あらすじ
世界のビジネスエリートはなぜ歴史を学ぶのか?
「意思決定の質」が変わる
人類社会の「傾向」を知ろう
日本の強みはセンスにあり
ベストセラー『人生の経営戦略』などの著者と「歴史を面白く学ぶコテンラジオ」MCの初対談
人文知は、思考や判断、行動を変える。
●失敗するリーダーや組織には共通点がある
●世界のスター経営者は人文科学系の出身
●「アメリカ一強」から「権力が分散する時代」へ
●組織や文明が滅ぶ一番の理由は「内部分裂」
●「まだ大丈夫」という瞬間は、すでに危機
●ナンバー1がナンバー2の戦略をマネたら負ける
●伸びている会社の特徴は「おせっかい」
●変化を無視した成功体験の再現は失敗する
●日本は「長中期的な合理性」に対するセンスがいい
●人類は「儀式」をしなければ合意形成できない
AIの進歩などによって「常識」や「正解」が激変し、ビジネスの世界でもパラダイム・シフトが起きつつある。
そんな不確実な時代を生き抜くビジネスパーソンには「人文科学」の知見が必要なのだ。
これからの世界と日本を考えるための必読書。
【目次】
はじめに 山口周
第1章 ビジネスパーソンに人文知は必須である
1:失敗するリーダーと組織の共通点
2:時間軸を長く、空間軸を広くとる
3:世界は「アメリカ一強」から「権力が分散する時代」へ
4:人類社会には「傾向」がある
5:世界のスター経営者は人文知を学んでいる
6:変化が激しい時代は対話力を高めよう
7:「常識」が一生の間に何度も変わる
8:ビジネスでパラダイム・シフトが起こる
第2章 すべての出来事は過去に起きている
9:人間は基本的に変わらない
10:タイミングを読む力タイミングを読むにも現状理解
11:過ちを繰り返さないために
12:21世紀的な企業のあり方
第3章 歴史はどう動くのか
13:技術革新が社会を変える
14:規範は時代で変化する
15:勝者になれる人の条件
第4章 歴史を武器にする独学の技法
16:まず「問い」を立てる
17:学びに近道はない
18:全体感をつかみながら知識を深める
19:ビジネスのアナロジーで考えない
第5章 これからの世界
20:ナンバー1がナンバー2の戦略をマネたら負ける
21:組織は内部分裂で壊れる
22:欧米は「理性を駆動させれば真理に到達する」と信じている
第6章 日本の未来
23:「空気を読む」スキルは世界で活かせる
24:「魔改造」が日本の伝統
25:ダブルスタンダードに耐え続けているのは日本だけ
26:「封建資本主義」が世界のモデルに
27:人類は「儀式」をしなければ合意形成できない
28:数字ですべては測れない
29:日本の強みはセンスにあり
30:確変する世界で求められるエリート像
おわりに 深井龍之介
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
深井さんのコンテンツを摂取している立場としては「目から鱗!!」みたいな感覚はなく、復習として読むことができた。人文知の必要性については内面化されてきているのかもしれないと思った。
人文知がなぜ必要なのか?引用含め自分なりにまとめてみると…
AIの登場で優秀さの定義が書き換わる。ビジネスに於いて今まで重要とされていた会計・財務・統計・プログラミングなどはAIに代替され、問題提起(おもしろい問い)と判断者としての能力が重要になってくる。
技術革新により正解が溢れすぎ、正解がない現代。自分の内部に判断基準を持たなければ、意思決定ができない。その判断基準は現状理解と人間理解の高さから滲み出てくる。その理解する能力の源泉は人文知だ。
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人文知(特に歴史)をどう捉えていくと武器として使えるのか説明してくれる。
日本の今後についての話。ダブルスタンダード(デュアルスタンダード)な立ち振る舞い、封建資本主義、理性を信仰しすぎない意思決定、なんでも魔改造してしまう特性が、世界の中で光る存在になるよう希望を持ちたい。
最後に個人的にグッときた箇所。
山口さんによる夏目漱石についての解説がおもしろかった。「それから」は西洋と日本のアナロジー。「坊ちゃん」は明治維新のアナロジー。血反吐を吐くように当時と向き合っていた夏目漱石は小説の中に現実世界の不信や違和感を包んだ。「教養主義の没落」でも夏目漱石について書かれていたけれど、権威ある大学教授から、当時低俗とされていた小説家へ転向したのは、こうした思想を伝えるには小説が向いていると判断したのかなと想像した。夏目漱石について色々知りたくなり、また人文知の点と点が広がり繋がっていく感覚が堪らなかった。
