小川糸のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「いとしきもの 森、山小屋、暮らしの道具」 (文春文庫)で始まった長野の森での山小屋生活の続きのエッセイ。
温泉で毎日くつろぎ、愛犬ゆりねと愛おしい時間を過ごす。春は庭仕事に明け暮れ、夏は庭でビールを楽しむ。秋は森を歩きながら冬の準備。時々、シー(鹿)との対決。
時間はゆっくりゆっくり流れ、美味しい野菜で美味しい料理を作り、友人達や地域の人々とこの地と時間を楽しむ。都会にはない時間がそこには流れている。
多分多くの読者にとって夢のような生活に違いない。でも、都会でもきっとの「精神」は真似ることができるかもしれません。
岡山の里山に移住した僕には、「あるある」感満載の小川さんの生活です。 -
Posted by ブクログ
今年2冊目の読書は、小川糸さんの『食堂かたつむり』。同棲相手にすべてを奪われ、ショックから声を失った倫子。一文無しで帰郷した彼女を待っていたのは、長年確執のあった「おかん」だった。
「自分には料理しかない」と気づいた倫子は、実家の敷地で小さな食堂を始めることに――。
本作はいわゆる「料理小説」の枠に留まらない。倫子が心を込めて作る料理をベースに、母娘の確執と和解、そして主人公の心の再生が丁寧に描かれていく。
母との関係にはハラハラさせられるが、村の人々の温かさが物語を優しく包み込んでおり、終始心地よく読み進められる。そして終盤、予想もしなかった衝撃の展開が訪れ、思わず涙があふれてしまった。この感情の揺さぶり方は、さすが人気作家の手腕だ。
以前観たドラマ『ツバキ文具店』とも通じるエッセンスを感じ、「バリエーション違いの姉妹作」のようにも思える。心に深く残る一冊だった。