岡崎琢磨のレビュー一覧
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名前に7があるなど七に縁持ち作家による、七つの大罪がテーマの七つの短編集(岡崎さんは作家紹介読むまで何繋がりかわかりませんでした)。大罪ネタなだけに、スカッと爽やかな話ではありません。読みごごち重視の人には向かず。でも、どの作家さんも工夫が見られて面白かったです。殺人も強姦もエロも色々出てくるので高校以上向け。
「罪の名は傲慢」中山七里
古手川や渡瀬が最後に登場します。地位のある男が立場を利用して一服盛り、女性を犯す。しかし女性はめげずにすぐに訴えるための行動を起こす。お互いの行動や立場、発言、マスコミの報道のあり方。真実は?
「手の中の果実」(怠惰)岡崎琢磨
七歳の息子、櫂は学校に行きたがらず、行っても嘔吐して帰宅した。いじめも見られないし、何が原因かわからない。勝沼から戻ったあと名探偵を演じたのは予想外の人物だった。
「移住クライシス」(憤怒)川瀬七緒
自閉スペクトラムの息子が移住先の田舎で裏の溜池に落ちて死んだ。自分も再婚した妻も地域の人もきをつけていたのに。悲しみ、悔いる僕と妻の元に、痴呆症が疑われる老婆が怪しく敷地内に立ち入ることが続き、不安と戸惑いに襲われる。
「オセロシンドローム」(嫉妬)七尾与史
漱石の「こころ」についての会話が発展して歯科医師と恋愛していた私。しかし盲目的な独占欲でうまくいかなくなり破綻、ストーカーのような状態になりカウンセリングを受けるのだが、人の感情はもっと拗れていた。
「十五分」(強欲)三上幸四郎
動画配信者として成功していた私は殺人や放火の容疑で収監されている。動画を15分と決めて編集していた私。取材に来た記者は自分のファンだったといい、面会15分を何回か続けて何が起こったか聞き取りをした。そして明かされる真実と思いもかけないもう一つの15分。
「父親は持っているエロ本を子どもに見つからないようにしろ」(色欲)カモシダせぶん
これはタイトルから予想されるものを軽く裏切ってきます。こんな息子いないよーっていうのが一番の感想。あと、エロネタがばんばん来ますが、一番読後感よかったです。金庫に入れてあったエロ漫画雑誌を息子が読み、父に自分の感想を話すのですが…。
「最初で最高のひとくち」(暴食)若竹七海
一番胸糞悪くなったかも。気持ち悪くなるほど嫌な話を読みたい人にオススメの内容でした。息子を可愛がる母親のお話です。 -
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ネタバレはじめは社会的な問題を取り扱った小説なのかな…とすこし気後れしていたのですが
読み始めると想像以上に面白いミステリー小説でした。
HIPSに加入しませんか?というところから物語がはじまり、HIPS加入者の周りで事件が起こる。そしてHIPSの意思を汲んだ政党ができ、政治争いが勃発。そこからHIPSは崩壊していく。AIはHIPSの崩壊を止められなかったのか、創設者はいったい……と徐々に物語が変化していき、まるで自分もその世界にいるかのようでした。きっと読み始めで、自分はHIPSに加入したいな〜、いや加入なんてしない!と2つに分かれると思うのですが、そのどちらを選んだとしても物語を楽しむことができるのではと感じました。そうして読み終えた時、自分は改めてどちらの立場にいるのか。
人によって意見が異なると思うので、他に読んだ人の意見も聞いてみたいなと思いました。
また最後まで読むと身体に障害を持ったものの、ルルの無事がわかりほっとしました。
強くて優しい子、と出てきましたが最後まで逞しそうで笑みがこぼれました! -
Posted by ブクログ
HIPSそれは健康で文化的な最低限の生活を送れずにいる人々を救うために誕生した扶助団体。会員には月々一定の額のHIPSマネーが給付され、腕時計型のウェラブル端末を通してのみ使用することができる。マネーは端末に紐付けされた口座に振り込まれ現金としてひきだすことはできない。貯蓄もできない。そして金銭的報酬を伴う一切の労働は禁止される。入会時には全ての私有財産をHIPSに寄付しなければならず、退会すると再入会はできない。このHIPSをめぐる5つの物語。最初に想像していた話とは違った展開。5つの物語が複雑に絡みあいどんどん引き込まれていく。
第四話聖人と最終話沈む箱舟が良かった。
AIと人間の未来、考えさせられた。 -
Posted by ブクログ
ネタバレHIPSのような団体は生まれるのだろうか。
本来は国が守るべき国民の生活。もちろん生活保護制度はある。だが、そのすべてをAIに委ね、労働や財産の所有を禁止し、生活を保障する。経済が停滞し、明るい未来が見えない中で、ただ働くために生きているようなら、HIPSに頼るだろうなと思った。
そんなHIPSが関係する様々な問題が発生する。最後には政治にまで関わる。HIPSには人生を救われた人もいれば、壊されてしまう人もいる。
私には難しくて完全に理解できていないところもあったように思うが、他にはない、とても面白く考えさせられる一冊だった。