小川糸のレビュー一覧

  • ライオンのおやつ

    Posted by ブクログ

    2020年本屋大賞2位。


    人生の最後に食べたいおやつは何ですか――
    若くして余命を告げられた主人公の雫は、瀬戸内の島のホスピスで残りの日々を過ごすことを決め、穏やかな景色のなか、本当にしたかったことを考える。
    ホスピスでは、毎週日曜日、入居者がリクエストできる「おやつの時間」があるのだが、雫はなかなか選べずにいた。
    ――食べて、生きて、この世から旅立つ。
    すべての人にいつか訪れることをあたたかく描き出す、今が愛おしくなる物語。

    読みやすく暖かみのある文章と登場人物達のキャラが立っており良かったです。
    普段だったら「良い物語だね」で終わったかも知れませんが今回は自分に照らし合わせて読む進めてしまい涙が止まりませんでした。
    今まで健康体で大きい病気になったことがなかったのですが、先日心臓周辺が痛く病院に行ったら狭心症と診断されました。
    そこから読書する気力もなく放心状態だった時にレビューでこの本を知りました。
    まだまだ死ぬわけではないですが(笑)死ぬことへの向き合い方、日常のちょっとした出来事の幸せ、今まで支えてくれた家族へ感謝の気持ち、生きる気力、毎日を大切にしようと思った一冊でした。

    0
    2026年10月05日
  • 食堂かたつむり

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    彼氏に捨てられて、声の出なくなった倫子は、仲の悪いおかんのところにもどり、予約制の食堂を始める。出てくる料理はどれも馴染みはないけど、文章を読んでいるだけでおいしそうでほっこりした。
    この食堂の料理を食べると願いが叶うと言われ始めるが、それはひとえに倫子の心遣い、真摯に食材に向き合う姿勢のおかげだと思う。
    登場人物がみんな親切で温かくて、幸せな気持ちになった。

    おかんが急に結婚することになり、そしてなんと余命が近いことを知らされ、おかんのペットのブタちゃんを解体して、披露宴の料理に倫子が変えていく。

    おかんが死んだあと、いつも12時に12回鳴く不思議なフクロウ爺が鳴かなくなる。まさかと思って屋根裏を見ると、そこにはフクロウの目覚まし時計と、おかんからの手紙が。
    手紙にはおかんからの初めての娘への愛がつづられていた。不倫の子だから倫子、ではなかったことも明かされ、倫子はまた食堂を再開する。

    料理がつなぐ人間関係が、丁寧な暮らしのなかにそっと仕込まれて、すごく満足感があったので、珍しく星5にしましたよん。
    倫子が幸せになるといいな!!


    0
    2026年10月04日
  • ライオンのおやつ

    Posted by ブクログ

    死ぬってどんな感じだろう?と考えることはよくあるけど、これまであまり具体的に言葉は出てこなかった。

    本書は死と必然的に向き合っている女性やホスピスの人たちの物語で、死とはオーガズム、ロケットに乗って打ち上がる感覚、など理解できるような、そして絶妙な言葉の表現でそれを体験する事へのワクワクという気持ちも私の中で少し湧き上がった。

    私はその場に立った時、どんな言葉で表現できるんだろう?自分なりのしっくりする言語化を叶えるために、もっと色んな本を読んで素敵な表現をインプットしていきたいと思う。

    0
    2026年10月04日
  • とわの庭(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    前半半分以上は壮絶な生活描写。まったく救いがない。
    後半は家の外の世界へ、そして知るのだ。
    なぜ母親は外へ出てはいけないと言ったのか。
    なぜ母は失踪したのか。
    盲目の彼女が知らなかった母の一面が語られる。
    母がオットさんとよんでいた人の正体。

    家の外に出た彼女の存在が社会に大きな衝撃を与える。
    人生を取り戻すかのように生き直していく時間が美しかった。盲目なのでとわの庭の音が彼女の世界に色を与える描写もいい。
    出会った人たちとの交流や絆もすてきだった。
    不幸な生い立ちだけど良き出会いに支えられて生き直していく。
    人生を受け入れ肯定する強さ。
    地に足をつけて生きていくたくましさ。
    10歳だった盲目の少女が30になり自分を捨てた母親の死を知ったとき何を思い何を語るのか。
    1人の少女の成長の物語。

