【感想・ネタバレ】人文知は武器になるのレビュー

あらすじ

世界のビジネスエリートはなぜ歴史を学ぶのか?

「意思決定の質」が変わる
人類社会の「傾向」を知ろう
日本の強みはセンスにあり

ベストセラー『人生の経営戦略』などの著者と「歴史を面白く学ぶコテンラジオ」MCの初対談

人文知は、思考や判断、行動を変える。

●失敗するリーダーや組織には共通点がある
●世界のスター経営者は人文科学系の出身
●「アメリカ一強」から「権力が分散する時代」へ
●組織や文明が滅ぶ一番の理由は「内部分裂」
●「まだ大丈夫」という瞬間は、すでに危機
●ナンバー1がナンバー2の戦略をマネたら負ける
●伸びている会社の特徴は「おせっかい」
●変化を無視した成功体験の再現は失敗する
●日本は「長中期的な合理性」に対するセンスがいい
●人類は「儀式」をしなければ合意形成できない

AIの進歩などによって「常識」や「正解」が激変し、ビジネスの世界でもパラダイム・シフトが起きつつある。
そんな不確実な時代を生き抜くビジネスパーソンには「人文科学」の知見が必要なのだ。
これからの世界と日本を考えるための必読書。

【目次】

はじめに 山口周

第1章 ビジネスパーソンに人文知は必須である
1:失敗するリーダーと組織の共通点
2:時間軸を長く、空間軸を広くとる
3:世界は「アメリカ一強」から「権力が分散する時代」へ
4:人類社会には「傾向」がある
5:世界のスター経営者は人文知を学んでいる
6:変化が激しい時代は対話力を高めよう
7:「常識」が一生の間に何度も変わる
8:ビジネスでパラダイム・シフトが起こる

第2章 すべての出来事は過去に起きている
9:人間は基本的に変わらない
10:タイミングを読む力タイミングを読むにも現状理解
11:過ちを繰り返さないために
12:21世紀的な企業のあり方

第3章 歴史はどう動くのか
13:技術革新が社会を変える
14:規範は時代で変化する
15:勝者になれる人の条件

第4章 歴史を武器にする独学の技法
16:まず「問い」を立てる
17:学びに近道はない
18:全体感をつかみながら知識を深める
19:ビジネスのアナロジーで考えない

第5章 これからの世界
20:ナンバー1がナンバー2の戦略をマネたら負ける
21:組織は内部分裂で壊れる
22:欧米は「理性を駆動させれば真理に到達する」と信じている

第6章 日本の未来
23:「空気を読む」スキルは世界で活かせる
24:「魔改造」が日本の伝統
25:ダブルスタンダードに耐え続けているのは日本だけ
26:「封建資本主義」が世界のモデルに
27:人類は「儀式」をしなければ合意形成できない
28:数字ですべては測れない
29:日本の強みはセンスにあり
30:確変する世界で求められるエリート像

おわりに 深井龍之介

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

対人関係、本、旅の経験を人生かけて深めること。これをすることで解像度を高めるのです。現代において、社会を動かしているのは、国や行政ではなく企業や会社になる。

だからこそ、資本主義や市場主義の方が強く、共産主義や社会主義は衰退するのです。

0
2026年09月05日

Posted by ブクログ

対話式で読みやすい。内容も良かった。

これをきっかけに各国の歴史やこれまでの経済のあり方などを振り返ることで、よりこの本の伝えたいことが力を持つと思いました。

0
2026年09月01日

Posted by ブクログ

 私は理系分野、特に応用的な授業を担当している。世の中が変わり、社会や人の意識の変化により、今までの理論や戦略では立ち打ちできなくなってきた。そのような時になぜか引かれる学問領域が歴史学であった。これまでの先人たちが何を失敗し、どのように考えてきたのかと言うことが非常に参考になった。ちょうどその頃、書店にこの本が並べられ目を引いた。私が自分の専門領域だけでは立ち打ちが行かないと感じたことが、この本の中に解として書かれていた。
 『はじめに』の中に書かれていた。AI時代になって必要となる知識は、アジェンダの設定と仮説の構築であり、そのためには歴史、哲学、文学がいかに重要であるか、改めて感じることができた。自分の理系分野で、新たなるアジェンダを設定し、仮説を構築するためにも、ぜひとも幅広く人文知に積極的に触れてみたいと思う。

