小川糸のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレストーリーを思い出すだけで涙が溢れそうになる、切なく、それでいて温かな物語だった。
「死を受け入れる、ということは、自分が死にたくないと言う感情も含めて正直に認めることだった。」
そういい、主人公が涙が尽きるまで泣くシーンが印象的だった。
まだ30代前半と若い身空でありながら、この世を去ることになってしまった主人公が、自らの死と向き合う姿に心が震えた。
他のゲストが亡くなるシーンは、刻一刻と主人公のその時が近づいていることを示しているようで辛かった。
しかし、主人公は「最後まで人生を味わい尽くすこと」を実現し、最期に「ごちそうさまでした」と言いのこし、この世を去った。あまりにも若いが、己 -
Posted by ブクログ
喋々喃々とは、男女が楽しげに小声で語り合うさまのこと。東京谷中でアンティーク着物店を営む栞。ある日店に父親に似た声をした男性客が訪れる。少しずつ膨らむ恋心や家族との葛藤が季節の移ろいや美味しいものの描写を交え丁寧に描かれる。
春牡丹もいいけど、冬牡丹も格別ね。(まどかさん)冬牡丹 胸に姫たる恋のあり(まどかさん)絶対にお菓子を持って栞に会いに来るまどかさん。まどかさんの粋な計らいに、癒され、格別に素敵なまどかさんを想像してしまった。主人公は栞だけど。栞とまどかさんのお喋りに私も参加したいくらい、温かく身近に感じるのに、洗練されたものを感じるのは、2人の言葉遣いや雰囲気が格別だからだと思う。