【感想・ネタバレ】ゾンビがいた季節のレビュー

あらすじ

1960年代後半、アメリカ西部ネバダ州にある人口50人以下の町・ジェスロー。この町に住む人気小説家のトムはしばらく新作が書けずにいた。やる気のなさをごまかすようにギャンブルに明け暮れるトム。「世界が終わる日が来たら書くかもな」と言う彼を再起させるため、トムの妻であるメグは、ゾンビに扮してトムを襲う計画を立てる。そこに噂を聞きつけた映画監督がやってきて……。
貸したまま戻ってこないイヤリング、信念を曲げて書いた小説、自分を捨て街を去った彼女ーーこんなはずではなかったと思いながら生きる人々に訪れた最大の転機、それはゾンビ映画の撮影だった!!

読後、思わず家族や大切な人に会いたくなる、故郷や過ぎ去った時間についての物語。

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Posted by ブクログ

アメリカの小さな町、ジェスローに住む小説家のトムは新作を書けずにいた。しかしある日、町にゾンビが発生し阿鼻叫喚の地獄絵図となる。地下シェルターに命からがら逃げこんだトムは、極限状況に追い込まれたことで創作意欲を刺激され作品を書き始めるのだが、実はそれは彼の妻の策略だった。さまざまな人の思いが絡み合い、物語が予想もしない方へと転がっていくスラップスティックな群像劇。
予備知識なしに読むほうがいいと思うので詳しいことは書けません。ジェスローの町の人々、マフィアと殺し屋、軍と警察などなどいろんな人の行動が、まさかそういう結果になってしまうだなんて! 数々の勘違いと思い違いがとんでもない惨劇へと発展してしまいそうな危惧もありながら、いや絶対に大丈夫だという強い希望感もありました。
まったく人間らしさを感じさせなかった殺し屋が、意外なものにドハマりしていくさまがとんでもなく愉快です。ここが一番平和な結末かもしれません。

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2025年07月14日

Posted by ブクログ

暴れ馬やな

うーむ、こういう結末は大好きなので★5にしたが、粗い、粗すぎる

勘違いが重なることで、思わぬ方向に進みまくる壮大なコントで、舞台設定といい、キャラクターといい、馬鹿馬鹿しさといい、どれも素晴らしい発想なのよ

でもとにかく文章が粗いというか、繋ぎ方もちょっと拙い

発想に技術が追いついてない

なんか前作読んだときも、そんなこと書いた気がする
でも持ってるものがとても好きな感じ
なのでたぶん今後も追いかけると思う

この暴れ馬のような発想力を飼いならした時、凄い作家さんに大化けするような気がするんよな〜
めっちゃ期待してますよ!

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2025年05月09日

Posted by ブクログ

 一九六九年八月、スランプに陥っていた作家のトムが不気味な呻き声を聞き、窓の外を見ると、地獄絵図が広がっていた。見知った町の住人たちがお互いを貪りあっているのだ。地下シェルターに逃げ込んだトムは作家エージェント志望のケイティの叱咤もあり、死が迫りくる極限の状況下だからこそ作家は一心不乱に物語を語りはじめる……時を巻き戻して、なんでこんな田舎の町にゾンビが大量発生しているか、というと、実は『世界が終わる日が来たら書くかもな』と嘯いていた作家に小説を書かせるために町ぐるみで彼を騙そうとする計画が進行していたのだ……。

 ということで本作は、冗談みたいな映画づくりがやがて意外な(そしてこれこそ冗談みたいな)騒動に発展する、というコメディタッチの作品になっています。まさかあのひとのあの行動が、こんな結果を生むとは……。様々な視点が入り乱れる群像劇スタイルで進んでいくので、途中までは関係図が整理しにくいところはあるかもしれませんが、後半、すべてが綺麗に絡まっていって、この形式だからこその気持ちの良いラストが待っています。読み終えると、なんだか幸せな気分になれる一冊でした。

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2025年04月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

展開は都合良すぎるよう思うし、クライマックスでもう一捻りあっても良いように思えたけれど、ハッピーエンド!なのか?