Posted by ブクログ
2026年ベスト本。VUCA×AIというカオスにおいて仕事をする羅針盤。今すぐ使える処方箋ではなく、僕たちの心の奥底に蓄えておく礎となります。中長期的な判断が迫られた時に圧倒的な武器となる、深い思想を共有いただきました。大感謝。
Posted by ブクログ
人文知をゴリ押しするだけの本かと思いきや、山口周さんと深井さんの豊富な人文知を背景とした現状分析や未来予想の話が多く語られていて、その内容がとても面白く興味深い。まさに人文知を実践されていて、こういうふうに使うと世界や日本の見え方が変わるよ、ということを身をもって示してくれている。
ちゃんとメタ認知をして、意志を持って強みを活かしていけば日本にもまだまだチャンスはありそうだと感じられた。
哲学はまだ手を付けていないので、これから少しずつ学んでいきたい。
Posted by ブクログ
【人文知は武器になる】山口 周、深井 龍之介
いまをときめく二人の対談。山口氏は誰しも知る著名人ですが、深井氏は、(株)COTENを率いて人文知の研究を進めています。歴史研究により「人類の軌跡や共通点から学ぶ」ための「世界史データベース」をつくることを目的とし、その事業の中心となる「Coten Radio」は、第1回Japan Podcast Awardで「大賞」、「Sportify賞」をダブル受賞。愛聴していて毎週ウォーキングのときに聴いています。
本書は、人文知、特に歴史から何が学べるかについてのお二人の対談。さまざまな知見が得られますが、例えば、深井氏は、戦争以外では、社会規範や道徳的価値はそのときの「生産手段」に都合が良いように後付けでできるものであって絶対普遍のものはないと論じています。詳細は本書、または5月18日配信「番外編#140」となりますが、これらは世界史を「メタ認知」で俯瞰した鋭い洞察と思います。一方の山口周氏は、今回は伴走者的な立場をとっていますが、その博覧強記には唸らせるところ多数。「Goodbye」と「さようなら」の違いは初めて知りました(雑談用にぴったり)。
CONENでは既に「ジェンダー・インクルーシブ」のデータベースは完成したようですが、ジャレド・ダイヤモンド、ノア・ハラリも引用するような「世界史データベース」を待ち望みたくなる一冊です。
Posted by ブクログ
『人文知は武器になる』 自分用メモ
この本のコアメッセージ
AI時代によって、「正解を出せること」の価値が下がり、
代わりに、
・どんな問いを立てるか
・どう判断するか
・複数の視点を持てるか
の価値が上がっている。
そのため、人文知(歴史・哲学・宗教・文化理解など)は、
単なる教養ではなく、
“意思決定OS”として機能する。
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なぜ人文知が必要か
① 現状認識の精度を上げるため
成功するリーダーに共通するのは、
「正確な現状認識」ができていること。
現状理解は3つに分かれる。
1. 外的環境
2. 内的環境
3. 自分自身の意思決定
特に③が重要。
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② 「理解する」の定義
理解とは、
「相手を肯定すること」ではなく、
“自分と全く違う価値観の人が、
なぜその判断をしたのかを理解すること”
つまり、
相対化・メタ認知。
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③ メタ認知の方法は2つだけ
1. 空間軸を広げる
→ 他国・他文化を見る
2. 時間軸を長く取る
→ 歴史を見る
この2つによって、
「今の常識」が絶対ではないと理解できる。
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現代社会への示唆
SNS時代の危険
アルゴリズムによって、
自分に近い価値観ばかり流れてくる。
結果として、
「自分の倫理観=多数派」
だと錯覚しやすい。
→ 意識的に異なる視点を取りに行く必要がある。
⸻
AI時代の価値変化
AIによって、
「正解を出すこと」が安価になる。
すると価値が上がるのは、
・問いを立てる能力
・実行力
・複数領域を横断して考える力
つまり、
“探究”や“編集力”が重要になる。
⸻
歴史から見る重要ポイント
