あらすじ
世界のビジネスエリートはなぜ歴史を学ぶのか?
「意思決定の質」が変わる
人類社会の「傾向」を知ろう
日本の強みはセンスにあり
ベストセラー『人生の経営戦略』などの著者と「歴史を面白く学ぶコテンラジオ」MCの初対談
人文知は、思考や判断、行動を変える。
●失敗するリーダーや組織には共通点がある
●世界のスター経営者は人文科学系の出身
●「アメリカ一強」から「権力が分散する時代」へ
●組織や文明が滅ぶ一番の理由は「内部分裂」
●「まだ大丈夫」という瞬間は、すでに危機
●ナンバー1がナンバー2の戦略をマネたら負ける
●伸びている会社の特徴は「おせっかい」
●変化を無視した成功体験の再現は失敗する
●日本は「長中期的な合理性」に対するセンスがいい
●人類は「儀式」をしなければ合意形成できない
AIの進歩などによって「常識」や「正解」が激変し、ビジネスの世界でもパラダイム・シフトが起きつつある。
そんな不確実な時代を生き抜くビジネスパーソンには「人文科学」の知見が必要なのだ。
これからの世界と日本を考えるための必読書。
【目次】
はじめに 山口周
第1章 ビジネスパーソンに人文知は必須である
1:失敗するリーダーと組織の共通点
2:時間軸を長く、空間軸を広くとる
3:世界は「アメリカ一強」から「権力が分散する時代」へ
4:人類社会には「傾向」がある
5:世界のスター経営者は人文知を学んでいる
6:変化が激しい時代は対話力を高めよう
7:「常識」が一生の間に何度も変わる
8:ビジネスでパラダイム・シフトが起こる
第2章 すべての出来事は過去に起きている
9:人間は基本的に変わらない
10:タイミングを読む力タイミングを読むにも現状理解
11:過ちを繰り返さないために
12:21世紀的な企業のあり方
第3章 歴史はどう動くのか
13:技術革新が社会を変える
14:規範は時代で変化する
15:勝者になれる人の条件
第4章 歴史を武器にする独学の技法
16:まず「問い」を立てる
17:学びに近道はない
18:全体感をつかみながら知識を深める
19:ビジネスのアナロジーで考えない
第5章 これからの世界
20:ナンバー1がナンバー2の戦略をマネたら負ける
21:組織は内部分裂で壊れる
22:欧米は「理性を駆動させれば真理に到達する」と信じている
第6章 日本の未来
23:「空気を読む」スキルは世界で活かせる
24:「魔改造」が日本の伝統
25:ダブルスタンダードに耐え続けているのは日本だけ
26:「封建資本主義」が世界のモデルに
27:人類は「儀式」をしなければ合意形成できない
28:数字ですべては測れない
29:日本の強みはセンスにあり
30:確変する世界で求められるエリート像
おわりに 深井龍之介
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Posted by ブクログ
『人文知は武器になる』(山口周・深井龍之介)は、歴史・哲学・文学といった人文学を「教養として知っておくもの」ではなく、現実の仕事や人生で使える“思考の武器”として捉え直す一冊です。
本書の面白いポイントは、「なぜ今、人文知が必要なのか?」を現代社会の変化と結びつけて考えているところ。正解が決まっている問題であれば、データや論理、そしてAIを活用することで効率よく答えを出せます。しかし、「そもそも何を目指すのか」「何を良いとするのか」といった正解のない問いになると、最後は人間自身が価値判断をしなければなりません。そこで重要になるのが、過去の人類が積み重ねてきた人文知です。
特に興味深いのは、歴史を「昔の出来事」ではなく、人間と社会の巨大なケーススタディとして捉える視点。組織がなぜ衰退するのか、権力を持った人間はどう変化するのか、社会の価値観はなぜ転換するのか。歴史や哲学を知ることで、目の前の出来事をより長い時間軸から考えられるようになります。
また、人文知を大量の知識を覚えることとは捉えていない点も印象的です。重要なのは、過去の思想や出来事を材料にして、「今の常識は本当に正しいのか?」と問い直すこと。知識量よりも、物事を見る視点を増やすことに価値が置かれています。
