あらすじ
「将来の夢」や「本当にやりたいこと」を聞かれたとき、それっぽい答えを言ってやり過ごしたことはないですか? 自分を忘れるほど夢中になれる「なにか」を探すためにスマホを置いて一歩を踏み出そう。 【目次】序章 なぜ衝動は幽霊に似ているのか/第一章 衝動は何ではないか/第二章 衝動とは結局何ものなのか/第三章 どうすれば衝動が見つかるのか/第四章 どのようにして衝動を生活に実装するのか/第五章 衝動にとって計画性とは何か/第六章 どうすれば衝動が自己に取り憑くのか/終章 衝動のプラグマティズム、あるいは実験の楽しみ/あとがき
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
身を滅ぼすかもしれない“衝動”。
その魅力を余すことなく語ってくれるのが、谷川嘉浩『人生のレールを外れる衝動のみつけかた』です。
これはもうタイトル勝ち!
「人生のレールを外れる」という言葉に何とも言えない魅力を感じます…。
慎重な性格の私が、特に影響を受けたのは、「試みること」に対するスタンス。
実はこの本を読んだことで、「エンドク」という読書の時間を立ち上げることを考え、行動に移したんです。
試しに働きかけてみることで世界がどう反応してくれるのかを楽しみにする。
その積み重ねが、衝動を自己に憑依させる。
この「世界の反応を楽しみにする」という待ち構え方に、私は背中を押されました。
自分の行動を変えてくれた本というのはいつまでも胸に刻まれます。
そんな本がまた一つ増えました
Posted by ブクログ
衝動を『幽霊』のメタファーで論考していく点が印象的。
章ごとにまとめがなさているので、難しい展開になっても道筋を見失うことなくゴールに辿り着けた。
自分がトレーニングにかける熱量って周りから見たら『なんでそこまで?』って感じでよく言われるけど、これが衝動なのかなぁ。。
一方で、やりたいからやってる感もあるし、その点から考えるとダニエル・ピンクの記すところのモチベーション3.0に当てはまるのかな。
まぁ、この気持ちを必ずしも分類わけしないといけない訳じゃないし、今後も衝動の向きや目的は変わりうるだろうし。。
ただ少なくとも、これからもキャリア的な(偶然を想定していないような)生き方はせず、自分らしく偶然に身を任せていこうとおもふ。
Posted by ブクログ
自分が就職活動中で進路に悩んでいるのと、帯にラファウがいるため購入。めっちゃくちゃ面白かった。
ここまで個人の衝動について偏愛についてここまで詳しく解説した新書を読んだのは初だった。
衝動を個人が持つ「深い欲望」に替えた63ページの記述が分かりやすい。「深い欲望は分かりにくく、見えにくく、捕捉しづらいのです。進路選択、就職活動(中略)告白、離別(中略)自分の欲望の捉えどころのなさ」そうなんです。衝動、もとい深い欲望は自分でも分からない、常に説明からこぼれ落ちる。めんどくさい
著者は言語化が流行っている昨今の状況にも「言語化のサンクコスト」と言った形で84ページで警鐘を鳴らしている。「多くの人は自力で頑張って言語化すると、言語化に費やしたコストに囚われてしまって」「言葉でっかち」になってしまう。「言葉は、握り込むのではなく、何かあれば取り落とすくらい軽く持つこと。それが言語化に取り組むコツ」と言う。
目から鱗だった。たしかに。上記の深い欲望を言語化しても説明からこぼれ落ちてしまうから言語化には慎重になったほうがいい。言語化については3章でも詳しく述べられている。
162ページからの将来設計の脆弱さの熱烈な批判、最終章のスマホ時代の哲学にも個人的にハッとさせられるものがあった。LINEの未読を溜めとくことが注意の分散状態を作り出し、快楽的なだるさとなって寂しさを一時的に紛らわす。面白い視点。
「スマホ時代の哲学」も読みたいな。
偏愛はメリットデメリット関係なしについやってしまうこと。おそらく自分の場合は読書。これも作者的には抽象的だから現時点での解像度を高めると、自分が本を読むのは知らない言い回しで表現されてる世界を知りたい知的好奇心になるのか。しかし読書をするようになったのは大学に入ってから。高校までの偏愛は勉強だろう。別に受験勉強自体は苦じゃなかった。知らないことを自分の力で導き出せる。他の人より高い点を取ることに快楽を求めていたのかもしれない。まだ分からない。小学校までは化石採集、昆虫飼育、植物育成色々やったが、どれも収集癖はあったかもしれない。これも知らないことを知りたい好奇心だろう。ただこの自己理解もそれっぽい説明で釈然としない。じっくり考えたいところ