技術革新は「希少性」を変える
技術革新によって、
「何が価値を持つか」が変わる。
例:
工業化
↓
核家族化
↓
専業主婦という価値観の成立
→ 家族観ですら、
技術と経済構造の影響を受けている。
つまり、
今の常識も固定ではない。
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国家・文明・組織は内側から崩れる
歴史的に見ると、
滅びる原因は外敵より内的要因が多い。
特に危険なのは、
・新陳代謝が止まる
・既得権益が固定化する
こと。
これは会社組織にもそのまま当てはまる。
⸻
アメリカ覇権の変化
「大国は軍事コストが経済力を上回ると衰退する」
という歴史パターンがある。
現在は、
アメリカ一強時代から変化しつつある。
⸻
日本についての視点
日本はハイコンテキスト文化
日本社会は、
村落共同体ベースで発展してきたため、
・空気を読む
・察する
・非言語情報を重視する
という特徴がある。
これはグローバル社会では、
独自の強みになり得る。
⸻
日本の強みは「デュアルスタンダード」
日本は、
古代:中国から学ぶ
近代:西欧から学ぶ
という歴史を持つ。
そのため、
複数の価値観を併存させる感覚が強い。
この柔軟性は、
国際社会で独自の戦略性になる。
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個人的に重要だと思ったこと
・AI時代は「正解」より「問い」
・意思決定力こそ重要
・歴史を知ると、“今”を相対化できる
・専門知識単体ではなく、横断して考えることが重要
・SNS時代ほど意識的に異なる視点を取りにいく必要がある
・組織は外敵より内側から腐る
・“今の常識”は歴史的には一時的なものにすぎない
Posted by ブクログ
コテンラジオ含め、深井さん出演のラジオを聴いてまわっています。各所でお話しされている内容を、改めて文書で読むことによって、より自分の中で整理しながら、考えを知ることができたように思います。
AIの登場によって、問題に対する答えを出す能力は不要になった。これにより、そもそも問題とは何か、すなわち問いを立てる能力がこれから求められるとのこと。
日本人の特性として、嫌いな人ともうまくやっていく能力があるが、フロンティアのない世界で、有限のリソースを分け合うためには、この特性は有効であるとのこと。これは欧米のキリスト教的世界観では理解が難しく、武器として磨いていくべきだと理解しました。
Posted by ブクログ
まず、人文知とは何かというと「人間と社会を理解するための知識・教養」のことなのですが、大学で哲学部や文学部が意味のない学部だとか言われていた身とすると(文学部出身)ざまあwという気持ちになった。※なお自身が教養があるかは不明。
内容はめちゃめちゃ熱い本で面白かった。
個人的には日本は欧米諸国に対して、ヘコヘコしすぎているような感覚があって、だけど日本は明治維新〜戦後の復興にかけて、失敗はあっても常に前を向いて、自分たちらしいやり方で立ち上がって来た歴史を誇るべきだと思う。「魔改造」という言葉で説明されていたけど、アメリカの資本主義や民主主義をよくわかんないまま既存の仕組みとミックスして使ってみるみたいなことをやってのけてるわけで。
それは中長期的な視点と個人のリターンだけでなく国や地域社会への貢献というミッションを経営者が持っていたからだと思う。
これからは、とりあえず真似するというところから、時間をかけてでも日本らしい政策や経営の仕方を作っていくしかないんじゃないだろうか。
そのために歴史的な文脈を理解し、質の良い仮説を立てる能力を養う必要がある。Cotenラジオきいてみよっと。
Posted by ブクログ
将来に対し、数字や合理性を越えたところにある「意思」を通すために哲学や歴史、文学などの人文学が必要という話は印象的だった。
また人文知を学ぶ態度は「自分が愚かであり何も分かっていないことを自覚し続け」るものであり、終わりはなく一生学び続ける覚悟がいる。歴史を知るのは面白いからいいんだけどね。汲めど尽きせぬ歴史の泉。俺は何も分かっていない。
コテンラジオをシリーズごとに2周くらいしてクルーにも入る程度には聞いているので、本書に出てくる話は何度も聞いたことのあるものだった。しかしテキストとして手元に置けるのはありがたい。
Posted by ブクログ
歴史を知ることはただの教養ではない、混沌とした社会の中での今後のより正しい方に近い判断を助ける。