AIによって「答える力」の価値が変化していく時代だからこそ、「何を問うか」「何を選ぶか」が重要になる。人文学とビジネスが意外なほど近いことに気づかせてくれる、知的好奇心を刺激する一冊です。
Posted by ブクログ
非常に勉強になった。組織や時代の構造を理解しようと努め、解像度を上げることがどんな仕事においてもパフォーマンスにつながる。自分と世界というような二項対立ではなく、諸行無常で揺れ動く中で、自分と世界との関係性の中に真理を見る。
Posted by ブクログ
podcast関連の本、連続。今度はコテンラジオの深井 龍之介。
それもリベラルアーツの巨匠、山口周との対談。
難解なところも多々あったが、結構響いた。
一番きいたのは
わかる は 変わる
かな。本当にわかる、ということは、自分が変わって初めていえる、というもの。
それと、
世界で最もうまくいった革命は「明治維新」で、
それが実現できた背景には各藩が独自の教育をしていたから、
というドラッカーの説。
やはり均一ではいかんのだ。
地方の賢い奴が本当に将来を考え作り上げる社会。
そう、本当に不思議なのは、
江戸時代の既得権益者であった武士がどうして自分の権利を放棄したか。
もちろん不平武士たちが西南の役で闘ったり、というのはあったにしても、
日本中の殿様が蜂起したっておかしくなかったが、そうしなかった。
それはおそらく日本のためを考えてのこと。
自分より国。
今の世の中では難しい考えがこの時は生きた。
・・・私も今はまず「個」が優先、っていってるしなあ、、、
あいまいによその制度を取り込んでしまう日本、というのも面白い観点。
なかなか読み応えのある新書だった。
はじめに 山口周
優秀さの定義が書き換わる
AIに代替される知的生産
「正しさ」が揺らぐ
世界を理解するための見取り図
「判断の基準」をつくるための訓練
第1章 ビジネスパーソンに人文知は必須である
1:失敗するリーダーと組織の共通点
複数の視点を獲得することが人文知
正確な現状認識が成否を決める
2:時間軸を長く、空間軸を広くとる
いま、起きていることを理解する
「新しい世界の見方」が必要に
3:世界は「アメリカ一強」から「権力が分散する時代」へ
まだ大丈夫だという瞬間は… …
世界秩序が書き換わった
米中による「新グレートゲーム」
21世紀の覇権国は?
4:人類社会には「傾向」がある
未来について考えるには
すべての学問に関わる土台
哲学史はトーナメント戦
「東大クイズ王」と日本の教育カースト
5:世界のスター経営者は人文知を学んでいる
MBAより人文知
個人の「人生の競争戦略」にとって大きなチャンス
習った知識が使えない時代には人文知
6:変化が激しい時代は対話力を高めよう
日本の経営者はエキスパートの活用が苦手
日本には「翻訳者」が欠けている
7:「常識」が一生の間に何度も変わる
幸せだと思っていた生き方が否定される
アジア的・インド的な哲学が鍵に
8:ビジネスでパラダイム・シフトが起こる
企業が国家機能の一部を担っていく
企業価値はどうすれば高められるのか
優秀な人材を確保するには
なぜ過去に多くの企業や産業が滅びていったのか
これからのリーダーに求められる力
第2章 すべての出来事は過去に起きている
9:人間は基本的に変わらない
経験を活かさない手はない
10:タイミングを読む力タイミングを読むにも現状理解
アーリーアダプターとパラドックス
秀吉は「波に乗る達人」、人文知を活かした家康
ネスレがインド市場でシェアトップの理由
衝動を回復せよ
イギリス外交の四つの要諦
11:過ちを繰り返さないために
この100年で何が変わったのか
中世には存在しなかった世界的リスク
アメリカは理念と利得で動く
次の世代のために、よりよい世界を
12:21世紀的な企業のあり方
中国の古典がきっかけ
哲学は思考回路をたどることが大事
失敗の経験をためてわかってきた
仮説は早めに絞ろう
未開拓かつ競合が少ないものを取りに行く
伸びている会社の特徴は「おせっかい」
第3章 歴史はどう動くのか
13:技術革新が社会を変える
