岡崎琢磨のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2026 07/14
病に侵された昔の恋人から連絡が来たら、私なら一体どうするだろう。好きだったけど、事情があって別れた恋人。きっとずっと心に住んでいて、ふとした瞬間に思い出しては今どうしてるんだろうと考えて、長年の間、大事に抱えてきた想い。もう会うことはないだろうって思っていたのに、ある日、突然連絡が来る。戸惑う自分はいるけれど、もう若くないからこそもう一度だけ会いたい、と思うかもしれない。
きっと、会いに行く。
ただ、私なら「昔の恋人」を「懐かしい女友達」に置き換えて、結婚相手には説明してから会いに行く。喧嘩して家出して一週間も音沙汰無しの状態にはしない。
会いに行くけれどどちらも傷付けたくない、と欲張りな私はどっちつかずな気持ちのままやり過ごすと思う。
賢明な千恵さんがそれをしなかったということは、「気持ち」があったんだろうなぁ、と考えてしまう。やっぱりそれはほのかな恋心だったんじゃないかなぁ、と思ってしまう。
美星さんは「究極的には裏切らなかった」と言ったけれど、肉体的な裏切りより精神的な繋がりの方が、もしかしたらキツイかもしれない。藻川氏は本当に懐の深い人だと思った。「大事なことやったんやろうしな」なんて言ってあげれるなんて。
藻川氏の気持ちになったら、少し悲しい。
きっと思うところはあるはず。でも、もう当事者たちはいない。
これから先の人生で千恵さんを思い出す時、影井氏もセットで付いてくることになったら、やるせない。。。
今回の話は、苦いだけの美味しくないコーヒーを飲んだみたいな気分になった。
どうも純愛ではくくれない生々しさがある。
だからこそ、アオヤマさんと美星さんの関係性の変化が(言葉にはしなかったけど、その微笑みはOKってことですよね??)、最後に気持ちを明るくしてくれました。
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Posted by ブクログ
2026 06/30
アオヤマさんの初恋の相手(眞子)が、アオヤマさんが理想のコーヒーを探す原点だった。
中学生のアオヤマさんの悩みを解決した眞子さんのやり方は、そんなに上手くいくかな?と思ったけど、物語を愛する彼女の行動は物語を現実に作り上げようとする姿勢に基づいている、という指摘で理解した。現在でもアオヤマさんを籠絡しようするし。
ただ「なるほど。シナリオありきなのか」と納得しつつも、「えっ?それって自分のシナリオ通りに人を操るってこと?」ってなって、ゾッとした。
最後は未来を見据えた終わり方になっていたけれど、振り切るには重過ぎる過去なんじゃないかと思う。前向きになれて良かったね、で終わってしまっては本当は駄目なテーマなのでは、、、。私は同僚を許せない、絶対に。傷ついた方が我慢するなんて納得いかない。現実は結局は泣き寝入りが多いのだろうけど、、、それでも手紙の内容はショックだった。
眞子さんの心情を思うととても辛い、、、
当時のアオヤマさんの無力感もやるせない。
今回の美星さんは、スーパー頭脳の持ち主なのかと思うくらい知識ありまくりで、ちょっとやり過ぎのように感じた。知的好奇心が尋常でない、ってレベルではないよっ!!
もともと美星さんもアオヤマさんを憎からず想っていて、アオヤマさんの気持ちには気づいていて、会話もただの友人じゃないじゃんねソレ、ってのはあったりしたけど、今回でぐっと近づいたと思っていいですよね?
最後の二人の会話は明るい未来を期待していいですよね?
………それとも、これからの話の布石なのでしょうか…? -
Posted by ブクログ
タレーランシリーズ9作目。
前作を読んだのがついこの間のような気がするのに内容が全然思い出せない…と思ったら、実は3年以上も前のことでびっくり。
思いがけずタレーランに月日の早さを感じさせられました。
今回美星さんと青山が挑むのは、グルメ口コミサイトに投稿された悪質レビューを巡る謎。
X氏の正体はなんとなく予想がついたけれど、そういう動機だったのかー。
所々にこじつけ感というか無理を感じるところもなくはないけれど、口コミサイトの画面や赤川みぞれの手記を挟みながらお話が進んでいく構成や、美星さんによる謎解きが覆される展開はとても面白かったです。
気軽に読めるライトなミステリとして好きなシリーズなので、また次巻も楽しみです。 -
Posted by ブクログ
2026 06/15
少しの違和感が気になりつつ読んだら叙述トリックだった話が、面白かった。
二話目と四話目が切なさを纏っていながら前向きな気持ちで未来を見る終わり方で、読後感が爽やかで良かった。強くしなやかに生きていく女性は見ていて気持ちが良い。
今回の謎解きは、美星バリスタとアオヤマさんのいつものパターンばかりでなかったのが新鮮だった。
謎解きってほどでもなかった檸檬の話も、人の優しさが立ち直る決意を促してくれる、とても温かい話で良かった。自分の為に手間と労力を惜しみなく使ってくれる。自分の為に時間を割いてくれる。それは当たり前のことではない。優しさを貰ったことに気付く物語だった。
最後に収録されたショートショートも救いの話だった。エリさんの、夢にまで見る罪悪感と、どうにも出来ない現状でそれでも感じてしまう後悔の念が、救われる話。
エリさんが過去の罪悪感から解き放たれて本当に良かった。
今回の表紙は今までより色彩がはっきりしていて明るい。
前回までの淡い感じも好きだったんだけど、美星バリスタの表情が生き生きしていて、立ち直りつつあるのを表しているのかなと思った(深読みし過ぎかもだけど)。
