小川糸のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
読みたい本や積読に多数ある著者作品。初読みは本書で。短編集への評価が厳しくなりがちな私だがどの話も面白く、早速著者の評価が上がる。「バーバのかき氷」から始まり、全然あつあつじゃないなと思いつつも、どんどん話にのめり込んでいく。「こーちゃんのおみそ汁」「親父のぶたばら飯」などのじーんとくる良い話はもちろん、「いとしのハートコロリット」や「さよなら松茸」「ポルクの晩餐」といった他の作家さんではあまり見られない作品が好み。食をテーマに書かれる作家さんは多いが、文章で読者に涎が出るほど美味しそうと思わせる筆力がある方はそう多くないと感じるので、他作品も追いかけよう。
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Posted by ブクログ
⬛︎食べること、生きること。
食事をテーマにした7編の短編集。二回目の拝読です。
小川糸さんが紡ぐ食事表現が大好きなのですが、この小説はそれをたっぷりと堪能できる、読む美食小説。
ただ美味しいだけではなくて、ほろ苦かったり切なかったり、喜びであったり…人生の節目と食事、生きることは食べることである、としみじみと感じる一冊です。
バーバのかき氷、では老衰した祖母の香りを発酵になぞらえ「醸している」と表現。その比喩と感性にため息が出てしまいました。
糸さんの美食表現はどこか艶めかしくて、それが魅力のひとつ。親父のぶたばら飯、ポルクの晩餐ではその魅力が炸裂していました。
一番心に沁みたのは、こ -
Posted by ブクログ
ネタバレ仕事が忙しい4月に癒しをくれた一冊です。
短編集なのでちょっとした時間に読み進める事ができて良いひと休みになりました。
個人的には朱野帰子さんの『痛い人生設計を作る、ルノアールで』から元気をもらいました。有名な野球選手が書いた人生設計を実現してるけど、たしかに痛いよなぁ〜そして、自分も今から痛い人生設計を書いて目指してみるのもありかなぁ…楽しくなりそう。
斎藤千輪さんの『究極のホットケーキと紅茶占い』では素敵な空間と冴える推理にうっとりしました。
織守きょうやさんの『彼と彼女の秘密と彼』はマスターの隠された秘密に驚きました。
1冊でいろいろな気持ちが味わえて、とても良いご褒美になりました。