岡崎琢磨のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
HIPSそれは健康で文化的な最低限の生活を送れずにいる人々を救うために誕生した扶助団体。会員には月々一定の額のHIPSマネーが給付され、腕時計型のウェラブル端末を通してのみ使用することができる。マネーは端末に紐付けされた口座に振り込まれ現金としてひきだすことはできない。貯蓄もできない。そして金銭的報酬を伴う一切の労働は禁止される。入会時には全ての私有財産をHIPSに寄付しなければならず、退会すると再入会はできない。このHIPSをめぐる5つの物語。最初に想像していた話とは違った展開。5つの物語が複雑に絡みあいどんどん引き込まれていく。
第四話聖人と最終話沈む箱舟が良かった。
AIと人間の未来、考 -
Posted by ブクログ
ネタバレHIPSのような団体は生まれるのだろうか。
本来は国が守るべき国民の生活。もちろん生活保護制度はある。だが、そのすべてをAIに委ね、労働や財産の所有を禁止し、生活を保障する。経済が停滞し、明るい未来が見えない中で、ただ働くために生きているようなら、HIPSに頼るだろうなと思った。
そんなHIPSが関係する様々な問題が発生する。最後には政治にまで関わる。HIPSには人生を救われた人もいれば、壊されてしまう人もいる。
私には難しくて完全に理解できていないところもあったように思うが、他にはない、とても面白く考えさせられる一冊だった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ好きな作者が含まれいたので。
7つの大罪の中で、最後に配されていたし、
好きな作者だったのでかなり期待度が高かったが、
いや、高すぎたのか、
ミステリーというかホラーに傾きすぎていて、
せっかくの葉村晶の登場も楽しめなかった。
肉の正体に早々に気がついてしまったのも、敗因かも。
ホラーだと思っているのは個人的理由なのかもしれない。
祖師ヶ谷大蔵とか笹塚とか聖蹟桜ヶ丘とか府中とか、
知っている地名が出てきて、
野猿街道の先に闇の仕事を家業とする一族が住む「千倉地区」がある、
というのが怖いのかもしれない。
とはいえ、七つの大罪をめぐるアンソロジーで、
親子関係のほのぼのミステリーや、
突撃 -
Posted by ブクログ
一応「七」に縁のあるミステリー作家による「七つの大罪」の短編集だが、作家さん選びに苦労したのかこじ付けのような人もいる。岡崎琢磨の7月7日生まれはまあいいとして、三上幸四郎の「3+4=7」はちょっと...(笑)
それぞれの特徴が出ていて非常に面白かった。
中山七里【傲慢】は安定の面白さで流石という感じ。岡崎琢磨【怠惰】は少しほっこりする。川瀬七緒【憤怒】はちょっと背筋が凍るミステリー。七尾与史【嫉妬】は読んでいて偏執的な嫉妬に気持ちが暗くなるが作中に七尾与史が自虐ネタで出てくる。三上幸四郎【強欲】は今時のSNS時代のネタで脚本家っぽいと感じた。カモシダせぶん【色欲】はかなり毛色が変わったマニア