あらすじ
*注意! この短編集はすべての短編に叙述トリックが含まれています。騙されないよう、気をつけてお読みください。
本格ミステリ界の旗手が仕掛ける前代未聞の読者への挑戦状!
よく「叙述トリックはアンフェアだ」と言われてしまいます。これが叙述トリックというものの泣きどころです。
では、アンフェアにならずに叙述トリックを書く方法はないのでしょうか?
答えはノーです。最初に「この短編集はすべての話に叙述トリックが入っています」と断る。そうすれば皆、注意して読みますし、後出しではなくなります。
問題は「それで本当に読者を騙せるのか?」という点です。最初に「叙述トリックが入っています」と断ってしまったら、それ自体がすでに大胆なネタバレであり、読者は簡単に真相を見抜いてしまうのではないでしょうか?
そこに挑戦したのが本書です。果たして、この挑戦は無謀なのでしょうか? そうでもないのでしょうか?その答えは、皆様が本書の事件を解き明かせるかどうか、で決まります。(「読者への挑戦状」より一部抜粋)
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
もうタイトルのまんま。全ての話に叙述トリックが使われているということをタイトルで言っちゃってる短編集。しかも、本を開いたら各話のポイントみたいなことも全て書かれているという異色の作品。
いやー、素直に面白かった。個人的には「貧乏荘の怪事件」の叙述トリックというか仕掛けが一番好きで、ひっくり返され方に気付いた時に
「…ニヤ…フフフフフ(そういうこと!?気付かんかったんやけどwwww)」
ってなった!いやー一本とられたとはまさにこういうこと!
でも、この本全体の大きな仕掛けの一つは途中で気付いちゃった。それでも何ら遜色することなく面白かったけど。
いやー、この本のアイデア思いついた時は震えるやろうな~。いいアイデア。後はあとがきもめっちゃ面白かった。この人の著作はこれ以外読んだことがないねんけど、今作についてはもうやりたい放題。遊び放題しててめちゃくちゃ好感持った。
ちなみに俺は電子書籍ではなく本で読んでんけど、この表紙の帯をずらしたらそこにも仕掛けがあるよ。電子書籍版は電子書籍版であるらしい。
多分、老でも若でも男でも女でも面白いと感じるんちゃうかなって作品。
…って思ったのに、これ書いてる時点での俺以外の人の評価の平均☆3.22かいっ
Posted by ブクログ
くすっと笑えてミステリーとしても面白い、非常に良かったです。あと全体的にほのぼのとしていて気軽にミステリーを読めるのが良かったです。「閉じられた3人と2人」と「ニッポンを背負うこけし」の叙述トリックは解けました、嬉しい。「貧乏荘の怪事件」は私のいつもの癖で流し読みしたのがいけなかった…、しっかり一文字ずつ読むと良かったのですね…(これもヒントか?)
この作者、「あとがき」でもやりたい放題でちょっと笑ってしまった。結構ポップで好み、この方の他の小説も読んでみたいなと思いました。
Posted by ブクログ
すっかり騙されてしまって、そりゃあもう最初から最後まで。とても楽しく読めました。
みなさんも是非読んで“挑戦状”を受け取り挑んでほしいです。きれいに騙されて絶対解けないから!
なんとなく、こうかな?くらいに引っ掛かりはするんだけど、じゃあなんでそうなの?まで行かなくて結局ただただストーリーを楽しんで読んじゃった。
解らないからより一層楽しめたのかもしれないって思うことにしようと思う。解らなくていいし、解ろうとすることが大事ってことで!(考えることを放棄したやつが何を言う)
Posted by ブクログ
前から、ゆるいミステリを書く作家という認識
看破してやろうと手に取った人にはやや全体的にヒントを出しすぎている感はあるが、冒頭の解説から後書きに至るまで、読者サービス精神を感じた
叙述トリックの延長上にバカミスがあると思っているが、その方向に徹しても良いものを書きそう
Posted by ブクログ
最初から最後まで人を食った語り口がとても好みでした。
この手のトリックに慣れ親しみのあるミステリファンなら違う感想になるかもしれないが、初心者の自分にとってはまさに痛快な内容でした。
Posted by ブクログ
短編集だし文体も読みやすいからササッと読めていい
当然の事ながら全部叙述トリックだし、ちゃぶ台返しにならないよう緻密に書かれてる
だからこそ余計に、うわ〜もっとちゃんと考えれば気がつけたのにってなる
普通に悔しい
2話目が普通にいい話で好き
あと、個人的に好きでめっちゃ笑ったなのは、最初の「読者への挑戦」の松方の部分と最後の話
Posted by ブクログ
6つの短編集とあとがきで構成される叙述トリックで、どれもパターンが異なる。しかし6つ目の短編で、実はこれまで同一人物が1人と登場しており、同一人物と思われた人物は血縁関係だったというオチ。あとがきに関しても、著者によるあとがきではなく、『あとがき』というタイトルの作品であった。
Posted by ブクログ
その名の通り叙述トリックだけを扱った短編集。どれも短いのでサクサク読めるのでそこまで読み終えるのに時間がかからない。ありとあらゆる?叙述トリックを扱っており、しかも冒頭からヒントまで出されている。ちなみに頭に入れずに読んでも普通に面白い。探偵役が全員別人なのには気付いたので、助手役が共通なんだろなあと予想できたのがちょっと残念。でもあとがきというタイトルの作品があってもいいだろ、というお話は面白かった。確かにあってもいいよね。
Posted by ブクログ
ブックカバーにも仕掛けがあります(謎解きという意味ではなく、だまし絵的な)。作品は、似鳥鶏らしい、飄々とした物語。謎解きは、わかりそうでわからない・・・
Posted by ブクログ
おもしろかったです!