Posted by ブクログ
衝動→行動が伴うと偏愛
知性の働かせ方
①環境の観察
②記憶の探索
③意味の判断
衝動は思いつきじゃない持続性がある
回心、再生
観察力による知性の働き→だから美術解釈による
観察を鍛えることが支持されてる
衛生要因
動機づけ要因
自己を感じやすいメディアに変える
ジャックイン
物語
Posted by ブクログ
衝動って「衝動にかられる」とか「衝動買い」とか、負のイメージで使われることが多いのでちょっと衝撃的。人生の岐路について時々考えることがあるが、答えが出ないのはやりたいこととか夢に縛られすぎているせいなのかも。もっと衝動にまかせていろいろ道を外してみる。そしてそれを楽しむ。まさに逆説的金言。
Posted by ブクログ
52歳。仕事も成功し、子育ても終わりつつある。それで、私はいま何をすべきなのか迷っている。この本がその指針を示してくれたように思う。次はダークホースプロジェクトの本を読むこととする。しばらくは次の道探しが続くだろう。希望を持って楽しく探索していきたい。
—-
⚪︎衝動の性質
・自分でもコントロールしきれないほどの情熱。非合理で説明もつかない。自分でもなぜそれに駆り立てられるように没頭しているのかよくわからない。そういう熱量が湧き出してしまう状態。
・やばいくらい熱中していること
・やみつきになること
・取り付かれたみたいにはまること
・過剰である
・強い欲望ではなく、深い欲望。表層から見えないほど多く、深くから生まれて自分を突き動かす欲求
・衝動が見つかってしまったら、かえって将来の事などどうでもよくなる
・ここさえ譲れなければ、他は何だっていい?
⚪︎衝動の効果
・何かを学びたい身に付けたいと思う時、衝動がその背景にある方が持続するし、遠くまで行くことができる
・疲れたり飽きたり嫌になったりしても、なお続く
・人の行動を脈絡なく不連続に変えてしまう。それ故衝動が人に憑依した瞬間、人は自分自身に驚くことがある。
・自分に合った意外な場所に気づくことができる。もっと驚きと充実感に満ちた生活が送れる。
⚪︎普通の生き方
①市場的世界観
・自分を売り物として扱う生き方ばかりしていると、どうにも惨めな気分になってくる。だから、文化による自己逃避が価値を持つ。
・ハイクラス転職、スクールカースト、恋愛カースト、勝ち組、負け組、負け犬の遠吠え
・自分をアピールし続ける。私を選んでもらえるように。
・効率、標準のルート
⭐️希望⭐️自分も商品のように扱う生活を辞めたいと言う感覚。市場的世界観を降りる実験に取り組みたい
・
②他人志向型
・常にトレンドや世間的な正解が何なのかを気にする
・自分の中に原動力を持たない
③強烈な欲求
・他人志向や他人起点であることが多い
・最高、尊い、神、
④キャリアデザイン
・計画、放棄遊びや脱線、偶然の逸脱をノイズや無駄として避ける傾向がある
⚪︎衝動の見つけ方
①概念
・海面からそこの方を覗き込んで、海底の岩安粒を押しのけて漏れ出してくるカスかな。気泡を見つけるようなもの。強い欲望と違って目立った感情的効用が伴わない
・細分化された欲望
・偏愛
・個人的で細かい欲望
・特定された
②違和感や不快感から捜査を始める
・準備や調査もなしに、いきなり自分の心地よさを言い当てる事は誰にもできない
・心地よさと比べて、違和感や不快感のほうはよくわかる
・「ここちよさの建築」
③欠乏を体験する
・バリエーションがなく、単調で探索的に捉える余地のない粗悪な刺激に囲まれている状態
・→味わうに値するものが出てきたときに、それをじっくり楽しもうとする感性が育まれる
④自分の中に根拠を持つ
・それっぽい言葉で終わらせない。自分特有の羽根が必要。抽象物だけでは、人間が生きるバネにならない。
⚪︎ Dark Horseプロジェクト
⚪︎衝動の実装
・周囲にいる他者や環境を尊重しつつも、内側から湧き上がる衝動を押し殺さない
・プラグマティズム
・衝動は、具体的な目的ではなく、大体の方向性を告げるもの
・知性を持って、目的と戦略と手段を考える
・衝動の力が続く限り、目的や戦略は成長していく
・衝動が告げる方向に走り出すことをためらう理由がない
・環境のあちこちに、モチベーションの目が散らばっている世界とこうし合いながら、自分の関心を育てる
・いいなと思う人や、物事に試しに働きかけてみることで、世界の側から何が返ってくるのかを楽しみにする