自分がこれまで「だめだ」と思ってきたことは、根っからの日本人なのに「アメリカ型」資本主義が良いこととされて育ったこと。そこに、違和感を感じていたが、なぜかを見出せなかったことが原因かもしれない。
全てを言語化する必要もないし、完璧な理性を持ち、それに基づいて動かなければならないわけでもない。
自分は日本人が得意とするダブルスタンダード、もしくはディュアルスタンダードをやってきたからなのだと思い、それは、むしろ日本人が持てる特性なのだとわかったとき自分を認めることができた。
読み進めながら、「THINK AGAIN」に通ずるところもあったし、「チ。」をみたからこそ理解が進んだところもあった。
様々な知識がリンクしていく、まさに読書は読者が完結させるという体験をすることができた。
最後に、この本は山口さんと深井さんのラジオを聴いているように読み進められた。深井さんは終始、日本に明るい希望を持ち続けているが、それが歴史を深く学んだ人の判断であることに安堵を覚えた。山口さんは、博学なのだろう、難しい言語や人物の名前が難しく感じてしまい(それが信憑性を高めるが)気がつけば深井さんのトーク部分を選び読むようになってしまっていた。
そんな読み方があっても良いだろうし、山口さんの言いたいことを優しく歴史的事例をもとに話してくれたのが深井さんなのだろう。
とにかく、今読めてよかった本の一冊
Posted by ブクログ
40代を迎え、なんとなく興味を持った「歴史」。その歴史の面白さ、スリリングな物語性、そして現代に生きる自分に言葉に尽くせない示唆をくれたのが「COTEN RADIO」だった。
人文知が武器になるというのは、深井氏のYouTubeでの対談やコテンラジオから理解したつもりではあった。しかし、この山口周氏の対談でさらに深く人文知について知ることができるなら、さらにいうなら深井氏自身が宣伝(普段宣伝をしない方と認識していたので)していたことから本書を購入。結果、人文知の価値だけではなく、これからのビジネスパーソンの「武器」について学ぶことができた。
とはいえ、自分自身ハイコンテクストが苦手であり、日本人ならではの部分=言わずもがな、の部分でのすれ違いって多いんじゃない?と思ってしまった。言語化しようよ、て思うこと多々あるし。その反面、まさに言語化していない部分のコミュニケーションって無自覚であり、無意識なんだと問い直すことができた。
それをもっと「生かす」ということ。いうなれば、自分たちの武器を生かすということが大切であり、それを知るにはやはりじっくりとリベラルアーツを学ぶことが肝要なのだろう。自分を知るには縦軸と横軸を知らないといけない。
今後もコテンラジオを楽しみに、人文知を深めていきたい。
Posted by ブクログ
普段気になっているお二人の対談本ということで、発売まもなく読んでしまった。
私たちは理性的な生き物だと思い込んでるけど、実は結構クセのある生き物だと日頃から感じること有る。
だからこそ、古来からの書物や歴史を学ぶことが必要なんだろうな。クセを理解する。
ジクソーパズルのようと語られているのは、確かにそう。明日すぐに役立つことはないけども、学び続けていくと思いがけないところが繋がったり、同じものを見ていても風景が変わって見えたりしてくるのは面白いな。
匿名
この時代に大切な本
深井龍之介さんがCotenラジオで繰り返し発信されていたことを、山口周さんとの対談で明解にわかりやすい事例を挙げながら紹介されていました。
時代が急激に変化している今だからこそ必要な認識。
Posted by ブクログ
新たな事業やビジネスに投融資していくうえで、事業会社・経営者だけでなく、投資家や金融機関の定性視点とスピリッツが大事。
関係者の一判断軸として、人文知の理解はAI活用するうえでの問題立案力において、ますます求められてくる。
Posted by ブクログ
AIにより正解を出すスキルがコモディティ化
優秀さは情報処理能力だった
これからは優秀さの定義が置き換わる
AIは問いを代替しない
複数の視点を獲得すること、それが人文知
アノミー
社会規範が崩壊して、何に従って行動すべきか分からなくなる状態
フロンティアがなくなると奪い合いの時代になる
AIによって正解を出す力があがったあとのボトルネックは
面白い問いを立てる能力
出した解を実行する能力
伸びてる会社はおせっかい
日本ほどダブルスタンダードに耐えてる国はない
夏目漱石や三島由紀夫などの文化人はそれに苦しんだ
デュアルスタンダード
松岡正剛
ホモサピエンスは合意形成に儀式が必要
Posted by ブクログ
