須藤古都離のレビュー一覧

  • 無限の月

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    特殊な機器を身につけることによって、男性である自分と女性である他人との意識が自分と共有される、という現象が起こる話である。
    SF的要素もあるが、性同一性障害についても考えさせられた。
    自分が男であることの違和感、女性でいられる間が本当の自分だと感じること。
    そしてアイデンティティとは?
    この作者の作品はゴリラ裁判に続き2冊目だが、主人公や舞台が日本、日本人、ましてや人間に留まらないことによって、いかに普段、自分が国や性別、そのようなものに囚われすぎているのか、を知る。
    しかし、これだけ世界中がネットで繋がる世の中になると、顔や声は必要なく、国も必要なく、ただ、そこには意識が存在するだけ、そんな価値観も広がっていくと感じた。

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    2023年12月19日
  • 無限の月

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    読み終えた後に巻末の作者紹介をみて以前よんだ「ゴリラ裁判の日」の作者と気づき納得。
    最後の章は理解するまでに時間がかかったが
    全体的には面白かった。
    ゴリラもそうだったがこんな脳科学への未来に想いを馳せた

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    2023年12月08日
  • ゴリラ裁判の日

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    ネタバレ

    ゴリラ研究員より母と共に会話の教育を受けて、手話を通じて自在に言語を話せるようになったローズ
    父の死をきっかけにカメルーンからアメリカへの移住を誘われ、移住した先で番った夫を4歳の男の子を救うために射殺された
    納得いかないローズは裁判を起こす

    人の定義とは何なのか、動物の命は人より軽いのか、法の上では命は平等なのか等を説いている

    文中のローズが言ったセリフが印象的だ
    今の世界、もちろん法律も当然の様であるように
    人間主体で作られている
    なので、人であるかが論点になってくるのだ

    現在AIであるソフィアは既にサウジアラビアで市民権を持っている
    今は少数だが、今後市民権を含め自立型AIが人として認められるようになり、裁判員、弁護士、検事などもAIが担う未来は充分にある
    そうなった時、現在の人間の立場は一体どのようになり、どのように選択され、裁かれるのかとか考えてしまった



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    2026年10月02日
  • これが最後の仕事になる

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    書き出しの一文が同じで、これほど沢山の作家さんの話が読めるのは嬉しい!
    良かったな!と思った作品は小川さん、方丈さん、多崎さん、金子さん、米澤さんの5作品です。特に金子さんのは終わり方が良かった。

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    2026年09月24日
  • だから捨ててと言ったのに

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    ネタバレ

    ショート・ショートなので、一編が8ページくらい。その短い中で背景をぼかしつつも確信に迫る書き方してたりするものもあり、うまく咀嚼できないまま終わったものもあり、でも面白い短編集だった。

    始まりが不穏なので、大体不穏な話が多い中、最初から最後までハッピーに終わる「切れたミサンガ」が好き。
    人でも殺したんかと思いつつ、同じ格好ときたのでSFかと思ったら 笑

    安定のホラーの「こわくてキモくてかわいい、それ」も好き。
    それが不気味だけど、主人公が見下されてることに気付きながらも知らないふりして難を逃れてて、性格悪い私はざまみろと思ってしまった。

    「久闊を叙す」も良い。
    こんな形で、我が友李徴子を読むとは。新鮮な感覚だった。

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    2026年09月23日
  • ゴリラ裁判の日

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    京都動物園のゴリラが好きで読んだ本。現実的ではないけれど、あぁこんなこともあるのかもしれない、と思えて、飽きることなく読めてよかった。

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    2026年09月22日
  • ゴリラ裁判の日

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    コメディっぽいお話かと思ったら
    真面目にゴリラだった
    言葉を理解した動物がどう考え、心を持っていくのか
    人間とはまで考えさせるような内容

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    2026年09月18日
  • ゴリラ裁判の日

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    ネタバレ

    面白かった。
    題材からすると、興味深かった。考えさせられた。という感想が多そうなものだけど、私としては、面白かった。
    それは、何より、主人公ローズの影響だろう。

    ゴリラは、人間か?
    人間とは何か?

