小川糸のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ2026/10/11 読み終わり
何から書こうかすごく悩むけど、まずこの本を紹介してくれた親友に心から感謝したい
ものすごく泣いてしまった。
この本を読みながらいろんなことを考えた。
私にいろんな形の愛を注いでくれる母や、一見無関心なのかな?と思うけどそれでもいろんな形で守ってくれる父、人として完全に好きではないけれど、心のどこかで愛している姉のことを思い出した。家族仲が完全にいいわけではないと思う。
気持ち悪くて大嫌いで、いなくなりたい、いなくなってほしいという気持ちにさせるのも家族で、どうしようもなく愛してるのも家族だなと思う。
読んでいる時この本を紹介してくれた子のことをよく考えていた。その人はとんでもない包容力で私や周りを包み込んで愛してくれるし、この本を読んでいて、その人思想だとか、愛だとか、この本を私に選書してくれたことだとか、いろんなものを受け取れたなと感じた。
その人は私から見てどことなく儚くて、他者に対して深い詮索や介入をしない人で、こっちが自分の話をするのを待っていてくれるというか、受け止めてくれる人で、本の中に出てきたマドンナとその人がどうしても重なってしまい、マドンナが雫や他のホスピスの住人にかける言葉がその人が私にかけてくれる言葉にすごく重なっていて、読んでいてその人の愛に包まれているような読書体験で、泣いてしまった。どこか俯瞰していて優しくて綺麗な世界を持つその人の根っこはこのほんと深く繋がっているのかなと感じた。
どうしようもなく泣いてしまった。
友達のことも考えた。
自分は知り合いはたくさんいるけれど、心からこの人は私の友達で、本当に大好きだ。と呼べる人は少ない。友達になって深く好きになった時、沢山愛を注いでその愛を返してもらった時のことを考えて泣いた。
自分は一人じゃないし自分次第で別世界になれるんだよということを深く教えてくれる本だなと思った。
深く感動したシーンが二つあって、
一つはタヒチ君と海辺でキスをする場面。どうしようもなく美しくて切なくて、本を読んでこんなに誰かを恋しく思って泣いてしまう自分に驚いた。
他の感想を見ると瀬戸内の海が見たいという声がよく見られたが、私も心からそう思った。
二つ目は、雫の死後二日目、マドンナの回想編。
情の深い、美しい言葉。きっとあなたの人生そのものが、おいしかったのでしょう。本当に、見事なしめくくり、大往生でしたね。
この文章がどうしようもなく心に刺さった。
これほどまでに相手を思った愛があるのかと思った。
雫の人生や、マドンナ、ホスピスでの暮らしを私も体験することができて本当に本当に幸せだった。
改めて、この本に出会わせてくれて本当にありがとう。
また会ったときに感想話し合おうね。
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Posted by ブクログ
ネタバレ余命宣告をされ、残り時間の少なくなった雫。ライオンの家というところで最期を迎える。
毎週日曜日に行われるおやつの会。入所してる人たちの思い出のお菓子を忠実に再現しふるまう。
様々な思い。人生。希望。絶望。悲しみ。後悔。色々な感情をそれぞれもっている。そんな人々の気持ちをおやつとして提供するという温かい内容がすごく心に響いた。マスター、アワトリス氏などの死。いや、最期それぞれ泣いちゃった。
でも、豊かな素敵な綺麗な最期が描かれてた。
主人公の雫の最後には六花の飼い主、母親がでてきて雫は1人じゃなくいろんな人から支えられてる女性なのだと実感した。
父親とも再会できたところなんか涙腺が.....
一つ悲しいなと思ったのは雫が癌にならずにタヒチに出会ってたらどんな人生を送れていたのだろう。
最期の六花と一緒に雫が亡くなってからの3日目あの思い出の場所で手を振り続けマフラーが風で靡く瞬間。もう。涙が。。。。
読んでいる空間がやや冷えるところでしたが、この小説でこころがポッカポカになりました。
読まないと後悔する本であると同時に読んでない人にぜひ読んでもらって、人生というのはもちろん儚いものであると同時に、酸いも甘いも一日一日を生きていることに感謝して生きていかなければならないと考えさせられました。 -
Posted by ブクログ
ひばりという名は
まっすぐな女性になってもらいたいと
すみれさんが名付けた名前。
ある日 すみれさんは
オカメインコの卵を見ける。
すみれさんは「リボン」と名付けた。
その日からすみれさんと孫のひばりちゃんは
「リボン」を我が子のように
大切に大切に育てていく。
それはキラキラとしていて優しく温かな時間。
やがて「リボン」が彼女たちのところから
飛び立つ時がやってくる。
ひばりちゃんとすみれさんから
たくさんの愛を受けた「リボン」は
たくさんの人々と出会い
愛を与えていく。
「リボン」と出会った人々は
「リボン」からの愛を受け
心を通わせ
その心はやがて
安らぎや前向きな気持ちで満たされていく。
すみれさんが遠い空へと旅立った後
ひばりちゃんは
すみれさんの悲しい愛の記憶を
忘れないように胸に刻み