哲学や歴史、文学といった人文知は資本主義におけるビジネス至上主義の流れの中で(特に日本では)軽んじられてきた。
それでも、「正解を導き出すこと」から「よい問いをたてること」や「正解を愚直に行動に移すこと」が人間に求められるようになった今、人文知を身に付ける必要性は高まっている。
印象的な箇所を抜粋。
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人文科学を「教養」や「嗜み」と呼ぶよりも、むしろOS(オペレーティング・システム)だと考えています。どんなアプリケーション(スキル)を動かすか以前に、どのOSで世界を見ているかが、意思決定の質を決めてしまうからです。 同じデータを見ても、同じ出来事に直面しても、人によって洞察が分かれるのはなぜなのか? その差を生むのは、能力の差ではなく、「世界の切り取り方」の差です。
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「人文知」とは、哲学・歴史・文学・宗教・芸術などの学問から得られる、人間や社会を理解するための知識と思考様式の総称ですが、個人的には「自分とは何か? 世界とは何か?」を探求する過程で生まれる知、ないしは探求するのに必要な知だと考えています。そして個人的に考えている人文知は、二つの要素で成り立っています。一つ目は「人間とは何か?」「社会とは何か?」ということをそもそもの前提を疑いながら考える。そして二つ目は、「無知の知」の「態度」です。ソクラテスの言った「無知の知」に結構集約されるかなと思うんですが、自分が愚かであり何も分かっていないことを自覚し続けて、認知をアップデートし続ける。この態度がなければ、人文的にはなれないと思っています。
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歴史を学ぶことは、「自分たちとは違う見方で世界を見ている人たちがいるんだ」ということを知る、つまり多様性の本質を理解することにつながりますよね。儒教の考え方にしたって、キリスト教とはまったく違いますからね。
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マスメディアはかつて社会の倫理を束ねる機能を果たしていたわけですが、その機能自体が退行しつつあります。人々はもはや共通の情報源を持たず、SNSのアルゴリズムによって、自分に近い意見しか目に入らなくなったことで、自分の倫理観こそが多数派だと錯覚しやすくなっている。
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偏差値に偏重した教育のあり方については、1987年の中曽根内閣時の臨時教育審議会答申ですでに問題として指摘されています。しかし、その後も状況は大きく変わらないのはなぜか。問題の真因が教育の内部ではなく、出口の外側、すなわち企業の採用慣行にあるからです。企業は「与えられた問題に正解を出す能力」を測るためのコストをできるだけ外部化し、その負担を教育システム、つまり社会に払わせたい。その結果として、偏差値という単一指標が温存され続けているのです。
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正解を出す能力が上がったいま、ボトルネックとなっているのは、次の二つの能力です。 「おもしろい問いを立てる」能力 「出した解を実行する」能力 しかし、みんな意識せずに、相変わらず正解を出せる人を求めています。
⭐︎社会にとって希少なものが何か、で勝利の方程式が決まる。
狩猟採集社会ではタンパク質が希少だったので狩猟技術が高い人が求められた。
20世紀は問題が多く、正解が希少だったから正解を導ける人が求められた。
今はAI普及で正解が溢れているので「問いを立てられる人」が求められる。
⭐︎技術革新により希少なものが変わる。
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歴史観の御三家。
ヘーゲルの「弁証法的発展」
ニーチェの「永劫回帰」
シュペングラーの「栄枯盛衰のライフサイクル」
ここはもっと深く理解したい。
技術革新により生活スタイルが変化することで社会規範も変わる。
例えば産業革命で多くの人間が工場で働くようになり、家庭と職場が切り離されたことで「男は外で仕事」「女は内で育児、家事」という役割規範が生まれた。そこから「母親が献身的に子どもを育てることが正しい」という社会規範がインストール。
