あらすじ
中国のある町で起こった奇妙な出来事。町の半分が大停電をおこし、停電の前には、パソコンのlディスプレイに「誰かたすけて」の文字が、いくつも表示された。何者かによるハッキングが原因かと思われたが、犯人はわからない。日本では、脳科学をテクノロジーに昇華させ時代を作ったやり手のIT経営者の妻が、階段からころげ落ち、大怪我を追った。別居をしていた夫と、妻は久しぶりに会った。そして、気づく。この人は、あの人じゃない、別人だ……。中国と日本を舞台に、「私」とは何か?を根源までつきつめたノンストップエンターテインメント!
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アイデンティティをなくしたくないって思うのはなんでなんだろう。
自分が誰であるかの証明なんてできなくてもいいのかもしれない
アイデンティティの絶対性を揺るがす作品
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特殊な機器を身につけることによって、男性である自分と女性である他人との意識が自分と共有される、という現象が起こる話である。
SF的要素もあるが、性同一性障害についても考えさせられた。
自分が男であることの違和感、女性でいられる間が本当の自分だと感じること。
そしてアイデンティティとは?
この作者の作品はゴリラ裁判に続き2冊目だが、主人公や舞台が日本、日本人、ましてや人間に留まらないことによって、いかに普段、自分が国や性別、そのようなものに囚われすぎているのか、を知る。
しかし、これだけ世界中がネットで繋がる世の中になると、顔や声は必要なく、国も必要なく、ただ、そこには意識が存在するだけ、そんな価値観も広がっていくと感じた。
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読み終えた後に巻末の作者紹介をみて以前よんだ「ゴリラ裁判の日」の作者と気づき納得。
最後の章は理解するまでに時間がかかったが
全体的には面白かった。
ゴリラもそうだったがこんな脳科学への未来に想いを馳せた
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謎が少しずつ明らかになっていくので早く続きが読みたい!と前のめりで読んだ。謎が解けたあと思いもしない展開で終わった。ぶっ飛んでる。不思議な読後感。中国の情景や詩が美しくて、読んでいて心地よかった。
結構好き。月をユエって読むのかっこいい〜〜。
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最初の展開から、思いもしない方向にどんどん広まっていく。なのに、混乱せずに、ぐいぐい読み進めることができた。ちょっとファンタジー。こういう未来もあるのかもしれないと、空想するだけで楽しい。
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まさかはじめの電波乗っ取りが木下の仕業だったとは。。!張月の学生時代〜結婚の話は読んでてていい気分だった( ◠‿◠ )自分も張月なのかもしれないʅ(◞‿◟)ʃ
前作の方が評判良さそうなのでこれまた読んでみたい
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二人の人格が交差していく内容
今までは空想的であったが、デジタル技術発達のおかげで
近未来的な仮想現実とまでは感じれるようになり、リアリティーが感じられる内容。
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とっても不思議な読後感。
日本と中国の距離を超え、他人の脳が自分の脳に入り込んできてしまう。少し先の未来で、あっても不思議ではないことなのかもと思うと、SF小説を楽しく読むような気分ではいられなかった。
こういう世界、なんだか怖いなぁ。
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SFプラスサスペンスの様な、ジャンルで括れない作品でした。
『ゴリラ裁判の日』でもあったアイデンティティが揺さぶられどのように向き合うか、というテーマが今作ではより深く追求されているなと感じました。
単純な意識の交換だけではなく、その少し先の考えを入れているのも面白かったです。
多分作中の中国の詩のように、何度か読み返して自分に意味を染み込ませないと理解できない種類の小説だと思いました。
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不思議な体験を、不思議な体験として楽しめた小説でした