Posted by ブクログ
タイトルに惹かれて本を買ったのは久し振りだしこういった啓発本でエモーショナルさを掻き立てられるものはあまりなく、どちらかというと打算的なものを打算的に読むことが多かった。小説よりもエモーショナルに、打算を打たずに読める啓発本。それだけで読む価値がある。
それだけ期待値が高い状態で読み始めたわけだが、ボルテージはそのまま上がっていった。現代の情報過多・マルチタスクの常態化によって、何かに熱中したり衝動に突き動かされることがどうしても減ってしまうよねという話。
細分化された具体的な欲望である偏愛をもとに、衝動の手がかりを見つける。そしてその衝動を実生活に実装する。およそ衝動とは近いと感じがたい実践的な方法論とセットが述べられているが納得の連続。
私自身、ランニングもブログ執筆もインプットも、ある種の偏愛の末にある衝動として出力されているのかもしれない。なんでそんなに頑張ってるの?と言われる所以が衝動以外に説明がつかないともいえる。
Posted by ブクログ
「自分のやりたいことをやりなさい」と謳う本はこれまでたくさん読んできたが、結局いくら自分の内側に語りかけてもやりたいことなんてわかんないんじゃ~と思っていた。
だから「衝動」だって私の中にはないんじゃないかと。
だけど足りなかったのは、自分の内側に問いかけ続けることじゃなかったのか~と知り、とてもとても納得。
たしかに続けて行けば、人生が変わるかも。
Posted by ブクログ
自分の中にある、やむにやまれぬ情熱=「衝動」を見つけ出し、それに従って生きる方法を説いた本。面白すぎて文字通り「一息で」読んだ。就活のときから解決できなかった「何者になりたいのか」という問いが、自分にとっては不要であることに気付いた。衝動を見つけ、衝動に従って生きるというのは、シンプルかつ幸福度が高い生き方であり、その持続性によって鍛錬が苦ではなくなるという意味においては、自分の可能性を高める生き方であると思う。「周りと同じレールの上を進む」ことに息苦しさを感じている人はぜひ読んでほしい。
Posted by ブクログ
本当にやりたいこと、という言葉を使わないほうがいい。ひとの興味は移り変わるし、ただその時のベストを「本当にやりたいこと」だと思い込んでいるだけだ。だから、自分で自分の未来を縛らなくたっていい。将来を考えるときに、「こういう職業についてきたから次も活かせるものを考えよう」とレールの上で考えてはいないか。興味のあることを抽象化すると、なにも自分が活躍できる場はひとつだけはない。感受性を研ぎ澄ますには、「誘惑される力」が大事。私にとっては、部屋に絵を飾ることであり、ちょうちょを追いかけることである。
Posted by ブクログ
偏愛はすべてに勝る 世界が滅びたとしても
そんな極端な考え方は、自分には出来ないなと思いながら読み終えました。
なりたい自分や、憧れの人など、生活していく中で様々な人を目標にしている。そんな事ではなく、どうしようも無くやりたい事がある、例え世界が滅んでも構わない。
実にカッコよくて、自分もそうなりたい!と思ってみますが、これが中々に難しい。周囲の人との関係や、どう見られたいかの外的要因がどうしても頭をよぎります。
著書の中で例として出てくるフリーレンのように、魔法を集める事を単純に趣味と言い旅の目的であると言えるような人生を歩みたい。そう思いながら本書を読み進めていくと、著者により衝動について様々な角度から考察されています。が中々難しいテーマで理解しにくい場面もありました。
そもそも衝動とは何か?を考える機会が始めてであり、そして自分のやりたい事は、本当の気持ちなのか?を考えさせられます。
でも読まなければ、自分の気持ちにも気づけなかっただろう。そう感じた書籍でした。
Posted by ブクログ
感想を一言で述べるとすれば、とても自分勝手な本でした。
著者が述べていることはほぼすべて私自身が考えていることと一致しており、著者が述べていることには反論はないのですが、裏付けとしている事柄やその結論に至る道筋が私には理解しがたいところがあり、そういう意味で置いてけぼりを食らった感じがあり冒頭の「自分勝手」という感想になっています。
- 本当にやりたいことは表面的に囚われがちである
- 色んなことに触れて取り込むことが大切である
- 自分から関わってみることが大切
- やりたいことはどんどん変わって良い
