小川糸のレビュー一覧
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◼️モンゴル、カナダ、沖縄の旅路
2010年の日記です。旅の一年で、海外、国内へ足を運んだ話が書いてあり内容の濃い日記でした!
モンゴルの遊牧民との暮らしに飛び込む糸さんの行動力はやっぱりすごい。
日本にいたら味わえない地球本来の姿は、とてつもないエネルギーを秘めているんだろうなと思いました。
カナダで過ごす美食の夏もよかった〜。クレソンと少し火入れしたリンゴのサラダを添えた鴨コンフィのサンドウィッチ…。糸さんが「食べる芸術作品」と評していた。私は果物を使った料理が好きなので読んでてもう美味しくてついよだれが。
その後訪れたソルトスプリング島も、すてきだった。純度の高い水、と表現された森の空 -
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ネタバレ⬛︎愛の循環
3/18の日記に書かれていた「私のバッグ」でホロリと泣きそうになりました。
小川さんが愛用しているバッグと共に雑誌に掲載され、ぐうぜん作り手の方がその雑誌を見て、小川さんの本を読みお手紙が送られてきた…というもの。
愛の循環だな、と思いました。
素敵と感じたそのエネルギーを元に自分のアウトプットとしていく。行動に移したことでつながった輪を感じました。
たくさんの取材旅行で出会った人たちのお話など、のちに本となる内容なので日記には肩肘張らない感想がのびのびと書かれていて楽しく読みました。
富士山登頂のお話も印象的でした。
今回の日記で紹介されていた本を今度買って読みたいなあ -
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⬛︎ ベルリン長期滞在のはじまり
小川糸さんの日記エッセイは最新刊から順番に古いものを読んでいて、人との関係性や感情、考え方の変化が「このタイミングだったんだ」と知ることができて、面白いです。
のちに長期移住することになるベルリンの夏季滞在のはじまりなど、今の小川さんの価値観や嗜好のきっかけとなる出来事が散りばめられた日記でした。東日本大震災があった年でもあり、私も当時を思い出し身に詰まる気持ちになりました。
ー心の底から、自由だなぁと感じるけれど、それはひとりひとりが努力して作りだした自由だ。不自由な時代があったからこそ、自由の大切さを知り、守ろうと懸命なのだと思う。
小川さんのベ -
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⬛︎ 好きを極めた生活、素敵です
小川糸さんの日記エッセイを読むのが好きなのですが、小説の発行スピードがとても速いのに、彼女のエッセイには「仕事(作家業)の大変さ」が一ミリも出てこないことが不思議でした。
小川さんは自己対話がとても上手な方。生活のあらゆる場面において「心地よいか」「好きか」素直になり、それらを極め、心の芯から自分を大切にしている。
これ、すごく難しいことだと思うのです。
どこかで見栄を張ったり、対外的な目線を気にしたり、世間の考えに流されたりしがちなのですが、小川さんにはそれが一切ない。
ー淡々と、自分の心地いいペースを守りながら、歩くようなスピードで書いて、笑顔でゴ -
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⬛︎「料理の神様の愛弟子」へ会う旅
小川糸さんの小説、エッセイが好きで作品を読み漁っているのですが、先生の食に対する表現が特に大好きで。この本はそんな小川糸さんの表現力が凝縮された珠玉の本です。
訪れる先で出会う人は皆、地球、自然の声に耳を傾け真摯に食と向き合う「料理の愛弟子」たち。特に印象に残ったのは月心寺の庵主様の作る精進料理の一節です。
ーふと、料理というのは作った人の分身なんだな、と気がついた。愛する人に料理を食べてもらいたい、自分の手をかけ心をかけて作られたものが、愛する人の体の一部となり、命を支えてほしい。その強く切ない想いが、料理を作る原動力となる。
料理は科学だ、とよく -
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なんでしょう…糸さんの小説からいつも空気感?世界観?に本当に独特なものを感じる。
いつもサッと文章の中に引き込まれていく。
全てを失ったまりあが思い出の島に足を向け、そこで出会う人、自然、空気に触れながら自分を取り戻していく。
自己肯定感の低さに共感したり、あまりの卑屈さに辟易したり、自分とまりあが少し似ているところもあって読んでいると頷いたり恥ずかしくなっり、泣きそうになったり…小説の最後の方に「喜怒哀楽、感情のフルコースを堪能した気分」という、まりあの表現があったけれど、まさにこの本を読んでいる最中の自分がそれだった!
感情のフルコースを味わったよう!
先生やパクチー嬢のいる糸さんが描い