わけのわからなさを滑らかに楽しめるって凄いことだなと一気に読んで思いました。
以下ガッツリネタバレ。
終盤まで芳澤の陰謀を疑っていたけれど、そういうことはなく素敵な偶然のファンタジーということでいいのかな。まだどこかで芳澤の介入が明らかになるのを待っているわたしがいます。2時間ドラマとかにしたら面白そう。
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感想|『テクノロジーと人から考える未来の展望』
⭐︎僕はこの本から人が今後人が何を求め、テクノロジー、商品、サービスを利用するのかをみた気がする。これから先、人(人口)の減少が加速に加え、非対面的な接触が増えてくることを考えると、孤立化傾向に陥る。そうした時、人は人の心、共感力において欠如し、もう1人の自分(居心地の良い自分)を求めるようになってしまう。それこそが、「無限の月」で記されている自分を知ってくれる自分の生成である。この一冊が自分を見返すものとなった。
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IT企業社長の摩訶不思議な体験、近未来の人類がどんな絆と愛情に包まれるのか… #無限の月
■きっと読みたくなるレビュー
IT企業社長、藤浪の不思議体験。様々な人物視点で次々と物語が展開するエンタメ小説です。これ以上の情報は面白さを阻害しちゃうので、あとは実際に読んでいただくほうがベター。
〇魔訶不思議な世界観
ハイテク装置から古代芸術、そしてその時代を生きる人間。物語の後半まで、何が起こっているのかよくわからない。しかし描かれているのは基本部分は、人々の日常生活と一般的な感情なんですよね。読む進めるにしたがって、どんどん未知なる世界に入り込んでしまうような感覚でした。
〇惹きつけて止まないストーリー展開
物語の舞台は中国の田舎町、観光客と地元ガイドの交流から物語が始まる。何でもない日常を切り取ったシーン。まさかこの場面から始まり、ラストにはこんな結末を迎えるなど、全く予想がつきません。ストーリーの根幹部分となる藤浪の描写も、今までに味わったことのないユニークな体験でした。
本作、それまでに様々な人間が関わることになりますが、それぞれの立場で巻き込まれていきます。ひとりひとりの感情や葛藤、悩みや怒りがすごく細やかに書かれていて、人物に吸い込まれてしまうんですよね。
〇壮大なテーマ
人類は、人種、性別、宗教、政治、言語などの違いによってカテゴリー化され、長い長い不毛な戦いを繰り広げてきた。いつか祝杯をあげられる時代が来ると信じて、我々は全力を尽くして生き抜いてきた。
最先端の脳科学やIT技術は、これからもどんどん進化するでしょう。世界中の子どもたちが、笑顔で暮らせる世界になって欲しいと思いました。
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中国、「助けてくれ」というメッセージが突然パソコンに。日本、金持ちの夫が浮気をした。しかし離婚に踏み切れない。他人の脳と繋がる機器を接続した男が見たものは。
一応SFになるかと思う。設定は意欲的だし、読んだことのないタイプで良かった。
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『無限の月とは言い得て妙』
日本の新鋭ITベンチャー企業が開発したウェアラブルデバイス。商品化には失敗したはずだったが、試作品の暴走によって引き起こされる不可思議な現象の数々。そして遠く離れた中国の田舎町で起こった怪事件とも徐々にリンクしていく…。日中の国境を超えて繰り広げる、読み応え抜群の近未来SF小説だ。
著者の前作「ゴリラ裁判の日」では人語を操るゴリラが描かれていたが、実話をモチーフにしたフィクション作品ということもあり、どこまでが現実の話なのかロマンを感じながら読み進めた。今作もそのワクワク感は健在。メタバースのようなVR技術が発展してきた昨今では、現実世界でも実際に起こり得そうな絶妙なラインを攻めている。
ウェアラブルデバイスに起因した「入れ替わり」であれば今までも数々見てきた設定であるが、本作はそう単純な話ではない。夢か現実かという次元を超えて、どこまでが自分でどこからが自分ではないのか。もっと言えばどちらが本当の自分なのか、というところまで切り込んだ斬新な設定である。第三者視点で見れば、急に人格が変わったように感じられ、何が起こったのか、そもそも別人なのか、といった疑問が生じ、先の展開が気になり読む手が止まらない。
読みながらぼんやり想像していた結末も早々に裏切られ、最終章では思いもよらない壮大な物語へと昇華していく。無限の月とは言い得て妙。SF小説の中には難解な作品も多く、個人的には少し苦手としているジャンルであったが、本作は読みやすさも文句なし。私のようにSF小説に苦手意識を持っている方でも楽しむことができる作品に仕上がっている。
