あらすじ
小さな命が、寄り添ってくれた――少女と祖母は家のそばで小鳥の卵を見つけ、大切に温めて孵す。生まれたのは一羽のオカメインコだった。リボンと名づけ、かわいがって育てるが、ある日逃がしてしまう。リボンは、鳥の保護施設で働く青年、余命を宣告された老画家など、様々な人々と出会う。人々は、このオレンジ色の頬をした小鳥に心を寄せることで、生きる力を取り戻していく。
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Posted by ブクログ
登場人物達それぞれの関係性が本当に素敵で、ちょっと切なくて、でも暖かくて、一言で言うなら最高だった。
ものすごく大切な人との別れはもちろん辛いけれど、それだけじゃないと希望をもてるようなお話。
また読み返したい!
Posted by ブクログ
優しい優しいお話だった。
「すみれとひばりは永遠の仲間です」の言葉に、読み終えて涙してしまう。
歳を取っていくすみれちゃんと成長していくひばりさんの関係に、自分自身と自分の祖母を重ねて、胸がいっぱいになった。
子どもをもたないことを、やや受け入れられる話だった。
Posted by ブクログ
素敵婦人の描写で、先生の右に出るものはいない。
今回のすみれちゃんもまた、バーバラ婦人、マドンナに匹敵する大地の母のよう。
小川糸ワールドは誰もが羨むような世界観がいつもある。読者にどう想像させるべきか、表現の引き出しの多さが半端ないからだと思う。
太陽を煮詰めたり、「小学生の切なくてあたたかいきもち」は「海でおしっこをしたような」という言い方をする。
死生観もかなり色濃く、物語の行方が急に怪しくなるのも面白い。
オカメインコがあちこち行ってた下りにベルリンの話があり、締まった気持ちで読めた。
今回もまた素晴らしい作品でした。先生ありがとう…
Posted by ブクログ
とても清らかな登場人物たちと物語ですが、どこか切なさが散りばめられています。
過去の痛みとどうにか折り合いをつけて、必死に生きてきた彼女たちだからこその、芯の強さや凛とした佇まいが、この物語の美しさを形作っているように思えました。
登場人物たちの生き方を通して、自分の人生すらも肯定できるような、強さと優しさがあるお話です。
Posted by ブクログ
オカメインコのリボンが出会う人々のストーリー。リボンを卵から育てたすみれちゃん、画家の美歩子さん、出てくるおばあちゃんがみんな上品で穏やかなのは、悲しい体験を心の内側にぎゅっと包んでいるからなのかな。周りの人も辛さを抱えていながら優しく穏やか。
可愛くて優しい描写が多いけど、個々の辛さや歴史的に起こされた悲劇も見えてきて切ないです。
心にしっくりと残る大切な一冊に出会えました。
Posted by ブクログ
最初はもっと軽い話だと思った。
しかし、実際は親子、戦争、人間の絆、さらに過去と未来が交差する壮大な物語で、黄色い鳥がそれぞれの登場人物の間に存在する。どこにいても、どんなに時間が経っても、自分が覚えてさえいれば、大事な人への思いやつながりは消えないんだと気付かされ、なぜか悩んでいたことが小さく感じた。
Posted by ブクログ
作者の鳥愛の強さを感じる。結婚相手がいない状態で養子をとって1人で育てる覚悟、すごい。血が繋がっていなくても最期を看取るために引っ越したり仕事を変えたりできるのもまたすごい。
Posted by ブクログ
久しぶりの小川糸ワールドを堪能。
幸せに育てられたオカメインコのリボンが、たくさんの人を幸せにしていく。
傷ついたひばりさんも、最終的にリボンによって、きっと再び生きていけますね。
やっぱり、
「すみれとひばりは永遠の仲間です。必ずや生涯、良き友でいられるでしょう」
っていう、すみれちゃんの言葉が、一番心に残った。
Posted by ブクログ
小川糸らしい、上品で優しくて切ない世界観。
髪の毛の中で卵を温めた「すみれちゃん」や、絵本作家の「美歩子先生」のような、上品で丁寧に暮らしているおばあさんがステキ。
黄色いオカメインコがつなぐ、優しいお話。
少女と祖母が大切に温めた卵から孵ったのは一羽のオカメインコだった。二人はリボンと名づけ、かわいがって育てるが、ある日リボンは飛び立っていってしまう。その後リボンと出会った人々は、この小鳥に心を寄せることで、生きる力を取り戻していく。人々の絆を描く感動作。