    もだけど、

    自分たちが定義しているものは、本当にそれでいいのか。
    自分たちで、生きやすくするために決めたルールというか、考え方は、本当にその期待通り役に立っているのか。

    自分は、自分らしく生きている?とか色々考えさせられました。

    と言うことで、面白かった!

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    2026年09月16日
  • ゴリラ裁判の日

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    作品読み終わってから、作者の謝辞と解説読んだら、この小説が過去の類人猿裁判や実際に手話ができるゴリラなどを参考に書いた作品だと知り、読んで良かった気持ちが倍になった。

    舞台がアフリカとアメリカだからなのか、ハリウッド映画の原作読んでる気分になった。

    「人間とは何か?」について語るためにゴリラを選んだそうだけど、視点がすごい!
    手話グローブってあるのかな?と思ったら研究されているらしい。

    ゴリラが自分の意思で活躍する小説で宇宙人より現実味があった。

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    2026年09月15日
  • それはそれはよく燃えた

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    積読チャンネルで紹介されていて手に取った一冊です。

    ショートショート集なので、少しずつ細切れに読めるのがよかったです。どの作品もそれぞれ面白かったのですが、なかでも米澤穂信さんの「燃えろ恋心」が圧倒的に好きでした。

    リズムもテンポもよく、一気に駆け抜けていくように読めて、最後のオチまできれいに決まっています。これはできれば、内容を何も知らずに読んでほしい作品です。

    特によかったのが、青春時代の「大人は自分たちのことをわかってくれない」「なんとなくこちらの味方ではない」という感覚の描き方でした。

    ラブレターを買ってから、実際に書くまでの過程もいいです。誰かに恋をしているというより、恋をしている自分ごと、恋そのものに精一杯恋をしているような書きぶりがとても素敵な文章でした。

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    2026年09月11日
  • ゴリラ裁判の日

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    人間の言葉を喋り、思考が同じならそのゴリラは人間なのだろうか。
    カメルーンのジャングルから、アメリアの動物園に行ったメスゴリラローズが、夫を殺され裁判を起こす話。
    タイトルに良い意味で騙されたのだが、全くギャグや奇妙な話ではなく、いつか起こりそうな未来のsfの物語である。
    何より人間とは何かと大きなテーマがあるので、ローズの気持ちに寄り添い、共感していく度に人間の愚かさや不条理さ、そして身勝手さを痛感していく。

    ローズの性格がまた良くて、誰も嫌いにならない強くて、格好良いゴリラだ。
    裁判の結末はローズにとってある意味本当の自分を知れるきっかけになったのだと思う。

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    2026年09月05日
  • だから捨ててと言ったのに

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    ネタバレ

    河村拓哉さんの『ミックス』が好き。Youtuberさんだとは知らなかった。このシリーズは書き手との出会いがやっぱり楽しい。

    累犯家族
    重政の電池
    その。をよく見ろ
    海に還る
    猟妻
    擲たれた手紙

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    2026年09月05日
  • ゴリラ裁判の日

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    人間も動物も地球上では平等はずだ。
    だけど人間は知能が高いだけで、地球上を支配している。

    この作品は
    自分達の信じて疑わない常識から
    一旦立ち止まり、もう一度考える事を教えてくれた。

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    2026年08月31日
  • ゴリラ裁判の日

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    タイトルに惹かれて手に取った一冊。

    「ゴリラ裁判の日」。
    一体どんな物語なのだろうと思いながら読み始めたのだが、気づけばページを捲る手を止められなくなっていた。

    この作品を読み終えて感じたのは、ローズを「一頭のゴリラ」として見ていたわけではなかった、ということだった。

    一頭でもない。
    メスでもない。
    ひとりの女性ゴリラ、ローズ。

    彼女が何を見て、何を感じ、どのように生きてきたのか。その人生と生きざまを見届けたような読書体験だった。

    特に印象に残ったのが、法廷での最終弁論の場面。

    物語を外側から眺めているというより、自分自身も陪審員席に座り、これまでローズが歩んできた人生を踏まえて、その言葉を聞いているような気持ちになった。自分ならどう判断するのか。何を根拠に人間とそれ以外を分けているのか。自然とそんなことまで考えさせられた。

