(Ⅰ)岡崎公園で開催される第一回京都コーヒーフェスティバルにタレーランも参加。そこにはかつて関西バリスタコンペティションを騒がせた石井春夫と黛冴子もいる。当然のように妨害が始まるが果たして石井たちのしわざなのか?
(Ⅱ)犯人と動機は半分くらいのところで察しましたがどう証明すればいいのかは最後まで思いつけませんでした。
(Ⅲ)上手に使いこなせば嫉妬が、願いを叶える原動力になることもあるだろう。(p.308)
■この巻の簡単なメモ
/トラブルメーカー石井の紹介なのに美星が京都コーヒーフェスティバルに参加することを決めたのはおそらく石井が何か企んでいるだろうから問題があれば事前に止めるか、無理だったら収拾につとめるためなんだとか。
/始まってみると第五回関西バリスタコンペティションで石井と組んで問題を起こした黛冴子がふたたび石井と組んでいた。
/主催者サクラチル。中田朝子、伊原、上原。
/純喫茶タレーラン。切間美星、アオヤマ→藻川又次。ブレンド豆のネルドリップ一種類のみ。
/イシ・コーヒー。石井春夫、黛冴子。ブレンド一種とピーベリーをサイフォンで。
/椿カフェ。足伊豆航、舌瀬舞香。二種類の豆をペーパードリップで。
/ロックオン・カフェ。森馬護、青瓶大介。四種類の豆をフレンチプレスで。
/モンキーズカフェ。錦戸徹、星後望。各種ミルクによるカフェオレを。
/太陽珈琲。米田堅蔵、米田幸代。ハリオのV60ペーパードリッパーで。
/妨害発生。
/アオヤマ、早速浮気か!? そして、いきなり、クビ!?
/タレーランにも妨害の手が。
/そして三度目の妨害。
/石井が真犯人を推理する。意外にも無理のないその推理が指摘する犯人は…
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■タレーランに関する簡単な単語集(いくらか累積)
【青瓶大介/あおがめ・だいすけ】ロックオン・カフェ店員。第一回京都コーヒーフェスティバルに経営者の森場護とともに参加した。
【アオヤマ★】理想のコーヒーをタレーランに見た青年。後に美星と互いに憎からず思うようになる? ブルマンにちなむ? ネタバレ気味となるが、本名は青野大和。
【浅井一太/あさい・いちた】河野鈴海の恋人。三十三歳前後。なぜか結婚に踏み切れない。最近ストーカーにつきまとわれているような気もする。
【石井春夫】バリスタ。関西バリスタコンペティションという大会で競い合った。お調子者のトラブルメーカー。元マジシャン志望。父親が開いたイシ・コーヒーを手伝っている。
【板垣愛美/いたがき・まなみ】徳山実希が関わったビブリオバトルの岩手県代表。チャンピオンになった。
【江角蘭/えすみ・らん】影井城の妹で兄の死後も影井城の家で暮らしている。足が少し不自由で息子の大(だい)の世話を受けているが、動けないというほどではない。
【榎本純/えのもと・じゅん】徳山実希が関わったビブリオバトル京都府代表。『数のふしぎ』という本をプレゼンした。
【鴛鴦茶】コーヒーと紅茶を混ぜ、無糖練乳(エバミルク)と砂糖を加えたもの。香港で飲まれているらしい。眞子がそれを出すイーグルコーヒーという店を教えてくれた。
【大津一/おおつ・はじめ】柔道サークルに参加している大学三年生。美星に告白した。
【奥さん】→藻川千恵
【廻旋橋】天橋立にある水平に回転し船が通れるようにする橋。むかし回転するときわざわざこの上に残って陸と切り離されたことあり。なんとなく楽しかった。
【影井城/かげい・しゃとー】生涯のほとんどを浜松で過ごした画家。美星いわく青木繁を彷彿とさせる画風。藻川千恵となんらかの関わりがあったらしい。本名は「かげい・じょう」らしい。
【加納七恵/かのう・ななえ】オカルト月刊誌『トナノ』編集長である三浦真琴が取材した相手。二つ年上の姉、海鈴(みすず)と夫の臼井太一がハワイへの新婚旅行に出かける当日事故に遭い夫を喪ったが目覚めた姉は新婚旅行の帰りに事故に遭ったと言い証拠も見つかった。
【河野鈴海/かわの・すずみ】浅井一太の恋人。最初の話の登場カップルの名前の文字順違いなのに意味はあるのだろうか? 苗字も近い音。
【切間美空】切間美星の妹。
【切間美星★/きりま・みほし】タレーランのバリスタ。主人公。バリスタと名乗りたいのでエスプレッソマシンを導入した。アオヤマの理想のコーヒーを淹れてくれる。見た目は高校生だが初登場時点で23歳。謎解きするときコーヒー豆をひく。キリマンジャロにちなむ?
