岡崎琢磨のレビュー一覧
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油断した。前作でこのシリーズは完結したんだと思い込んでいた。美星さんにまた会えて嬉しい。
「本を読むというのは、自分以外のたくさんの人の人生や、考え方や感情や価値観に触れて、自分の人生だけを生きていては決して知りえないことを知る営みだと思うの。それはきっと、人との違いや多様性を受け入れ、広い心を持つことにつながっていく。」
ぼーっと生きて5歳児に叱られるのは自業自得だから仕方ないとして、知らない故に誰かを傷つけてしまう様な事は出来る限り避けたい。知らない事はまだまだまだまだ世の中にたくさんあって、それをそっと教えてくれる作家の皆様、ありがとうございます。
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ネタバレいつも若い女の子を口説いてるから、なんとなくずっと元気なんだと思い込んでしまっていて、それだけにオーナーの入院は衝撃的で。
どんな人も老いることには抗えないですね。
弱気な姿に胸が痛みました。
そんなオーナーの頼み事。
亡き奥様の空白の一週間、彼女がどこで何をしていたのか。
こういう秘密って、知らない方がいい場合が多い気がしますが。
たくさんの人の恋愛事情が出てきて、触発されたのか、やっとやっと二人の恋愛にも進展が。
かけひきするタイプにも思えませんが、二人とも慎重なのか臆病なのか。
ここまでくるのに時間を要しましたね。
「もし、あなたが私の知らない誰かと結婚して。歳を取って、私が病気に -
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シリーズ8作目
今回も他店とのイベントでのトラブル関係
日常の謎ではあるんだけど、人の悪意による行動を描いているので、あまり好みではないんですよね
ただ人が死なないだけで、誰がどんな理由でどうやってやったかという普通のミステリと同じような内容なので
今回は「第一回京都コーヒーフェスティバル」での妨害事件
コーヒーフェスティバルを企画している中田朝子に、あの石井がタレーランの出店を推薦したという
前の事件の不信感もあるため、見張りの意味でも参加を決める美星さんとアオヤマ
そしてやはり事件は起こるのであった
冒頭で「茨」が「マイカ」に別れを切り出しているようなやりとり
まぁ、今までこれ系の -
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7つの短編・掌編集
「ビブリオバトルの波乱」…………抽選箱に細工をしたのはいったい誰?
「歌声は響かない」…………………美星バリスタ、高校時代の推理
「ハネムーンの悲劇」………………行けなかった新婚旅行のお土産の謎
「フレンチプレスといくつかの?」…別れ話をするカップルそれぞれの秘密
「ママとかくれんぼ」………………幼い頃の思い出に隠された真実
「拒絶しないで」……………………常連客が出した突然の指示の理由とは
「ブルボンポワントゥの奇跡」……あるトラウマを抱えた男性に不審な出来事が…
実際の体験をきっかけにしたエピソードらしい
きっかけは高校生のビブリオバトル大会に作家として参加した -
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京都の路地裏にひっそり佇む純喫茶「タレーラン」の女性バリスタ、
切間美星が、事件を解決へと導くシリーズの第7弾。
今作は第4巻に次いでの、短編集となっている。
他の巻は連作短編。
帯を観てしまえば、ネタバレと言いますか、作品の概要は、
分かってしまいます。そこはちょっと残念とも言えますが、
ずばり、今作のバリスタは、安楽椅子探偵という立場になります。
安楽椅子探偵と言うのは、話を聴いただけで事件を解決へと導いてしまう
探偵のことを言います。
7作品のうち最初の1作品目「ビブリオバトルの波乱」に関して、
作者である、岡崎琢磨さんが実際にビブリオバトルの全国大会に
足を運んで見聞きしてきたこと -
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お仕事、青春の日常の謎のミステリーですね。
音楽雑誌「ロッククェスチョン」に新卒で採用された音無多摩子はまだ三ヶ月の新人。
ところが、編集長の大久保祥一から新連載のコラムを担当するように言われる。無名のインディーズバンドを発掘するコラムとの事。
当惑する音無に大久保はある秘策を授ける。
下北沢の『レジェンド』に行け。優れた耳を持つというライブハウスのマスター、五味渕龍仁を頼れ。
早速、取材に出かける音無だか、待ち受けるのは…。
岡崎さんの軽いタッチながら味のある文章で、インディーズの話題が盛り上がる。
音無とインディーズの若きバンドマンたちの青春成長物語であるのも見逃せない。
謎解きは、かな -
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ネタバレ今回のネタはちょっとだけ初期に近い淡々さがあった(ほんのちょっとだけね)。
二人の関係がかわることで、何がかわるのかなぁと思ったのだが、実は大きな変化はなかったというオチなのかもしれない。もちろん変わってしまえば、作品の方向性が変わりかねないわけだが、それを陸続きの変化とするかそうではない大きな変化とするか、この作品に限って言えば意外と一方向に収束するんじゃないかと思ったりする。謎がしっかりしているからとか、そういうこともなくはない気はするけど、多分に主人公のアオヤマのキャラによるものだろうという感じがする。
主役の二人はさほどベタベタしないし、そのちょっとドライな夫婦漫才っぽさが、淡々と -
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お仕事・恋愛・日常の謎のミステリーですね。
「タレーラン」シリーズの八作目です。
記念すべき、十周年作品になりますね。
岡崎さんの気合いが伺える力作だと思います。
恋愛小説の醍醐味も加味して、ちょっとやられた感じさせてくれます。
今回は、京都のコーヒーイベントへの出店という舞台での謎解き。
コーヒー好き、喫茶店好きにはたまらないアイテムが駆使されています。謎解きのキーワードですね。
この作品は、語り役の「アオヤマ」と喫茶店タレーランの店主で、バリスタ探偵の切間美星の恋愛が物語を彩る、心踊る作品なのですが、揺れ動く青春の甘く切ない恋物語を堪能した感じですね。この切り返しにやられました。
岡崎