0
2026年08月23日

Posted by ブクログ

この本を読んで歴史の学び直しがしたくなって、いざやってみたら楽しくなって、教材まで作ってしまった…笑

0
2026年08月17日

Posted by ブクログ

人文知を一生かけて学び続けるという覚悟。。
対談形式だったので読みやすかった、人文知を勉強するだけでなく具体⇆抽象のトレーニングや言語化力なども併せて強化することが必要だと思わされた。

山口さんの話がYouTubeで面白かったから他の本も読んでみたい。

0
2026年08月17日

Posted by ブクログ

『人文知は武器になる』(山口周・深井龍之介)は、歴史・哲学・文学といった人文学を「教養として知っておくもの」ではなく、現実の仕事や人生で使える“思考の武器”として捉え直す一冊です。

本書の面白いポイントは、「なぜ今、人文知が必要なのか?」を現代社会の変化と結びつけて考えているところ。正解が決まっている問題であれば、データや論理、そしてAIを活用することで効率よく答えを出せます。しかし、「そもそも何を目指すのか」「何を良いとするのか」といった正解のない問いになると、最後は人間自身が価値判断をしなければなりません。そこで重要になるのが、過去の人類が積み重ねてきた人文知です。

特に興味深いのは、歴史を「昔の出来事」ではなく、人間と社会の巨大なケーススタディとして捉える視点。組織がなぜ衰退するのか、権力を持った人間はどう変化するのか、社会の価値観はなぜ転換するのか。歴史や哲学を知ることで、目の前の出来事をより長い時間軸から考えられるようになります。

また、人文知を大量の知識を覚えることとは捉えていない点も印象的です。重要なのは、過去の思想や出来事を材料にして、「今の常識は本当に正しいのか?」と問い直すこと。知識量よりも、物事を見る視点を増やすことに価値が置かれています。

AIによって「答える力」の価値が変化していく時代だからこそ、「何を問うか」「何を選ぶか」が重要になる。人文学とビジネスが意外なほど近いことに気づかせてくれる、知的好奇心を刺激する一冊です。

0
2026年08月13日

Posted by ブクログ

非常に勉強になった。組織や時代の構造を理解しようと努め、解像度を上げることがどんな仕事においてもパフォーマンスにつながる。自分と世界というような二項対立ではなく、諸行無常で揺れ動く中で、自分と世界との関係性の中に真理を見る。

0
2026年08月06日

Posted by ブクログ

podcast関連の本、連続。今度はコテンラジオの深井 龍之介。
それもリベラルアーツの巨匠、山口周との対談。
難解なところも多々あったが、結構響いた。

一番きいたのは

わかる は 変わる

かな。本当にわかる、ということは、自分が変わって初めていえる、というもの。

それと、
世界で最もうまくいった革命は「明治維新」で、
それが実現できた背景には各藩が独自の教育をしていたから、
というドラッカーの説。
やはり均一ではいかんのだ。
地方の賢い奴が本当に将来を考え作り上げる社会。
そう、本当に不思議なのは、
江戸時代の既得権益者であった武士がどうして自分の権利を放棄したか。
もちろん不平武士たちが西南の役で闘ったり、というのはあったにしても、
日本中の殿様が蜂起したっておかしくなかったが、そうしなかった。
それはおそらく日本のためを考えてのこと。
自分より国。
今の世の中では難しい考えがこの時は生きた。
・・・私も今はまず「個」が優先、っていってるしなあ、、、