【健斗】10歳くらいの小学生。父親がアメリカ人で、見た目は外国人だが中身は純日本人。
【小須田リカ】アオヤマの母がたの親戚らしい。コスタリカ。
【コーヒー好きランキング】有名な話ではあるが、京都はコーヒーの消費金額、消費量ともに政令都市ランキングで一位。パン消費量も一位を争っているようなので互いに相乗効果があるのかも。
【コーヒー豆の種類】この本とか諸々の本によるとによると、種類としてはアラビカ、ロブスタ、リベリカの3種類。今はアラビカ種が一般的らしい。銘柄としてはイルガチェフェ(エチオピア)、キューバ、キリマンジャロ(タンザニア)、グァテマラ、ケニア、コスタリカ、コナ(ハワイ)、コロンビア、サントス(ブラジル)、ジャワコーヒー(インドネシア)、トラジャ(インドネシア)、パプアニューギニア、ブラジル、ブルーマウンテン(ジャマイカ)、ベネズエラ、マンデリン(インドネシア)、メキシコ、モカイスマイリ、モカシダモ(エチオピア)、モカハラー(エチオピア)、モカハラーズ(イエメン)、モカマタリ(イエメン)。など、調べたのを並べただけですが。個人的にはモカ系はちょっと苦手で、苦味が強い系が好みかなあ。
【小島眞子/こじま・まこ】→眞子
【胡内波和】美星のことをよく知っているみたいなエリートっぽい眼鏡の青年。コナコーヒーにちなむ?
【財前美加子/ざいぜん・みかこ】河野鈴海から浅井一太が紹介されたカウンセラー。
【佐野】京都国際医療福祉学院の男性講師。伊達涼子の担任。
【島善郎/しま・よしろう】京都国際医療福祉学院の講師。ふっくらとして人がよさそう。
【清水/しみず】大津が美星に告白したときその場に居合わせた。
【下條敏夫/しもじょう・としお】結城英美里の母、優里(ゆうり)の、今の夫。
【ジャズ】タレーランのBGMは基本的にジャズのようだ。
【シャルル★】タレーランにいるシャム猫。
【晶ちゃん】→水山晶子
【星後望/せいご・のぞみ】モンキーズカフェ店員。第一回京都コーヒーフェスティバルに店長の錦戸徹とともに参加。
【瀬古秀平】京都国際医療福祉学院の講師。伊達涼子の実技の練習に付き合わさせられることになった。
【舌瀬舞香/ぜっせ・まいか】椿カフェの店員。第一回京都コーヒーフェスティバルに店長の足伊豆とともに参加。どぎつい色の爪に金髪ギャル風。
【反町葵/そりまち・あおい】浅井一太が十年前に交際した女性。
【高野鷹】イーグルコーヒー店主。世界のコーヒーを出す。世界中のコーヒーを味わうために一緒に旅をした女性に急に婚約解消を切り出され了承した過去を持つ。
【伊達章三】伊達涼子の関係者。デイト薬品の伊達章三といえば財界で名を知らぬ者はないというくらいの人物。離婚している。
【伊達涼子】理学療法士をめざしている。
【足伊豆航/たりいず・こう】椿カフェのマスター。サーファー風のイケメン。チャラい感じ。第一回京都コーヒーフェスティバルに店員の舌瀬舞香とともに参加。
【タレーラン★】舞台となる珈琲店の名前だが元々はフランスの政治家の名前らしい。《良いコーヒーとは、悪魔のように黒く、地獄のように熱く、天使のように純粋で、そして恋のように甘い。》という名言を残したらしい。
【デカケッター】SNSの一種のようだ。まあ、だいたいTwitter相当かと。
【土居塔子】とある女子高生。名前まではわからなくてもこの娘がある巻の最初に出てくる少女でありある人物に化けているというのは謎でもなんでもなくすぐわかることでしょう。問題はどこで明らかにするかってとこ。いや、それもさほど重要ではないか。
【徳山実希/とくやま・みき】読裏新聞記者。現在は東京本社活字推進委員会勤務。高校生のビブリオバトルの大会に関わる。
【戸部奈美子】虎谷真実の友人。
【虎谷真実】アオヤマが2年ほど付き合った元カノ。通称マミー。柔道愛好会に入ってる。極端な性格でこの作品のギャグ担当? 続編あるなら今後の登場も期待。トラジャコーヒーにちなむ?
