小川糸のレビュー一覧

  • ライオンのおやつ

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    ◼️死を描きながらも、生きる力をくれる物語

    数年前、はじめて『ライオンのおやつ』を読んだのが、小川糸さんの小説との出会いでした。
    その一冊で糸さんワールドにすっかり惚れ込んで、今回は再読です。

    主人公・雫が、自らの死の運命を受け入れていくまでの心の変化が、丁寧に、丁寧に描かれていて。
    一人称視点で物語が進むからこそ、後半は時間や場面の輪郭が曖昧になっていくような浮遊感があり、その表現が本当に凄まじい。
    けれどそれは苦しさや痛みではなく、どこまでもあたたかく、前向きな感覚として胸に残ります。

    瀬戸内の穏やかな気候、きらびやかな海の光、蜜柑やレモンの甘酸っぱい香り。
    情景がふわっと脳内に浮か

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    2025年12月29日
  • 食堂かたつむり

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    ネタバレ

    食べることは命をいただくこと。
    私も今まで以上に食材に感謝したいなという思い。
    熊さんのやさしさ、みんな食堂かたつむりの想いを受け取っていい方向に進むところ(これはご飯の力で勇気が出たり活力が湧くからだと思う)が微笑ましかった。
    そして最後のふくろうの謎とおかんからのお手紙は私も大号泣。おかんも倫子も不器用だけど愛があるんだね。

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    2025年12月29日
  • ライオンのおやつ

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    余命を告げられた主人公のホスピスで過ごす最後の日々のお話。ずっと”いい子”を演じていた彼女が、少しずつ自分の軛を解き放っていくのが印象的だったな。着てみたかったお洋服、もう記憶の中にしかないお菓子、そういうものがあたたかく物語を彩っている。

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    2025年12月26日
  • なんちゃってホットサンド

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    慌ただしい毎日、時間に追われる毎日、心が少し疲れ糸さんの丁寧で落ち着いた自然に寄り添った生活に触れたくて手にした一冊。
    また「針と糸」、少し前に読んだ「いとしきもの」を読みたくなった!

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    2025年12月22日
  • いとしきもの 森、山小屋、暮らしの道具

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    ほっこり森林に癒されたい時に再読してしまう。
    キャンプにはたまに行くが、山小屋暮らしは夢。小川糸さんのこの作品を読むと忙しい都会から、自然の中に行った気分になれる。

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    2025年12月22日
  • ファミリーツリー

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    ネタバレ

    いい話だったー。
    つっかえるところが何もなくて、甘くて心地よいドリンクのようにするすると読んでしまった。
    途中までは本当にただただ平和。
    途中からは、心のすれ違い、止めたくても止められない負の連鎖に心痛めながら読み進めないといけなくて、辛い部分もある。

    リリーは夏だけ、リュウのいる長野に泊まりにくる。毎年毎年一緒に過ごして、幼い頃はただ無邪気に。小学校高学年になったら、少し男女を意識しつつ、疎ましく感じたり。高校?で男女の関係になり。大学になると、再会を果たすが、将来に対する考え方や相手のことへの不信感などから、ギクシャクしてしまう。

    リュウの出口のない苛立ちは、作中では、「寂しい」という

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    2025年12月20日
  • 洋食 小川

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    じゃがいもと鱈のグラタン、芹やクレソンのしゃぶしゃぶ、石垣島から届いたパイナップルで焼いたタルトなど、読むだけでお腹が空くような、小川さんの台所での日々を綴ったエッセイ。愛犬のゆりねちゃんが可愛かった。

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    2025年12月20日
  • ライオンのおやつ

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    人生で一番泣いた本。ここ最近の私の死生観にとても近いものを、今このタイミングで読めたことが、巡り合わせだと思った。死ぬことはすなわち生きること。対極にあるのではなく、地続きに存在するもの。性についての描写があることも、つまり人間、という感じがしてよかった。そういったことを交えずに書けば、綺麗な話になるかもしれないが、生きることを描く上で、普通に転がっていることなのだから、敢えて省いていないのが良い。(それを、下ネタ、とも言いたくない)こうやって死ねたらどんなに良いだろう。間違いなく、これから死ぬのが怖くなるたび、思い出す本。あと、相変わらず食べ物、匂い、風景描写が好きすぎる!お粥を食べたくなっ

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    2025年12月17日
  • ライオンのおやつ

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    今の自分には到底向き合えないであろう、人生の最後のお話しなのに、切ないながらも温かい気持ちにさせてもらえた小説でした。
    [ライオンの家]という名の由来も頷けました。
    これまで、当たり前だと思っていたこと、有り難くも感じていなかった事に対し、もっと気づきを持って感じていけば、もう少し素敵な生き方ができるのだろうと勇気をもらいました。

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    2025年12月12日
  • ライオンのおやつ

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    なくならないと気がつかないものは沢山あるのだと改めて気付かされた。今、普通にできていることはとても幸せなこと。食べることも寝ることもいつかできなくなってしまう。だから、今できていることに幸せを感じながら、自分を大事にしていきていきたいな。
    私の周りには大切な人が沢山いる。宝物に囲まれている私はなんて幸せなんだろうとこの本を読んで強く心に感じた。

    「生きることは、誰かの光になること」

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    2025年12月11日
  • ライオンのおやつ