あいまいによその制度を取り込んでしまう日本、というのも面白い観点。

なかなか読み応えのある新書だった。






はじめに 山口周
 優秀さの定義が書き換わる
 AIに代替される知的生産
 「正しさ」が揺らぐ
 世界を理解するための見取り図
 「判断の基準」をつくるための訓練
第1章 ビジネスパーソンに人文知は必須である
 1:失敗するリーダーと組織の共通点
  複数の視点を獲得することが人文知
  正確な現状認識が成否を決める
 2:時間軸を長く、空間軸を広くとる
  いま、起きていることを理解する
  「新しい世界の見方」が必要に
 3:世界は「アメリカ一強」から「権力が分散する時代」へ
  まだ大丈夫だという瞬間は… …
  世界秩序が書き換わった
  米中による「新グレートゲーム」
  21世紀の覇権国は?
 4:人類社会には「傾向」がある
  未来について考えるには
  すべての学問に関わる土台
  哲学史はトーナメント戦
  「東大クイズ王」と日本の教育カースト
 5:世界のスター経営者は人文知を学んでいる
  MBAより人文知
  個人の「人生の競争戦略」にとって大きなチャンス
  習った知識が使えない時代には人文知
 6:変化が激しい時代は対話力を高めよう
  日本の経営者はエキスパートの活用が苦手
  日本には「翻訳者」が欠けている
 7:「常識」が一生の間に何度も変わる
  幸せだと思っていた生き方が否定される
  アジア的・インド的な哲学が鍵に
 8:ビジネスでパラダイム・シフトが起こる
  企業が国家機能の一部を担っていく
  企業価値はどうすれば高められるのか
  優秀な人材を確保するには
  なぜ過去に多くの企業や産業が滅びていったのか
  これからのリーダーに求められる力
第2章 すべての出来事は過去に起きている
 9:人間は基本的に変わらない
  経験を活かさない手はない
 10:タイミングを読む力タイミングを読むにも現状理解
  アーリーアダプターとパラドックス
  秀吉は「波に乗る達人」、人文知を活かした家康
  ネスレがインド市場でシェアトップの理由
  衝動を回復せよ
  イギリス外交の四つの要諦
 11:過ちを繰り返さないために
  この100年で何が変わったのか
  中世には存在しなかった世界的リスク
  アメリカは理念と利得で動く
  次の世代のために、よりよい世界を
 12:21世紀的な企業のあり方
  中国の古典がきっかけ
  哲学は思考回路をたどることが大事
  失敗の経験をためてわかってきた
  仮説は早めに絞ろう
  未開拓かつ競合が少ないものを取りに行く
  伸びている会社の特徴は「おせっかい」
第3章 歴史はどう動くのか
 13:技術革新が社会を変える
  ヘーゲルか、ニーチェか、シュペングラーか
  構造的な変化で、正解がバグになる
  世界大戦の背景
  人類史における変化の因果関係
 14:規範は時代で変化する
  ガンダムを操縦している感覚で生きる
  社会の規範は技術革新で変わる
  規範に振り回されないためには
  株式会社はとんでもない発明
  航空機を進化させたイノベーション
 15:勝者になれる人の条件
  社会にとって希少なものが何かで勝利条件は変わる
  「傾向」は繰り返されている
  パクス昭和後の厄介な時代
第4章 歴史を武器にする独学の技法
 16:まず「問い」を立てる
  日本の教科書はおもしろくない
  具体的な問いか、抽象的な問いか
  問いを立てるにも教養が必要
 17:学びに近道はない
  一生続ける覚悟を
  聖書を文学部的に読む
 18:全体感をつかみながら知識を深める
  読む本をどう見極めるか
  ビジネスパーソン勢が横断的な勉強をする意味
  読書は身体行為
 19:ビジネスのアナロジーで考えない
  人文知は競争優位に貢献する
  学んだことで絶望することも
  ジョギングやダイエットと同じ
  「わかる」から「かわる」

第5章 これからの世界
 20:ナンバー1がナンバー2の戦略をマネたら負ける
  復古主義的な動きは衰退フェーズ
  変化を無視した成功体験の再現は失敗する
  衰退論が流行るのは絶頂期
  大国は「過剰拡大」で衰退する
  中世に戻り、宗教がますます重要に
 21:組織は内部分裂で壊れる
  文明が滅びるのは内的要因
  既得権益の固定化が衰退を招く
 22:欧米は「理性を駆動させれば真理に到達する」と信じている
  相手を知ろうとする感覚が重要
  アメリカが他国を理解しようとしない理由
  日本以外のG7メンバーはキリスト教国