などなど、これらについては私の考えと完全に一致しています。けれどそこに至る流れとして著者が提示しているものが私には入ってこない。
本書の最後のコラムの内容も私の考え方見方と一致していて、このコラムを書いたのは私ではないかと思うほど、色んなところで一致しているのにも関わらずです。
きっと著者は自分勝手にこの本を書き、私は自分勝手にこの本を解釈しているのではないかと思います。
Posted by ブクログ
スマホの哲学を読んだところからこの本に出会いました。
哲学を自己啓発に使うのは気が引けますが、内容を元にやりたいことに出会えるといいと思いました。
本の中では漫画作品で常軌を逸した行動をする主人公、現実世界で自分の夢中になっていることで成功した例を紹介しながら読者に衝動についての理解を深めさせます。
また衝動のほかに偏愛があり、衝動と切っても切れない関係にあることを論じています
Posted by ブクログ
このひとを知りたい、というひとがいる。
そのひとにこの本を渡して、もし読んでもらえたら、
少したってから訊いてみたい。
あなたの衝動は何でしたか、と。
あなたの偏愛をどこまでも具体的に、細かく細かく辿っていった先に、何がありましたか。
実際のところ、あなたは何を楽しんでいるのですか。
その言語化された偏愛をほどほどに一般化したら、何が残りましたかーー。
それから、僕の衝動はこれでした、と話してみたい。
とても個人的な、けっこう奥のほうのことだから、
むやみに訊くことでもないし、云うことでもない。
だから、もし双方が知りたいと思うとしたらの話。
ーーそんなことってあるだろうか。
これはとても愉しい本。
『香山哲のプロジェクト発酵記』(香山哲著 イースト・プレス 2022)を買いもとめることになる本。
自分にインタビューをすることになる本。
そして、自分はこれに突き動かされていたのか。なるほど、どうりで。と腑に落ちて、
それなら、と今の自分にしっくりくる方法で今日を生きられるようになる本。
そうして僕は〈情報カード〉を入手した。
ケースも揃えた。
Posted by ブクログ
多孔的自己として自分自身を感じやすいメディアにして、外の世界と内なる自己を行き来する。
誘われる感性、そこに手を伸ばすアクションを起こしてこそ衝動が見つかる。
あくまで柔軟に、自己も目的も衝動も変わるもの。
今の自分の状態にしっくりきて、背中を押される感じはあった。
Posted by ブクログ
前から「アウトデラックス」や「激レアさん」など番組に出てくるような、他人とは違う癖や嗜好を持って活動したり、生き方そのものをデザインしている人が好きで、この本にも興味をそそられた。
ちょうど何にも強い興味を持てずに、不特定な不安と焦りが募る日々を過ごしていたこともあって、何かヒントになるかもという思いで読んでみた。
「みつけかた」とタイトルにあるが、プロセスや技法的な指摘はまとめる程度で、実際は「衝動」という捉えどころのない感情の動きを体系的に説明した本。
哲学書にありがちな歴史的に著名な哲学者、思想を引用し小難しく理解を複雑化する手法が少なく、身近なアニメや漫画の引用が多いので、自分がサブカルチャーにそれとなく詳しいこともあり、楽しく読めた。
章ごとにまとめと、それに付随する論点があり、時間はかかったが、テーマから脱線せず読むことができた。
プラグマティズムという概念を新しく取り入れて、日々瞬間的に生まれ変わる人生にしたいと思った。
何かに誘惑されやすい感受性を持つことしばらく忘れていたように思う。自分を可変的な存在と認識して、小さなアクションを起こして、気になる事柄を見逃さないこと。
セルフインタビューや純粋な趣味探しをOODA(観察、状況判断、意思決定、実行)のやり方を参考に実践してみる。
Posted by ブクログ
自分の深い(見えないと言う意味であって、含蓄などではない)部分にある、合理性や計画性を超越した偏愛を、衝動という。見えにくいが故に、自分ですらも見つけられなかったり、取り違えたりする。強い執着を衝動と取り違えたりするように。今までの自分の延長に無い可能性もあるから、「なりたい自分」「本当にやりたいこと」などの「それっぽい言葉」とは親和しない。見つけるには、日々実験的に物事に取り組み、自分の心の変化を具に観察すること。
以前読んだ経済学者の方の本で、1日一つ、どんなに些細なことでもいいから、新しいこと、やったことがないことをやってみる。と言う旨の話に通ずるかも知れない。
