小川糸のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
小川糸さんの作品は、雨上がりに虹を見つけたような小さなほっこりがたくさん散りばめられていてとても好き。寝る前に1日のご褒美として読みたくなる作品だった。
実年齢よりも身体の小さい「僕」が同じく身体の小さい弟と重なった。見た目に囚われるのは良いものではないが、小さな身体で自分の夢見る世界へ飛び込んでいく「僕」に勇気をもらった。
サーカスの華やかながらもどこか影の感じられる雰囲気に魅せられた。サーカスの団員はみんな、どんな出来事があったとしてもステージに立てば、お客さんを楽しませるプロフェッショナルだった。
私はまだ学生で医療人を目指しているが、職業は違えどこんなプロフェッショナルになれるよう全力を尽くそうとそう思えた。 -
Posted by ブクログ
ネタバレサーカス。
聞いただけで心躍る、それでいて少し不思議で陰を感じる単語だ。
13歳から14歳という多感な時期に、少年はたった一人でサーカスにとびこんだ。本作ではサーカスという場をとってはいるが、少年の抱える葛藤や感動は普遍的なものだと思う。
名前の付け方が絶妙で、トロ、ナットー(脳内で「ナ」にアクセントを置いていた)、クスクスなど、言われるまで食べ物の名前だとは気づかなかった。ソリャンカ、トリッパなども異国情緒が感じられていい名だ。
ただ、一点。どこか遠い外国の、いつか分からない時代(たぶん昔)のお話だと思って読んでいたのに、急にランドセルが出てきて「え、日本!?」、次にスマホが出てきて「え、現代!?」とびっくりしてしまった。意図的な演出でないならランドセルやスマホは出さない方が良かった気がする。 -
Posted by ブクログ
ネタバレいい話だったー。
つっかえるところが何もなくて、甘くて心地よいドリンクのようにするすると読んでしまった。
途中までは本当にただただ平和。
途中からは、心のすれ違い、止めたくても止められない負の連鎖に心痛めながら読み進めないといけなくて、辛い部分もある。
リリーは夏だけ、リュウのいる長野に泊まりにくる。毎年毎年一緒に過ごして、幼い頃はただ無邪気に。小学校高学年になったら、少し男女を意識しつつ、疎ましく感じたり。高校?で男女の関係になり。大学になると、再会を果たすが、将来に対する考え方や相手のことへの不信感などから、ギクシャクしてしまう。
リュウの出口のない苛立ちは、作中では、「寂しい」ということを口に出したあたりから改善に向かう。
1人では生きていけないし、1人では困っていることも解決しない、ということだなーと思う。
また1人で生きているつもりになってもいけないなーとも感じた。リュウが閉ざしてしまっていた時、1人だった。でも、大学でできた友達と沖縄に行った時、また菊さんが亡くなって集まった時、確かに人と生きている感じがしていたし、「菊さんも連れてきたかった」のように、人を感じていたんだと思う。
もう一つ、リリーみたいに自分の夢に向かって努力しつつ、家族(菊さん)のことも大切にできるのってとてもかっこいい。
もっと若い時に読んでいたら生き方の指針にしたかったかもしれない。
(もっと若い時に読んでいたらリュウのウジウジ加減にイライラして理解できてなかったかもしれないけど。)