岡崎琢磨のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ピーベリー、初めて聞きました。低評価レビューを書いた人の予想は外れませんでしたが、何か仕掛けがあるはずと思っていたらやはり真相は予想外でした。低評価レビューを書いた理由がちゃんとあり、「そうしなければならなかったのだ」と思わせてくれるところが好きです。
そういえば、前の短編集にあったあの話がこんな形で続いてくるとは!次また出てきたときは幸せになっていてほしいですね。
アオヤマと美星さんのプライベートの関係もちゃんと進んでる様子が見られて良かったです。ふたりでバックヤードで話していたときの美星さんの様子が!プライベートではちゃんと店長と店員から離れられてるんだなと、友人目線で安心しちゃいました。 -
Posted by ブクログ
人を傷つけるに至る「動機」は名誉か、復讐か、はたまた嫉妬か
タレーランシリーズ八作品目は前作までの続きをだいぶ意識された長編。このシリーズどちらかというと長編の方が私には合っているのと、今までのシリーズとの繋がりが色濃く出ているところはシリーズを続けていく中で、新しい人を大切にするか、今までの人を大切にするかといった判断の天秤にかけられているものなのだなと思った。前作がどちらかというと作者の思いが強かったので、今作は美星さんとアオヤマさんの思いにフォーカスを当ててくれていてよかった。
事件の真相については「手段」の面からいくと犯人を特定しづらい反面、「動機」の面から今回の事件は何を目的に、何を標的にしているかを冷静に考えたら自ずと導き出しやすい。特に今回はコーヒーの大会、初めて会う人たちが多い中で、どの人物と人物がどのように繋がっているか明らかになる情報から目処がたちやすいと思った。
美星さんとアオヤマさんのこれからの関係性といったところに今回の事件の真犯人の腹心をうまく重ねて、作品の読み応えに厚みを出している一方で、張り巡らされた言葉一つ一つの本当の意味合いが明らかになったときに読み応えに変容があるのは今までのタレーランシリーズの長編にもあった。2人の今まで描写されてきた人物像からも、まあ普通だったらこうだけど、この2人だからこそこういう描写、関係性、言葉や振る舞いになるのだなと感じた。 -
Posted by ブクログ
過去の付き物が祓われたとき、私は一歩再び歩き出す
タレーランシリーズ5作品目。今作品はアオヤマさんの過去に焦点を当てながら一人の女性のこれまでの人生、これからの人生にスポットライトが当てられている。話の流れやミステリーの要素は予想が立てやすいある意味王道なものであるが、私は今までのタレーランシリーズの中で一番好き。
まず、キーパーソンとなる過去に交流をしていた眞子との再開。話を進めていくごとに彼女の言動が「信頼できない語り手」の要素が見えてきて、それを元に何が真相なのかを読み解くのがよかった。また彼女の人となりも人間らしさがあり、様々な魅力があったのも良いと思う。
次に作中で鍵となる「源氏物語」の存在。創作物に自分の人生を照らし合わせて共感したり、何か通づるところを感じたりすることは本を読む人にとってはあるあるの行為。今回はキーパーソンが読書好きということで、いつもの珈琲の切り口ではなく、文学的な切り口で展開されていたのも作品としての親和性や展開の良さに繋がっていた。喫茶店で珈琲を飲みながら本を読むのは思考の時、そう「文学的」と「珈琲」は相性が良いのである。
話のラストでアオヤマと美星の関係性に一つの展開があったのもよかった。一つの出来事を通して強くなる絆、愛情などがどうしても長期連載のラブコメ要素のある作品だとなあなあになりやすいところ。そこを作中の「鴛鴦」をうまく使って人の愛情の行方や二人の愛情や信頼関係の表現に帰結させたところは見どころだと思う。