自分はこの言葉に出会って、1日一つ自分を変えれば、来年の今頃には別人と思って生きている。それでも変えられないところ、変えたくないところに、衝動は生まれるのだろうか。
参考文献が概ね新しく(ほとんどの文献がここ5、6年のものに見受けられた)、今っぽい話題なのかなと思った。
Posted by ブクログ
正直なところ、読み終わった現時点で、衝動を見つけられたか、というとそんなことはないし、たぶん今後もそうそう見つけられないと思う。
この点では、「みつけかた」というタイトルには誇張があるのでは、とも思う。
特に、偏愛してることをセルフインタビューで見つけられるか?って気はする。
ただ、今後の生き方に何点かの視点を持てたと思う。
・実験→興味を持ったことに少しずつ取り組むこと
・外の世界と関わりを持ち、相互に影響を及ぼすこと
この辺りは意識的に取り組んでいきたい。
今は特に身を焦がすほどの衝動を見つけられる気はしないけど、今後上記の生活をしていけば、もしかしたら自分の内側の衝動が表出してくるかもしれない
Posted by ブクログ
自分がモヤモヤ感を感じていた、キャリアデザインをテーマにする自己啓発本やセミナー等について、うまくその感情を言語化してくれるような本だった。自分と他人の間に壁を置くのではなく、あえて多孔性の状態「善なるものを招き入れる姿勢」を意識することで、自分の衝動に気づくきっかけが増えるというお話が印象的だった。
Posted by ブクログ
自分の今までのキャリアに迷いがあったから手に取った本。
取るに足らないことでいいんだと改めて思う。
衝動、偏愛を自分自身が愛して理解して、他人からの評価や視線などは気にしないこと。
それが何より他人に影響されない自分自身の人生を歩む術だと思う。
・本の中で気になったこと
内容の中で衝動の例として、漫画『チ。』のラファウなどの話が度々出てくる。でも、私の中で漫画は創作では?という感情がよぎる。漫画なのだから、衝動に突き動かされて行動するというストーリーを描いているだけなのではと思う。例としては弱いと思う。現実に生きた人を例に出して欲しかったし、衝動に突き動かされてサクセスストーリーを築き上げてきた方々はたくさんいるのになぜ漫画の登場人物を例に出すのか?そこが良くなかった。私のようにそれは漫画だからでは?創作だからでは?という感情になる人もたくさんいると思う。
Posted by ブクログ
他者の判断基準に従う「欲望の強さ」ではなく、個人性や具体性に根ざした「欲望の深さ」を手がかりに、自分の偏愛傾向を分析し、そこから衝動を読み解くことが提案されている。
著者はその方法としてセルフインタビューを挙げるが、これがとても難しい。実際にやってみると、解釈の過程でどうしても何らかのフィルターが入り、それが他者の価値基準に寄った一般論にすり替わっている気がしてくる。本当に自分がそう思っているのかも、よくわからなくなる。
さらに、「これが衝動だ」と意識した瞬間、それを維持しようとする意識が働き、もともとの自然な流れが固まってしまう。無意識のものを意識化したことで、義務のような感覚に変わってしまう。
内容はわかりやすく書かれているが、実際にやろうとすると難しい。
後半で語られる「衝動から目的をこしらえる生き方」は、キャリアデザインほど固定的でもなく、刹那主義ほど相対的でもない。その中間にあるハイブリッドな生き方として提示される。
つまり、衝動とは「これが衝動だ」と固定するものではなく、つねに観察し続ける対象なのだと思った。
Posted by ブクログ
言っていることは分かるけど、という感じで私には響きませんでした。
どうやってここから議論を展開していくのだろうと思える話題に対して、とても自然でスムーズに話が展開されていく様子は読む価値ありだと思います。
ただ衝動の見つけ方、ということに関しては少々ぼんやりしているように感じてしまいました。衝動は幽霊のようなもの、と喩えられているように明確な手続きを示す、という形にならないことは仕方ないと思います。
期待が大きかっただけに、読後のモヤモヤ感が残ってしまったのだと思います。
Posted by ブクログ
チ。を観てなにか夢中になれるものに出会いたいと思い、購入。初めて新書を読んだが読みやすい。
「衝動」の見つけ方やそれを日常に反映する方法などが書かれてる。
日々の生活の中でいつか「衝動」に出会えたらいいなああ。
Posted by ブクログ