Posted by ブクログ
頭で卵を孵すっていう平和なおとぎ話かと思ったら切ない現実と入り混じる不思議な話。リボンがヒラヒラと彼らに寄り添っては旅立つ感じが優しい。リボンの意味は掛かってるんだね。
Posted by ブクログ
少女と祖母が大切に温めた卵から孵ったのは一羽のオカメインコはリボンと名付けられ大切に育ていた。しかしある日リボンは飛び立って行ってしまった。その後リボンと出会った人々は生きる力を取り戻していく。
はじまりはリボンが生まれる前の風変わりな祖母と純粋な少女の日常。その後はリボンと思われる黄色い鳥が色々な人の前に現れる短編小説で章ごとに色々な人の視点から物語が進んでいくのはとても新鮮で面白いと思いました。
どの章も好きだけど小鳥がスエヒロと呼ばれている章とラストの再会の章はやっぱり印象的だった。スエヒロと呼ばれていた時の出会いと空気感はとても落ち着いていて人がなくなるのだけど澄んでいる印象があり何度か読み返したくなるお話でした。
再会の章では前に進めなくなった人やどうしょうもなく苦しいと思っている人におすすめ、リボンは青い鳥のように幸せを運ぶというわけではないが元気や勇気をくれ、そっと背中を押したりさすってくれる寄り添ってくれる鳥なんだと感じました。
全体を通して透き通っていてせつなくて、だけど前向きなれる、そんな小説です。最初はゆったりとした空気から話の展開があまり動かないからと読みにくいと感じる人も多いとおもいますが動物が好きな人なら読んでみてはいかがでしょうか?
Posted by ブクログ
人生は時として、残酷で悲しい出来事が起きるけれど、その中でどうにか光を探すため、もがきながら前に進む人たちが描かれています。いろいろ人にさまざまな形でリボンが関わっています。
小川糸さんは、あたたかくも優しい、メルヘンだけどその様子が感じられるような表現をされるので、とても好きです。
Posted by ブクログ
すみれちゃんとひばりさんがかえしたリボンが色んな人のもとに渡っては飛び立っていく短編集。おまんじゅうのようなほっぺ、滑り台カーブなど柔らかくてありありと情景が伝わってくる表現に心が和んだ。最後のベルリンの話のところは歴史の教科書に載っているだけだったことが急に身近に感じられた。もし自分が大切な人と離ればなれになったらきっとつらくて悲しくて悔しくて仕方なかったと思う。今自分が会いたい人に自由に会える幸せを噛み締めることができた。
Posted by ブクログ
「すみれとひばりは永遠の仲間です。必ずや生涯、よき友でいられるでしょう。」この言葉がそうであったという確信が最後にできたことが、よかった。
リボンが次々に出会う人の中で、大切な存在になっていく様子や、リボンのいる場所で人とのつながりができたり、年月の流れとともにさまざまな物語が味わえた。
Posted by ブクログ
バス車中、電子本にて。小川糸さんのお話は何とも温かいというか、心地いい感じ。普段好んで読んでいるいやミスとは大違いなのに、この人のも好きなんだよなー。リボンと名付けられたオカメインコをめぐる、連作短編集みたいなお話。最初と最後のすみれちゃんとひばりさんの関係もすごくいいし、でも一番は絵描きの美歩子先生とふうちゃんの関係かな。美歩子先生が亡くなった時は涙が出た。こうやって好きな人やモノだけがそばにある暮らしをしたいわ。美歩子先生みたいにちゃんと後始末をして死んでいきたいわ。
Posted by ブクログ
飼ったことはないけど、小鳥ってこんなに可愛いんだと思わせてくれた。生まれたての様子とか、一緒に遊ぶところも。撫でて欲しいの?可愛すぎるー。
というだけではなく、最後に明かされるラブストーリーが切なくて、心が震えます。ペット欲も恋愛欲も満たしてくれました。
Posted by ブクログ
一羽のオカメインコを通した短編連作のような長編ストーリ!
不思議な物語。
しかし、直球でいえば、自分にはちょっと合わない(笑)
表題のリボンってインコの名前でした...
一人の少女(ひばり)と祖母(すみれちゃん)が卵を温めて孵したオカメインコ
その名前がリボン!