家族は人類が生き延びるための仕組み。現代、未婚や子を持たない夫婦が増えてきているのは「若者の意識が変わったから」ではなく、現代を成り立たせている技術が以前とは変わり、そのための生存戦略として「家族」が不要になっており、後から社会通念が変わってきたということ。(農業や工業が主要な技術であれば「家族」は今でももっと求められていたはず)
パラシュートの発明が航空機の開発を飛躍的に進めた。技術革新にはリスクをとる必要があるが、航空機のリスクはパイロットの命に関わる。パラシュートにより万が一の時は逃げることができるようになり、リスクをとった開発や検証、テストが可能に。「いざとなったら逃げられる」は大胆な挑戦につながる。
旧約聖書の創世記にある記述「私たちに似せて人を作ろう」と神が言ったという部分。キリスト教は一神教なので「たち」はおかしい。このツッコミどころを掘っていくという知的探究。
上原専禄「解るということは、それによって自分が変わるということ」。今までとは違う景色が見える、違う視座が持てる。ただ「知る」こと以上に、人格に関わること。
日本人が高いスキルを持っていること。「嫌いだけど一緒にいなくてはいけない人と一緒にいる」こと。島国であることが関係している。「空気を読む」「察する」というスキルを、メタ認知してデュアルスタンダードとして使いこなすと良い。
政治学者の丸山眞男いわく、日本人はたえず外を向いてきょろきょろしている。漢字を「真名」、大和言葉は「仮名」で書いたように、優れた文化は外にあり、自分たちの内側にあるものは劣っているという意識がある。
仏教思想だと「確固たる自己」はない。自分と世界という二項対立ではなく諸行無常で揺れ動く中で、自分と世界との関係性の中に真理を見る。
「確固たる自己」があるとする近代西洋哲学の思想観とは異なる。
昔中国では亀の甲羅を焼いて未来を予測していた。思い通りの結果が出るまで焼き直したり。現代では意思決定の材料が数値になっただけで、選びたい選択肢に有利な数値が出るまでやり直すのは同じ。茶番であるが、儀式がないと決定できないのが人間。
Posted by ブクログ
人工知能が急速に発達し、予測がより一層難しくなっている世の中で、どんな力が必要なのか、何を学ぶべきなのかよくわかる一冊。
メタ認知はより広く深くする必要があり、人や社会、歴史の解像度を上げるためにもっと本を読んだり勉強しようと思った。
歴史の勉強も記号的に覚えるものだったが、物語として学び、それを未来予測や実生活に活かそうと思いながら触れたら面白くなるんだと勉強させてもらった。
Posted by ブクログ
コテンクルーとしては買わねば!の本でした。
メタ認知で身の回りを見るためには空間軸を広くとることと、時間軸を長くとること。焦ると視野も狭くなるのでメタ認知視点、意識しよう。
山口周さんの話はわかりやすくてぐんぐん引き込まれるし、深井さんの話は自分の価値観がひっくり返る感じがして、気持ちいい感じ。
漢字と仮名文字、神仏習合、幕府と天皇の併存とか、外国から見たらどういうこと?ということも日本人はうまい塩梅で使いこなせる。デュアルスタンダードを使いこなす場面は自分でも作れそう。メタ認知視点が武器として使えるようになりたい。
Posted by ブクログ
山口周さんとコテンの深井龍之介さんの対談本です。内容的にはここがポイントとまとめられる感じではなく、全体的に、深井さん、山口さんの思考戦略をどうにかして言語化を目指した本と言う感じです。
でも、残念ながら、まとまっているとは言いづらいです。多分、お二人とも、そういったキレイにまとめるということを目指して出版したわけではないと思うんですよね。そもそも、人文知って何なのって言うことすら、僕はこの本を読んで理解できませんでした(笑)。
ただ、頭の中のカオスなところをそのままカオスだとメタ認知することみたいな感じなのかな~。そして、そのメタ認知した内容を構造的に理解するためにはいろいろな人と会話をしたり、歴史を通してケースを学んだり、宗教を通して考え方を学んだり・・・みたいなことが必要なんだろうなと学びました。
ある方の言葉ですが、これからAIが発達していく中で、日本人が必要とする、最も重要なプログラミング言語は日本語で、正しく伝えるのかが重要だしボトルネックになっていく、と言う話がありました。この本では、それに加えて、AIが発達していくからこそ、最終的に人間に必要になっていく能力に焦点を当てると、人文知になるんだという強いメッセージが込められていました。
