【感想・ネタバレ】ベスト本格ミステリ2018のレビュー

あらすじ

2017年に発表された本格ミステリの短編と評論から、本格ミステリのプロフェッショナルが選びぬいたベスト作品集!――今読むべき、最先端の本格ミステリがこの一冊に!

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Posted by ブクログ

小説が10本、評論が1本のテンコ盛りだが、表題の「ベスト本格ミステリ」の名前にはややそぐわない感じだった.特に面白かったのは『透明人間は密室に潜む』だった.内藤謙介・彩子夫妻を軸に透明人間病の話が展開されるが、川路昌正教授が開発しようとしている非透明になれる薬を阻止する彩子の行動が楽しめた.

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2022年03月28日

Posted by ブクログ

様々なアンソロジーで読んだものもあったが、改めて面白い。虚構推理は次から次へと推論が出てきた上で結局は、というのが楽しい。

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2019年03月10日

Posted by ブクログ

昨年発表された本格ミステリ短編のベスト集。
同じ趣旨の『ザ・ベストミステリーズ』(こちらは広義のミステリ短編)と比べられがちだが、ここ数年は後者の方がバランスが良くて面白かった。だけど、今作は数年の不振を一掃する位に傑作が揃った。本格好きとして大いに喜ばしい。
特に大山誠一郎さんの作品は凄い。犯人が被害者の顔を潰す理由で、こんなに斬新なアイデアを考え付くとは! これだけでこの一冊を読んだ価値あり。

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2018年07月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

※小話ごとに書き殴った感想。ネタバレしまくり&やたら長い

【夜半のちぎり】
シンガポールはポイ捨てに厳しいとは聞いてたけど、そんな決まりもあったんか…
相手の元カレは想像ついてたけど、ガムの下りは恐れ入った。頭からっぽどころかめちゃくちゃやべえオトコじゃんよ…
4人が4人とも、まあまあ自分勝手でちょいと頭のネジ飛んでるのよね。お互い相容れなかったの、実は同族嫌悪だったのでは?

関係ないけど女の本性って、付き合い長い男でも理解出来てないこと多いよね。女同士は直感レベルでビビッとくるのに不思議。。

【透明人間】
透明人間の生態ってちゃんと想像したこと無かったから、消化物とか爪の間のゴミとかの観念がなるほどね~だった。あとメイクで誤魔化せるんだっていう。
密室にしてからの透明人間の探し方とかめちゃくちゃリアルで、設定作りこんでるのをひしひし感じたわね。ハナから動機が?だったけど、ラストでそういうことかと納得。
探偵はこの1回で色々詰め込んだ感じあるけど、シリーズ化を意識してのキャラ立てだったのかしら?面白い世界観だから、上手く活かした振れ幅のある話をもっと見たいわ。

【顔のない死体】
最初「首のない死体と顔のない死体はエラい違いがあるで(意訳)」と言われて、そらまあそうでしょうよ…と当然顔してたのは私です。大変申し訳ございませんでした。
DNA鑑定頑なに拒否すんの怪しみしかなかったけど、目的そっちかーい!完全にしてやられた。

オカンはわかりやすくアレだけど、オトンも托卵とはいえ2年育ててきた子供より自分の欲求優先させちゃうんだから、結果夫婦ともにクズよね。
2歳だったら将来的に両親のこと覚えてない可能性も高いし(むしろ忘れてて)どうかこの先は幸せに暮らしておくれ。おばちゃんとの約束だよ。
※このお話はフィクションです。

ちょっと気になったのが、話のボリュームの割に登場人物がやたら多い(しかも警官ばかり)。なのに個々に掘り下げようとしてる動きすらあったんだが、、あのムーブは何だったん?