第6章 日本の未来
 23: 「空気を読む」スキルは世界で活かせる
  日本人が培ってきた「ハイコンテキスト文化」
  日本が主導できる領域
 24: 「魔改造」が日本の伝統
  これから国風文化の時代に
  「下部構造」は変わらない
 25:ダブルスタンダードに耐え続けているのは日本だけ
  血反吐を吐くまで葛藤した夏目漱石
  永井荷風の絶望
  西洋と自国文化の板挟みに悩んだ、日本とトルコ
  日本は強いポジションをとれる
  大阪のおばちゃんのウィズダム
 26: 「封建資本主義」が世界のモデルに
  「跡継ぎ企業」と公共性
  日本にしかとれない戦略
  明治は欧米型に近い競争社会だった
 27:人類は「儀式」をしなければ合意形成できない
  未来は予測できるのか?
  ビジネス界を支配しているのは「古い哲学」
  矛盾を引き受け決着させるのが、経営者の責任
  古代中国では亀の甲羅で意思決定
  儀式のスタイルを時代に即したものに
 28:数字ですべては測れない 
  ロバート・ケネディの問いかけ
  理性を信じると間違える可能性が高い
  投資家や金融機関は「意志」と「気概」を
  なぜ日本でスタートアップが育たないのか
 29:日本の強みはセンスにあり
  言語化できないけど実践できる
  センスで動く日本、ロジックだけで動く欧米
  ドラッカーが称賛した明治維新
 30:確変する世界で求められるエリート像
  本質的な決定を下す力
  アメリカのマネで失敗
  日本なりの多様性を
  変化に気づかない組織やエリートは退場する
おわりに  深井龍之介
 「外圧」ではなく「自らの意思」で決める
 コストをかけるという覚悟
 日本が知の先進国となるために
 人文知のエコシステムを支えたい
 最後に

0
2026年07月24日

Posted by ブクログ

哲学と歴史、それぞれの専門家による対談形式で、人文知の面白さを学べる一冊だった。

歴史を単なる過去の出来事としてではなく、現代と結び付けて考えることで世界の解像度が上がり、それが人生や社会をより良くすることにつながるという考え方が印象に残った。一方で、人文知は即効性のある知識ではなく、ダイエットやジョギングと同じように継続して学び続けることが大切だと感じた。

また、21世紀に成長している企業の共通点が「おせっかい」という視点も興味深く、俯瞰的・複眼的に物事を見る重要性を改めて考えさせられた。

この本を通じて最も心に残ったのは、「何に時間を使うのか覚悟を決める」ということ。一度ですべてを理解する本ではなく、時間を置いて読み返すたびに新たな発見がある一冊だと思う。

0
2026年07月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

控えめに言って最高だった
考え方の、時間軸や空間軸が確実に広がった


(強く印象に残った内容)
AI時代でどう生きるか
優秀の定義はかわる

複数の視点を持ち、正確な現状認識が重要となる

そのために、
人文知を学び、時間軸を長く、空間軸を広くとる
現代のアメリカ一強から権力が分散する時代での生き

人間は基本的に変わらない
過去の経験活かさない手はない

歴史はどう動いてきたか

これからの世界
No.1がNo.2の戦略を真似たら負ける

日本の未来
「空気を読む」スキルは世界で活かせる

ダブルスタンダードで耐え続けているのは日本だけ
「跡継ぎ企業」と公共性
日本にしかとれない戦略

人類は儀式をしなければ合意形成できない

矛盾を引き受け決着させるのが経営者の責任

日本の強みはセンスにあり
言語化できないけど実践できる

0
2026年07月14日

Posted by ブクログ

将来に対し、数字や合理性を越えたところにある「意思」を通すために哲学や歴史、文学などの人文学が必要という話は印象的だった。

また人文知を学ぶ態度は「自分が愚かであり何も分かっていないことを自覚し続け」るものであり、終わりはなく一生学び続ける覚悟がいる。歴史を知るのは面白いからいいんだけどね。汲めど尽きせぬ知識の泉。俺は何も分かっていない。

コテンラジオをシリーズごとに2周くらいしてクルーにも入る程度には聞いているので、本書に出てくる話は何度も聞いたことのあるものだった。しかしテキストとして手元に置けるのはありがたい。

0
2026年09月04日

匿名

購入済み

この時代に大切な本

深井龍之介さんがCotenラジオで繰り返し発信されていたことを、山口周さんとの対談で明解にわかりやすい事例を挙げながら紹介されていました。
時代が急激に変化している今だからこそ必要な認識。

#深い #タメになる

0
2026年05月07日

Posted by ブクログ

歴史上の事例や思想などを現在のビジネスや生活形態に結びつけて対話式で説明してくれているのがとてもわかりやすく、内容も興味深いものや名前のみ既知の歴史上の事例を詳しく結びつけていて学びが多かった。
本書で出てきた、「歴史上では技術や政治的な変革と共に変化、成長をしてきた中昭和はある意味長年平和でその中で長年かけて定着した様式や方法を現在でもいまだに使い続けているから勝利条件が変わっていることに気づけず、一生懸命やっているのにうまくいかない状況が発生する。」という説明が現代の日本の世界の中で見て経済成長など色々と遅れていることへの回答としてとても腑に落ちて面白かった。

