内田樹のレビュー一覧

  • 先生はえらい

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    ー 私たちが会話においていちばんうれしく感じるのは、「もっと話を聞かせて。あなたのことが知りたいから」という促しです。でも、これって要するに、「あなたが何を言っているのか、まだよくわからない」ということでしょう?

    私たちが話をしている相手からいちばん聞きたいことばは「もうわかった(から黙っていいよ)」じゃなくて、「まだわからない(からもっと言って)」なんですね。恋人に向かって「キミのことをもっと理解したい」というのは愛の始まりを告げることばですけれど、「あなたって人が、よーくわかったわ」というのはたいてい別れのときに言うことばです。

    ごらんの通り、コミュニケーションを駆動しているのは、たし

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    2021年12月09日
  • 戦後民主主義に僕から一票

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    単著を読むのは、実はずいぶん久しぶりだった。共著書はしょっちゅう読んでるし、SNSでの発信にも触れるから、あまりそんな気はしていなかったけど。で、本書も相変わらずの内田節炸裂です。そういえば、先だって読んだ佐藤・池上新書の中で、内田さんのアメリカ陰謀論が、みたいな書き方をされていたんだけど、それが何だか全然ピンとこなくて、どういう読み方をしたらそうなるんだろ?と思ってたんだけど、なるほど、本書でも再三触れられる、アメリカの属国という考え方を受けて、ってことなんだな、きっと。でも、実際その通りじゃん。ここで記されるごとく、ひとまずそのことを受け止めないと、次のステップに進めないと考えるのが妥当じ

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    2021年11月25日
  • 戦後民主主義に僕から一票

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    『戦後民主主義に僕から一票』

    久々の内田本。懲りもせず、はじめにから引き込まれる。内田老師は、誰も書かないようなことしか書かないことを、文筆家としての自らに課している。誰もが書くようなことを書くのは、書き手としての意味がないからである。しかし、伝えたいメッセージは極めてシンプルである。民主主義って大事だよね、憲法って大事だよね、教育って大事だよねという具合に、誰もが書くようなことを書いている。しかし、内田老師の凡庸ならざる点は、まさにその理路の部分にあり、なぜ大事なのかと言うロジックが、人とは明確に異なっているからこそ、何度も膝を打つポイントがある。
    民主主義に対して、何事も決まるのに時間が

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    2021年11月20日
  • 「自由」の危機 ――息苦しさの正体

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    忖度か、同調圧力か、権力の逸脱か。最近、表現の自由が失われつつある風潮がある。26人の研究者、作家、芸術家、ジャーナリストが自由について考察し、声をあげる。

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    2021年11月03日
  • 新世界秩序と日本の未来 米中の狭間でどう生きるか

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    内田樹の「妄想」ぶ不思議なリアリティを感じる。「素人故」とのことだが、世界の歴史を巨視的な視点で俯瞰する氏の語りには大いに学んだ。

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    2021年10月22日
  • 日本辺境論

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    冒頭の「はじめに」にある説明の分かりやすさだけですっかりファンになってしまった。
    もちろん本編も、そしてあとがきまでも、掛け値なしに面白い。
    「まったく、どうしてニホンジンってこうなんだろう」なーんて、他の国のことを大して知りもしないくせについ、口にしてしまう前に、この本のことを思い出そう、これからは。

    過去の伝統をアッサリ全部切り捨てて、過去の上に構築するんではなしに、新しいものに飛びついてしまう(ように見える)ことが多いんじゃないか、とか、諸外国のようなススんだ考え方にならないのはどうしてだろう、とか、ホントに交渉事が下手だよね!とか。
    ひいては「超右翼的!」な考えの人と、超リベラルな人

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    2021年08月28日
  • 下流志向 学ばない子どもたち 働かない若者たち

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    私は両親に、姉妹で私立の中高大と通わせてもらい、毎年のように夏は家族旅行に連れて行ってもらったりしていた。だが私自身は2人の子供達を公立でも大学までやることができるかも不安な財政状態で、家族旅行にもほとんど行けない。子供達はびっくりするくらい家庭学習をしない。なぜだろうと考えていたことに、ひとつの解答を得た気持ちだ。2007年に出版されていたとのことで現在の状況を鑑みても、非常に先見の明があったと思う。当時はまだ子供もいなかったし、読んでも同じように感じたかはわからないけど、もっと早くに読んでいたら、今が違ったのかなと思った。

