藻川又次さんが倒れ、手術に際して、亡くなった奥さんである千恵さんが数年前に激怒して1週間家出した謎の調査を依頼されたお話
千恵さんは何故コーヒーカップを割ったことで怒ったのか?何故1週間も家出したのか?その間にどこで何をしていたのか?「コーヒーカップは水に流した」の真意とは?
調査が進むに連れて、とある画家の三枚組の遺作のうち発見されていない一枚が謎の鍵となるっている事が判明
果たして、その絵に描かれていたものとは?
また、又次さんのお見舞いに来たと孫の小原が言うが、どこか不審な行動……
普段は飄々と女好きな態度の又次さんも手術前には弱気になっている様子がウケる
というよりもアオヤマさんの振りが面白いのか?
そして、メインとなる謎について
手段と目的の逆転とか、最終的に判明した時系列からの推理とか、何気ない会話が前フリになってたりとか、構造的によく作り込まれていてとてもよいと思う
ただ、千恵さんの行動が許せるかどうかはまた別の話なわけで
肉体的な関係の有無が浮気の事実と直結はしないと思うけどね
何だかんだ言いつつも1週間の家出の事実はどう考えても又次さんへの裏切りにしか思えないんだがね
やはり、亡くなった人が墓まで持っていった秘密は暴くべきではないという教訓にも思える
もし、自分が又次さんの立場だったら、実際にそういったものがなかったとしても許せない気がする
ただ、そこを許せるのが又次さんの愛なんだなぁ
ってか、5巻の終わりで、アオヤマと美星さんの関係がいい感じで終わってた気がするけど、そんな事なかったかのように普通に始まってたね
そして中盤でのやりとりがエピローグの前フリになってる
今回はもっと踏み込んできた終わり方になっってはいるものの、美星さんは明確な返事はしてないんだよなぁ
次の巻でもまたさらっと始まったりするのか?
一番よかったのは、画家が何故依頼したのかという推理かな
正しいかどうかは別として、人を救うための推理はとても好感が持てる
こんな推理が展開される日常の謎は大好きです