0
2026年09月06日

Posted by ブクログ

この本では人文知そのものではなく、時間と空間を広くとらえるということの「重要性」が力説されている。
人文知という言葉自体にあまり馴染みがなく、義務教育の範囲すら忘れていることを思い知らされた。
ラベリングがきつすぎるのではと思うところもあったものの、自分にとっては普段聞かない話で面白かった。
ダブルスタンダードを乗りこなすべき、という最終章あたりが特に印象的で、夏目漱石がどういう人だったのかにも興味がわいた。

0
2026年08月01日

Posted by ブクログ

日経のレビューにあった通り、少し歴史により過ぎてはいるが、数字では測ることのできないものが実は重要で、日本人は自分たちの良さをもっと認識して欧米の真似だけではなく、経営をしていくべきだというのはその通りだと思った。

0
2026年07月14日

Posted by ブクログ

対談本はあまり読まないのだけど、著者二人ともファンなので手に取った。ビジネスパーソンにこそ人文知が必要というメッセージに勇気づけられる。一方で、歴史の勉強や哲学の勉強って一人でどうやったらいいのだろうと途方に暮れる。古典を読んでみたらいいのかな。

0
2026年07月10日

Posted by ブクログ

かなり難しかったので、二回読みました。
コテンラジオのリスナーなので、深井さんがいつも伝えようとしていることの断片は、なんとなく頭に入っていました。でも、それはあくまで断片。本書では、山口さんとの対話によって、それらの断片がテーマごとに整理され、体系立てられているように感じました。僕自身も、こうして自分なりの言葉でまとめる機会を作れたことが、とても良かったなと思います。
ーーー
これからの時代、特に生成AIの登場によってこれまで以上に、変化が激しくスピードの速い時代に突入していくのだと思います。
そして歴史を振り返ると、技術に大きな革新が起きたあとには、我々にとっての「当たり前」であった規範や価値観が「必ず」変化してきたそうです。

(技術革新で生産体制が変わる→生活の制約条件が変わる→それに適応する形で家族形態が変わる→最後にそれを正当化・安定化させるための規範や価値観が書き換えられる)(p.128)

変化していく規範や価値観というのは、働き方・家族のあり方・幸福感など、私たちが生活を送るうえで重要な事柄ほぼ全てですね。それらがどんどんすごく速いペースで変化していく。
「今」良しとされていることを続けているだけでは、15〜20年単位で起こる価値観の変化に対応できなくなる可能性もあるのだと感じました。

そのような、変化の激しい時代を生き抜くための武器になるのが「人文知」なのだと言います。
「人文知」とは、哲学・歴史・文学・宗教・芸術などの学問から得られる、人間や社会を理解するための知識と思考様式の総称。

中でも、ケーススタディの宝庫である歴史から学べることは多い。異なる文化や異なる時代の様々なケースを学ぶことで、相対的に「今」の「自分(たち)自身」や「自分の社会」がどういうものか、初めて輪郭線が見えてくる。

人文知を学ぶことで現状理解が深まる。むしろ、人文知なしに現状理解をすることは難しいのではないか、とも感じました。

“現状理解ができていない人の意思決定は、ただの運頼みになってしまい、成功に再現性がなくなります”(p.31)
“「彼を知り己を知れば百戦殆からず(孫子)」と言っている通りなのですが、現状を理解していれば、未来予測の精度が高い戦略を立てられるという感覚ですね。”(p.84)

現状を理解しておくことの重要性。刻々と、しかも非常に速いペースで「当たり前」が変化していく時代だからこそ、自分の置かれている立ち位置を見失わないために、常に現状理解が重要になる。そして、その現状理解を深めるためには、人文知を学ぶことが必要なのだと思いました。

本書のp.126あたりでは、深井さんが「学ぶことに興味を持つきっかけ」について、子どもの頃のエピソードを話されていました。コテンラジオを通して聴いていても、このエピソードはたぶん初めてだったので、「へー!」となりました。