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    2021年08月19日
  • 「自由」の危機 ――息苦しさの正体

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    まず著者群の面子を見て、少なくとも既知の名前において、それぞれの発信することばを追いかけている人が多いことを確認。演繹的に、その他の著者についても、かけ離れた立場にはないであろうと判断。あわよくば、今後の人生指針になり得る存在と出会えることも期待。前置き長いけど、そんな考えの下、発売前から気にかけていた本書。日本学術会議任命拒否問題についても、どこかでちゃんと読まなきゃと思っていたけど、その欲求も本書で満たされた。中曽根時代から綿々と受け継がれて今に至るってのも、何とも根深くて嫌な感じ。そのあたりまで遡って、ちゃんと勉強しなきゃ。あとは、己でさえままならない自由の取り扱いを、更に次世代に伝える

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    2021年07月28日
  • 「自由」の危機 ――息苦しさの正体

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    26名による日本学術会議任命拒否問題に端を発した、自由への権力の介入に関しての論考集。息苦しさの正体にはさまざまな形での!自由を禁じようとする動きがあったことに改めて気がつく。
    それぞれの立場で見た自由への介入は、幅広いものがあり、私たちの生活がじょじょに狭められてきていることが分かる。
    誰かの問題なのではなく、自分の問題として、さまざまなやり口で介入しようとしてくる権力にはNOを突きつけたい。

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    2021年07月16日
  • しょぼい生活革命

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    「しょぼい起業で生きていく」の著者えらい
    てんちょう、こと矢内東紀氏が「街場の○◯
    論」で知られる内田樹氏との対談本です。

    「才能がある人間が日本からいなくなった。
    日本の将来は真っ暗だ」と嘆く人はいますが
    村上春樹氏は「時代によって知性の総量は変
    わらない」と言っていることなどを語り合い
    ます。

    つまり才能ある人が以前とは違う場所でその
    才能を発揮していて、それに多くの人が気づ
    いていない状況にあるのが現代だと言います。

    えらいてんちょう氏などは、その見つけづら
    い才能ある人の典型なのでしょう。

    従来の考え方、生き方ではこういう人と巡り
    会う機会はそうは無いと思います。

    しかしこの

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    2021年05月20日
  • 日本辺境論

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    日本は他国との比較でしか自国のことを語り得ない、という、「中華思想」との対義としての「辺境思想」を持つという命題。それによって何を体得したのかをめぐる考察が書かれている。前半の「なぜ日本はオリジナルな国家ビジョンを提示できないのか」「場の空気の支配とは何か」などはいちいち得心することが多く面白い。「絶対的な正しい価値は常に外側にあって、われわれはその周縁に位置する存在だ」という地政学的な状況に端を発するこの辺境人思想が、良い悪いではなく、先の物事の思考方向や、日本人の信教論や師と学びの在り方における知の吸収の姿勢に結び付き、また、外国語である漢語を「真名」として土着語である母国語を「仮名」と位

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    2021年04月25日
  • 街場の親子論 父と娘の困難なものがたり

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    内田先生が父子家庭で娘さんを育てたというのは知っていましたが、普通は(何が普通かという基準は?…というところですが)離婚すると子どもは母親の方に引き取られるので、それは何故?と思っていたのでこの本の内容を知って、内田家の事情を理解するのに絶好の機会と思って読みました。この往復書簡により、二人の親だから子どもだからという縛りに囚われない、お互い一個の独立した人格同士の結びつきが感じられて読んでいて心地よいものでした。
    娘のるんちゃんの小学校入学前に離婚した先生は、絶望にうちひしがれていて、るんちゃんの言葉を借りれば「死にかけのウサギのように弱っていた…」そうですから、誰でも人生にはそういう時って

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    2021年04月22日
  • 修業論

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    合気道を素人なりに齧っていると繰り返し聞かされる言葉に、「合気道の最強の技はなんですか?」との問いに塩田剛三先生が答えたという「自分を殺しにきた相手と友達になることさ」というのがあります。