この本は、ふんわりと理解するくらいの感覚で読めばよいのかなと思いますが、ここに紹介していない、示唆深い内容が詰まっているので、ぜひ読んで欲しいなと思います。
Posted by ブクログ
歴史から学べることは多い
具体的な事象を抽象化して今に活かす
簡単に言えるが実践は難しい
ただエリートはそれを実践している
まずは歴史とその背景を学ぶ
なぜそうなったのかを知る
その状況って今のこの状況と一緒だからこうなるのか、であればこうしよう、これが効きそうを考えて実践あるのみ
Posted by ブクログ
最近コテンラジオを通勤時間に聞くようになったので応援購入。奇しくもこれまでに哲学関係の本を数冊読んでるので、なるほどなぁとわかりみが深い印象。
自身は、インターネットの出現という社会の変革期を経験しているが、なかなか言語化が難しいその要素を、これからの生成AI時代に向けて上手く言語化、あるいは概念化した一冊。
Posted by ブクログ
対談方式なので読みやすかったです。歴史的な傾向から類推し、今後の世界情勢の流れを読み取るなどはなかなか見られない方法だと思いました。結局数字だけでは完全に予測することは難しく、納得や合意を得るためだけの手段になりがちという示唆も学びになりました。
Posted by ブクログ
かなり難しかったので、二回読みました。
コテンラジオのリスナーなので、深井さんがいつも伝えようとしていることの断片は、なんとなく頭に入っていました。でも、それはあくまで断片。本書では、山口さんとの対話によって、それらの断片がテーマごとに整理され、体系立てられているように感じました。僕自身も、こうして自分なりの言葉でまとめる機会を作れたことが、とても良かったなと思います。
ーーー
これからの時代、特に生成AIの登場によってこれまで以上に、変化が激しくスピードの速い時代に突入していくのだと思います。
そして歴史を振り返ると、技術に大きな革新が起きたあとには、我々にとっての「当たり前」であった規範や価値観が「必ず」変化してきたそうです。
(技術革新で生産体制が変わる→生活の制約条件が変わる→それに適応する形で家族形態が変わる→最後にそれを正当化・安定化させるための規範や価値観が書き換えられる)(p.128)
変化していく規範や価値観というのは、働き方・家族のあり方・幸福感など、私たちが生活を送るうえで重要な事柄ほぼ全てですね。それらがどんどんすごく速いペースで変化していく。
「今」良しとされていることを続けているだけでは、15〜20年単位で起こる価値観の変化に対応できなくなる可能性もあるのだと感じました。
そのような、変化の激しい時代を生き抜くための武器になるのが「人文知」なのだと言います。
「人文知」とは、哲学・歴史・文学・宗教・芸術などの学問から得られる、人間や社会を理解するための知識と思考様式の総称。
中でも、ケーススタディの宝庫である歴史から学べることは多い。異なる文化や異なる時代の様々なケースを学ぶことで、相対的に「今」の「自分(たち)自身」や「自分の社会」がどういうものか、初めて輪郭線が見えてくる。
人文知を学ぶことで現状理解が深まる。むしろ、人文知なしに現状理解をすることは難しいのではないか、とも感じました。
“現状理解ができていない人の意思決定は、ただの運頼みになってしまい、成功に再現性がなくなります”(p.31)
“「彼を知り己を知れば百戦殆からず(孫子)」と言っている通りなのですが、現状を理解していれば、未来予測の精度が高い戦略を立てられるという感覚ですね。”(p.84)
現状を理解しておくことの重要性。刻々と、しかも非常に速いペースで「当たり前」が変化していく時代だからこそ、自分の置かれている立ち位置を見失わないために、常に現状理解が重要になる。そして、その現状理解を深めるためには、人文知を学ぶことが必要なのだと思いました。
本書のp.126あたりでは、深井さんが「学ぶことに興味を持つきっかけ」について、子どもの頃のエピソードを話されていました。コテンラジオを通して聴いていても、このエピソードはたぶん初めてだったので、「へー!」となりました。
後半では、人文知の重要性を踏まえたうえで、「これからの時代、日本人である我々はどうしていけばいいのか」というテーマも非常に興味深かったです。
日本人は、言葉そのものよりも背景や文脈、暗黙の了解、表情や身振りなどの非言語情報に重きを置く「ハイコンテキスト文化」の中で生きています。
その文化の中で育つことで、苦手な相手ともなんとなくうまくやっていく力が自然と身についている。