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人格入れ替わりが起きて、その原因を突き止めて
あるべき世界へ戻って一件落着…という作品かと思っていたら、思ってもみなかったラストに進んで
この作品の最終章で描かれている事態が現実に起きたら
世界は少しは平和になるかもしれないが、没個性と全体主義の台頭にも繋がりそうで、薄ら寒い気もした
木下が「会社なんて僕もどうでもいいです」と発言したり徐春洋とメアリーの関係性など、伏線かな?と思われた部分が回収されず肩透かしを食らった感じで少し拍子抜け
ミステリーというより自分探しの物語として読むのがいいのかもしれない
Posted by ブクログ
面白かった。
意外な展開で驚いた。
目次が全部月の名前になっている。
性別も国籍も違う人の人生を意識だけでリアルに体験する。まるで読むのをやめられない面白い本を読んでいるみたいにのめり込んでいく。
こんな説明のできない関係の人と出会ってしまったらどうするのかなと考えてしまった。
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離婚間際の夫婦の話……の…はず。。
のつもりで読んでいると、え?あれ?んんんん?
となって、結末は予想できません!とゆーか、なんとゆーか…
それでも、飽きる事なく読み終えました。
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巻末まで気が付かなかったけど、この話フィクションだ。そのくらい自然に読みこめた。
我に返ってしまわなければよかったのに。気がついたらちょっと。
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ゴリラ裁判の日がはっとする面白さだったので読んでみた2作目。VRですらしっくりこない世代としては始めは?がいっぱいで読みにくく1人称の文体が「今誰?」となるが、冒頭や序盤に繋がるとおぉって感動。物語として楽しく読んだが、作者の思想は最終章にあり、そこはちょっと難しい…
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読書備忘録793号。
★★★。
ネタバレですが結論から言いますよ~。
「人類補完計画」です。笑
現実社会からの延長としてのファンタジー小説です。
現実からの延長で語られるので、例によってウザいZZIは技術的裏付けが無いことに若干のイライラが。笑
ファンタジーはファンタジーらしく大陸の形とか、変な生き物とか、変な歴とか!振り切って欲しい!
中国の辺鄙な村。
新しいモノ好きな徐春洋は村の人々の便利屋。家電のWiFiコントロールなどをササッと作ってしまう何でも屋。
そんな村のWiFiネットワークが何者かにハッキングされた?ハッキングされたネットワークからは「助けてくれ!警察に連絡してくれ!」というメッセージが繰り返し流されていた・・・。
ハイ!ここで一発目クレーム。笑
この村を訪れたオランダ人写真家のグレゴリーさん。イイ感じの登場でしたが、この後のストーリーに一切登場しない。なんなん?登場する意味あったん?
場所は移り日本。
藤浪聡美とかいう女子が悪酔いしている。夫が浮気したと。夫の名前は隆。タイダルというベンチャー企業の社長。
隆が若い女を自分の家に連れ込んでいる?
そもそも、目の前にいる隆は自分の知っている隆じゃない。明らかに別人。どういうこと?
当の隆は浮気を否定する。でも聡美は離婚を決意する。揺るぎない決意。
隆は諦めるが、ただ離婚するにしても何が起きたのか説明させてくれと。
そして3ヶ月前に起きた不思議な出来事が語られる。
語られた物語は一言で言えば人類補完計画。笑
隆と中国人女性張月の間で人格が同期して2人でありながら同一人物になったということが語られる。
同期した理由は、タイダルが試作したカチューシャという脳波を利活用するデバイスを隆と張月が同時に装着したことが原因のようだ。
すなわち、聡美が見た女性は浮気相手ではなくて、隆であり張月。隆は隆だけと張月。
ほぼ300Pに渡って隆が同期する張月の記憶が再生される。その物語は実はちょっと面白い。
冒頭の「助けて~!」は、隆と張月と隆の盟友木下が中国で拉致された事件で、救いを求めていたという顛末でした。
ということで、最終的に聡美は、その事象を理解(!)して隆を許す。ちょっとあり得ないですね。笑
でここからが人類補完計画!碇ゲンドウが目指した世界です。笑
聡美もカチューシャはめて張月になってみたい!と。
そして見事張月に同期!
