須藤古都離のレビュー一覧
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特殊な機器を身につけることによって、男性である自分と女性である他人との意識が自分と共有される、という現象が起こる話である。
SF的要素もあるが、性同一性障害についても考えさせられた。
自分が男であることの違和感、女性でいられる間が本当の自分だと感じること。
そしてアイデンティティとは?
この作者の作品はゴリラ裁判に続き2冊目だが、主人公や舞台が日本、日本人、ましてや人間に留まらないことによって、いかに普段、自分が国や性別、そのようなものに囚われすぎているのか、を知る。
しかし、これだけ世界中がネットで繋がる世の中になると、顔や声は必要なく、国も必要なく、ただ、そこには意識が存在するだけ、そんな -
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前半はゴリラである主人公ローズのジャングルでの生活、後半はアメリカに渡ってからという構成。
ゴリラって今まで、血液型がB型なんだよねくらいにしか知らなかったがこの本のおかげで少しは勉強できたかもしれない。自分がゴリラとして生まれて、カメルーンのジャングルで暮らしていたらめちゃくちゃ幸せだろうなと感じた。それくらいゴリラ達が魅力的に描かれていた。なんなら生まれ変わったらゴリラになりたい。
物語のラスト付近のローズの友達の言葉にあったが、ジャングルの自然の中ではない、動物園のゴリラが本来あるべき生活をしていないと言うのなら、人間だってそうじゃないかと。
人間のあるべき生活とは何なのか。いまの人 -
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ネタバレおなじみの一行目一緒ショートショートのシリーズ。今回は初読みの作家さんが多かった気がする。特に最初の方、ロボットとかAIとかが続いて、大丈夫かいな、と思ったけど、真梨幸子さんや東川篤哉さんはちゃんと違うテイストで来ててさすがと思った。殺人が罪ではないという世界から、死刑等の罪になるという法律ができた、という大沼紀子「もう、ディストピアじゃん」は皮肉が効いてて特に印象的。面白かった。五十嵐律人「革命夜話」も違う切り口でとても良かった。敗戦後の混乱の中、食うにも困っている頃に、理想を夢見て日本国憲法を作った人がいたんだ、ということに改めて気付かされたわ。ありがたいことだ。
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ネタバレゴリラの裁判なんてエンタメ系の作品なのかと思いきや、感動作だった。
ニシローランドゴリラのローズは、カメルーンのジャングルで生まれ、母ゴリラと類人猿研究所の職員たちに、手話を教わり、特殊なグローブで言語会話を操れるようになる。
運命に導かれたようにアメリカの動物園にやってきたローズ。そこで伴侶と出逢い幸せに暮らすはずだったが…
ある日来園者の幼い子供がゴリラの檻の中に落ちてしまう。子供の命を守るために夫ゴリラは射殺。その理不尽さに耐えきれず、ローズは裁判を起こすことを決意する。正直、いろいろ突っ込みたいところはあった展開だったけど、それでも「自分は何であるのか?人間の定義とは?命の重さとは?」