楽しそうな雰囲気が伝わってくるので、私まで楽しくなる。
タレーランで珈琲を飲みながら本を読んでまったりしたい。シャルルにも会いたいな。 -
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読み手の「違和感」と作者の「意図」と
タレーランシリーズの7作品目は喫茶店に訪れたお客さん達の謎を美星さんが解決していくといった短編集。本作を読んでいく中で私の中に起こった感情の一つが「これはタレーランシリーズとして出すべき作品であるのか?」というものだった。
確かに謎を美星さんが解決するという構造はいつもと変わっていないがアオヤマさんもあまり出てこないが故に語り手もその短編ごとに変わる。そしてたまたま喫茶店に訪れており、それを美星さんが解決する。色々な日常を切り取りましたと言えばそうであるが、どうしても読み手の私にはタレーランシリーズとしての強みが減り、舞台装置としての美星さんを感じてしまった。
その真相はあとがきを読めばわかるように今回の作品はどちらかというと作者の体験をもとに作者が書きたいと、伝えたいと思ったことをベースに書いているとのこと。シリーズ化していくと色々な角度から書き進めることは大いにあるが、どちらかというとタレーランシリーズらしさを感じづらい、異色さを感じてしまったところがある。
次回作品はまた読み手に喜んでもらえるような展開にするとのことだったので、この書きたかった本作がタレーランシリーズとしての作品の良さを高めて、次の作品をよくする起爆剤になってくれたらと思う。 -
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傲慢、嫉妬、憤怒、怠惰、強欲、暴食、色欲。
キリスト教において、人を罪に導くとされる七つの悪徳をテーマに、名前が「七」にちなんだ作者さんが描く、7作のアンソロジー。
そもそも悪徳がテーマだから、どの作品も読後感は良くない。イヤミス寄り。それでも、どの作家さんもテーマにあった内容で、個性もありながら、テンポよく、あっという間に完読。
半分の作家さんが初読みだったけど、特に嫉妬は世界観も怖くて、読んでいて、引き込まれてしまった。
既存の4人の作家さんは安定。短編でもやっぱり面白い。
七つの大罪と言うと、どうしても、映画の「セブン」をイメージしてしまっていたのだけど、それに劣らないくらい、個人的には面白かった。 -
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ネタバレ【結論】未読の作者は読んでから
1話目★
アンソロジーに載せる話がシリーズ物のメインキャラだと未読の身としては内容についていけない。この人なに?ってなった。
しかも謎解きはしたけどその動機を教えてくれないの何故?
2話目★★★
好みの話。胸糞の悪いヤツがアクセントでいくつかの謎解きが進んで、最後まで読んでみればベースにあるのは愛弟子の事を思う師匠の優しさ。出来れば助かってもらっていつか弟子が受賞する姿を見て欲しい。読後の余韻が良い。
3話目★★★★
好みの話。管理人夫妻の赤いジャージの謎と住人の殺人事件の謎を運動嫌いなピザ配達員が解決する。
未読の著者だけど読みやすかった。
4話目★
初めから終わりまで嫌ぁな感じ。
嫌がらせを受ける理由もはっきり書かれず、最後もまた始まる嫌がらせ電話?で終わる嫌ぁな終わり方。
5話目★★★★
諸所の謎を解いてくれるスープ屋さん?の話。
文ちゃんのお祖母様が格好いい。
これはスープ屋さんの本編を読みたくなった! -
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タレーランシリーズ。
前作までの話をあまり覚えておらず、今回は冒頭でなんとなく今までの状況説明を挟んでくれたものの、オブラートに包んだような感じで、ちっとも思い出せない…。あぁ、二人は付き合うことになったんだっけ。
まぁでも基本は日常の謎なので、だいたいの流れで読めてしまうんだけど。
今回は、悪質レビューについて突き止める二人。その中にもその先にもまた謎があって、美星さんの謎挽きも…今回はなかなかうまくいかないみたい。
そして藻川さんから店を譲られるのか、二人は結婚するのか、という問題もあり、最後は一応の結論が出たみたいだけど、これはまだ続きそう。 -
Posted by ブクログ
今の私の温かみのある心は、あのときの救いから
タレーランシリーズの4作品目、前の作品が初の長編だったのに対し、今作品はどちらかというと番外編。いつものキャラクター以外の者たちが語り手をして、話を進めていく中で、シリーズ作品に必要な深掘りや意味付けがなされていた。
短編のためそこまで凝ったトリックはなく、かつ一つ一つの話が短いため隙間時間や通勤時間とかにも手軽に楽しめるのは良いし、その中で二作品目の作業療法士さんのお話は短いながらもミステリーとしてしっかりと読み手を驚かせるような展開や結末になっておりよかった。
アオヤマさんが美星さんから貰ったダーツの矢の話、喫茶店にいる猫の話、など今までにあった話の少し先の気になるところを描いてくれているところや、その話を通して美星さんに対する思いがどのようなものであるかなどが知れるのはとてもよかった。
作品とは少し関係ないが表紙の絵の美星さんが今までの三作品に比べて可愛さが増している。それはイラストレーターさんの描きぶりなのか、それとも美星さん自身の心境の変化が描写されているのか、定かではないが顔色がとても良くなったよ、可愛い。