あんまり刺さらないなぁと思いながら読んでたけど、最後の章は「ちょっと分かるかも」って思ったかも。でもあの辺の記載は言ってしまったら現代の若者に対する一般論で、勝手に自分が分かった気持ちになってるだけなのかもな。
Posted by ブクログ
私たちは、幼稚園、保育園、小学校、中学校、高校、大学で、社会らしい”正解”をゴールとして教育または指導される。誰かが作った常識と社会で生きる多くの人にとって、本著の言うところの衝動を見つけることは難しく、レールから外れることで疎外感や孤独を味わうことになるだろう。だが、それらは衝動のままに戦略的に行動や活動をしていけば、その時々の自分の成長と同じ視点の仲間と出会うことを知らなければならない。
この社会では、学校はあくまで「人生の平均」を教えてる場所であり、自分の内から湧き上がる本心と向き合い、衝動と情熱のままに学習しながら行動する活動することが必要だ。本著でも指摘しているが、SNSなどからは距離を置いたほうがいい。孤独を増長するだけで不幸になる。
人生にレールなんてそもそも無い。自分で開拓して自分の足で意思で前に進むだけだ。年齢も性別も世代も関係ない。今までの自分と向き合い、自問自答し、湧き上がる衝動を見つけ、常に学習し、研磨し、応用し、活用し、行動し続けていけば、自分だけの、あなただけの道が見つかることだろう。良書である。
Posted by ブクログ
好奇心を持って積極的に生きる。
文章が面白く飽きさせない。例えがマンガで距離感が縮まる。話の流れが丁寧に作られていて、わかった気にさせてくれる。それでも何回も読まなくちゃ定着することはないでしょう。
Posted by ブクログ
子供の時の夢を叶える事が素晴らしいかのような、刷り込まれた価値観でテンプレ通りに語るのはとても残念だ。
何になりたいかなんてなくて良い。この社会においてナビゲーションされる一見健全そうなレールは、親子共に安心して努力する事を美しく演出するようなメイクストーリーだ。だが、ユーチューバーになんてならなくて良いし、スポーツ選手に憧れない、医者にも興味ないあなたは、それに憧れるヤツらに劣等感を感じる必要などないのだ。
ただただやっていて楽しい事。夢中になれるもの。夢とはその範囲でフレーミングした欲望に過ぎず、そうやって時間を過ごすのは素敵な事だろう。しかし、更にいうならば、夢中になれる事すらなくて良い。社会的価値観の押し付けに焦る必要はない。ゆっくり生きて、偶然に何かと出会うならば、いや出会わないならそれすらも、多様性による調和的な存在意義である。あなたはあなたで良い。私が私で良いように。
生きる事に条件などなく、ただ、生きていく。
お仕着せの「良い生き方」など、レールの上にもレールの外にもありはしない。錯覚世界の中で、成功者の幻影を自らに重ねてそれに浸るのみだ。
私だってそうだ。衝動とは、リビドーや渇き、生命を守るような判断に突き動かされるだけであって、何時間も夢中になれるものなんて、YouTubeのショート動画を延々と見ているそのムダ使いみたいな時間と、忘我の為の読書くらいだ。何になりたい訳でもなく、それで良いということを概ね確信して生きている。
ー その行動の背後で働いているものを、私たちは「衝動」と呼んでいます。それは「え?なんでそんなことを、そんな熱量で?」と、周囲や自分自身が疑問に思うくらい非合理な動機であり、“要領のいい”行動、賢い”行動とは無縁です。衝動を持つ人は、ちょっと不可解で、はちゃめちゃなところがあるわけです。
こうした◯◯は良いことみたいな生き方模索的な啓発を信じ込むことは、なにやら情報商材に騙されているみたいな感覚だ。良いこととはその人の価値基準における良いことであって、あなたには無関係な生き方だったハズだろう。
ー ナラティヴ・トランスポーテーション(物語的移入)は、物語世界の中に入り込み、没入することを表しています。つまり、ジャックインのことなのですが、これを単に「フィクショナルな移入」と言わずに、「物語的移入」と表現したことには、物語という形式でこそジャックインが成立しやすいという心理学者の直観が働いているように思われます。
ほら、本書も書いている。レールの上での成功体験も、レールを外れた情熱体験も、フィクショナルな物語的移入に過ぎないのだと。ジャックインとは、コードを繋ぐこと。どうして自分にコードを繋いでまで、レールの所在を意識して走る必要があるのだろう。レールの内外を「走る必要性」から、先ず考えてみたらどうだろうか。