祖母の頭の中で温めたってちょっと違和感あります(笑)
このすみれちゃんとひばりの関係がなんとも暖かい。
しかし、二人が育てたインコはある日旅立っていきます。
そして、このインコと出会う人々の物語となっています。
リボンという名前は結果的には気持ちを繋ぐ意味を含むのかなっと。
ひばりとすみれちゃんが育んだストーリから、
鳥の保護施設の青年
バーでの語り
画家の先生の物語
鳥恐怖症のその担当者の物語
などなど
そして、成長したひばりは亡き祖母の過去を振り返る旅へ..
といった展開です。
インコを通して、それぞれの人たちの人生の一部が語られます。
ひばりとすみれちゃんの関係が何とも暖かい。
ある意味、ひばりの再生の物語となっています。
Posted by ブクログ
自分にも翼があったら空高く飛んで自由にやれたのかな、、、人それぞれ悩みながらそして何かに頼り助けられながら前に進んでいくんだな、と感じた。
人や生き物はいつか必ず死ぬ。だけど、魂は死なない。自分の中で信じるもの、大切にしているもの、誰かが自分を想ってくれているということを忘れずに、軸にして前向きに生きていこうと思う。それがあるからこそ人は人間らしく生きていくことができるのではないかと思う。
Posted by ブクログ
すみれ(祖母)
大の愛鳥家。孫のひばりとともに、オカメインコの卵を孵化させる。
おじいちゃん
古い大木。
ひばり
すみれの孫。すみれとは無二の親友。
ひばりの父
交通事故で両親を失い、施設に保護されていたところをすみれが養子として迎えた。
リボン
卵から孵り「リボン」と名付けられた小鳥。
はると
生きて生まれなかった子。
はるとの母
鳥須
鳥のいえで働く。週に一、二回、おかまバーで働く。
ヤッさん
鳥のいえの一番の古株。
レモン
鳥須が飼っていたオカメインコ。
ハム太郎
キビタイボウシインコ。
ジャイアン
オカメインコ。
やゑさん
ヨウム。
バナナ
ゴミ捨て場で見つかったオカメインコ。
ママ
知り合いに頼まれ、オカメインコを預かる。
斎藤
加奈子
斎藤が高校時代のテニス部の後輩。
スエヒロ
ふぅちゃん
風子。週に一回だけ、美歩子の身の回りの世話をしに栃木から通ってる。
小暮美歩子
ふぅちゃんとは生まれた頃からの付き合い。若い頃は女優をしていたがさし絵作家となり、自分の名前で絵本を出すまでになった。
津野田あかり
美歩子に雑誌の表紙の絵を依頼。鳥恐怖症。
花ちゃん
陸介
ツバサ
妻
義姉
あかり。第二子の男の子を産んですぐに乳がんが見つかった。一時は快復したものの、再発。最期はホスピスで家族に看取られて亡くなった。
冬馬
義姉の残した下の息子。
達彦
冬馬の父。
スー坊
義姉が面倒を見ていたオカメインコ。
美幸
義姉の長女。
少女
私
歳の離れた兄
母
女手ひとつで私たち兄妹を育てた。実の兄を津波で亡くしている。
ハンス
すみれがドイツで好きになった人。パン職人。
Posted by ブクログ
ページが進むにつれて切なくなってきて、心がキュッと締め付けられていく。
でも、リボンにはリボンの鳥である人生があったんだ。
すみれちゃんとひばりさんの絆がまた泣けてくる。
Posted by ブクログ
すみれちゃんと、ひばりさん。あたたかくて優しいふたりの愛情で包まれた誕生から、様々な人の人生を巡って寄り添う鳥のリボン。
個人的にはたった10ページのはるとくんのお話が、まるで本当に自分にあったことのようにリアルに描写が流れ込んできて胸が詰まる思いでした。その後からは別の鳥のお話かな…?と思いながら読み進めていたので、最後の章で、これが実は長いスパンの物語で、リボンも20年もの時を経ていたことを知ってびっくり。えっ、じゃあどうしてあの時はあんなところにいたの?ってなる。笑
ベルリンの話はすみれちゃんという人を知る上で大切なエピソードだったのだろうけれど、章が離れすぎていたからか唐突な気がしてしまい、なんだかうまく内容が入って来ず残念。。
ただ、ひばりさんの旅路の間、どうしてかは分からない、感情に名前のつけられない様な、不思議な涙がぽつぽつと溢れて自分でも驚きました。
鳥のリボンでもなく、誰が主人公とも言えないけれど、うまく言えない『繋がり』を感じる。そんな不思議な気持ちになるお話でした。
