合いがなされていることも、あながち間違っていないでしょう。結局は金や人集めが得意な人だけが暗躍する世界、そんな政治で誰もが幸せな人生を送れるような世の中が作れるんでしょうか。
謎解きとしてもオチがあるし、意味不明な背景やドタバタ劇の中にも手がかりが忍ばせてあるのは流石です。でもわかんねー、常人には理解が追い付かないところが素敵。ミステリーとしてエンタメ爆発してところがいいですね。
■ぜっさん推しポイント
読書は作者と読み手で作り上げられると言いますが、結局私は何を読まされたのか…
例えば人間の成長や悪を憎む正義感のような主張など、まるで感じない。荒唐無稽さと不条理な感覚が押し寄せてくるだけ。もちろんそれが魅力ではあります。
ただ、本作は「変化」というものに対する意思を感じることができました。コロナ禍では世界中で大混乱を招きましたが、この問題に対する各国や人々の対応には特徴がありました。世の中に変化があったとき、実は原因なんてどうでもいいのかもしれない。ひとりひとりが他人事にならないことが重要だし、思いやりって大切だなと胸に刺さりました。
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小説・文芸
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