小川糸のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ4章あり、家族4人それぞれの視点が描かれる。時系列は同じではなく章が進むごとにゆっくり進行していく。
最初の泉視点は新しい家族の幕開けで希望が感じられる。この雰囲気が続くのかなと思ったら少しずつこの家族の儚さや不安定さが見えてくるようになる。そうして3章の草介の視点でそれが浮き彫りになる。
草介の視点がとにかく苦しい。泉視点が明るい話なのは鈍感ゆえに物事を表面的にしか捉えらていなかったからと分かり、悲しい気持ちになる。
宗介の事故さえなければ、社会の常識から外れた形で家族になり、母千代子の死を乗り越えていく物語だとわかるが、草介が悲惨すぎて最後の前向きな描写も前向きに捉えられない。
性を超えた -
Posted by ブクログ
『ライオンのおやつ』が小川糸さん初読み作品でした。その頃を思い出した『食堂かたつむり』
■勝手に予告編
目が覚めると、昨日までの日常は綺麗に消え去っていた。恋人との想い出が詰まったマンションの一室は、今日で誰の部屋でもなくなる。
私の中の哀しさや空しさが、私の声をいつの間にか奪っていき、私は唯一残された大事な物を抱えて、みじめに実家へ帰ることとした。
失ったもの、残されたもの、様々なものが私の体を巡り、そして私は今日も『食堂かたつむり』の厨房に立つ。
■読後の感想
冒頭に書いた通り、小川糸さんの作品を読むのは2作目となりますが、『ライオンのおやつ』と似ていて、食べ物と命をテーマに優しく -
Posted by ブクログ
美味しいごはんをその人のためにつくるということは、ちょっと手を伸ばせば手に入る幸せなんだよなぁと改めて思わせてくれるお話だった
コジマさんへのハンドマッサージ、山伏修行に行く理夢人、読んでるだけで涎の垂れそうなごはんの数々。
読んでる自分の感覚が研ぎ澄まされていると、目の前でその様子を見ているみたいにすーっと自分の中に入ってくるのに、心が落ち着かない日はどこか集中できない。そんな風にその日の心を試されているような文章たちだった。
病気と日々向き合う今の自分に必要な一冊だった
プレゼントしてくれた友達の気持ちが温かい。
以下心に残った文章
p187
すごく大きな悲しみとか苦痛とか、そういう