後半では、人文知の重要性を踏まえたうえで、「これからの時代、日本人である我々はどうしていけばいいのか」というテーマも非常に興味深かったです。

日本人は、言葉そのものよりも背景や文脈、暗黙の了解、表情や身振りなどの非言語情報に重きを置く「ハイコンテキスト文化」の中で生きています。
その文化の中で育つことで、苦手な相手ともなんとなくうまくやっていく力が自然と身についている。
これは日本人の特性であり、欧米的な「唯一の正解を求める文化」とは対照的です。
また、日本人には短期的な損得だけではなく、中長期的な合理性を重視できる特性もあるそうです。(明治維新はまさにその例らしい)

だからこそ、それらを自分たちの強みとして自覚し、「現状認識」を持ったうえで行動していくことが大切なのだと言います。
日本人の特性や強みを、ここまで言語化して示してくれたことは、個人的にかなり良かったです。とても学びになりました。

0
2026年05月26日

Posted by ブクログ

・AI登場後の知的生産上の差別化の源泉は、「1.アジェンダの設定」「2.仮説の構築」。正解を出すよりも、問いの質の差になる。
・現在の世界は「正しさ」そのものが断片化している。様々な「正しさ」が存在し、普遍的な規範を存在しなくなってきている。
・「問を立てる力」「前提を疑う力」は、経営課題の整理に直結する。ビジネスパーソンには「複数の視点を獲得することが重要であり、それこそが人文知(リベラルアーツ)である。
・産業では過剰供給されると何がおこるかというと、ボトルネックが隣の工程に移動する。いま過剰供給されているのはAIの能力。
・いまボトルネックとなっているのは、「おもしろい問を立てる能力」「出した解を実行する能力」。「正解を出せる人」を相変わらず求めているが、それはもはやボトルネックではない。
・ホモサピエンスは、基本的に儀式をしないと集団での合意形成ができない。そのコンセンサスを得るために、ものすごいコストを人類はかけてきた。昔は占い儀式であり、今はコンサルフィー。それができる人が、その社会で最も高い報酬を得ている。

0
2026年08月27日

Posted by ブクログ

山口周さんと深井龍之介さんの対談本。なのでもし音声で聞けるならそれが一番読み(聴き)やすいように思う。2人の声と顔を思い浮かべながら読んだ。

歴史って過去のことだから、それを学ぶのはどれほど大事なことなのか、学生時代はまるで理解してなかったし、大人になった今も取り立てて歴史についての知識を深められていない自分を恥じた。歴史を知ることで、未来の予測ができる。深井龍之介さんはすごいと思う。

リベラルアーツを学ぶことの大切さも改めて知ることができて、良かった。アメリカの大学では最初の2年くらいはリベラルアーツをみっちり勉強することが多い理由につながった。

0
2026年08月26日

Posted by ブクログ

「理系こそが正義」と思い込んでいた自分が、なぜ今ビジネスの現場で文系知の価値を確信しているのか。
ソフトウェア開発の最前線でAIと向き合う中で見えてきた、「人文知という名の無意識の筋トレ」の必然性を言語化してくれた一冊。

昔は「理系でなければキャリアに役立たない」と考え、生まれ変わるなら、あるいは自分の子どもには理系に進んでほしいとすら思っていた。

しかし、法学や経営学といった文系分野を学び、ソフトウェア開発・販売企業でビジネス職(POなど)を務める今、強く感じることがある。
それは、「開発職をはじめとする理系人材だけでは、進むべき方向性を描き、意思決定を下すことはできない」ということだ。

本書は、その違和感に対するひとつの明確な答えを提示してくれた。

正解や常識が絶えず揺らぎ、無数に分岐する現代において、画一的な基準や規範だけで物事を判断することはできないし、すべきでもない。
コンテキストや関係性、関係者の意思を汲み取ったとしても、絶対の正解など存在しない。
だからこそ最後は、「好き」「やりたい」「こうあるべきだ」という個人の主観や美意識が判断の軸になる。

最近は業務でAIと対話する機会が増えたが、AIに対して「正誤」を指摘することはほとんどない。
むしろ「なんとなく違和感がある」「美しくない」「別の視点から捉えるとこうではないか」といった指摘が大半を占める。

これは正解を知っているからではなく、これまで思考し蓄積してきた文脈を、無意識のうちに総動員して判断しているからだ。

哲学や歴史を学ぶ意義は、まさにこの「無意識の筋トレ」にある。
直線的にすぐ目に見える成果へ結びつくわけではなく、じっくりと時間がかかる。
だが、だからこそ長期的なリソースを投下する価値があるのだという本書の主張に、深く膝を打った。

