小川糸のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレだいぶ前に読み終わり、今でも一番好きな本はと聞かれたら挙げる本。
私はずっと、死ぬのが怖かった。
何かをやり遂げられないということより、死ぬ瞬間が、死を待つ時間が怖い。
父と母を看取って、子供を持ち、その思いがどんどん増していった。
当たり前に仏教徒の家で育ったが、信心深いわけではない。
仏壇に手を合わせ、仏像を見て感心し、神社に初詣して、クリスマスにごちそうをたべる。
もっと私の心に宗教が根付いていれば、恐怖心は薄れるのかもしれないとは思っていた。
この本の中には多少「スピってる」場面が出てくる。特定の宗教が表現されているわけではない。
その塩梅がちょうど良くて、すとんと胸に落ちる感じが -
Posted by ブクログ
ネタバレサーカス。
聞いただけで心躍る、それでいて少し不思議で陰を感じる単語だ。
13歳から14歳という多感な時期に、少年はたった一人でサーカスにとびこんだ。本作ではサーカスという場をとってはいるが、少年の抱える葛藤や感動は普遍的なものだと思う。
名前の付け方が絶妙で、トロ、ナットー(脳内で「ナ」にアクセントを置いていた)、クスクスなど、言われるまで食べ物の名前だとは気づかなかった。ソリャンカ、トリッパなども異国情緒が感じられていい名だ。
ただ、一点。どこか遠い外国の、いつか分からない時代(たぶん昔)のお話だと思って読んでいたのに、急にランドセルが出てきて「え、日本!?」、次にスマホが出てきて「え -
Posted by ブクログ
ネタバレ小さな古本屋さんで表紙が気に入り購入した。
表紙からかわいらしい話かと思ったけれど、序章は残酷で苦しい話だった。でも常に先が気になる展開で、ここ最近読んだ本の中では一番短期間で読み進められた。
とわが飢えを凌いでいる描写がとてもリアルで苦しくなった。同時に自分は今とても恵まれた環境にいることを実感した。とわが報われることを願って、気付けば夢中でページを捲っていた。
とわが『十和子』として生き始めてからは、この人は本当に強い人だと感じた。
こんなに苦しい過去があっても死にたいと思ったことがないなんて。
この作品から勇気をもらい、生きる力や生きる楽しみを思い出させてくれた。
今この時に出会