ヘーゲルか、ニーチェか、シュペングラーか
構造的な変化で、正解がバグになる
世界大戦の背景
人類史における変化の因果関係
14:規範は時代で変化する
ガンダムを操縦している感覚で生きる
社会の規範は技術革新で変わる
規範に振り回されないためには
株式会社はとんでもない発明
航空機を進化させたイノベーション
15:勝者になれる人の条件
社会にとって希少なものが何かで勝利条件は変わる
「傾向」は繰り返されている
パクス昭和後の厄介な時代
第4章 歴史を武器にする独学の技法
16:まず「問い」を立てる
日本の教科書はおもしろくない
具体的な問いか、抽象的な問いか
問いを立てるにも教養が必要
17:学びに近道はない
一生続ける覚悟を
聖書を文学部的に読む
18:全体感をつかみながら知識を深める
読む本をどう見極めるか
ビジネスパーソン勢が横断的な勉強をする意味
読書は身体行為
19:ビジネスのアナロジーで考えない
人文知は競争優位に貢献する
学んだことで絶望することも
ジョギングやダイエットと同じ
「わかる」から「かわる」
第5章 これからの世界
20:ナンバー1がナンバー2の戦略をマネたら負ける
復古主義的な動きは衰退フェーズ
変化を無視した成功体験の再現は失敗する
衰退論が流行るのは絶頂期
大国は「過剰拡大」で衰退する
中世に戻り、宗教がますます重要に
21:組織は内部分裂で壊れる
文明が滅びるのは内的要因
既得権益の固定化が衰退を招く
22:欧米は「理性を駆動させれば真理に到達する」と信じている
相手を知ろうとする感覚が重要
アメリカが他国を理解しようとしない理由
日本以外のG7メンバーはキリスト教国
第6章 日本の未来
23: 「空気を読む」スキルは世界で活かせる
日本人が培ってきた「ハイコンテキスト文化」
日本が主導できる領域
24: 「魔改造」が日本の伝統
これから国風文化の時代に
「下部構造」は変わらない
25:ダブルスタンダードに耐え続けているのは日本だけ
血反吐を吐くまで葛藤した夏目漱石
永井荷風の絶望
西洋と自国文化の板挟みに悩んだ、日本とトルコ
日本は強いポジションをとれる
大阪のおばちゃんのウィズダム
26: 「封建資本主義」が世界のモデルに
「跡継ぎ企業」と公共性
日本にしかとれない戦略
明治は欧米型に近い競争社会だった
27:人類は「儀式」をしなければ合意形成できない
未来は予測できるのか?
ビジネス界を支配しているのは「古い哲学」
矛盾を引き受け決着させるのが、経営者の責任
古代中国では亀の甲羅で意思決定
儀式のスタイルを時代に即したものに
28:数字ですべては測れない
ロバート・ケネディの問いかけ
理性を信じると間違える可能性が高い
投資家や金融機関は「意志」と「気概」を
なぜ日本でスタートアップが育たないのか
29:日本の強みはセンスにあり
言語化できないけど実践できる
センスで動く日本、ロジックだけで動く欧米
ドラッカーが称賛した明治維新
30:確変する世界で求められるエリート像
本質的な決定を下す力
アメリカのマネで失敗
日本なりの多様性を
変化に気づかない組織やエリートは退場する
おわりに 深井龍之介
「外圧」ではなく「自らの意思」で決める
コストをかけるという覚悟
日本が知の先進国となるために
人文知のエコシステムを支えたい
最後に
Posted by ブクログ
哲学と歴史、それぞれの専門家による対談形式で、人文知の面白さを学べる一冊だった。
歴史を単なる過去の出来事としてではなく、現代と結び付けて考えることで世界の解像度が上がり、それが人生や社会をより良くすることにつながるという考え方が印象に残った。一方で、人文知は即効性のある知識ではなく、ダイエットやジョギングと同じように継続して学び続けることが大切だと感じた。
また、21世紀に成長している企業の共通点が「おせっかい」という視点も興味深く、俯瞰的・複眼的に物事を見る重要性を改めて考えさせられた。
この本を通じて最も心に残ったのは、「何に時間を使うのか覚悟を決める」ということ。一度ですべてを理解する本ではなく、時間を置いて読み返すたびに新たな発見がある一冊だと思う。
Posted by ブクログ