【首無館】
館と聞くと警戒するわ。館つけてるクセに、は?みたいな話がゴマンとあるから。みんなちゃんと某先生リスペクトしてる?(強火オタク)
そんなイチ館ファンも、これには度肝を抜かれたわよね。新しすぎて。

まず、この話のポイントは館の構造ではありません。ゲロです(断言)
でも本当に、真実がゲロからポロポロ出てきちゃうから侮れない。しおりんも見た目と裏腹な明晰頭脳っぷりで、ちょっと友達になりたくなっちゃう。さすが腐っても医学部生。近寄ったら絶対ゲロ吐くけど。

あとゲロの見取り図いる?笑 もっと他に描くべきものあったでしょ。館とか館とか館の見取り図とか。
頼むから建物を活かしてくれ…!!(懇願)

そんな賢いしおりんもあの子も、最終的には報われなさそう…というか、この事件絶対闇に葬られるよね?ヤッホーこの世界の警察仕事してるぅ?(煽)
人名がニックネームなの、それこそ十〇館オマージュかと思ったけど、わざわざ名をつけてやる迄もないってだけかも。何だったらバカにしてるくらいのテキトーさだし、まるで人権感じられなくて笑っちゃったよね。

ロープの代わりがアレだとか、人1人の登場~死までがスピーディなのにしっかりグロめとか、この人はこういう作風なのかしら。ちょっと次回作読むのは躊躇うかも。げろげろ。
やばい、こんなゲロまみれの感想書くつもりなんて毛頭なかったのに。おそロシア。影響力強めにつき充分ご注意ください。

【袋小路の猫探偵】
超私見ですまん、飛び抜けて面白くなかった。いやネコチャンに罪は無いんだけど。
そもそもこれ本格ミステリなの?ミスリードの内容としてはまあありかなと思うけど、ボールで人転倒させるって、、マ〇オカートのバナナじゃないんだから。

ていうか警察官が制服盗まれるの、新聞乗るレベルの不祥事じゃない?国家権力不当行使の危機よ。なんなら内部犯の匂いもするレベルなのに、口止めしました~で許されること?
そんな中、どうにかネコを絡ませようとする必死感が更に悪目立ちして、肝心の種明かしも全部あっそう…て流しちゃった。いやネコチャンに罪は無いんだけど。

まあ悪いのは掲載順だと思います。ゲロゲロ館のあとにこれは霞むって。(個人の感想です)

【葬式帰り】
結局この話はどう帰結するの?と思ってたら、1番やべえのお前かい~という話。
石に齧り付いた話は知ってたけど、その後祟りが起きなかったのはなぜ?が腑に落ちまくり。なるほど、意識を逸らすために!賢いひとって…かしこいね!(語彙力)

最後自宅の電気が点灯してたの、奥さん在宅設定だし慌てて出てきたから付けっぱだっただけよね?でももし、消して出てきてたとしたら……ホァ……

【カープレッド】
野球という名の物に一切興味が無い人間にとっては、この話の面白さか半分どころか1/5くらいになるのでは?ええ、私のことです。
どうでもいい情報の波に抗えず、受け身のままあれよあれよと流されて行った先で、急に明らかになる真相。へー…ソウダッタノ…

今だから明かすけど、実は最初お父さんを疑ってたんだ。すぐユニフォームに着替えるの、なんか隠してない?とか思って。ただのヤバいファンなだけだった。ある意味犯人よりこえーよ。

頭書きにあった通り、高校野球についてはマジで秒しか触れてなくて笑った。有名どころだから許された暴挙では?

