須藤古都離のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ同じ書き出しで、25人の作家さんが25通りの物語を紡ぐ。1編が6ページほどのショートショートだからサクサク気軽に読めるし、様々なジャンルの物語を1冊で楽しめるためお得感がすごい読書時間を過ごした。
現実の法から奇想天外な架空の法まで、ジャンルもミステリやディストピアものなど、物語の舞台も現代から近未来、果ては明治時代やアメリカの西部開拓時代まで、多種多様な設定の中でその法律が齎す思わぬ影響や人間模様が繰り広げられる。短いながらどの作品もとてつもない読み応えだった。
法律というテーマ故か、ディストピアものとの相性が特に良かったように感じる。
ハッとしたのは、今私たちの生きている世界は -
Posted by ブクログ
1960年代後半、ネバダ州の小さな町ジェスローで突然住民がゾンビ化した。作家であるトムは家の地下にあるシェルターに逃げ込むが・・・笑いあり涙ありの爽やかな物語。
みたいなあらすじをどこかで読みまして。意味わからん。なにそれ?と気になって読んでみました。
とても面白かったです。恩田陸さんのドミノみたいな大人数でのごちゃごちゃしたドタバタ群像劇で、こういうのお好きな人にはたまらない。
ただとにかく登場人物が多く、誰が誰だったかわからなくなりがちではある。なんとなくながら読みだとその辺で話を見失う人もでてくるのかも。「主な登場人物一覧」があるとグッと読みやすくなるんじゃないかと思いました。 -
Posted by ブクログ
ショートショートというものを初めて読んだ。
なので、他シリーズは未読。
「新しい法律ができた」
最初の1行は全員一緒。
なんだそれ、面白い!!!
同じ一行から始まるのに、話の内容も展開も全く違う。面白い。
1つ目のお話(金子玲介、ルパちゃん)が重くて、苦しくて、
え!?これ読めるか!?と思ってしまった。
が、作家によって内容は十人十色。
様々なバリエーションがあるのが面白かった。
しかし、法律が主題なので、内容が難しいものも多かった。
塩屋験さんは(AIが小説を書くようになるが、作者は人の名前にし、人間かAIが書いているか分からなくするという話)、最後、え!?となって驚かされた
シリア -
Posted by ブクログ
短編なのでサクサク読めた。
今回の書き出しテーマは『だから捨ててと言ったのに』…だいたい恋愛絡みか、夫婦関係こじらせ系が多かったように思う。
誰に対して言っているかで、作者ごとに思い付く話が違い、個性があって面白い。
アンソロジーは、知らない作家さんを知って、見つける機会にもなる。
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↓読んだ中で印象に残ったもの。
●良い話
砥上裕將『母の箪笥』
金子玲介『恋文』
●じわじわ来る系
潮谷験『無理解』
五十嵐律人『累犯家族』
背筋『こわくてキモくてかわいい、それ』
●設定の世界観が独特
黒澤いずみ『捨てる神と拾う神』
舞城王太郎『食パンと右肘』
多崎礼『海に還 -
Posted by ブクログ
1969年の夏、ネバダ州の田舎町ジェスローに暮らす落ち目の作家トムはこの世の終わりを目撃する。
彼の妻が、町の人々がゾンビとなり死肉を貪り徘徊していた。
トムは出版社から来たケイティとともに自宅の地下シェルターに立てこもり、人生最期にして最高の作品を執筆し始めた…
というのはトム視点。
実際はトムに執筆させるために町の住人全員でゾンビ騒動をでっちあげ、せっかくだからそのままゾンビ映画の撮影もしてしまうという荒唐無稽な話。
ポンコツ映画監督や殻を破りたいイケメン俳優、たまたま町に居合わせたマフィアの殺し屋、それぞれキャラの濃い町の住人たち、さらに隣町や軍まで巻き込んでの大騒動に発展する。
監 -
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Posted by ブクログ
「だから捨ててといったのに」から全ての物語が始まる短編集。作者によって「何を捨ててと言ったのか」を読むのが楽しいですね。昔星新一の「ノックの音が」を読んだときのようなワクワク感があります。普段あまり本を読んでいないので、この手のタイプの短編アンソロジーはいろんな作者さんの作品を一冊でたくさん読めるのが本当にありがたいです。多分読書家の方なら、作者を伏せても「この話はこの人が書いたのかな」と分かるのかもしれないなと思いました。そういう楽しみ方をしても良いのかも。
真下みこと「お守り代わり」
五十嵐律人「累犯家族」
芦沢央「久闊を叙す」
多崎礼「海に還る」
谷絹茉優「猟妻」
こちらの5編が特に好き