控えめに言って最高だった
考え方の、時間軸や空間軸が確実に広がった
(強く印象に残った内容)
AI時代でどう生きるか
優秀の定義はかわる
複数の視点を持ち、正確な現状認識が重要となる
そのために、
人文知を学び、時間軸を長く、空間軸を広くとる
現代のアメリカ一強から権力が分散する時代での生き方
人間は基本的に変わらない
過去の経験活かさない手はない
歴史はどう動いてきたか
これからの世界
No.1がNo.2の戦略を真似たら負ける
日本の未来
「空気を読む」スキルは世界で活かせる
ダブルスタンダードで耐え続けているのは日本だけ
「跡継ぎ企業」と公共性
日本にしかとれない戦略
人類は儀式をしなければ合意形成できない
矛盾を引き受け決着させるのが経営者の責任
日本の強みはセンスにあり
言語化できないけど実践できる
Posted by ブクログ
人文知の分野に、アートやデザインは入らないのかもしれないが、正解のない世界の中で、いかに筋の良い問いを立てて物事を解決に導くべく試行錯誤するかというところが、歴史や哲学などと似ているのかもしれない。その意味で、この二人の対談は良い化学反応が起きる良い組み合わせだった。
歴史の解像度を上げることは、過去の事例に学ぶという表面的なことだけではなく、人間の持つ性とは何かを知ることにもなるし、未来を大局的に捉えるための手段とも言えそう。
Posted by ブクログ
コテンラジオのファンで購入。深井龍之介の言語化力、思考の整理の仕方がすさまじい。繰り返し読みたくなるし、嫌われる勇気以来の指針になるような本だった。
Posted by ブクログ
山口周さんの本は何度も読んだが、らしいなと思いながらも深井龍之介さんとの対談形式で今までは異なる気づきも得られた。AI時代になり正解を出すことの価値はなく、正しい問いを立てられる人に価値の源泉が移っているということは言われて久しいが、人文知をその思考の土台として捉えている点が興味深い。哲学、歴史、文学、芸術など一見ビジネスとは対極にありそうな存在を人間の価値観や社会の変化を深く理解するために欠かせないものという考えが興味深い。
本を読み歴史を学ぶことが良質な問い立てを育てる営みと感じたq
Posted by ブクログ
期間を開けて読んだので、最初あたりの内容を明確に思い出せないが、文学部歴史学科出身としては自分の人生を肯定されてるような気持ちになった。
趣味や興味関心のコンテンツの一部にしか過ぎず、実用性のないもの、博物館の収入目標など人文系が蔑ろにされているようなイメージがある中でこの本の内容は嬉しかった。
匿名
この時代に大切な本
深井龍之介さんがCotenラジオで繰り返し発信されていたことを、山口周さんとの対談で明解にわかりやすい事例を挙げながら紹介されていました。
時代が急激に変化している今だからこそ必要な認識。
Posted by ブクログ
この本では人文知そのものではなく、時間と空間を広くとらえるということの「重要性」が力説されている。
人文知という言葉自体にあまり馴染みがなく、義務教育の範囲すら忘れていることを思い知らされた。
ラベリングがきつすぎるのではと思うところもあったものの、自分にとっては普段聞かない話で面白かった。
ダブルスタンダードを乗りこなすべき、という最終章あたりが特に印象的で、夏目漱石がどういう人だったのかにも興味がわいた。
Posted by ブクログ
日経のレビューにあった通り、少し歴史により過ぎてはいるが、数字では測ることのできないものが実は重要で、日本人は自分たちの良さをもっと認識して欧米の真似だけではなく、経営をしていくべきだというのはその通りだと思った。
Posted by ブクログ
対談本はあまり読まないのだけど、著者二人ともファンなので手に取った。ビジネスパーソンにこそ人文知が必要というメッセージに勇気づけられる。一方で、歴史の勉強や哲学の勉強って一人でどうやったらいいのだろうと途方に暮れる。古典を読んでみたらいいのかな。
Posted by ブクログ
コテンの深井さんがコテンラジオを通して伝えていることがより凝縮されている本。