新書らしい手軽さがあり、ポッドキャストや動画でも触れられるトピックという側面はあるものの、日々の実務実感と知見がクリアに結びつく本だった。

0
2026年08月24日

Posted by ブクログ

COTENやまぼろし会議は好きだけど、人文知はしょうじき全然ピンと来ておらず、この本を読んでもほとんど理解度が変わらなかった。対談本なので学ぶための本ではないのでしょうが。

はじめにとおわりにで本書の内容が凝縮されています。

0
2026年08月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

すべての出来事は過去に起きている。
古典ラジオファンとしてはいつも深井さんが言っていることだなと思った。何度も聞いている話なので、すんなりと腹落ちしたように思う。
山口さんの本は知ってるけどちゃんと読んでないので読んでみたいと思った。実際、ビジネスマンのトップの人の話だろうと思ってあまり手に取ろうとは思ってなかった。
今回の本で、トップでもビジネスマンでもない自分にも少しできることはありそうだと思えた。例えば、歴史の価値を伝えること。歴史の面白さを教えること。学ぶことは、解ること。解るとはいうことは、自分が変わるということ。自分が変わるということは、自分の行いに対して、一歩引いてメタ認知すること。教科書読んで、わかった気になるだけではダメで、やはり自分と違う価値観の人と繋がって、ぶつかって、振り返ってしないとな。
自分は問いはあるけど、考えが薄い。そしてそれをうまく人に伝えることはできていない。それをまずは、自分の中ではっきりさせ、誰かに伝えることをもっとやりたいなと思った。
最後に、ふとおもったのは、このままだと負ける。いや、勝てるみたいな話は、ビジネスにおいて大切なのは解るが、勝つ負けるってなんなんだろう?勝たなきゃいけないんだっけ?と問いができた。

0
2026年08月15日

Posted by ブクログ

AIが正解を出すスキルを陳腐化する世の中で、外部環境の現状認識を高め、自分自身の置かれた環境を相対化(メタ認識)するには過去の人文知に触れることで、「おもしろい問いを立てる」能力と「出した解を実行する」能力を身に着けることを投げかける。
前半はCOTENの宣伝とも取れる退屈な内容だったが、後半にかけてこれからの世界や日本の取りうる未来について著者の二人が議論する様はとても興味分かかった。

この書籍でも文化人類学・社会人類学が他者理解に重要というコメントもあり、この分野の書籍に触れていきたい。

0
2026年08月12日

Posted by ブクログ

繰り返しが多くて途中から少し退屈した。

理系が大事!と言われる時代に哲学とか社会学、外国語や比較文化の分野が好きな自分としてはちょっと嬉しく感じた。人文知が土台となって意思決定などに役に立つのはわかるけど、終わりがない、はっきりとした答えがない学問だと思う。学ぶにはかなりの時間と労力がかかるし自分がわかるようになる自信はない。まず一歩踏み出すなら、色んな宗教についてもう少し学んで他国の文化のベースとなる考えを学んでみたいなと思った。
日本人は柔軟で曖昧も許せて、なんだかんだフットワーク軽い、言外の意志を読む、新しいものに適応していける、他国のものを取り入れて改造する、というのが他の国の人とは異質で興味深いと思っていた。この本を読んで、それを強みととらえて他国の真似ではなくもっと活かしていければいい、という視点が得られたのは良かった。

読書メモ
自分とは全く異なる価値観や信仰を持つ人たちがどういうロジックでその判断に至っているのかを理解する。
人間はどうしても自分の人生経験から考えてしまいがち。歴史を勉強したり本を読んで空間的にも時間的にも幅広く知ることで相対的に自分が所属する社会について知ることができる。

0
2026年08月09日

Posted by ブクログ

第4章(歴史を武器にする独学の技法)がおもしろかった。AI時代に人間には問いを立てる力が必要であり、問いを立てるにも教養や歴史が必要。その意味でも歴史を学ぶ価値がある。