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2025年07月13日

Posted by ブクログ

1960年代後半、ネバダ州の小さな町ジェスローで突然住民がゾンビ化した。作家であるトムは家の地下にあるシェルターに逃げ込むが・・・笑いあり涙ありの爽やかな物語。

みたいなあらすじをどこかで読みまして。意味わからん。なにそれ?と気になって読んでみました。
とても面白かったです。恩田陸さんのドミノみたいな大人数でのごちゃごちゃしたドタバタ群像劇で、こういうのお好きな人にはたまらない。
ただとにかく登場人物が多く、誰が誰だったかわからなくなりがちではある。なんとなくながら読みだとその辺で話を見失う人もでてくるのかも。「主な登場人物一覧」があるとグッと読みやすくなるんじゃないかと思いました。

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2025年06月26日

Posted by ブクログ

1969年の夏、ネバダ州の田舎町ジェスローに暮らす落ち目の作家トムはこの世の終わりを目撃する。
彼の妻が、町の人々がゾンビとなり死肉を貪り徘徊していた。
トムは出版社から来たケイティとともに自宅の地下シェルターに立てこもり、人生最期にして最高の作品を執筆し始めた…

というのはトム視点。
実際はトムに執筆させるために町の住人全員でゾンビ騒動をでっちあげ、せっかくだからそのままゾンビ映画の撮影もしてしまうという荒唐無稽な話。
ポンコツ映画監督や殻を破りたいイケメン俳優、たまたま町に居合わせたマフィアの殺し屋、それぞれキャラの濃い町の住人たち、さらに隣町や軍まで巻き込んでの大騒動に発展する。

監督エリックの適当さ(ほとんどこれのせい)や色々な勘違いやすれ違いが重なり合って、まさにてんやわんやの大騒ぎになってしまう楽しい物語だった。
お前いい加減にしろよ(笑)って突っ込みたくなる場面が多々あって面白かった。
色々な人物に焦点が当てられる群像劇的な展開で、登場人物が多いから最初は人物を把握するのが大変だったかな。

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2025年05月27日

Posted by ブクログ

多数の登場人物とカタカナ名前に戸惑う序盤だったが、全てがひとつの出来事、ひとつの町に収束していく様に伏線回収に似たすっきり感が味わえる。

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2025年05月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 前著『ゴリラ裁判の日』を楽しく読んだので、期待しての著者2作品目。
 うーん、悪くないが、なかなか我慢が必要な展開だった。

 400ページに迫る長編、前後半の大きく二部構成。
 前半の第一部が「撮影前」、第二部が「撮影開始」で、文量はおおよそ1:2だが、この「1」が、なかなか物語にのめりこめず苦労する。場面、登場人物が次々と変わり、それぞれの物語が羅列され、ブツ切れに意識が寸断されるのだ。
 本作が、群像劇であると分かって読み進むのがよい(途中で、気づくけど)。

 スランプの作家トムに、筆を執らせようと妻メグと、カリフォルニアの田舎町ジェスローの住民がグルになり、偽のゾンビ映画撮影を企て、“最後の日”とトムに思わせ地下室に籠らせることで、切迫した精神状態で新作を創作させようとする。これが物語の骨子というか端緒。
 そこに、映画監督の思惑、警察の勘違い、UFO愛好家の疑惑、軍隊の出動に隣り町のゴロツキたちの野望などが絡み合い、はてさて映画撮影は行われるのか、トムは新作を生み出せるのか?
 封鎖された町の中でも、ひょんなことで紛れ込んだ殺し屋、美術収集家たちが、訳ありの住民とあれやこれやのドタバタ喜劇を繰り広げる。
 これら、すべてのことが最後に収束されるように、全登場人物のキャラや生い立ち、思惑が丁寧に説明されているのが「第一部」なのだ。

 収束されるように、というか、その収束に向けて設えられた設定、キャラ造形でもあるから、第一部で開陳されている状態では、バラバラの登場人物たちがどのように結びつくのか想像がつかないので苦労することこの上ない。
 なぜ、冒頭に人物相関図くらない? せめて登場人物一覧でも付けてくれていればよいのに。改訂増刷あるいは文庫化されるなら、是非、検討を。

 結果、最後まで読めば面白い話ではあるが、その苦労が見事実ったと快哉を叫ぶほどの目新しさは、なかったかな。
 映画のお話でもあるので『カメラを止めるな!』(上田慎一郎 2017)を彷彿させるゾンビものコメディであり、映画的小ネタがところどころ散りばめられているのもクスりとさせるが、結末ありき、そこから導き出された設定や、物語展開なのだなというのが見えたあたりで、ややシラケてしまう内容だ。あらゆるピースが、いろんな映画作品や、過去の物語から拝借してきたようで底が浅い。

 ただ、創作の苦労は忍ばれる……。
 時代設定も、1960年代後半とした。映画界が変化を迎える時代、なによりアメリカがベトナム戦争による病魔に侵された時代とした点。いろいろ、エピソードが入れ込みやすい。まだ携帯電話もない時代は、情報が外部に漏れにくい、噂が噂を呼びやすいという状況も、奇想天外な物語を紡ぎやすかったろう。