    ふと水車小屋のネネを思い出した。

    0
    2026年10月03日
  • ライオンのおやつ

    Posted by ブクログ

    限られた時間の中で、どこで誰とどのように過ごすことや、何気ない日常の大切さを改めて実感。悲しくて涙が出る場面もあるが、優しさや温かさに包まれるような物語だった。
    自分にとっても大切なものがなんなのかを考えさせられる涙なしでは語れない一冊。

    0
    2026年10月02日
  • ライオンのおやつ

    Posted by ブクログ

    めちゃくちゃ泣いてしまった。温かくて穏やかなお話で、安心して読んでいられた。雫さんが最期感謝の想いだけを持って旅立つことができて本当に良かった。瀬戸内の海を見に行きたくなる。

    0
    2026年10月02日
  • ライオンのおやつ

    Posted by ブクログ

    瀬戸内の島のホスピスで、穏やかに命が尽きるのを待つ。
    生きることと食べることは隣接している
    終始瀬戸の風と、慈愛の食事で緩やかに物語は進行する。
    ただただ優しい「終わりの物語」だ

    終末医療、といっても、堅苦しいものではなく
    ただ自由に楽しくおいしく、最期を迎えるというお話。
    雫は島に到着した時点では元気で、おいしくたのしく夢のような日々を過ごす。ほんとうにこんな理想郷はあるのかと思ってしまうほどに素晴らしき日々だ。
    ただ確実に「終わり」はそこにある。
    しかし薄暗い終末ではなく、ネガティブもなく、明るい光に溶け込むような予感がある。
    「死」は極限まで、こわいものではなく「ゴール」として用意される。
    そんな考えにいたることは非常に難しい。漠然としているから理解をするのも困難だ。だからこそ、せめて、物語の中では完全な安心のおしまいに身を委ねていたい。

    0
    2026年10月01日
  • ライオンのおやつ

    Posted by ブクログ

    電車で涙が溢れた

    なんだろうな、とても良かった。さみしいだけの感情じゃなかった。

    他愛のない会話ができる幸せ、コロコロと移り変わる空を目にできる幸せ、歩いてひたすら歩いて植物を愛でることのできる幸せ、小さなこともまるっと含めて、わたしは幸せなんだ。

    わたしは毎日毎日噛み締めて力強く、時にふらっとしてしまうことも勿論あるかもしれないけどね、大切にしていきたい。

    あーーー、この本はわたしの大切な人たちにどしどしすすめていこう!

    0
    2026年09月30日
  • ライオンのおやつ

    Posted by ブクログ

    一つ一つのストーリーが「宝物」のように感じました。
    また、表現や言葉の用い方がとてもキラキラしている様だったり、とても個性的だったり、死と正面から向き合っている一方とてもほっこりしている内容だったり、小説なのにマーカー引きまくり。再読必至ですね。とても良かったです。

    0
    2026年09月29日
  • ライオンのおやつ

    Posted by ブクログ

    いままでどう生きてきて
    どうやって死ぬのか
    死を目の当たりにした時どう終わっていくのか
    私も、ライオンの家で最後を穏やかに
    おやつを楽しみに過ごしたいなと思いました。

    0
    2026年09月26日
  • ライオンのおやつ

    Posted by ブクログ

    何か特別なことがあった時だけでなく、日常の些細な幸せを噛み締めながら毎日を大切に過ごしたいと思った。序盤から最後まで泣きすぎて前が見えなくなるほどだった。しかし、お涙頂戴では決してない。純粋で柔らかな小説。

    0
    2026年09月26日
  • ライオンのおやつ

    Posted by ブクログ

    やっぱり病気になった人が徐々に衰弱していく様子を追っていくのは辛い。
    自分のことを「しーちゃん」と呼んだり、ウィッグを被らなかったり以前だったらプライドが邪魔してさらけ出せない弱いところが現れてくるところがリアルで切なかった。
    ライオンの家の他のゲストとの関わりの中で些細なことから生きる原動力を得たり、人生に満足していくところがよかった。

    0
    2026年09月23日
  • ライオンのおやつ

    Posted by ブクログ

    死がこういう感じなら、少し怖くないかも。
    あたりまえだけど一つ一つのかけがえのない人生があって、自分もそのひとつを生きていることを思い出した。
    人生はろうそくといっしょで、火がついたら消えるまで燃えるしかないと、マドンナさんが言ってた言葉が胸に残った。
    自分にとって忘れられないおやつは何かなぁ。美味しいお菓子もケーキも山ほど食べてきたはずだけど、受験の日のあとに母が焼いていてくれた素朴なりんごケーキを思い出した。

