あらすじ
”魔王”――結城中佐の発案で、陸軍内に極秘裏に設立されたスパイ養成学校”D機関”。その異能の精鋭達が、緊迫の諜報戦を繰り広げる! 吉川英治文学新人賞、日本推理作家協会賞に輝く究極のスパイミステリ。
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Posted by ブクログ
大日本帝国陸軍の上級将校、結城中佐の発案で極秘に設立されたスパイ養成学校「D機関」
諜報活動など卑怯で卑劣な行為!スパイなどという姑息な手段を用いるのは、日本古来の武士道に反する…と軍上層部からも強い反感を受ける「D機関」だったが…
頭脳明晰、冷静に任務をする諜報員たちにより「D機関」は確実に成果を上げていく…
「死ぬな、殺すな、とらわれるな」この規律を結城中佐に徹底的に叩き込まれた若き精鋭たち…
彼らは自分以外の何ものも信じていないニヒリスト!
命懸けのスパイ任務についたところでちょっと面白いゲームにすぎない…
彼らを突き動かすのは
手に負えぬほどの自尊心なのだ…
水曜日 23:30~24:00(BSテレ東)のアニメをみてはまり、調べてみたら舞台上演があるため9年ぶりに再放送されているものらしい…
それに2015年に映画まで上映されていたとは…
こんなおもいしろいスパイものに気がついていなかった私
いったい何をしていた…
アニメもおもしろいが、原作を読むとよりその世界観に浸ることができる
やはりスパイものはやめられない…(笑)
Posted by ブクログ
スパイと聞いて思い描く、華々しく目立つ活躍や、銃撃戦等のスリルさとは違う一種の生々しさが描かれていてとても面白かった。
読者も一緒に考えながら読むミステリというよりかは、最後の種明かしでどんでん返し的に話がオチる爽快感を感じられた。
一人一人のキャラクターが際立ち、D機関のスパイ達の異質さが良かった。
続編も手に入れたので、近々通して読んでみようと思う。
Posted by ブクログ
スパイ養成機関D機関のスパイの活動を描いたスパイ・ミステリー。五話収録で一話あたりが左程長くないのでサクサク読めますね。スパイとは。というのをじっくり描いているので面白かったです
Posted by ブクログ
かなり面白かった。
9年前に放送されていた(9年前⁉︎)アニメは見ていたが今年舞台があるということで思い出しがてら原作小説を読んでみることに。
短編集というかオムニバス形式となっていてスパイの静かな駆け引きがカッコ良くてどんどん読み進められた。結城中佐が魅力的なキャラすぎる!
シリーズも読んでみようと思う。
Posted by ブクログ
死ぬな 殺すな とらわれるな
「活躍」という言葉も「暗躍」という言葉からもどこか遠い、徹底的に己を殺して空気となり任務を遂行するスパイたちの物語。
読み始めると、急にモノクロで、埃っぽい空気の場所に放り込まれたような気持ちになる。
とにかく状況を理解しようと、主人公を壁の影から見守っているような気持ちではらはら読み進める。
彼ら一人一人の気持ちや行動を少し理解して、物語の結末を知る頃には、もう次の舞台が用意されている気配を感じる。
なんだか、わたし自身が彼らのスパイになったような気持ち 笑
Posted by ブクログ
柳広司
1967年三重県生まれ。神戸大学法学部卒。1998年、『挙匪(ボクサーズ)』で歴史群像大賞佳作。2001年、『黄金の灰』(原書房)でデビュー。2001年『贋作「坊ちゃん」殺人事件』で第12回朝日新人文学賞受賞。2006年に刊行した『トーキョー・プリズン』は日本推理作家協会賞の最終候補作品になる。他に、『新世界』『はじまりの島』『聖フランシスコ・ザビエルの首』『ジョーカー・ゲーム』などがある。
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アニメから見たので、?だったところが「なるほどそういうことだったのか」と読めば読むほどスルスル頭に入り理解できました。
これがノンフィクションであれば"ありえない"の一言で締めくくってしまいますが、フィクションだからこそ期待と驚きに満ち溢れていて"ありえない"を可能にするD機関がかっこよすぎました。
私は三好大好き人間ですので、1章のジョーカー・ゲームが1番お気に入りです。
佐久間を煽りつつも任務はちゃんと遂行する。最高すぎる。
もちろん他の章もあっと驚かされるものばかりで読むのが一瞬のように感じられました。
「死ぬな、殺すな、とらわれるな」
舞台が戦時中の日本なのがまた良い味出しますね。
結城中佐の言葉の名言の数々、どれも素晴らしいものばかりです。
こういう推理とアクションがメインの作品が好きなのでなぜもっと早く読まなかったのだろうと悔やんでも悔やみきれません。
また、柳広司先生の文章は自分と相性が良かったのでジョーカー・ゲームシリーズは勿論、他の作品も読んでみたいと思います。
Posted by ブクログ