【使い勝手】
あ~この主人公の苛立ちがめちゃくちゃわかる。中途半端に親切な人間て、結局ずる賢いやつに目ざとく見つかって、いいように使い倒される運命なんよな。
我慢しても遅かれ早かれどこかで爆発するから、ちょっとうるせえ奴と思われても、ある程度自分の意見は主張した方がいいわよ。わたしより。

というわけで(?)ミスリードにはすっかり騙されたよね。確かに、ド定番の重量感マシマシ灰皿ならともかく、女の力でシチューボウルはアレかも。。
でも主人公が、使い勝手のいい女のまま踏みとどまって良かった。それが1番の意趣返しだと思うもん。最後の1文から滲み出るやるせなさも、表題と良くマッチしてると思う。
やっぱり世の中、真面目に働いて得たお金が1番信用出来るわ。みんな闇バイトとかしないであくせくはたらこ。

【掟上今日子】
この作者が原作の「暗号学園のいろは」(漫画。完結済で超おもろいから全人類読んで)に激ハマリしてたので、期待値高め。
…だったんだけど、やはりアレね。
シリーズ物をつまみ読み(?)するの、アテクシ苦手だわ。
内容そのものより、作品内の空気感とか登場人物のキャラを把握することに気がいっちゃって、純粋に話を楽しめないのよ。

もちろん、こういうのに載せる短編は、初心者でも入り込みやすいように色々説明してくれてるのはわかる。
でもそうすると話が必要以上に回りくどくなるし、理解を諦めて話だけ追うと、所々に挟まる「このキャラのいつものこの感じ~」の部分が妙に白々しくて読んでられないというか…
まあつまり、シリーズ未読の私が悪いんです。誠にすまんのきもち。

そんで今回の事件、まあ胸糞だったわね。
真相が今日子ちゃんの言う通りだったら…被害者兼加害者の両親のメンタルが心配。。
これが真実であろうと無かろうと、この可能性については3人の胸の内に閉まっておいてほしいわね。
世の中、知らない方がいい事ってごまんとあるんだなあ。みつお。

【虚構推理】
シリーズ物は以下略。つまりこちらも未読です、すまんのきもち(2回目)
そんでなになに、主人公は…特異体質の彼女と、また別の特異体質の彼氏?
…だから、設定モリモリなやつは1回で世界観飲み込みきれないんだってば…頼むからシリーズ物続けてもってこないでおくれ。。

とまあそこは置いといて、怪異の相談役ってなると色々な方向から話が作れそうね。1番怖いのは人間だぞ~的なのも出来るし。
自分で言ったやつ自分で論破してくの、刀城言耶みたいだったなあ。とか考えつつこれ書いてる今、どうしよ。結末が思い出せない。結局どの説が採用(?)されたんだっけ。
…印象に残ったかどうかは正直そのレベルでした。ごめんな。

【ホームズ】
小説ってあったけど、これ完全に論評よね?
確かにコナン・ドイルがホームズ嫌ってたってのは聞いた事ある。
そこで無意識に【影】の存在を作り出し、そいつにホームズをうっちゃってもらう…というのは、まあ出てきそうな流れかなと。
でもそこからが流石で、その影が1人だとは限らないよねって。え、医者も?え、犬も?!

でも言われてみれば、医者の名前は誤植かってくらいそっくりだったわ。しかも端役同士ならまだしも、片方準主役よ?絶対にわざとよね。

表面的にしか話をさらえない残念な脳みそなので、こうやって論理的に掘り下げて考察できる人たちって尊敬するわ。こういう思考回路があると、1つの話を色んな角度から楽しめて羨ましい。考察厨になりたい。
そんなこんなで、論評といえど最後まで楽しく読めました、まる。

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2025年04月21日

Posted by ブクログ

「夜半のちぎり/岡崎琢磨」
シンガポールの新婚旅行で奥さんが殺される。そこで元カノも結婚していて、彼と来ている。その彼が実は今の奥さんとも付き合っていて犯人というだけの話。

