須藤古都離のレビュー一覧
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積読チャンネルで紹介されていて手に取った一冊です。
ショートショート集なので、少しずつ細切れに読めるのがよかったです。どの作品もそれぞれ面白かったのですが、なかでも米澤穂信さんの「燃えろ恋心」が圧倒的に好きでした。
リズムもテンポもよく、一気に駆け抜けていくように読めて、最後のオチまできれいに決まっています。これはできれば、内容を何も知らずに読んでほしい作品です。
特によかったのが、青春時代の「大人は自分たちのことをわかってくれない」「なんとなくこちらの味方ではない」という感覚の描き方でした。
ラブレターを買ってから、実際に書くまでの過程もいいです。誰かに恋をしているというより、恋をし -
Posted by ブクログ
人間の言葉を喋り、思考が同じならそのゴリラは人間なのだろうか。
カメルーンのジャングルから、アメリアの動物園に行ったメスゴリラローズが、夫を殺され裁判を起こす話。
タイトルに良い意味で騙されたのだが、全くギャグや奇妙な話ではなく、いつか起こりそうな未来のsfの物語である。
何より人間とは何かと大きなテーマがあるので、ローズの気持ちに寄り添い、共感していく度に人間の愚かさや不条理さ、そして身勝手さを痛感していく。
ローズの性格がまた良くて、誰も嫌いにならない強くて、格好良いゴリラだ。
裁判の結末はローズにとってある意味本当の自分を知れるきっかけになったのだと思う。 -
Posted by ブクログ
タイトルに惹かれて手に取った一冊。
「ゴリラ裁判の日」。
一体どんな物語なのだろうと思いながら読み始めたのだが、気づけばページを捲る手を止められなくなっていた。
この作品を読み終えて感じたのは、ローズを「一頭のゴリラ」として見ていたわけではなかった、ということだった。
一頭でもない。
メスでもない。
ひとりの女性ゴリラ、ローズ。
彼女が何を見て、何を感じ、どのように生きてきたのか。その人生と生きざまを見届けたような読書体験だった。
特に印象に残ったのが、法廷での最終弁論の場面。
物語を外側から眺めているというより、自分自身も陪審員席に座り、これまでローズが歩んできた人生を踏まえて、 -
Posted by ブクログ
ネタバレ【人間とは何なのか】スケールの大きなテーマを突きつけられた作品だった。それと同時に【言葉の持つ力】についても考えさせられた。
ローズは人間と同じように話せる。もちろん感情もあり、人間と同じように喜び、悲しみ、怒る。他のゴリラとも違うし、人間とも違う、では一体何者なのか。彼女の中で長い間自問と葛藤があったかもしれない。でも、人間になりたかったわけではなく、ゴリラである自分に誇りを持っているし、言葉を理解し感情も人間らしい部分がある。『自分は自分、ローズというひとつの存在』それがある意味あの裁判で勝ち取ったローズの答えなのかなと感じた。
【私にとって言葉は魔法だった。】
このフレーズから始まる -
Posted by ブクログ
ネタバレメフィスト賞なのでなんとなくミステリーかな?
と思ったら良い意味で裏切られました。
ずっと舞台は裁判所かと思いきや、
裁判シーンはまずは冒頭ほんの少し。
続いて主人公(主ゴリラ公?)ローズがなぜ
アメリカに渡り動物園で夫と出会うにいたったか
が語られるが、このシーンは
ゴリラの生態系がよくわかり勉強になる。
著者によるとゴリラの種類がちがって厳密には
闘うなどのシーンは違うようなのだけど
知的好奇心がくすぐられる。
そして最初の裁判にいたるまでの経緯が語られ、
この後まさかのプロレスラーデビュー、
そして再度裁判に勝ちに行く。
大きな謎が隠されていたりアッと驚いたりは
しないんだけど、中弛