張月への同期は次第に増えて数億人になる。この集団はホモ・コネクサと呼ばれ、ホモ・コネクサ群の総数は最終的に50億人となる。
地球上の50億人が数人の同一人格なので争いがなくなる。競争原理がなくなる。経済の衰退。ゲーム理論の破綻。
ただ、残りの数十億人の人類は個人を維持しているので世界は二分化。さて、この先に未来はあるのか。
さて。ウザいZZIです。技術的に無理がある点。
タイダルは人間の脳みそを並列接続させて仮想的なスーパーコンピュータを構成し情報処理を行うというサービスを提供するベンチャー。脳みそを提供する人々は、昼寝している間に脳を貸すことで収入を得る。脳を接続する為のデバイスは基本的に脳に埋め込むBMI(ブレインマンマシンインターフェイス)という機器。ユーザを広めるために埋め込まなくても良いデバイスとしてカチューシャを開発したんです。
んんん?まず、マンマシンインターフェイスという単語の用法を間違っている。
そして、並列接続の仕組みの問題。計算機のCPUコアにしても実際の並列コンピュータにしても、並列処理して莫大な演算をする為には、超高速な内部BUSで接続されていないと実現しない。レイテンシもスループットも光ファイバー等とは桁が違う。そもそもBUSなのでパラレル通信でしょう。シリアルもあるけど。
それを現代社会延長で語られる無線ネットワークでは実現不可能でしょう。
あと10個ほどイライラしたいけどZZIが暴走するのでやめとく。
しかしながら、デビュー作の「ゴリラ・・・」はめっちゃ面白そうで読んでみたいと思うZZI。
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どういうこと?とオチが気になってあっというまに最後まで読んでしまった。
スケール大きいのかそうでもないのかよく分からない感じ。
木下が想像以上に活躍していて笑った。
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最初は何がどうなるのかずっとわからないままで読み進めていて。このままで終わってしまったら最悪だなぁと危惧していたら、ピースがはまっていくかのように繋がりがみえてきた。木下さんもメアリーもすごく良い味だしていた。
記憶の同期ってなんなんだろう。イマイチ理解できないままに終わってしまった。
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カチューシャをつけることで誰かと同期する。という状況が今ひとつ理解できなかったし、頭の中に装置を埋め込んでシステムに干渉する技術には唖然としたが、結果的にそれが主人公たちを救うことになる。技術の進歩はすごい。
物語は同期した女性と自分がどう人格になり、最後はDVの夫から救い出すという手に汗握る展開。面白かったけれど最後の無数の私でできたシステムというのが、やはり受け入れにくい気がする。
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VRデバイス?をつけてる間に、なぜか他人の人生を経験することになり、
徐々に人格がその他人と混じり合い、もともとの自分の意識が薄れて・・・という話。
どこに向かっていくのかわからないストーリーに翻弄されました。
プロローグの意味合い、エピローグでの飛躍はちょっと微妙だった気もします。
今度は「ゴリラ裁判の日」を読んでみます。
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脳科学ストーリー。
徐春洋(シュー チュンヤン)とメアリーが会えたところで、助かった!となぜか安心感があった。
カチューシャは、恐ろしいと思った。他人を経験するって、私は嫌だなぁ。
カチューシャを装着。そのせいで、他人と入れ替わる?
カチューシャを装着してたまたま2人が同時に何かが起こり同期を体験する。
木下が優秀。
聡美は、夫をよく理解できたと思う。私ならそんな奇想天外なことは、理解できないと思った。
DVは許せない。
藤浪さんの救出のやり方が下手すぎる。
メアリーが頑張ってくれてよかった。
ラストの同期した人数の多さに戦慄。恐ろしい。
今までにない、不思議な話だった。