激動の時代だからこそ、判断に正解がない世界だからこそメタ認知そして人文知が必要となる。
新しい思考方法のきっかけになる良書だと思います。
Posted by ブクログ
古典ラジオも面白いし、良い本だった。
とにもかくにも知見を広げて、正きを知り自分の中で考えを持つことが大事だなと。
そして、私利私欲に走ることなく
Posted by ブクログ
著者2人が、「人文知」の重要性について語る、対談形式の新書。
しょっぱなから「コンピテンシー」「ディレッタント」「コモディティ化」「コンテキスト」と横文字のオンパレードで、意識高い系で進むのかと思いきや、対話を通じて、何となくはわかっていた「歴史を学ぶことの意義」の解像度がより増した。
とくに著者の1人、深井氏の説明は非常にわかりやすい。「人文知」とビジネスを繋いでいくことが、今後の日本の在り方に大きく貢献するだろうと、納得させられた。
昨今の人文学軽視の風潮には個人的に思うところもあり、人文学の有用性について折に触れ考えてもいたので、こういう言語化が上手な人がビジネスに繋げてくれるというのは、非常に心強い。
時間をかけて、人文知をものにしていくことが、人類の幸せに寄与すると信じられたのが、私にとっても嬉しい収穫だった。
Posted by ブクログ
COTENラジオをポッドキャストでよく聴いていて、深井さんの対談本が出たというので読むのを楽しみにしていた。
人文知をビジネスパーソンが学ぶ意義が伝わる本。
・AIが普及した時代に価値が上がるのは、面白い問いを立てる能力と、出した解を実行する能力
・過去からの流れを知らなければ、いま起きていることを深く理解することはできないし、未来について考えることもできない
・日本の政治や社会のあり方はデュアルスタンダード。
Posted by ブクログ
個人的に1番の収穫は、歴史を勉強する具体的なインプット方法について学べたことだった。ただがむしゃらに歴史を最初っから順に見ていくのは難しいと思ってる人達はまずこの本を読むべき!問いを立て、それを抽象化させ歴史を掘っていくことが大事。
Posted by ブクログ
AIが登場したからこそ、まさに人文知は武器になると思っていて、幼い頃からいろんなジャンルの本を読んできたことが今こそ報われる気がしているのですが、改めて死ぬまで学び続けようと思わせてくれる本でした。
山口周さんと深井龍之介さんのそれぞれの視点が興味深く、解像度が上がったこともたくさん!今読むべき新書。
Posted by ブクログ
かなり難しかったので、二回読みました。
コテンラジオのリスナーなので、深井さんがいつも伝えようとしていることの断片は、なんとなく頭に入っていました。でも、それはあくまで断片。本書では、山口さんとの対話によって、それらの断片がテーマごとに整理され、体系立てられているように感じました。僕自身も、こうして自分なりの言葉でまとめる機会を作れたことが、とても良かったなと思います。
ーーー
これからの時代、特に生成AIの登場によってこれまで以上に、変化が激しくスピードの速い時代に突入していくのだと思います。
そして歴史を振り返ると、技術に大きな革新が起きたあとには、我々にとっての「当たり前」であった規範や価値観が「必ず」変化してきたそうです。
(技術革新で生産体制が変わる→生活の制約条件が変わる→それに適応する形で家族形態が変わる→最後にそれを正当化・安定化させるための規範や価値観が書き換えられる)(p.128)
変化していく規範や価値観というのは、働き方・家族のあり方・幸福感など、私たちが生活を送るうえで重要な事柄ほぼ全てですね。それらがどんどんすごく速いペースで変化していく。
「今」良しとされていることを続けているだけでは、15〜20年単位で起こる価値観の変化に対応できなくなる可能性もあるのだと感じました。
そのような、変化の激しい時代を生き抜くための武器になるのが「人文知」なのだと言います。
「人文知」とは、哲学・歴史・文学・宗教・芸術などの学問から得られる、人間や社会を理解するための知識と思考様式の総称。
