潮谷験のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「だから捨ててといったのに」から全ての物語が始まる短編集。作者によって「何を捨ててと言ったのか」を読むのが楽しいですね。昔星新一の「ノックの音が」を読んだときのようなワクワク感があります。普段あまり本を読んでいないので、この手のタイプの短編アンソロジーはいろんな作者さんの作品を一冊でたくさん読めるのが本当にありがたいです。多分読書家の方なら、作者を伏せても「この話はこの人が書いたのかな」と分かるのかもしれないなと思いました。そういう楽しみ方をしても良いのかも。
真下みこと「お守り代わり」
五十嵐律人「累犯家族」
芦沢央「久闊を叙す」
多崎礼「海に還る」
谷絹茉優「猟妻」
こちらの5編が特に好き -
Posted by ブクログ
ネタバレ初めて読む作者だったが、タイトルが、気に入った。途中、まだるっこしい書き方だなぁと感じたが、最後まで読んでよかった。面白かった。種明かしが何重にもなっていて、もう一回読んだ方がいいのかもと思ってしまった。
三つ子なの?4つ子なの?最後までわからないところがよかった。ミステリーを読み慣れている人ならわかったのかな。
貴族たちのいる王政からフランス革命をはさんで、平民たちが政治を司る平等な社会へ。それでも、欧州は元々の資産を多く持つ貴族たちがいまだに裕福だとか。
人間の価値は同じだというが、貧富の差は教育にも影響する。三つ子達が、努力して獲得した四つ首城を守るために、それぞれが出来ることをしたのだ -
Posted by ブクログ
自殺を『生命自律』と称して、服毒自殺を遂げた気鋭の哲学者、陰橋冬の死と言葉は、自殺を肯定する多くのフォロワーを生んだ。その肯定を強めるために、難病でこの世を去った作家の姉の小説が使われている。その状況への憤りから、自殺の否定を訴える作家の弟は、生命自律を肯定する三人の人物と対談することになるのだが――。
これが本作の導入。読み心地自体は軽やかですが、テーマは、『自殺』とかなりヘビーな話題を扱っていて、端々に、心の触れてほしくない部分に触れてくる言葉が置かれているのが印象的でした。書かれた時期がミステリとそして物語を形作る上で、切り離せないところも魅力的。
結末をどう判断するかで、評価 -
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Posted by ブクログ
ネタバレ面白かった
読む前、読み始めてすぐは自分とは無関係な家族を破滅するボタンを手にした時の葛藤を巡る物語かと思っていたが、それが違うと気づいて、これはミステリーの流れだぞと分かってからもとても面白かった。ミステリーとしても人の心を扱う物語としても面白かった。読んでいるこちら側にもしっかりと情報が提示されるのもいいね。
新興宗教の話もなかなか興味深い。
スイッチというタイトルも、主題となっているアプリのスイッチの他にも小雪などが扱える自分の心を扱えるスイッチや柚子が犯行に至ってしまうスイッチなど誰の心にもあるスイッチもかけられているのかな。
「自分の価値をゴミ箱に放り投げることは、無意味に人を