叙述トリックがなんたるかの勉強になりました。
ただ、他の方も書いている通り
ふざけたと言うと語弊があり失礼ですが
おふざけなところは
読むテンポが遅くなりました笑
叙述トリックで大どんでん返しのある
重厚なミステリーが読みたくなりました!
なんやかんや言うてますが
おもしろく、騙されました笑
後書き前の最後の話は
全話が繋がって
おおー!となりました。
Posted by ブクログ
叙述トリックであると謳われているのに、
しっかり騙された。
個人的には種明かしに感じるカタルシスに
軽快さや爽やかな読後感を感じてとてもよかった。
ミステリが好きになり始めた人に
こういうミステリもあるよ!と薦めたくなる一冊だった。
Posted by ブクログ
本作『叙述トリック短編集』は、そのタイトルが示す通り、叙述トリックを主題とした短編集です。本編に入る前に全事件のヒントが提示されるという、非常に挑戦的な構成が特徴的です。
このヒントは、予防線であると同時に読者を惑わす罠としても機能しています。ヒントと本編を過剰に見比べながら読み進めた結果、疲労しつつも見事に引っ掛かってしまい、作者の術中にはまるという、愉快かつ悔しい読書体験ができました。
ただし本作の事件設定は“妙”なものが多いです。「詰まっていたはずのトイレが目を離した隙に元通りになっている」「現像前の写真のコントラストだけが弄られている」といった具合に、トリックを優先するあまり、話が不自然な方向に振れている印象があり、ここは好みが分かれるかもしれません。
叙述トリックとしては上手いのですが、事件としての説得力や重みは薄め。コージーミステリーとしても、ちょっと軽すぎる印象がありました。
印象的な話は「背中合わせの恋人」です。読者への叙述トリックと登場人物に対する事件構成がうまく噛み合っており、本編の中でも一番楽しめました。
総じて、『叙述トリック短編集』は、読者を「騙す」ことに真正面から取り組んだ野心的な一冊です。事件設定にやや独特な癖があるものの、独特すぎる個性を持った探やテンポの良い平易な文体、短編集という形式も相まって読みやすかったです。
叙述トリックに馴染みのある読者はもちろん、推理の過程そのものを楽しみたい読者にとっても、十分な読み応えを備えた短編集となっています。
Posted by ブクログ
叙述トリックであることを宣言しフェアに、むしろヒントたっぷりのハンデありで開始される作品。
個人的には叙述トリックはフェアでないと不満に感じたことがなく、どんどん完璧に騙してもらって、あっと驚きたいのでやっぱり宣言はなくていいかなと、読んだ結果思いました。
やっぱりヒントが念頭あって解けるより、読みながら紐解けていく感覚が楽しく、解けなければ文章の中のネタバラシでハッとしたいと、不完全燃焼という感じでした。
変態設定はカモフラージュによかったですし、試みも面白く、遊び心たっぷりで仕掛けを楽しめました。
Posted by ブクログ
なんというタイトル
叙述ですよって伝えちゃってる
で、叙述なんで中身は一切感想話せませんが
ひとつだけ
表紙
石黒正数さんなんですよ!!!
当時それ町を書いていた!!!
これが知っていた人には最大のトリックなんじゃないですかねえ(当時のそれ町自体読まないとまったく意味不明ですけれど)
もちろん絵自体にも読み終わった後ニヤッとできる所が改めていい作者だなーと
Posted by ブクログ
内容はタイトルの通り。全体としては面白かったけど、インパクトに欠ける印象。
叙述トリックの名作と呼ばれるものは、仕掛けが大掛かりで、オチでの落差の大きさが読者へのインパクトになる。それが本作のような短編になると、落差があまり出ずに衝撃が少ない感じ。(最後の仕掛けは大掛かりで面白かったけど、半分くらいは予想できてしまったし。)
ちなみに、表紙と帯にも仕掛けがあるのは面白い。なもんで、普段小説は電子で読むけど、これは紙の本で読んだ。
Posted by ブクログ
叙述トリックっていう、読者への挑戦状みたいな本に最初から挑んでいる感じ、かっこいいっす( ˙-˙ )
特に犯人当てしようとか、どこに落とし穴があるかなとか考えて読んだりはせず、純粋に楽しみました。
読んでるうちにん?って思う部分はあったり、分かっちゃったりするところもあったけど、最後の最後にはおおおおってなったので、楽しかったます!
