すべての高評価レビュー
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Posted by ブクログ
ネタバレこれまで自分が読んだ本の中で最もおもしろい作品であり、最高の読書体験だった。
「週刊文春ミステリーベスト10 2022 国内部門 第1位」等の複数の受賞歴、当アプリ内での高評価は納得のいくものだと感じた。
なんといってもラストシーンが印象的だった。どんでん返しがあることは知っていたため推理をしながら読み進めたが全く通用せず、最後のシーンでは何とも言えない恐ろしさと爽快感で全身に鳥肌が立った。そこまでのストーリーも大変面白くて、あっという間に読み進めてしまった。自分も方舟の中にいるような感覚になり、犯人がわかったあとに犯人に懇願するシーンの不気味な状況や、主人公が犯人との別れ際に生への渇望に勝て -
Posted by ブクログ
「このミス」大賞と聞き、そして表紙の絵師の方を知っていたのですぐ買いました。
SNSで度々目にしていた「一次元の挿し木」を読むまで、正直この作品を知りませんでした。巻末にて「一次元の挿し木」は大賞ではない、ということを知り、これを超えた本があるのか、とその時初めて今作を知りました。
パン屋でミステリー?とずっと読むまで謎に思っていました。
ミステリーといえば、私の中では殺人事件などが起こるもの、と勝手に思っていたのでどんな物語になるのだろうと読むまでドキドキしてました。
しかし、読み進めていくと、殺人とは程遠い、ほのぼのとした日常の中に起こるトラブルとも言い難いような、そんな謎解きで、「こ -
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すごく混乱する話だった。登場人物のほとんどが大山正紀で、今どの大山正紀が喋ってるの、今どの大山正紀について語られてるの、と立ち止まってしまった。本筋自体はシリアスだし深刻な問題の筈なのに、大山正紀が多すぎてところどころ忍び笑いが漏れてしまう。
今まで自分の中では深く考えたことがなかった同姓同名問題が、思考実験のように様々な観点で検証されているようでとても興味深かった。同姓同名故の展開も真犯人の正体も捻りが効いていて面白い。
一方でSNSって地獄だなと思った。特に負の側面が強調されて描き出されているせいもあって重い溜め息をついてしまう。とは言え決して極端な話でもなく確かに既視感があるので始末が悪 -
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戦前から戦後にかけての激動の時代を駆け抜けた女性たちの姿を、西行という名のカフェーを舞台に描く。
いやーいい小説を読んだ。
こういうの好き。
一つ一つの物語に派手さはない。
けれど登場人物一人ひとりに、それぞれの困難があり、それも時とともにいい意味で色褪せていき、人生は続いていく。
カフェーにいる周りの人々は困難を解決してくれるわけではないけど、あたたかく寄り添ってくれる。
人が生きるってこういうことだよな、と思える作品。
この女性たちはフィクションの存在だけど、きっと同じように、人は生きてきたし、これからも生きていくんだと思う。
筆致で笑わせる描写もいくつかあって、作者の方は上 -
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日本人であるからにはいと度は体験したい!
……と憧れてやまない茶道。
その茶道を通して、著者が感じ取ったことが書かれている本書。
情景がイメージできる描写で、クセがなく、スルスルと頭に入っていくようだった。
また、お茶だけでなく、掛け軸やお花、茶器などの良さを伝えてくれ、茶道の奥深さを本書でも感じ取れた。
実は読んでいるときに、心が動いた文に付箋を貼っているが、後にその付箋を見返したら『今を楽しむ』ということを伝えている文章が多かった。
きっと、今の自分に足りないものは“今”を楽しむことなのかもしれない。
本書の中で、なるほど~と納得した一文がある。
「お茶会に来たら、必ずそうや -
Posted by ブクログ
「シルクロード」というタイトルから、往年の手垢のついた世界観の本でないといいなあ…と一抹の不安を覚えながら手に取った。
しかし、読み始めると不安は消し飛んだ。
まず、序章世界史を学ぶ理由が素晴らしい。ロマンや教養、といった美辞麗句ではなく、歴史を必要とするのは権力者、それを下支えする権威、宗教に触れていく。究極的には権力は暴力装置が源泉であり、経済力で購入可能でありまた維持が必要、などかなりドライでクールな世界認識を提示される。また、歴史学の在り方と著者のスタンスも示されるが、それは一転して熱い思いがこもっている。
また著者は独自の世界史の区分けを以下のとおり提示する。
世界史の八段階( -