戦争中のスパイの暗躍を描く短編集。
スパイたちの異能で超人ぶりにもワクワクするが、なんと言っても元締め結城中佐の渋くてクールなかっこよさ。
あるがままの世界を自分自身の目で見る「とらわれない」ことって、スパイじゃなくても大切な生き方である気がした。
Posted by ブクログ
終始かっこいい。
名前や肩書きに囚われず、自由自在に存在を変えながら任務をこなすスパイたちの生き様。鮮やかな手口はまるで怪盗のイリュージョンのようだけど、それを誇示することは無く、任務が済めば跡も残さず姿を消す。仕事人ではあるが忠誠心は無い、執着を持ってはいけない、愛情さえも…という、常人ではとても理解できないが、だからこそ無性に惹かれてしまうかっこよさがあった。
章ごとに視点人物が代わる、舞台も変わる、登場人物が多いし偽名も入り混じるのに、ふしぎと読みやすくテンポの良い作品。楽しく読めた。
旧日本軍が苦手とした諜報もの
史実では、ゾルゲ事件や紫暗号解読など旧日本軍は諜報戦を苦手とした と 一般的に言われている。
この小説はそこを逆手にとってこんな諜報機関があったのだ という視点で書いている。
現在、歴史として記録に残っていないのはその諜報機関(D機関)がうまく機能したことの証拠である と空想してしまいそうなほど良くできた小説である。
今の日本における諜報活動にも思いをはせそうな小説。
極限
圧倒的なスリルと冷酷さにとらわれ,どんどん読み進めてしまう。
自分とかけ離れた能力の人達が生きる,非日常の世界。
決してハッピーなストーリーではないけれど,終わらせ方が,嫌いじゃない。
Posted by ブクログ
クールでハードボイルドなスパイ物
派手なアクションとかではなく、スパイのリアルな実情を描いた様な作品です
文章も巧みで引き込まれました
面白かったです
Posted by ブクログ
最後、結城中佐かっこよかった。部下達の事きちんと考えてる事がしっかり分かる。
どの短編も視点が様々で読み応え、スリルがあった。
こんな人間いるのか…とは思うがスパイってすごい。結城中佐の過去編とか読みたいな。
Posted by ブクログ
#ジョーカー・ゲーム
#柳広司
アニメ化されたものを先に見ていたけれど、原作を読むとよりミステリ感が前面に出ていて良い。
スパイものは概してサスペンス寄りになりがちだけど、本作はきちんとスパイとミステリが共存する秀作だったよ。続編も読まなくては。
#読者好きな人と繋がりたい
Posted by ブクログ
スパイもの面白かった。
色々なスパイ活動を見られて、特に潜入がバレた場合が見られたのがよかった。
こんなんアニメとかで放送されたら子どもが憧れちゃいそうだ笑
あの時代にこんな現代的思考の組織はきっと秘密裏だろうと存在しなかったと思うけど、内実はフィクションとはいえ実在した陸軍諸々が腐されてるのはわりと胸がすっとした。
Posted by ブクログ
ジョーカー・ゲーム
ジョン・ゴードン
アメリカ人技師。
佐久間
陸軍中尉。諜報員養成学校、“D機関”初代の受験者たちが選抜試験を受けるところから立ち会っている。
武藤
陸軍大佐。
三好
少尉。
結城
大日本帝国陸軍中佐。かつて優秀なスパイだった。結城の発案で“情報勤務要員養成所設立準備事務室”を開設。
波多野
神永
小田切
甘利
実井
幽霊 ゴースト
蒲生次郎
英国総領事公邸に通う。テーラー・テラシマの店員。
アーネスト・グラハム
英国総領事。
ジェーン・グラハム
総領事夫人。
張大明
総領事の執事。内部協力者。
岸谷
錠前破り専門の泥棒。
ロビンソン
伊沢和男
前田の甥っ子。前田の後を任された。
前田弥太郎
十五年前にロンドンに来て写真館を開いた。最近体を壊して、夫婦ともども日本に帰国した。
外村均
最近ロンドン駐在になった新米外交官。
ハワード・マークス中佐
英国諜報機関に籍を置く“スパイの元締め”の一人。
魔都
本間英司
憲兵軍曹。三ヶ月前に上海に派遣。
及川政幸
憲兵大尉。
横沢
陸軍中将。
宮田伸照
憲兵伍長。血まみれの死体で発見された。
ジェームス警部
共同租界の治安維持を司る租界警察の事実上の指揮官。
吉野豊
憲兵上等兵。
涌井光毅
上海憲兵本隊長。
塩塚朔
上海日日新聞記者。
草薙行仁
塩塚の帝大時代の同級生。
XX ダブル・クロス
安原ミヨコ
結城のお友だち。劇団の後輩。
カール・シュナイザー
表向きはドイツの有名新聞〈ベルリン・アルゲマイネ〉の海外特派員記者。
飛崎弘行
少尉。
葛西
宗像
山内
秋元
中瀬
結城
中佐。飛崎たちの直属の上司。
マジンガー
大佐。大使館のゲシュタポ代表。
ちづネェ
西山千鶴。幼少の頃の飛崎の世話をしてくれた女性。
野上百合子
カール・シュナイザーと親密な関係があった。劇団員。
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刊行されて20年弱経つ作品だが、こんな作品が未読で残っていたなんて。凄い設定だ。それよりも結城中佐のモデルとなる人物がいたことにさらに驚いた。