 映画監督のエリックが部下に対して、
「お前はセンスがないから映画制作なんかしないほうがいいぞ。『彼の中でまだ戦争は終わってない』って、なぁ。じゃぁ、なんだ? 帰還兵が主役の映画を作るのか? で、田舎町で戦争をおっぱじめるとか? (中略)賭けても良いが、そんな映画は誰も観たがらないね」
 と、言うセリフは、のちの世で『First Blood』(1982)の大ヒットを知る現代人は、大笑いできるという、『バック・トウ・ザ・フューチャー』的なギミックが使われているのだ。
 町のゴロツキが改造車で大挙して押し寄せるシーンも、『マッドマックス』を想像したので間違いないだろう。
 UFO研究団体の登場も、1947年のロズウェル事件を機に、1950-60年にアメリカで大流行(?)したアブダクション(宇宙的誘拐)や目撃情報が背景にあり、時代考証も間違いないところ。

 故に、こうした調べものの結果、あれもこれも詰め込んでおこうとした故の、しっちゃかめっちゃかぶりではあるのだが、それが最後に収束するよう、いや、結果ありきで詰め込んだ前振りの第一部だと思うと、ご苦労様としか言えない。

 もしかしたら、こうした小ネタを根ほり葉ほり探し出すのが面白いお話なのかもしれない。
 町のゴロツキのリーダーの台詞、
「カリフォルニア共和国の王に、俺はなる!」
 などは、どの漫画からの借用か一目瞭然。
 昨今、漫画の世界では「考察」と言って、その情報交換がファンの間の楽しみでもあるようだが、そんな小ネタ掘り起しのメンドウは負いたくないなあ。

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2025年07月03日

Posted by ブクログ

「カメラを止めるな!」ともまた一味違った、新鮮なゾンビストーリーで楽しめました。
個人的には、こういう話であれば、もう少し文章量を絞って、
ライトノベル以上のスピード感を読者が感じられるといいのにな、と思いました。
作家パートが思ったより少なかったのが少し残念。

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2025年06月08日

Posted by ブクログ

ホラー小説とは程遠いストーリー。最初は少し読みづらかったのですが、読めば読むほど面白くなってきました。
他作品「ゴリラ裁判」も唯一無二の世界観でしたが、こちらもなかなか個性的。

読みながら細部の描写まですごく緻密に練られているのを感じました。
何だかもうカオスとしか言いようのない展開で、この先どう落ち着くのか心配になるくらい。物語をどこか遠くから眺めているような気分で、すべてが滑稽に思えてきました。
笑っちゃうぐらいトンデモな展開で、コメディ映画を見ているみたい。

怒涛の展開で途中からページをめくる手が止まりませんでした!
ちょっとした爽やかさもあり、ニヤリとなるラストはお見事。

映画「カメラを止めるな!」を彷彿とさせる作品。
須藤さん、今後はどんな作品を書かれるのか楽しみです。

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2025年06月07日

Posted by ブクログ

『アメリカ版・カメラを止めるな!』

1960年代のアメリカ・ネバダ州の田舎町を舞台にした作品。低予算でゾンビ映画を作るストーリーはどこかで聞いたような設定。映画撮影班やギャングたちの思惑がピタゴラスイッチのように作用し合い、思いもよらない壮大な群像劇を繰り広げる作品である。

登場人物それぞれが自分の目的を果たすために突っ走る。「いや、そうはならんだろ」とツッコミたくなる謎ムーブもあり、デビュー作の「ゴリラ裁判の日」に比べると粗さも感じるが、そこはアメリカン。日曜の夜にロードショーで古いアメリカ映画の吹替版を見たかのような懐かしさを覚える。

前半の群像劇は個々の物語でかなり風呂敷を広げるため、エンジンのかかりが少し遅く伏線回収までが長く感じた。一方、ラストシーンはその反発のようにすべてが繋がり、走馬灯を見たようなエモさがあった。住民の一体感やキャラクターの個性など、コメディ展開の中にも胸をうつシーンがあり、感情の起伏を楽しめる作品である。

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2025年06月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 題に「ゾンビ」が入っていたので期待感マックスで読み始める。序盤でゾンビ物らしい展開でオーソドックスだけれどもワクワク。が、ものの数ページでがっかり。なんだそういうことかとしょんぼりしながら読み進めた。が!おもしろかった。それぞれは単純な事柄なのになぜか複雑に絡み合ってどうしてそうなるとニヤリ。ドキドキハラハラ。どこで絡み合った糸はほどけるのか焦燥感。ノームがお気に入り。

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2025年05月13日

Posted by ブクログ

前作に引き続き、途中までは面白いけど…って感じ。伏線を張るだけ張って、風呂敷も広げまくって、最後は一切たたまずに丸投げ。
とにかくエンタメ要素全部盛りのドタバタ劇が好きな人にはいいかも。

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2025年05月04日

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