Posted by ブクログ
すみれちゃんとひばりさんのお話がいちばんすき。
でも、p250「姉と妹には、他人が立ち入ることの出来ない濃密な結束があるのかもしれない。もしかすると彼女たちの実の両親ですら足を踏み込めない領域が存在するのかもしれない」の一文はそうそう!って声出しそうになった。わたしは妹だいすきだし妹にしか言えないことがたくさんあるから。
Posted by ブクログ
少女の感情などが小川糸さんの独特の文章で表現されています。
その文章は、本当に優しく人の心を包んでくれます。
私は、鳥を飼ったことはありませんが、オカメインコを飼ってみたいと思いました。
でも、鳥は、やっぱり大空を自由に飛ぶのが幸せなのかな。
Posted by ブクログ
リボンは最初に出てくる女の子とおばあちゃんが育てるインコの名前です。登場人物が繰り返しでてきて、それぞれの家庭の目線で人間関係が描かれていますが、それこそリボンのように繋がっています。ちょっと、絡まってややこしいところはあるかも知れませんが、独立したお話としても読めるので心配ありません。
何羽かの鳥が出てきますが、それぞれ名付けが独特で面白いです。
Posted by ブクログ
序盤のひばりさん(少女)とすみれちゃん(おばあさん)のやりとりで、多感な年頃の少女の、大げさな比喩表現満載の文章がちょっと苦手で飽きてしまった頃、すみれちゃんとひばりさんが卵から孵化させたオカメインコが逃げてしまい、様々な人の間を転々としだしたことで、なるほど、これはオムニバスな展開になる小説なんだなと仕切り直して読み進められた。
小川糸さんの小説は初読なので、最初の文体だけ見たらこんな大げさな文章を羅列するタイプの人?って思ってしまったけど、あれはそういう年頃の女の子らしさを出したのかな。赤毛のアンも丁度そのくらいの年だしね。
元々オムニバスな話が好きなので楽しく読めた。
特に余命宣告を受けた画家さんと若い出版者の女性の話が好きだけど、寂しい結末なのがちょっとね。急に自分と同じ病名が出てくると、ウッてなるな。
後半はすみれちゃんの話がもう一度丁寧に描かれて、今度は現実の歴史の事柄もリンクして、グッと現実的に思えた。まぁ全体的にはファンタジックだったけれど。
ただどうしても元鳥飼いとしては、戸外の巣箱で産卵するオカメインコってどういうこと?とか、そんなに何度も外に逃げちゃって丈夫すぎない?とか、終始気になって仕方なかった。挙句に最後に奇跡的に会えたひばりさんのところからも飛び立ってしまって…いってらっしゃい!じゃねーんだわ!保護してやってくれや!と思わずにはいられなくて、どうにもそこだけは腑に落ちない。
Posted by ブクログ
オカメインコを飼っていた身としては、飛び立ってしまう描写がどうしても受け入れられない(><)
鳥の孵化や成長はとても丁寧に書かれていて、心通わせる感じも悪くはないのだけど…。最後のお話もちょっと強引かな?章によってテンションが違う感じがしました。
鳥飼いでなければもう少し素直に読めたかも…。
表紙のステッチオカメインコがめちゃくちゃ可愛いので、それだけで星3つ。読んでみても星3つでした。
Posted by ブクログ
ちょっと情報量が多すぎて頭の中で整理が必要…
すみれちゃんとひばりさんが大切に孵した一羽のインコがあるとき飛んで行ってしまって、その後いろいろな人達のもとへ… そしてまたすみれちゃんとひばりさんの話しにもどり、ひばりさんは今まで知らなかったすみれちゃんの過去を知り、最後にはリボンと再会し生きる希望を取り戻す。
良いことばかり続くわけでないいろんな人達の人生を、一羽の小鳥を通してみる長い長い年月の温かいストーリー。
わたしもいつか孫ができたらこんなふうに2人で何かしたりたくさん話しをしてリボンをつなげたいなぁ〜
Posted by ブクログ
すみれちゃんとひばりさんがリボンをずっと育てて行くと思っていたので、短編作品が苦手な私には少し感情移入しにくかった。
好きだったのは、リボンとスエヒロのお話。
最後再会できたシーンはグッときた。
それにしてもリボンってば飼育されてはその度ずっと脱走し続けていたの?