0
2026年08月07日

Posted by ブクログ

ちょっと中身は浅い。それぞれ個別に見る方が遥かに面白い。特に山口周さんは本で読んだ方がいい。深井さんはコテンラジオ聴くべし

0
2026年08月04日

Posted by ブクログ

対談なので読みやすいです。自分が学生だった30年前、理系人材がもっと必要だと言われていて、今は更にIT人材、ともっと絞られた言い方で就職に有利だとか言われているけど、そうか、もうそのあたりの仕事はAIが担ってくれる世界になったのか、と思いました。タイパを重要視する世界で、時間をかけて積み上がってきたものから学んで、問いを立てることが人間に残された仕事だと考えると、子供たちの世代への声掛けに工夫が必要だと感じました

0
2026年07月26日

Posted by ブクログ

山口周氏の最新の対談であるため、期待をして手に取った。感想としては、このテーマであれば、山口氏単独の書物として体系的な整理をして頂いた方が読者としてはありがたかったという印象。対談では山口氏が深井氏を試すような問いを投げかける場面が頻出するが、持っている知識のお披露目会のようであり、そこから議論が深くは発展せず、中途半端さが多く残った。後半に登場する「坊ちゃん」の解釈や、ロバート・ケネディのメッセージの引用は、山口氏ならではの知識、読み込みの奥深さを感じた。

0
2026年07月26日

Posted by ブクログ

深井龍之介と山口周との対談形式で人文知が今後いかに重要になるかを語っている。対談形式なので分かりやすく書かれており、それでいて様々な学びもあった。

変化が激しい時代で今後ビジネスパーソンに求められる能力や日本が武器にしていけることなどもあったが、2人の学ぶ姿勢やどのように読書と向き合っているかなど個人での考えや行動も非常に勉強になる。

ただ正直書かれている内容は分かるのだが、まだ自分自身の行動にどう紐づけて行けば良いのか、自分のキャリアと合わせた時に人文知がどのように重なってくるのかまだ分らないし個人レベルではどのように影響してくるのかは理解出来ていない。

今回の読書をきっかけとしてまずは試してみて、問いを立てながら、学びながら、耐えながら、学んで再度この本を読み直した時に、身体的に理解できるようになれるようにしていきたいと感じた。

0
2026年07月24日

Posted by ブクログ

反対はないんだけど、
ちょっといい切りが強くてそういう方向性でしたっけ?
と疑問には思った。
これが答えだというのがないから、
そんな中でも私は信じたことをやるんですという感じだったと思ったんだけど、

この本は語り口調が余りにエリート過ぎるというか、
なんというか目がキマってると感じてしまうのは
私のレベルが低いからなんだろうか?

なんか、そんなこんなで大筋同意しつつも
素直に飲み込めなかったなぁ。

0
2026年07月18日

Posted by ブクログ

人文知とは、哲学・歴史・文学・宗教・芸術など学問から得られる知識と思考様式の総称である。人文知は、世界の切り取り方、つまり解釈の幅を広げるために必要。人はなぜ、そのように感じ、行動するのかを描く想像力を与えてくれる。AIにより正解が導き出され、政治によって簡単に正解の判断が揺らぐ時代に必要不可欠。面白い問いを立てる能力も、現在地を把握しつつ実行していくことも人文知が役立つ。

リーダーには、古今東西、時代を通じて成功する共通項があり、「それは正確な現状認識」ができているという点である。外部環境の変化を見抜いたり、内部のステークホルダーの感情を理解したり、組織メンバーの戦略への理解度などの現状認識を把握できるのは、人文知の結集である。

自分が愚かであり、何もわかっていないことを自覚し続けて、認知をアップデートし続ける。この態度がなければ人文的にはなれない。そして、それに必要なのは元ライフネットの出口さんのいうように人・本・旅がそれを磨く。山口氏によれば、本を読むだけでも充分である。

自分の人生経験以外から考えられる思考の幅を持つことで、空間軸を広くとったり、時間軸を長くとったりできるようになる。例えば時間軸を長く取ればアメリカが覇権国であるのは、歴史上のある瞬間たまたま起こっていることだと理解できる。人間には直近の出来事や情報に影響されて、評価が歪む「直近評価バイアス」がある。

人文知を自分の人生に活かすのために必要なのは、認めたくない意見や考えに対して、どれだけ自分を開かれた状態にして、新しい発見を取り込んでいけるか。

これからの企業価値は、「こういう活動をしていることを我々はこのように解釈して、こういうふうに意義付けしています、」と説明できるかどうかに寄る。それは3年~5年のような時間軸ではなく50年~100年軸で考えることで、構想が大きくなり、採用を促進し、価値を高める。

0
2026年08月18日

「ノンフィクション」ランキング