すみれさんの骨を埋めるために
すみれさんの思い出の地に赴く。
ドイツから戻り
以前ひばりちゃんとすみれさんが住んでいた
家から見える「おじいちゃん」の木の元に来た時
ひばりちゃんのもとに
もう一度「リボン」が来てくれた。
ひばりちゃんは再会を懐かしみ
「リボン」のことばにすみれさんを重ねていく。
打ちひしがれたその心は
力強く前を向き
ひばりちゃんは自分の人生を歩み始める。
そして「リボン」も
「リボン」の生きる未来へと羽ばたいていく。
生きている場所は違えども
ひばりちゃんとすみれさん
そして「リボン」は共に生きている。
ひばりちゃんとすみれさんは
「リボン」によって永遠に結ばれているから。
優しくて温かい愛情に包まれ
幸せな時間を過ごすことができました。 -
Posted by ブクログ
2020年本屋大賞2位。
人生の最後に食べたいおやつは何ですか――
若くして余命を告げられた主人公の雫は、瀬戸内の島のホスピスで残りの日々を過ごすことを決め、穏やかな景色のなか、本当にしたかったことを考える。
ホスピスでは、毎週日曜日、入居者がリクエストできる「おやつの時間」があるのだが、雫はなかなか選べずにいた。
――食べて、生きて、この世から旅立つ。
すべての人にいつか訪れることをあたたかく描き出す、今が愛おしくなる物語。
読みやすく暖かみのある文章と登場人物達のキャラが立っており良かったです。
普段だったら「良い物語だね」で終わったかも知れませんが今回は自分に照らし合わせて読む進めてしまい涙が止まりませんでした。
今まで健康体で大きい病気になったことがなかったのですが、先日心臓周辺が痛く病院に行ったら狭心症と診断されました。
そこから読書する気力もなく放心状態だった時にレビューでこの本を知りました。
まだまだ死ぬわけではないですが(笑)死ぬことへの向き合い方、日常のちょっとした出来事の幸せ、今まで支えてくれた家族へ感謝の気持ち、生きる気力、毎日を大切にしようと思った一冊でした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ彼氏に捨てられて、声の出なくなった倫子は、仲の悪いおかんのところにもどり、予約制の食堂を始める。出てくる料理はどれも馴染みはないけど、文章を読んでいるだけでおいしそうでほっこりした。
この食堂の料理を食べると願いが叶うと言われ始めるが、それはひとえに倫子の心遣い、真摯に食材に向き合う姿勢のおかげだと思う。
登場人物がみんな親切で温かくて、幸せな気持ちになった。
おかんが急に結婚することになり、そしてなんと余命が近いことを知らされ、おかんのペットのブタちゃんを解体して、披露宴の料理に倫子が変えていく。
おかんが死んだあと、いつも12時に12回鳴く不思議なフクロウ爺が鳴かなくなる。まさかと思って屋根裏を見ると、そこにはフクロウの目覚まし時計と、おかんからの手紙が。
手紙にはおかんからの初めての娘への愛がつづられていた。不倫の子だから倫子、ではなかったことも明かされ、倫子はまた食堂を再開する。
料理がつなぐ人間関係が、丁寧な暮らしのなかにそっと仕込まれて、すごく満足感があったので、珍しく星5にしましたよん。
倫子が幸せになるといいな!!
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Posted by ブクログ
前半半分以上は壮絶な生活描写。まったく救いがない。
後半は家の外の世界へ、そして知るのだ。
なぜ母親は外へ出てはいけないと言ったのか。
なぜ母は失踪したのか。
盲目の彼女が知らなかった母の一面が語られる。
母がオットさんとよんでいた人の正体。
家の外に出た彼女の存在が社会に大きな衝撃を与える。
人生を取り戻すかのように生き直していく時間が美しかった。盲目なのでとわの庭の音が彼女の世界に色を与える描写もいい。
出会った人たちとの交流や絆もすてきだった。
不幸な生い立ちだけど良き出会いに支えられて生き直していく。
人生を受け入れ肯定する強さ。
地に足をつけて生きていくたくましさ。
10歳だった盲目の少女が30になり自分を捨てた母親の死を知ったとき何を思い何を語るのか。
1人の少女の成長の物語。
ふと水車小屋のネネを思い出した。 -
Posted by ブクログ
瀬戸内の島のホスピスで、穏やかに命が尽きるのを待つ。
生きることと食べることは隣接している
終始瀬戸の風と、慈愛の食事で緩やかに物語は進行する。
ただただ優しい「終わりの物語」だ
終末医療、といっても、堅苦しいものではなく
ただ自由に楽しくおいしく、最期を迎えるというお話。
雫は島に到着した時点では元気で、おいしくたのしく夢のような日々を過ごす。ほんとうにこんな理想郷はあるのかと思ってしまうほどに素晴らしき日々だ。
ただ確実に「終わり」はそこにある。
しかし薄暗い終末ではなく、ネガティブもなく、明るい光に溶け込むような予感がある。
「死」は極限まで、こわいものではなく「ゴール」として用意される。
そんな考えにいたることは非常に難しい。漠然としているから理解をするのも困難だ。だからこそ、せめて、物語の中では完全な安心のおしまいに身を委ねていたい。