    そして、最後までつきつけられたのが「人間とは何か」という問いだった。

    言葉を持つことなのか。
    理性があることなのか。
    社会の中で生きることなのか。

    普段なら疑うことさえない境界線が、ローズという存在を通して少しずつ揺らいでいく。

    読み始めたときには、こんなところまで自分の価値観を揺さぶられるとは思っていなかった。

    奇抜なタイトルに惹かれて手に取ったはずが、読み終えた頃には、一人の存在の人生を見届けたような感覚が残っていた。

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    2026年08月20日
  • ゴリラ裁判の日

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    ネタバレ

    【人間とは何なのか】スケールの大きなテーマを突きつけられた作品だった。それと同時に【言葉の持つ力】についても考えさせられた。

    ローズは人間と同じように話せる。もちろん感情もあり、人間と同じように喜び、悲しみ、怒る。他のゴリラとも違うし、人間とも違う、では一体何者なのか。彼女の中で長い間自問と葛藤があったかもしれない。でも、人間になりたかったわけではなく、ゴリラである自分に誇りを持っているし、言葉を理解し感情も人間らしい部分がある。『自分は自分、ローズというひとつの存在』それがある意味あの裁判で勝ち取ったローズの答えなのかなと感じた。

    【私にとって言葉は魔法だった。】
    このフレーズから始まるローズの語りも印象的だった。本来言葉は人と人をつなげてくれるものだ。でも、現代ではどうだろう。SNSでは顔も名前も知らない相手に対して、意図的に相手を傷付ける場面をよく目にするようになった。悲しいことだと思う。

    最後の心に響いた一文
    【全ての命は同じ命として、そこに存在していた。】
    この作品は人間とゴリラの話だったけれど、人間と人間であっても全ての命は同じ命であることを強く主張したい。

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    2026年08月08日
  • それはそれはよく燃えた

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    読後感の詰め合わせのような1冊。
    多くの作家によるショートショートのため、1本1本が短く読みやすいのはもちろん、普段読まないジャンルにも出会える。ひとつ読み終わったときに爽快な気分になるものもあれば、ザワッとしたり、苦く残ったりもするのが良い。
    そして短いからこそ、好きな気分も苦手な気分もサラッと通り過ぎていくのがまた良い。

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    2026年08月08日
  • ゴリラ裁判の日

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    ネタバレ

    ゴリラであるローズの夫は人間の子どもを助けたが射殺されてしまう。
    ゴリラの命は人間より軽いものなのか?
    人権ー人間ーとは。
    もしもゴリラが手話や人にもっと近しいことができる存在だったならばこの問題はどうだろうか…と議論したくなった。
    興味深い作品。

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    2026年08月08日
  • ゴリラ裁判の日

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    人権(人間)というのは、なんだろうか。

    生物学的分類というのは人間が世界の物事を捉えやすくするために、便宜上整えているもので、絶対的視点ではない。これはゴリラ-人間の関係だけではなく、人間内でも一般化できるスタンスだ。

    リリーとの関係性は、そこを気づかせる希望だと思う。

    裁判の話が、しばらく描かれなくて、不安になるが、読み続けてほしい。
    ユーモアの妙も作品のテンポと合っているので、すらすら読めると思う。

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    2026年07月20日
  • 無限の月

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    SFだ、おじさんとの話はとても好きだったんだけど最後があまりにもSFすぎてついていけなかった、全体としては好き

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    2026年07月13日
  • それはそれはよく燃えた

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    それはそれはよく燃えた

    この書き出しで始まるまったく展開の違う物語。それは炎なのか、炎上なのか、どの作品も最後には驚くようなオチが待っていて趣向が凝らされていた。
    寝る前にサクッと読んでいったけど、内容がすごく濃いわけではないからいい読み方だったかもしれない。

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    2026年05月30日