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    死に向かっていくお話ではあるけれど、不思議と温かさも感じられた。
    5ページ目の“明日が来ることを当たり前に信じられることは、本当はとても幸せなことなんだなぁと。幸せというのは、自分が幸せであると気づくこともなく、ちょっとした不平不満をもらしながらも、平凡な毎日を送れることなのかもしれない。”は、
    今当たり前のように生活できている自分にとってハッとさせられる言葉だった。
    あと、おやつにまつわる思い出のエピソードがどの人も素敵だった。
    実家に住んでいた頃、母親がよく作ってくれていたパウンドケーキを思い出したなぁ。

    一時期、毎朝に感謝をノートに書いていて、今はやっていないけどまた再開しようと思えた

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    2025年12月08日
  • 私の夢は

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    出産前に読んでいて、それからだいぶ経ってしまった。急に思いついて読むのを再開して、一気読み。
    小川糸さんの日常がやっぱり素敵だなーとしみじみ思った。

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    2025年12月08日
  • とわの庭(新潮文庫)

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    物語りを読んで泣いたのは久しぶりのこと。

    とわさんには幸せになってもらいたい。

    ☘️人を赦すことは「光」を見出すこと
    ☘️不自由に見えても、その世界にはその世界にしかない自由もあって、幸せは自分でみつけることが出来ること

    を教えてもらいました。

    若い頃、盲導犬のシャンプーボランティアをしていたので、ジョイのことがとてもよくわかります。

    ジョイが仕事を全うできますように。
    そして、とわさんとの生活が楽しくありますように。
    引退するまで、元気で頑張るんだぞ。

    魔法使いのマキさん、スズさん、写真館のおじさん、、、良い方々に囲まれてよかっね、とわさん。

    そして、「ゆきずりの恋」という言葉

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    2025年12月07日
  • ライオンのおやつ

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    印象的な描写や言葉があり、感動的な優しい気持ちになる作品でした!

    最後の方は温かくでもすごく切なくて、最後のシーンは勝手に目が潤んでいました(;_;)

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    2025年12月07日
  • 食堂かたつむり

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    ネタバレ

    『食堂かたつむり』を読み終えて、涙が止まらなかった。
    本を読んでここまで声を上げて泣いたのは、生まれて初めてだと思う。
    “命はどれほど大切なものなのか”という問いが、静かに、だけど強く胸の奥に突き刺さった。

    物語が進むにつれて、お母さんの倫子への愛情が少しずつ明らかになっていく。
    派手に示される愛じゃない。
    人目につかないところで、そっと積み重ねられてきた愛。
    その存在に気づいた瞬間、胸が締め付けられて、最後の手紙ではもう涙を抑えられなかった。

    エルメスのシーンは言葉にできないほど心を揺さぶられた。
    様々な事情を理解したうえで、自ら解体されるために歩み寄る姿は、残酷で、優しくて、尊くて、悲

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    2025年12月06日
  • ライオンのおやつ

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    ネタバレ

    もうすぐ死んじゃうってわかってる人が主役の物語を読んだのは初めてかもしれない。死んじゃうのは悲しいはずなのに、とても温かい小説だった。

    印象に残った文章がたくさんあった。
    雫が「私、まだちゃんと生きている。」と生を実感していること、「私、もっと生きて、世界中のいろんな風景を見たかったなぁ」と本音を吐き出したところ、「きっと、私の人生は、生きることのままならなさを学ぶためにあったのかもしれない」と自分の短い人生の意味を悟ったところなど。

    また、シマさんが「生かされているんだなぁ、って。だって、生まれるのも死ぬのも、自分では決められないもの。だから死ぬまでは生きるしかないんだよ」と言ったセリフ

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    2025年12月05日
  • ライオンのおやつ

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    ネタバレ


    この本は、死が波みたいに少しずつ、確実に寄ってくる。それは悲しいことでもないし、嬉しいことでもない。


    小説でしか触れられない擬似体験だった。
    読み進めるのが勿体無いと感じるほどに、
    柔らかい文体と五感の表現が美しくて
    お気に入りの一節を見つけると何度も読み返しました。

    主人公が施設で過ごしたのはたった1ヶ月。
    私が本を読んだのは2時間くらい。
    でも、体感ではちゃんと“1ヶ月”だった。
    時間の長さって、心が決めるんだなって思った。

    そして、どれだけ死を受け入れる必要があっても
    私が誰かに“死なないでほしい”と思うのは
    生きることへの執着があるからで
    それが健全だと思った。


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    2025年12月05日
  • とわの庭(新潮文庫)

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    表紙はほんわかだし、盲目だけれど大切に育てられてる子だと思ってたらどんどん雲行き怪しくなり…よくぞ生きてたと思うような辛い状況…何度季節は巡るの、早く誰か助けてと思いながら読んだ。
    後半幸せそうでよかった。殺されなかったこと、壮絶な中で生き延びたことに意味があると思えた。

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    2025年12月02日
  • ライオンのおやつ

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    もう一度自分が病気になったら読みたい。今でもすごく心に響くから、きっと自分の最期が近づいたらもっと1日1日を大事にできるんだと思う。毎日があることに感謝できる本でした。

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    2025年11月30日
  • ライオンのおやつ

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    小説読むスイッチを入れてくれた、私にとって出会いの一冊。
    涙が出て、出過ぎて、とまらなくて困った。
    こんなに涙、わたしにあったの?というくらい。

    人に何かオススメする本は?と聞かれたら
    迷わずこれ。

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    2025年11月30日