【中田朝子】イベント運営会社サクラチル社員。
【錦戸徹/にしきど・とおる】モンキーズカフェ店長。店員の星後望とともに第一回京都コーヒーフェスティバルに参加。
【根津焙煎所】主は根津選一。タレーランのコーヒーを焙煎しているロースター。タレーランを開く前から千恵さんと付き合いがあるらしい。
【ブルボンポワントゥ】《インド洋に浮かぶフランス海外県の世界遺産、レユニオン島で採れるコーヒー豆の名前です。》第七巻p.272。かつて人気を誇ったが衰退し日本のUCCが甦らせた。
【フレンチプレス】個人的に雑味のあるコーヒーが好みなんでフレンチプレスが向いてるんちゃうかなあと思ってますがまだ試してません。コーヒー店では意外に高いんで。良さそうやったら器具買おう思うてんですけど。
【平安神宮】第一回京都コーヒーフェスティバルが開催された岡崎公園のそばにある。寺社仏閣に興味はあるし始終前を通っていた時期があったけど中に入ったことがないです。どうもデカすぎてそんな気分になれない感じでした。桓武天皇が祀られている。
【眞子】とある少年が昔の河原で知り合った年上の女性。彼女をきっかけに理想のコーヒーを探しはじめることになった。旧姓は小島、今の姓は神崎。自分の思い描く物語で自分や他者をコントロールしようとするところがある。
【枡野和将/まきの・かずまさ】徳山実希の恋人。区役所勤務。
【黛冴子】第四回関西バリスタコンペティションの覇者。第五回にも参加、美星らと競った。というかトラブルを巻き起こした。
【三浦真琴/みうら・まこと】オカルト月刊誌『トナノ』編集長。
【満田凜】美大生。切間美空の軽音楽サークルの後輩。最近スランプぎみ。マンデリンにちなむ?
【水山晶子/みずやま・しょうこ】美星の友人にして保護者(のような感じになっている)。クリスタルマウンテンにちなむ? アオヤマのことを信用していない。
【ミスリード】この話はミスリードをさそうような書き方を頻繁に使うので常に注意が必要。いや、騙された方が楽しいので注意する必要もないか。
【皆川紀香】イーグルコーヒーのバイト従業員。
【峰岸/みねぎし】美星の高校時代の知人。自然に生きているだけで他者と軋轢を生じさせやすいタイプ。
【ミナト】ダーツプレイヤー。
【村治透】美大生。油絵学科。満田凜の元恋人。
【藻川小原/もかわ・おはら】又次老人の孫。息子の娘。今度高校二年生になる。名前の由来はスカーレット・オハラらしい。浜松在住。
【藻川千恵★】藻川又次の亡くなった妻。タレーランを実質的に切り盛りしていた人。美星の恩人とも言える。
【藻川又次★】タレーランのオーナー兼調理担当。アップルパイは絶品。ナポリタンもおすすめ。しゃべらなければ渋い。老人だがナンパが生きがい。モカマタリにちなむ?
【森場護】ロックオン・カフェ経営者。多くの弟子を育成し開業させた。アオヤマの師匠でもある。第一回京都コーヒーフェスティバルに参加した。
【康士】伊達涼子のとこに飯を食いに来る青年。兄弟とか血縁関係? あるいは幼馴染み? とはっきりしないところでネタが割れたり。サッカーをしていたがケガをしリハビリを受け理学療法士になりたいと考えた。
【結城英美里/ゆうき・えみり】ガールズバーで働いている。下條に呼び出され京都まで来てみると子供の頃別れた母が病気で余命いくばくもなく娘に会いたがっていると言う。
【米田堅蔵/よねだ・けんぞう】太陽珈琲主人。第一回京都コーヒーフェスティバルに参加。
【米田幸代】堅蔵とともに第一回京都コーヒーフェスティバルに参加。
【りりちゃん】コーヒー好きのビスクドール。
【ロックオン・カフェ】アオヤマがバイトしている喫茶店。ロックオンやから鹿苑寺(金閣寺)近くかなあとも思われる。アオヤマの大学は同大か立命館あたりかもしれない?