中でも、ケーススタディの宝庫である歴史から学べることは多い。異なる文化や異なる時代の様々なケースを学ぶことで、相対的に「今」の「自分(たち)自身」や「自分の社会」がどういうものか、初めて輪郭線が見えてくる。
人文知を学ぶことで現状理解が深まる。むしろ、人文知なしに現状理解をすることは難しいのではないか、とも感じました。
“現状理解ができていない人の意思決定は、ただの運頼みになってしまい、成功に再現性がなくなります”(p.31)
“「彼を知り己を知れば百戦殆からず(孫子)」と言っている通りなのですが、現状を理解していれば、未来予測の精度が高い戦略を立てられるという感覚ですね。”(p.84)
現状を理解しておくことの重要性。刻々と、しかも非常に速いペースで「当たり前」が変化していく時代だからこそ、自分の置かれている立ち位置を見失わないために、常に現状理解が重要になる。そして、その現状理解を深めるためには、人文知を学ぶことが必要なのだと思いました。
本書のp.126あたりでは、深井さんが「学ぶことに興味を持つきっかけ」について、子どもの頃のエピソードを話されていました。コテンラジオを通して聴いていても、このエピソードはたぶん初めてだったので、「へー!」となりました。
後半では、人文知の重要性を踏まえたうえで、「これからの時代、日本人である我々はどうしていけばいいのか」というテーマも非常に興味深かったです。
日本人は、言葉そのものよりも背景や文脈、暗黙の了解、表情や身振りなどの非言語情報に重きを置く「ハイコンテキスト文化」の中で生きています。
その文化の中で育つことで、苦手な相手ともなんとなくうまくやっていく力が自然と身についている。
これは日本人の特性であり、欧米的な「唯一の正解を求める文化」とは対照的です。
また、日本人には短期的な損得だけではなく、中長期的な合理性を重視できる特性もあるそうです。(明治維新はまさにその例らしい)
だからこそ、それらを自分たちの強みとして自覚し、「現状認識」を持ったうえで行動していくことが大切なのだと言います。
日本人の特性や強みを、ここまで言語化して示してくれたことは、個人的にかなり良かったです。とても学びになりました。
Posted by ブクログ
すべての出来事は過去に起きている。
古典ラジオファンとしてはいつも深井さんが言っていることだなと思った。何度も聞いている話なので、すんなりと腹落ちしたように思う。
山口さんの本は知ってるけどちゃんと読んでないので読んでみたいと思った。実際、ビジネスマンのトップの人の話だろうと思ってあまり手に取ろうとは思ってなかった。
今回の本で、トップでもビジネスマンでもない自分にも少しできることはありそうだと思えた。例えば、歴史の価値を伝えること。歴史の面白さを教えること。学ぶことは、解ること。解るとはいうことは、自分が変わるということ。自分が変わるということは、自分の行いに対して、一歩引いてメタ認知すること。教科書読んで、わかった気になるだけではダメで、やはり自分と違う価値観の人と繋がって、ぶつかって、振り返ってしないとな。
自分は問いはあるけど、考えが薄い。そしてそれをうまく人に伝えることはできていない。それをまずは、自分の中ではっきりさせ、誰かに伝えることをもっとやりたいなと思った。
最後に、ふとおもったのは、このままだと負ける。いや、勝てるみたいな話は、ビジネスにおいて大切なのは解るが、勝つ負けるってなんなんだろう?勝たなきゃいけないんだっけ?と問いができた。
Posted by ブクログ
AIが正解を出すスキルを陳腐化する世の中で、外部環境の現状認識を高め、自分自身の置かれた環境を相対化(メタ認識)するには過去の人文知に触れることで、「おもしろい問いを立てる」能力と「出した解を実行する」能力を身に着けることを投げかける。
前半はCOTENの宣伝とも取れる退屈な内容だったが、後半にかけてこれからの世界や日本の取りうる未来について著者の二人が議論する様はとても興味分かかった。
この書籍でも文化人類学・社会人類学が他者理解に重要というコメントもあり、この分野の書籍に触れていきたい。
Posted by ブクログ
繰り返しが多くて途中から少し退屈した。