    合気道にも流派がありますが、著者の「武道家が目指す『天下無敵』とは、誰にでも勝つということではなく、、だれとも敵対しないこと」との趣旨の言葉も究極的には同じことを指しているのでしょう。

    著者は、ここからそもそも敵とは何か、と考察を深めて、「私の心身のパフォーマンスを低下させるもの全て」と捉え直します。つまり敵が目の前にいないということは今の自分が可能な限り平静である、ということになるのですが、これをさら

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    2021年04月05日
  • 若者よ、マルクスを読もう 20歳代の模索と情熱

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    石川康宏先生の書簡部分は、正直内容が難しかったのですが、難しいなりに読み飛ばしながら(すみません)読み切りました。
    でも、難しいと諦めずに最後まで読めてよかったです。

    内田樹先生の部分は、読みやすかったです。

    マルクスってすごいなーと漠然と感じ、
    マルクスの言葉の力にカリスマ性を感じました。
    マルクスかっこいい。

    という、カジュアルな気持ちでマルクスに触れることができてよかったです。

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    2021年03月04日
  • 学問の自由が危ない

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    どの論考にも強い危機感が示されている。なかでも内田樹氏の論考はもっとも説得的だった。私が近年感じている「政権はまじめにやっていない」という印象はなぜ引き起こされるのか、これを読んで得心した。異議申し立てという人間の力を奪う数々の営みが粛々と進んでいる。

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    2021年02月28日
  • 日本辺境論

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    初版2009年。著者内田樹はこの本の要約を梅棹忠夫の「文明の生態史観」の次のような文章を引用して述べています。

    「日本人にも自尊心はあるけれども、その反面、ある種の文化的劣等感がつねにつきまとっている。それは、現に保有している文化水準の客観的な評価とは無関係に、なんとなく国民全体の心理を支配している、一種のかげのようなものだ。ほんとうの文化は、どこかほかのところでつくられるものであって、自分のところのは、なんとなくおとっているという意識である。
    おそらくこれは、はじめから自分自身を中心にしてひとつの文明を展開することのできた民族と、その一大文明の辺境諸民族のひとつとしてスタートした民族とのち

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    2021年02月28日
  • ポストコロナ期を生きるきみたちへ

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    高校3年生の私でも分かりやすい文章が多かった。新型コロナによって振り回される私たちの未来を前向きに考えていこうと思った。まずは正しい知識を得ること。そしてタテ、ヨコ、算数(本書より)の多角的視点から問題をみつめる。これから大学に進学する上で役立ちそうな知恵を得ることができた。

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    2021年02月19日
  • 学問の自由が危ない

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    学問の自由は私たちの生活とも関係している。学問をすることが自由なのもあるが、学問はそれ自体国の権力から自由で独立したものでなくては、また再び、戦争に使われる可能性がある。過去の過ちを繰り返さないという学者の決意から生まれた学術会議の経緯を知っていれば、今回の件は学者集団にとって、赤信号であるとともに、私たちの身にも危険が近づいていることを示している。
    さまざまな学会から声明が出され、報道を賑わせたが、最近また忘れられそうになっている気がしてならない。しかし、このことは決して忘れてはならない。
    個人的には内田樹さんの部分が、自分が薄々感じていたことをはっきりと明文化して提示されたようで戦慄が走っ

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    2021年02月17日
  • 下流志向 学ばない子どもたち 働かない若者たち

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    学ばない子どもたちの一人として、ストンと胸に落ちるという訳ではないがかなり納得させられる論だった。学びは何の役にたつの?という質問に対して、"答えることのできない問いには答えなくてよいのです"という考えはかなり納得のいくものがあった。自己責任論の危険さの話もかなり良かった。

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    2021年01月27日
  • 街場の親子論 父と娘の困難なものがたり

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    子どもの成長と家族の絆はトレードオフであり、家族は常に口では成長しろというが、心の奥底では未熟であることを願っている。家族の呪いから解放されなければ成長はない。子どもをこうしたいという親のエゴは害であり、衣食住を提供する支援者ぐらいの気持ちじゃないと子育てはうまくいかない。

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    2020年12月28日