せっかく読者を楽しませようと思って書かれているんだから、ストレートに読むのがオイラ的にはやっぱりおぬぬめだなって思うますんฅ(*´꒳`*ฅ)ꪆ
Posted by ブクログ
こんな読書体験初めて!
終盤につれてこうなんじゃないかな〜と予想をしても、それを上回ってきて笑っちゃいました
ヒントありの叙述トリックでも騙されるなんて!ミステリ初心者にも優しい読みやすい作品でした
Posted by ブクログ
ライトな読み口の連作短編集です。叙述トリックものとしてフェアであろうとすることで判明後の驚きがどうしても減ってしまうのが苦しいですが、魅力的なキャラのおかげで読みやすいので力を入れずに読むのをオススメします。
Posted by ブクログ
「叙述トリック」というタイトルに惹かれて手に取った本書。短編という事で1編あたりは軽いお話しではあるものの、こういう癖の強い探偵は読んでいて楽しい気持ちになりますね。
次回作も期待しています。
Posted by ブクログ
前書きで本編には叙述トリックが含まれていることやそもそも叙述トリックとは何なのかについて書かれている。
「松方はどこにでもいる〜」の部分が特に面白い。
初っ端から心を掴まれた。
本編のお話も結構お気に入り。
トリックが含まれていると分かっていても騙される。
見抜けた時はドヤ顔してみたり。
最後の話が一番面白かった。
予想していた展開と全く違う大どんでん返し。
想像力をくすぐられる良い読書体験ができた。
Posted by ブクログ
あーあ、
私にはうまく見破れない、、、、
わかったかも、
と思うものもあったけど。
結局なんというか、、、
負けたという気持ち。
面白い読書体験ができたと思うし、
読んでいて楽しかった!
Posted by ブクログ
タイトルの通り叙述トリックを使った短編集。最初に読者への挑戦状として叙述トリックの説明が挟まれ、全編で1人だけ同じ人が登場していることや、各話のトリックのヒントなどが提示されている。
タネ明かしのタイミングであれっ?てなる感覚を手軽に楽しめたし、表紙も含めて至る所に作者の遊び心が溢れていた。既視感から途中でトリックの推測がつくものも多かったけど、最後はすっかり騙されたので満足。
全編ででてくる人は別紙さんじゃなくて助手の女の子かなって途中で勘づいて、うーちゃん呼びのくだりで羽海だと気づいた。名字が中村に変わったのは本人が結婚したからで、別紙さんは2人いるっていうニアミスをした以外は見破ったと油断してた。最後のあらすじが物語になってて、各話のヒントがいまいちピンとこなかった理由に納得。
Posted by ブクログ
読みやすかった!
気付いた仕掛けもあったし気づかないのもあったし伏線多くて読み返したくなる、最後のはなんとなくわかってたよ✌︎
ただ私は流し読みする癖があり細かい部分気づかない性格だから、伏線系の作品向いてないんだなと気づきました
Posted by ブクログ
叙述トリックって、最後まで読んで「ああ!そうだったのか!騙された!」ってなるのが醍醐味なはず…なのにこの本は、最初に「叙述トリックですよ」と種明かしされた上で読者がそれを見破れるかという、まさに読者への挑戦。
しかもご丁寧に最初にヒントまで示されているという。
叙述トリックものって、そういうことか!という爽快感を感じるときと、なーんだ、そんなオチか、ずるいな…という場合も正直あるので、そういう意味では最初に叙述トリックですよと明かされているので、ずるいという文句は言えなくなる。
どの短編も、ありがちな設定ばかりだけどまんまと騙されてしまった。
ただ、別紙さんのキャラクターが強すぎるせいか全体的におふざけ感があり、ミステリというよりコメディっぽい感じ。
あと、注釈が多いのも気になった(特にトリックとは関係なさそうだし)。
ただ、試みとしては面白かった!
Posted by ブクログ
こちらも本タメでおすすめされていたので読んだ本。
読者への挑戦状というか、叙述トリックであることが明示された上で挑むもの。
よく考えたら、私はあまり叙述トリックが好きじゃないので、実はそこまで楽しめなかった。(著者のせいではなく個人の趣味嗜好の問題)
なので、短編についてもちゃんと見抜けないままこういうのが叙述トリックになるのか〜と感心。
ただ、やはり最後の仕掛け(?)には騙された……