理系が大事!と言われる時代に哲学とか社会学、外国語や比較文化の分野が好きな自分としてはちょっと嬉しく感じた。人文知が土台となって意思決定などに役に立つのはわかるけど、終わりがない、はっきりとした答えがない学問だと思う。学ぶにはかなりの時間と労力がかかるし自分がわかるようになる自信はない。まず一歩踏み出すなら、色んな宗教についてもう少し学んで他国の文化のベースとなる考えを学んでみたいなと思った。
日本人は柔軟で曖昧も許せて、なんだかんだフットワーク軽い、言外の意志を読む、新しいものに適応していける、他国のものを取り入れて改造する、というのが他の国の人とは異質で興味深いと思っていた。この本を読んで、それを強みととらえて他国の真似ではなくもっと活かしていければいい、という視点が得られたのは良かった。
読書メモ
自分とは全く異なる価値観や信仰を持つ人たちがどういうロジックでその判断に至っているのかを理解する。
人間はどうしても自分の人生経験から考えてしまいがち。歴史を勉強したり本を読んで空間的にも時間的にも幅広く知ることで相対的に自分が所属する社会について知ることができる。
Posted by ブクログ
第4章(歴史を武器にする独学の技法)がおもしろかった。AI時代に人間には問いを立てる力が必要であり、問いを立てるにも教養や歴史が必要。その意味でも歴史を学ぶ価値がある。
Posted by ブクログ
対談なので読みやすいです。自分が学生だった30年前、理系人材がもっと必要だと言われていて、今は更にIT人材、ともっと絞られた言い方で就職に有利だとか言われているけど、そうか、もうそのあたりの仕事はAIが担ってくれる世界になったのか、と思いました。タイパを重要視する世界で、時間をかけて積み上がってきたものから学んで、問いを立てることが人間に残された仕事だと考えると、子供たちの世代への声掛けに工夫が必要だと感じました
Posted by ブクログ
山口周氏の最新の対談であるため、期待をして手に取った。感想としては、このテーマであれば、山口氏単独の書物として体系的な整理をして頂いた方が読者としてはありがたかったという印象。対談では山口氏が深井氏を試すような問いを投げかける場面が頻出するが、持っている知識のお披露目会のようであり、そこから議論が深くは発展せず、中途半端さが多く残った。後半に登場する「坊ちゃん」の解釈や、ロバート・ケネディのメッセージの引用は、山口氏ならではの知識、読み込みの奥深さを感じた。
Posted by ブクログ
深井龍之介と山口周との対談形式で人文知が今後いかに重要になるかを語っている。対談形式なので分かりやすく書かれており、それでいて様々な学びもあった。
変化が激しい時代で今後ビジネスパーソンに求められる能力や日本が武器にしていけることなどもあったが、2人の学ぶ姿勢やどのように読書と向き合っているかなど個人での考えや行動も非常に勉強になる。
ただ正直書かれている内容は分かるのだが、まだ自分自身の行動にどう紐づけて行けば良いのか、自分のキャリアと合わせた時に人文知がどのように重なってくるのかまだ分らないし個人レベルではどのように影響してくるのかは理解出来ていない。
今回の読書をきっかけとしてまずは試してみて、問いを立てながら、学びながら、耐えながら、学んで再度この本を読み直した時に、身体的に理解できるようになれるようにしていきたいと感じた。
Posted by ブクログ
反対はないんだけど、
ちょっといい切りが強くてそういう方向性でしたっけ?
と疑問には思った。
これが答えだというのがないから、
そんな中でも私は信じたことをやるんですという感じだったと思ったんだけど、
この本は語り口調が余りにエリート過ぎるというか、
なんというか目がキマってると感じてしまうのは
私のレベルが低いからなんだろうか?
なんか、そんなこんなで大筋同意しつつも
素直に飲み込めなかったなぁ。
Posted by ブクログ
・歴史を勉強したくなってくる
・ビジネスの現場はそれどころじゃない、目の前のことに植物的に取り組まなければならない、と言うような現場状況を少し軽視しているような感じがした