小川糸のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
こういう暮らしをしたい。
こういう仕事をしたいと思った。
信州の森の中に建てた山小屋での春夏秋冬の日々を綴った本書。
写真に映るものは、家具や衣類はもちろんのことちょっとした小物も、隅々まで、ちゃんと選んだものに囲まれて暮らしている感じ。
執筆は朝の3時間だけ。
筆がのっていてもその日はそこで終了。
昼食をとり、
庭仕事をして、
近所の温泉に行って、
ワインでささやかな晩餐をして、
本を読んで9時過ぎには眠りにつく。
表現者の仕事とは、
職場で行う一定時間の労働ではなく
丁寧な暮らしの繰り返しから湧き上がってくる
精髄を掬い取ることだと感じた。
だから、
執筆はする3時間だけが -
Posted by ブクログ
なかなか壮絶な子ども時代を過ごした主人公の人生が、実父かもしれない男性との出会いをきっかけに開けていくお話。
物語の本質そのものではないけれど、ある意味運命的な出会いをする、お弁当屋さんの彼が言った言葉が印象的。
「怒りとか悲しみとか不満とかって、確実に内臓に蓄積されるんだよ。そしていつか、深刻な病となって体に現れるんだ。大抵の人は、そこで初めて自分が我慢していたことに気づいて、食生活を改めたり、考え方を変えたりする。でも、その頃には手遅れになっている場合が結構多いの。だから、そうなる前に、このままだとヤバいなって本能が感じたら、引っ越したり仕事を辞めたり離婚したり、すればいいと思うんだ。人に -
Posted by ブクログ
物凄くしんみりと自分のこれまでの人生を考えさせられる感覚と、物語に出てくる登場人物の温かい行動に感動させられる感覚を、読後に感じた。体験したことのない「死」というものに前向きに向き合い、だからこそ生きている今が大切にしていく姿勢の描かれ方・それらの情景が本当に印象的だった。
おやつは確かに生きる上で必須ではなく、日常生活の中に何気なくあったものだけど、だからこそ周辺の人との繋がりやこれまでの人生の想いが絡むものでもあらようにも思えた。心の栄養って表現があったけどまさにその通りだなと。
自分が最後に食べたいおやつは、バナナとプレーンヨーグルトのセットだなと考えながら読んでいた。毎週日曜の夕方に無 -
Posted by ブクログ
小川糸さんの「サーカスの夜に」を読み終えました。
「少年」は全力で自分の力で自分の生きる場所を本当に生きる道を見つけることができた。
それは道なき道を切り拓く「少年」の力強さとその粘り強さがあってこそだが、レインボーサーカスで共に生きる団員たちの厳しくも温かな愛情が「少年」の心を育み続けてくれたのではないかと思う。
「少年」も含めてレインボーサーカスの人々は
本当にレインボーサーカスを心から愛している。
その気持ちがとてもキラキラとしていて
本を読み終えてた今も
「レインボーサーカスから離れたくない。
もう少し見守っていたい」という気持ちで
いっぱいになりました。 -
Posted by ブクログ
小川糸さんの本は心が少し弱っている時に読むと言葉一つ一つが暖かくて優しい涙が出てくる。気がつけばボロボロ泣けてふと優しくなれる魔法をかけられた気分になります。
主人公の倫子はインド人の恋人がぬか床以外の全ての荷物と一緒に姿を消してしまってショックで声が出なくなってしまう。というところから物語は始まって、いろんな人と出会い。苦手だった人の素敵な一面を知ったり、おかんとの仲も少しずつ縮まったり、命の大切さをより一層実感して感謝したり、失ったものを一つずつ拾い集めていくような、大切なことに気付いていくような、素敵なお話でした。
倫子でいう「料理」のような自分の軸や強みを何か一つでも持っておくべきだ -
Posted by ブクログ
恋愛とその合間でちらりと覗く季節、お店、ご飯に惹かれた
日本をどん、と感じる場面が多くて頭の中で想像をしてゆくのがたのしい。季節をたのしもう、お店を開拓しよう、ご飯を味わおう、そう思えた。
東京は都会だ、というイメージをまるっと覆ささせていただいた。東京にもわたしの好きとする植物や日本、昔ながら〜といったことを味わえる場所は存在している。わたしの思い込みがいけなかった。もっと東京を知ろうと思う。
恋愛に関しては、なんだかもどかしくて、いけないような、でも気持ちには抗えないような、なんだかわたしまでもがきゅんとしたり、はらはらしたりとした。なんだか、こういう気持ちを抱くのは久しぶりだな〜と -
Posted by ブクログ
以前読んだ時「このエッセイ好きだなぁ」と思ったけれど、再読してやっぱり好きだなぁ〜と!
鎌倉での一人暮らしの様子が綴られている。
気候や環境に不便さを感じながらもそれを楽しんでしまえる糸さんの懐の深さ(^^)
糸さんというと鎌倉、ベルリン、八ヶ岳の山小屋暮らし…本書を読んで現在の山小屋暮らしは糸さんの無意識の中で始まっていたのではないか?と思ってしまう!
や、もしかしたら実はこの頃から密かにいずれ大自然中でと計画されていたのかも…^^;
とにかく今の山小屋暮らしへのルーツが散りばめられていて繋がる部分がたくさんある。
「ツバキ文具店」の舞台でもある鎌倉、私も好き。
町の雰囲気というか時間の流れ -
Posted by ブクログ
ライオンの家の人たちや瀬戸内の海や風、出てくるご飯が、みんなあたたかくて、生きて自分に血が通ってることの尊さを感じました。
亡くなる前、あの世とこの世を行き来する時間や、亡くなってからのご褒美のような時間。人は皆同じ方向に向かって歩いているけれど、最後にみんなが会いにきてくれる、あんな最後を迎えられるなら、こんなに幸せなことはないなと。
余命が近い主人公を含むライオンの家の人たちの話を聞いていく中で、自分のおじいちゃんやおばあちゃんひいおばあちゃん、そしてその地域で生きてきた人々を思い出し、目には見えなくてもきっとみんな私の近くで見守ってくれていると思ったら、すごく勇気が湧いてくるのを感じまし -
Posted by ブクログ
誰にでも訪れる
死ぬこと
それを意識させてくれる物語を読んだ後は
いつもまわりの世界と
自分の心が少しだけ変わって見える
「ライオンのおやつ」を読み終えた今も
朝、目が覚めて
ご飯が美味しく食べられて
いつものルーティンをこなして
健やかに眠る
そんなあたりまえの1日が宝物のように見えて
死を受け入れながら生きることを願うこと
そんな覚悟が持てるのか
自分の心の強さを見極めたいとも思ってる
でも
いつのまにか薄れていって
どこかに行ってしまうこの感情
「ぼくはあと何回、満月を見るだろう」
を読んだ後も
同じような思いに囚われたことを思い出しました