小川糸のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
読み終わった感は、「よかった、、、」
私は考え過ぎる。未来のこと。他人のこと。正しい、正しくない。
そしていつも身動きができなくなる。後悔する。羨む。
そんな私を真っ白にさせてくれるような本だった。
今その瞬間を生きること。人生はその繰り返し。
悔しいこともあるだろう。大恥もかくだろう。でもそれが生きてるってことじゃないか?
私にとっての正しいは、他人にとって正しくない。でも私にとっての正しくないは、他人にとって正しい。正しい、正しくないって、何?
他人に何を言われても、私の価値はいつも同じ。だから自分に嘘をつかない。
何億人という人、その1人1人が、大変に生きてる。仕事のあの人も。スーパーの -
Posted by ブクログ
舞台とは全く違う地域に住んでいる私ですが、読み終わる頃にはまるでそこに住んでいたかのように感じられる作品です。季節の描写がとても美しい。小川糸さんの作品といったら食事の描写と思ってまして、主人公が季節にぴったりな料理を恋人とお店で食べる描写は羨ましく、とても素敵でした。
全てが素敵で気持ちがいいといったらそうでもないです。家庭持ちなら私の感想を見てよくそんなことが言えると言いたくなるかもしれない。
世間では許されない関係を肯定するつもりはないが、この世界観で主人公とキリンさんの2人はとても美しい。映像化はされてないが頭の中にくっきりと残っています。
私はこの作品が大好きです。
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Posted by ブクログ
ネタバレとても可愛いエッセイでした。想像していたより何倍も面白かったです。
ドイツいいなぁ。ドイツやヨーロッパを中心に廻るって憧れる。
ららちゃんとのお出かけの会も良かった!
でもららちゃん、3時間かけてでも出されたものを完食するというのはとてもとても素晴らしい事だというのはわかる。ららちゃんに敬意を表した上で、僕が付き添いなら1時間でうまいこと言って残りを食べて早く出てしまおうとするかも。未熟者でごめんなさい。
小川糸さんはすごく丁寧で小さな幸せを感じることができる人。本当に大切な事をしっかり理解していて、それを信じている。この感性が、作品にも現れているのだと実感した。
なんか理想的な感覚と -
Posted by ブクログ
本を読むと毎回思うこと。それは、本を読んでいると、自分の気持ちに気が付きやすくなる。
私はこれが好きとか、自分の気持ちに名前をつけやすくなる。今まで知らず知らずのうちにうちに決めつけていたことが、もしかしたらそうではないのかもとか、背伸びしていたいつかの自分を、否定ではなく肯定的に包み込んであげられたりとか、過去の気持ちにだって名前をつけて読んであげられるようになる。
私はこんなふうに、誰かを好きになったことも、好きになってもらったこともないなぁ。よく分かってなかったなぁ。今なら素敵な恋愛が出来そうだなぁ。読み終わった今、私はそんなふうに思うんだ。 -
Posted by ブクログ
「さようなら、私」
今までの自分にさようならをして、
新しい自分を迎える。そんなイメージ。
今の自分があるのは、間違いなく過去の自分がいるからで、過去の自分が正しかろうが間違いだろうが、それは変えられない事実。
今までの自分にさようならをするのがいいのか悪いのかは、その人にしかわからないことだけど、
さようならをして、よりよい自分になっていくなら賛成だと思う。
というか、大きいことじゃなくても、人間って少なからず過去の自分に日々さようならをしているんじゃないかなあ。
この本で一番心が打たれたのは
「死んで生き返っても楓の母になりたい。」
私はその言葉を、そのまま親に送りたい。 -
Posted by ブクログ
素敵婦人の描写で、先生の右に出るものはいない。
今回のすみれちゃんもまた、バーバラ婦人、マドンナに匹敵する大地の母のよう。
小川糸ワールドは誰もが羨むような世界観がいつもある。読者にどう想像させるべきか、表現の引き出しの多さが半端ないからだと思う。
太陽を煮詰めたり、「小学生の切なくてあたたかいきもち」は「海でおしっこをしたような」という言い方をする。
死生観もかなり色濃く、物語の行方が急に怪しくなるのも面白い。
オカメインコがあちこち行ってた下りにベルリンの話があり、締まった気持ちで読めた。
今回もまた素晴らしい作品でした。先生ありがとう…