「透明人間は密室に潜む/阿津川辰海」
これは力作ですね。なぜか肌が透明になる人たちが現れてきて、そうなると透明人間は不便。人とぶつかるし、食べ物は見えるし、病院で患部の診察もできない。それでメイクを施すことになる。透明であることを利用して殺人事件を試みるのが出足。倒叙ということになる。身体に吸収したものは老廃物でも透明だがそれ以外は見えてしまうので爪の間の垢、歩いた時についた泥なども危ない。人通りの少ないところを探すのに数日をかける。殺す相手は透明化を直す薬を発見した博士。それなら助かるんではないかと思うが。慎重の上にも慎重に殺害を実行するが、夫にはバレバレで後をつけられている。殺人は成功するが、犯人がどこにいるか分からない。ガラスをばらまいたり、指し棒を無秩序に振り回すがいない。実は、死体の上に横たわってたいというアイデアが面白い。さらに動機。実は透明を利用して他の人になりかわっていたので、透明でなくなるとそれがばれてしまうというもの。透明人間のディテイルから、透明人間の殺害のあれこれ、動機まで腹いっぱいのアイデアが詰まってました。

「顔のない死体はなぜ顔がないのか/大山誠一郎」
顔のない死体とクビのない死体は違う。ともに通常は別人に思わせるためのトリックというのが定石だがそれを覆すアイデア。顔がないと身元が判明しないので、歯型から歯医者を探すことになる。どこの歯医者にかかっていたのか分からないので近くの病院に照会をかける。実は死体の女性はその歯科医と不倫していて、元夫の犯人は、自分の子がその歯科医の子どもなのではないかと疑い、彼のDNAを採取したくて企んだもの。なかなか面白い。

「首無館の殺人 白井智之」
これはひどい。殺人後雪が降っていたが足跡がないことから密室状態。本館から別館に移るのにロープはない。死体の腸をひっぱりだしつないでロープにしたというもの。

「袋小路の猫探偵 松尾由美」
袋小路で女性モノのハンドバックを持った泥棒の若者とそれを追いかける警官と会うが警官だけが消えてしまう。いかなるトリック?泥棒は警官姿で、警官が若者の格好だった。袋小路は泥棒の家があるところだった。シンプルなディスミレクション。

「葬式がえり 法月綸太郎」
ある場所で「杜若」を謳っている悪霊が出るという噂を逆手にとって悪霊のせいにして殺人を行う。

「カープレッドよりも真っ赤な嘘 東川篤哉」
カープのCのマークは外国の球団に同じものがあり、カープファンではなく、外国の球団だったというオチ。それがマニアックなチームの話で分かるというのもので、無知のワタシには面白くないが、そういうトリックもあるんだというところでは面白かった。

「使い勝手のいい女 水生大海」
元彼を殺したと錯覚する描写をさせて、実は違ってたというミスディレクション。文章表現のトリックが面白い。

山麓オーベルジュ『ゆきどけ』 西尾維新」
動機について、全く動機のない殺人がある。成績が下がって試験に落ちるのが嫌で、弟を殺す。その用事のために替え玉受験をさせる。替え玉受験のための殺人。

「ヌシの大蛇は聞いていた 城平京」
沼に死体をすてた犯人。どういう意図があったのか。警察にその沼をさらってもらいかった。沼の主、大蛇とのやりとり。

評論
「吠えた犬の問題 有栖川有栖」

出来不出来が激しい。これが今年のベストとは到底思えない。本格ミステリ作家クラブ選ということで限られたものだからかもしれない。

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2018年11月11日

Posted by ブクログ

【収録作品】「夜半のちぎり」岡崎琢磨/「透明人間は密室に潜む」阿津川辰海/「顔のない死体はなぜ顔がないのか」大山誠一郎/「首無館の殺人」白井智之/「袋小路の猫探偵」松尾由美/「葬式がえり」法月綸太郎/「カープレッドよりも真っ赤な嘘」東川篤哉/「使い勝手のいい女」水生大海/「掟上今日子の乗車券 第二枚 山麓オーベルジュ『ゆきどけ』」西尾維新/「虚構推理 ヌシの大蛇は聞いていた」城平京/評論 「吠えた犬の問題-ワトスンは語る」有栖川有栖

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2018年08月07日

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