岡崎琢磨のレビュー一覧
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タレーランのバリスタ、美星と順調に交際を続けるアオヤマ。そんな様子を見てオーナーの藻川から結婚するならこの店を譲るという話を受ける。2人は結婚を意識しつつ、経営の問題点を考えたりするのだが、そんな中飲食サイトへの悪質な投稿を見つける。まず投稿の内容から共通する客を考えていく。
投稿した犯人は見つかるのか?そして2人の行方は?
投稿の謎を考える途中で小さな謎をいくつか解いていき最後に大きな謎を解きます。そして、それが全てひっくり返る展開。最後に全体を通して語られていたある女優の娘の手記と繋がるのも面白かったです。
男女の関係など出てくるので中学校以上。この巻は小学生でもおおむね大丈夫でした。 -
Posted by ブクログ
一杯の珈琲に溶け込む、人の心の「苦さ」とは
人は誰しも心の中に「苦さ」を抱えている。それは負い目であったり、妬みであったりし、それを隠すために取り繕ったり、働きかけたりする。それはその人が「善」であろうが、「悪」であろうが誰しもが心に抱えながら日々を過ごしているであろう。
2巻目となり珈琲の如く深みを増してきた本作品は「家族」や「恋人」などといった「愛情」といった側面から物語が展開されていた。特にありがちではあるがヒロインの深掘りのためにヒロインの家族が出てきたり、その家族への「思い」をもとにキャラクターの心を深掘りしていった。
特に今回は様々な行動に対する「動機」が前述したような「深み」があり、チュートリアルだった一巻に比べてより読み応えがあったと思う。ヒロインの心を2巻にしてここまで色々な視点、関わりから描写してくれているのは次巻に対する期待を高めてくれた。 -
Posted by ブクログ
「鏡」の世界を見たときに、あなたの姿はどのように映っていますか?あなたの世界はどのように映っていますか?
小説の中に小説があり、現在軸の語り手が小説を読み進める中で隠された真相に迫っていくという珍しく、かつ難解な形。そこに心の病、時代背景などを絡ませていた。
心の病の描写やトリックについては案外分かりやすく、主人公達の行動の疑問点もそのようなフィルターを挟んで読むと「納得」するのは難しいがどこかに「共感」を感じる。ただこれは読み手の今までの人生の歩みに影響するところが多く、人によっては「納得」と「共感」が「鏡」のように「反転」する人もいる。わたしの場合は今までの自分の人生と照らし合わせて、「共感」の方が多かった。
小説における「読後感」というものはその人の今までの人生とか体験とかの照らし合わせの末に起こり、その中で「感動」や「どんでん返し」といったものが存在する。
この小説の難しさは読み手が私たちだけではなく、小説内にも語り手としての読み手がいるという二重構造がありその「語り手としての読み手」の「読後感」、そして「我々読み手」の「読後感」のズレがもたらす「鏡の国」における「削除されたエピソード」への向き合い方だと思われる。
「削除されたエピソード」を読んで「我々読み手」として俯瞰して読んできた「読後感」、「語り手としての読み手」が今までの自分の考えてきたことがどのように変容するのかという「読後感」、その異なる二つの「読後感」を味わえるのは新鮮であった。
そう思うとまるで小説の中から「我々読み手」にも働きかけてくるような構造を感じた。我々が「鏡」を覗き込むとき、「鏡」もまた我々を覗き込んでいるような、小説からの「意思」が「我々読み手」にどのような「反転」をもたらすのかを楽しんでほしい。