Posted by ブクログ
各話にはそこまで繋がりはなく、結城中佐と「死ぬな、殺すな、とらわれるな。」を戒律として叩き込まれたスパイ養成学校の生徒達の活動の話。
「何かにとらわれて生きることは容易だ。だが、それは自分の目で世界を見る責任を放棄することだ。自分自身であることを放棄することだ
の一文にグッときた。
とらわれないことが容易でないことを思わされたのと、自分の目で世界を見られる人間でありたいと思った。
調べれば答えが見つかったり、何かに追従したり括ったりすることで考えることを放棄しがち現代だけど、その中でも自分自身から出てきた言葉の重みというものを度々痛感させられる。
また自分がブレてしまいそうな時に読み返したい。
シリーズ続編も気になる。
Posted by ブクログ
スパイ養成学校で徹底的にいろはを叩き込まれた天才たちの話。
特に敵国で捕まり拷問を受けるシーンにスパイの本質が見れた気がした。
死んでもなお失敗は許されない。
Posted by ブクログ
「D機関」を軸として主人公が入れ替わりながら進むスパイミステリー。どこまでも冷静で任務を全うするカッコよさ、主人公の心情も相まって、毎回惹き込まれて毎回そういうことか!って思わせてくれる。短編で程よい頁数なので「いつでもどこでも読書」のお供に最適。
Posted by ブクログ
帝国陸軍内で秘密裏に設立されたのはスパイ養成機関。
世界大戦の頃には各国で似たような組織があったのでしょうね。(今もあるかw)
「スパイはなんとしても生きなければならない」というのは日本で受け継がれてきた武士道とは真逆の思想ですが、大切なことなのでしょう。
友人からのプレゼントで初めて読みましたが、シリーズ化やアニメ化も納得の面白さですね。
Posted by ブクログ
柳広司さん著「ジョーカーゲーム」
初めて読む著者の作品。吉川英治文学新人賞と日本推理協会賞のW受賞作品。
観てはいないがアニメ化もされているとの事。
作品は帝国陸軍に組織されたスパイ養成機関「D機関」で繰り広げられる連作短編集。表紙の椅子に座った方が魔王こと結城中佐なのだろう、彼が組織し集めた精鋭達の物語が繰り広げられている。
非常に面白かった。自分にはスパイ物の作品というよりミステリー作品としての方が強い印象をうけた。
頭脳と能力とが研ぎ澄まされた精鋭達が作品内で躍動している。各編で主人公は変わるのだが結城中佐が主軸にいるため各編に統一性と一貫性が生まれていてとても読みやすい短編集だった。
この作品の素晴らしい所が時代背景にあるであろう。スパイ養成所として名高い陸軍中野学校が設立された昭和12年という年に重ね合わせる様に「D機関」も設立されている設定。まさしく「D機関」のモデルは陸軍中野学校なのだろう。
戦争という国と国との戦いの為に精鋭されたスパイを養成するという、その時代背景こそがこの作品に奥行きを与えていると感じられた。
シリーズ化されているので次作、「ダブルジョーカー」も読んでみようと思う。
Posted by ブクログ
めちゃカッコいい
「D機関」という名前も良いし、メンバーの設定も良い
名前を知られたらスパイとしてはクビという事だとなると界隈で有名すぎるイーサン・ハントはアウトって事になるんでしょうか
物語も程よい長さでサクサク読み進められ、ページをめくる手が止まりません
開戦までの日本と列強のスパイ同士の痺れる様なやり取りが物語にすると面白いんでしょうね
もっと話を作られそうな設定なのでドンドン書いて欲しいです
Posted by ブクログ
ジョーカーゲームシリーズ1
アニメは見たことあってその時から好きでした。
原作も面白かった。
第二次世界大戦の時代の話は興味あるので時代も感じれて楽しかったです!
Posted by ブクログ
スパイ養成所であるD機関の人間は、日本帝国軍の信条とはかけ離れた考えを持ち、まるでゲームのように諜報戦を鮮やかに制していく。表題作は信念に囚われた軍人には一生見つけることはできないという日本帝国版『盗まれた手紙』だと感心しました。
何よりも魅力は何手先も読む明晰さと非情に徹する冷酷さ、その実行力を持つ結城中佐で、それが発揮された『ロビンソン』がお気に入り。
Posted by ブクログ
結城中佐は、超人的な人物だ。彼の生い立ちが詳しく知りたくなった。XXが一番面白かった。。解説によるとD機関は、実在した組織を描いたものらしい。
Posted by ブクログ
みんなで難関な任務をこなしていく話だと思ってた。 一話づつ違う視点と登場人物しかも偽名なんで感情移入し辛いなと。 短編集として任務を覗いてる感じで読むと面白いかな。
匿名
登場するスパイ達がみんな魅力的でカッコイイ!
フィクションで広く描かれるスパイ像とは一味違うのもまた興味深い。
ストーリーのテンポもよく、短編集なので一気読み必至の作品。