これは日本人の特性であり、欧米的な「唯一の正解を求める文化」とは対照的です。
また、日本人には短期的な損得だけではなく、中長期的な合理性を重視できる特性もあるそうです。(明治維新はまさにその例らしい)
だからこそ、それらを自分たちの強みとして自覚し、「現状認識」を持ったうえで行動していくことが大切なのだと言います。
日本人の特性や強みを、ここまで言語化して示してくれたことは、個人的にかなり良かったです。とても学びになりました。
Posted by ブクログ
コテンラジオで深井さんの話をよく聞いているので、内容としてはそこから大きく外れるものではなかった。ただ、AIの時代に人間にとって何が大事になるのかという問いに対して、「関係性を選び取り、意思を持ち続けること」という言葉が非常に印象に残った。
「人文知は武器になる」というタイトルだけを見ると、人文知をどうビジネスに活用するかを理論立てて語る本のようにも思える。でも実際には、細かな方法論というより、人文知が人にとって、そして現代社会にとって大事なのだと宣言する本だったように感じた。法律で言えば、理念法のような本。だからこそ、今このタイミングで読む意味があるのだと思う。
AIによって「正解を出す」ことの価値が相対的に下がっていくなら、人間に残るのは、おもしろい問いを立てること、やりたいと願うこと、やりきろうとすることなのかもしれない。発想と責任、と言ってもいい。
そしてAIの予測に従うだけではなく、不確実な未来の中で「自分たちはこういう関係性でありたい」と決めること。その矛盾を引き受けることが、経営やリーダーシップの重要な役割になるのだと感じた。
フロンティアがなくなる時代には、単なる拡大ではなく、分け合いや調整の倫理が重要になるという話も刺さった。開拓と調整。その両方をどう扱うかは、社会だけでなく、個人の内面にも通じるテーマだと思う。
Posted by ブクログ
内容的に目新しい部分があるのか?(コテンラジオやまぼろし会議のリスナーとして)はあまり気にせず、率直に言えばこの本の売上を少しでも押し上げたいと思って買った。
これまで深井さんが語ってきたことが、読みやすい形で良いサイズ感にまとまってて、この形で出す意味、読む意味あるな!と思った。対談という形式も読みやすいし、山口周さんのファンでCOTENにまだアクセスしてなかった人に届くと良いな。
Posted by ブクログ
人文知が何故必要なのかを、対話形式でわかりやすく説明してくれる本です。筆者の経験や知識をもとに具体的に語られる内容は読みやすかったです。
日本の強みとは、そもそも日本、自分の位置付けはどこにあるのか?この本で語られるメタ認知について理解を深めたくなる一冊でした。
Posted by ブクログ
世界や外国の方の思考を理解するためにキリスト教やイスラム教を学ぶという視点は腑に落ちた。それで言うと、日本人的思考を理解するために、再度日本人とは?を学ぶ必要性も感じた。日本は理性と直感を上手く扱える人種という記載から、公共性の高いビジネスモデルは他の諸外国よりも通用しやすいのか?が今後の疑問であり学ぶところ。
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「役に立たない」と切り捨てられがちな歴史や哲学などの「人文知」。しかし、本書はそれこそが変化の早い現代に武器になると説きます。知的フロントランナーである山口周氏と、歴史の面白さを広める深井龍之介氏。この両名による対談は、単なる知識の羅列ではなく、混迷する「いま」をどう解釈し、どう歩むべきかという「知の作法」を提示してくれます。新書らしくそれほど深い内容ではありませんが、リベラルアーツへの誘いの書としてとても良い本だと思います。
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なんとなく理解できたことは、本当の意味での「わかる」ではなく、真に「わかる」とは、その瞬間に、それまでとはまったくちがう景色が見えることなのだろうと思いました。
人文知とは、人々をそのような深い理解へと導くための知のあり方なのだと感じました。
3.8
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歴史から学ぶことは重要という本です。
COTENラジオのパーソナリティーの深井龍之介さんが山口周さんと対談した本。
是非COTENラジオを聞いて歴史から学ぶことをおすすめします。