Posted by ブクログ
2020年10月16日
これまた何とも分類が難しい一冊(^ ^;
「謎解き要素」は色濃く通底していので、
一応ミステリにカテゴライズしてはみたが、
謎解きはメインではない。
崖地に建つシェアハウス「スツールハウス」。
そこにかつて住んでいた人たちが、
同窓会を開いたり相談事があって呼び出したりで
再会して、さて...とい...続きを読むう短編集。
一作ずつ独立したストーリーで、主人公も異なる。
が、微妙に章をまたいで登場する人物が出てくるので、
話に繋がりはないが「連作感」は感じる。
基本的には「昔住んでた人たち」の話なので、
「現在の」スツールハウスでの生活は登場しない。
それがちょっと不思議な感じ(^ ^;
皆往時を懐かしみつつも、それぞれに今の暮らしがあり、
当時も今も気持ちのすれ違いがあったり、
思い違いやわだかまりを抱えていたり...
掘り下げていくと一筋縄ではいかない(^ ^;
それを解決したりしなかったり(^ ^;
他の章で「オチ」へのヒントが匂わせてあったり(^ ^
通して読むと初めて浮かび上がってくる
意外な設定に驚かされたり(^ ^
仕掛けも種明かしも周到だが、技巧に走った印象はない。
むしろ粋で洒脱な読後感(^o^
強いて一冊通しての「テーマ」を探ろうとしてみると、
「過去のしがらみからの卒業と新たな旅立ち」
みたいな、こっぱずかしい話になってしまうか(^ ^;
それを「粋に」仕上げる作者の筆力は、
さすがの一言である(^ ^