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Posted by ブクログ
誰かの人生に、どこかの社会に、ふと立ち現れる蠱惑的で異質なもの。それは時に熱狂を、時に不安をまきおこしながら、人々の心を侵食していく。
というふうに読んだが、まずこの短編集そのものがとびきり異質である。なんというか、物語世界に入るというより、このような虚構の世界を作り出した情熱と技の方に驚嘆してしまうのだ。もちろんどんな物語も多かれ少なかれ虚構の世界であるわけだが、それでもそこには「本当のこととして読む」という約束事があるように思う。ここにはそんな約束事は存在しない。それどころか「書かれていることはすべて絵空事であり、そのことは書き手も読み手も百も承知」という風情が色濃く漂っている。
この感じは「架空の街の詳細な地図」や「存在しない植物の図鑑」によく似ている。つまりこれらの作品は本当は「物語」でも「小説」でもないのではないか。「架空の歴史」「架空の年代記」とでもいうべきものではないか。そう思うと実にしっくり来る。
が、ではそれは結局物語とは違うのか、と言われると今のところ答えが出ない。なんだか、大変な作品に出会ってしまった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ2作目の成瀬は今までと変わらず自分のやりたい事を信じて実行している様子が痛快かつ、周りを巻き込み迷惑や心配もかけつつ人の人生を少しだけ変えていく。
成信では1作目の成天よりも成瀬の人となり、そして周囲との感覚の違いを理解していく過程が細かく描かれていたと感じた。
成信での推しはやはりかれんだ。
映えているかどうかを人生の軸にしている大学生だが、家庭事情は他より少し複雑で古風。
自分の容姿が良いことは自覚しておりよくいるタイプの今どき女子と言ったところだろうか。
観光大使として成瀬と出会ってから彼女の人生が変わっていくのがいい。
まず、古風な家柄と家族の価値観に対して、自分の人生全然映えてない!と嘆くシーンがとても共感できた。そこからは自分の好きな事を前面に押し出して行く過程が王道の青春模様で良かった。
なんと言っても最後の、あんた最高に映えてるよの1言は今まで自分が映えているかどうかが基準だったかれんからは出てこない言葉だろう。この熱い1言がかれんの成長を表していて感情移入できるポイントでもあったと思う。 -
購入済み
読み応えあり!
仕事もラブも濃くて凄く充実した内容、更に小気味良い展開で大満足、読み応えがありました。塩野と多古井の恋仲は、仕事と恋の相乗効果でますます盛り上がって行きそうな気配です。
二人の恋路を楽しむ職員・江川さん達外野陣も健在でした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ読むのが辛い本だった。
2人が悲しい運命を辿ったからではなく、自分の過去の恋愛を思い出したから。
全てを捨ててでも手に入れたい幸せ。きっとその幸せを手に入れても、幸せは一瞬だけであり、人生全体で見るときっと困難になものになる。
それでも、全力で手に入れたい幸せ。
その幸せを掴めることが、本当の幸せなのかと思った。
昔好きだったあの子のことは、何人と付き合っても忘れられない。ただの片想いだったけど。でも、その子とはまだ仲が良い。人生を全て投げいってでも、その子との片想いを叶えるために頑張るべきか、必死に悩まされた。
人生において本当に悩んだときに、この人に助けて欲しいって思える相手が、本当に好きな人なんだなって -
Posted by ブクログ
前から気になっていた本。
やはり新書は勉強になる…!
この本自体が具体と抽象を行き来しながら書かれているので、ものすごくわかりやすい!
私は日常的に「なぜ?」と問うことが多く、抽象化は得意なほうだと自認しているが、自分の子供を叱る時だけは具体的にあれもこれも伝えたくなってしまう。
すると、話が長くなり、結局私が何を言っているのか子供が理解できない。笑
これまでそんなことを何度も繰り返してきた。
そもそも言葉ですべてを伝えることはできない。
大切なことを伝えるために、それ以外を省くこともまた、抽象化なのだと知り、なるほどと思った。
これからは具体的な説明から一度離れて、「メタ視点」で物事を俯瞰し、抽象化することで、自分が今なにを一番伝えたいのかを整理したい。
身近な人とのコミュニケーションに悩む方にもおすすめの本です!
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