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Posted by ブクログ
バス車中、電子本にて。小川糸さんのお話は何とも温かいというか、心地いい感じ。普段好んで読んでいるいやミスとは大違いなのに、この人のも好きなんだよなー。リボンと名付けられたオカメインコをめぐる、連作短編集みたいなお話。最初と最後のすみれちゃんとひばりさんの関係もすごくいいし、でも一番は絵描きの美歩子先生とふうちゃんの関係かな。美歩子先生が亡くなった時は涙が出た。こうやって好きな人やモノだけがそばにある暮らしをしたいわ。美歩子先生みたいにちゃんと後始末をして死んでいきたいわ。
Posted by ブクログ
序盤のひばりさん(少女)とすみれちゃん(おばあさん)のやりとりで、多感な年頃の少女の、大げさな比喩表現満載の文章がちょっと苦手で飽きてしまった頃、すみれちゃんとひばりさんが卵から孵化させたオカメインコが逃げてしまい、様々な人の間を転々としだしたことで、なるほど、これはオムニバスな展開になる小説なんだなと仕切り直して読み進められた。
小川糸さんの小説は初読なので、最初の文体だけ見たらこんな大げさな文章を羅列するタイプの人?って思ってしまったけど、あれはそういう年頃の女の子らしさを出したのかな。赤毛のアンも丁度そのくらいの年だしね。
元々オムニバスな話が好きなので楽しく読めた。
特に余命宣告を受けた画家さんと若い出版者の女性の話が好きだけど、寂しい結末なのがちょっとね。急に自分と同じ病名が出てくると、ウッてなるな。
後半はすみれちゃんの話がもう一度丁寧に描かれて、今度は現実の歴史の事柄もリンクして、グッと現実的に思えた。まぁ全体的にはファンタジックだったけれど。
ただどうしても元鳥飼いとしては、戸外の巣箱で産卵するオカメインコってどういうこと?とか、そんなに何度も外に逃げちゃって丈夫すぎない?とか、終始気になって仕方なかった。挙句に最後に奇跡的に会えたひばりさんのところからも飛び立ってしまって…いってらっしゃい!じゃねーんだわ!保護してやってくれや!と思わずにはいられなくて、どうにもそこだけは腑に落ちない。