あらすじ
*注意! この短編集はすべての短編に叙述トリックが含まれています。騙されないよう、気をつけてお読みください。
本格ミステリ界の旗手が仕掛ける前代未聞の読者への挑戦状!
よく「叙述トリックはアンフェアだ」と言われてしまいます。これが叙述トリックというものの泣きどころです。
では、アンフェアにならずに叙述トリックを書く方法はないのでしょうか?
答えはノーです。最初に「この短編集はすべての話に叙述トリックが入っています」と断る。そうすれば皆、注意して読みますし、後出しではなくなります。
問題は「それで本当に読者を騙せるのか?」という点です。最初に「叙述トリックが入っています」と断ってしまったら、それ自体がすでに大胆なネタバレであり、読者は簡単に真相を見抜いてしまうのではないでしょうか?
そこに挑戦したのが本書です。果たして、この挑戦は無謀なのでしょうか? そうでもないのでしょうか?その答えは、皆様が本書の事件を解き明かせるかどうか、で決まります。(「読者への挑戦状」より一部抜粋)
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Posted by ブクログ
6つの短編集とあとがきで構成される叙述トリックで、どれもパターンが異なる。しかし6つ目の短編で、実はこれまで同一人物が1人と登場しており、同一人物と思われた人物は血縁関係だったというオチ。あとがきに関しても、著者によるあとがきではなく、『あとがき』というタイトルの作品であった。
Posted by ブクログ
その名の通り叙述トリックだけを扱った短編集。どれも短いのでサクサク読めるのでそこまで読み終えるのに時間がかからない。ありとあらゆる?叙述トリックを扱っており、しかも冒頭からヒントまで出されている。ちなみに頭に入れずに読んでも普通に面白い。探偵役が全員別人なのには気付いたので、助手役が共通なんだろなあと予想できたのがちょっと残念。でもあとがきというタイトルの作品があってもいいだろ、というお話は面白かった。確かにあってもいいよね。
Posted by ブクログ
おもしろかったです!
叙述トリックがなんたるかの勉強になりました。
ただ、他の方も書いている通り
ふざけたと言うと語弊があり失礼ですが
おふざけなところは
読むテンポが遅くなりました笑
叙述トリックで大どんでん返しのある
重厚なミステリーが読みたくなりました!
なんやかんや言うてますが
おもしろく、騙されました笑
後書き前の最後の話は
全話が繋がって
おおー!となりました。
Posted by ブクログ
叙述トリックであることを宣言しフェアに、むしろヒントたっぷりのハンデありで開始される作品。
個人的には叙述トリックはフェアでないと不満に感じたことがなく、どんどん完璧に騙してもらって、あっと驚きたいのでやっぱり宣言はなくていいかなと、読んだ結果思いました。
やっぱりヒントが念頭あって解けるより、読みながら紐解けていく感覚が楽しく、解けなければ文章の中のネタバラシでハッとしたいと、不完全燃焼という感じでした。
変態設定はカモフラージュによかったですし、試みも面白く、遊び心たっぷりで仕掛けを楽しめました。
Posted by ブクログ
「叙述トリック」というタイトルに惹かれて手に取った本書。短編という事で1編あたりは軽いお話しではあるものの、こういう癖の強い探偵は読んでいて楽しい気持ちになりますね。
次回作も期待しています。
Posted by ブクログ
前書きで本編には叙述トリックが含まれていることやそもそも叙述トリックとは何なのかについて書かれている。
「松方はどこにでもいる〜」の部分が特に面白い。
初っ端から心を掴まれた。
本編のお話も結構お気に入り。
トリックが含まれていると分かっていても騙される。
見抜けた時はドヤ顔してみたり。
最後の話が一番面白かった。
予想していた展開と全く違う大どんでん返し。
想像力をくすぐられる良い読書体験ができた。
Posted by ブクログ
タイトルの通り叙述トリックを使った短編集。最初に読者への挑戦状として叙述トリックの説明が挟まれ、全編で1人だけ同じ人が登場していることや、各話のトリックのヒントなどが提示されている。
タネ明かしのタイミングであれっ?てなる感覚を手軽に楽しめたし、表紙も含めて至る所に作者の遊び心が溢れていた。既視感から途中でトリックの推測がつくものも多かったけど、最後はすっかり騙されたので満足。
全編ででてくる人は別紙さんじゃなくて助手の女の子かなって途中で勘づいて、うーちゃん呼びのくだりで羽海だと気づいた。名字が中村に変わったのは本人が結婚したからで、別紙さんは2人いるっていうニアミスをした以外は見破ったと油断してた。最後のあらすじが物語になってて、各話のヒントがいまいちピンとこなかった理由に納得。
Posted by ブクログ
叙述トリックって、最後まで読んで「ああ!そうだったのか!騙された!」ってなるのが醍醐味なはず…なのにこの本は、最初に「叙述トリックですよ」と種明かしされた上で読者がそれを見破れるかという、まさに読者への挑戦。
しかもご丁寧に最初にヒントまで示されているという。
叙述トリックものって、そういうことか!という爽快感を感じるときと、なーんだ、そんなオチか、ずるいな…という場合も正直あるので、そういう意味では最初に叙述トリックですよと明かされているので、ずるいという文句は言えなくなる。
どの短編も、ありがちな設定ばかりだけどまんまと騙されてしまった。
ただ、別紙さんのキャラクターが強すぎるせいか全体的におふざけ感があり、ミステリというよりコメディっぽい感じ。
あと、注釈が多いのも気になった(特にトリックとは関係なさそうだし)。
ただ、試みとしては面白かった!