    そばで寝ていた娘をうんと愛おしく感じた。
    命があること、毎日ご飯を食べて、歩き、おしゃべりして笑えることは本当に、ありがたいことだ。

    0
    2026年09月23日
  • たそがれビール

    Posted by ブクログ

    日本と海外を行き来する忙しそうな生活の中でも、四季を丁寧に感じて綴られているエッセイ。特にドイツでの暮らしに魅力を感じた。

    0
    2026年09月23日
  • 小鳥とリムジン

    Posted by ブクログ

    人間を追い詰めるのも、人間を救い出すのも人間。
    物語が進むにつれて視界が開けていくような、希望的な物語だった。
    小鳥はリムジンと出会えてよかった。
    リムジンにとってはどうだったんだろう。

    個人的には、最後まで他人を一方的に消費する欲望に陥らず「小鳥欲」「リムジン欲」と表現しているのが腑に落ちて良かった。

    0
    2026年09月21日
  • ライオンのおやつ

    Posted by ブクログ

    感動した。美容院でも気にせず泣いた。ホスピスを初めて知ったし、人が亡くなるまでをずっと追っていく話って読んだことなくて、衝撃もあった。ライオンの家の雰囲気、住人、スタッフ、考え方がすてきで、私も、行きたいと思った。どうにもならない、不平等なことが起きた時、雫さんみたいに、前向きに、受け入れることができるだろうか。親族や友達に甘えず、1人で整理し、旅立てるだろうか。

    0
    2026年09月20日
  • さようなら、私 [新装版]

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    手元に置いておきたい本。
    死と食と再生、再出発の物語

    【恐竜の足跡を追いかけて】
    本当に大事なものはなにか、異国に行ったからこそ感じられる。美味しい食事が食べられること、たくさんの便利なものに囲まれていること、それでも欲しいものは絶えないこと、満たされない気持ちはずっと続くことに、休職して気づき出した時にこの本を飲みました。主人公と状況も近く、この先のことも重ねて読み進められました。いかに自分が狭い世界で生きていたのか、読むとガラッと世界の捉え方が変わります。もっと広い世界を見て、自分に限界を作らず、まだ頑張れるかもという気持ちになれるような、背中を押してくれる作品です。

    【サークル オブ ライフ】
    最後の怒涛の展開に圧巻。少しずつ蒔いていたものが一気に解決に導かれた。自分の生い立ち、それによるトラウマ、拭いきれない過去の思い出が自分を苦しめ続けたこと、諦めるにいたったことまでも、カナダという土地、彼からの言葉、春子おばさんの愛、スーツケースの中身、鮭、ぜんぶ合わさって、彼女が一気に解放される。こんな何もかもがいいタイミングでなんて思うかもしれないけど、なんかわかる、何もかもが意味があったんだと思えて、それがぜんぶ不思議と繋がって、視界がパッと開けて風が吹く感じ!これを言語化して物語にできる糸さんほんとにすごすぎる。これも名作でした。

    【おっぱいの森】
    はじめはドキドキして固唾を飲んで読んでいたけど、次第に不思議と、主人公とセッション相手の穏やかになる気持ちがわかるような気もした。自分には思いもつかないことがあり、わからない痛みや前を向く方法があるのだなと感じた。誰かと較べるでもない、その人の痛みがある。再生の仕方は人それぞれ。

    0
    2026年09月20日
  • たそがれビール

    Posted by ブクログ

     小川糸さんらしい柔らかで華やかでやや思想強めで、そして少しおいしそうなエッセイ。キラキラとした世界でありながらも親しみやすさもあって、個人的にはすごく好き。

    0
    2026年09月17日
  • ライオンのおやつ

    Posted by ブクログ

    自分の最期を瀬戸内のホスピスで受け入れる
    若い独身女性目線で描かれた作品。

    体の自由さと反比例して
    精神的な豊かさが増していく姿から
    雫と自分と置き換えて「死」を考えると
    今を丁寧に生きよう、
    お金や名声、周りからの評価よりも
    近くにいる人を少しでも笑顔にしよう、
    と思いが出てきた。

    「マドンナ」を始めチャーミングな登場人物の
    おかげで暗くなく温かい気持ちにさせてくれる。

    小説だからこそ描ける世界観だろうな。

    私が死ぬ間際、食べたいおやつは何だろう

    0
    2026年09月16日
  • とわの庭(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

     盲目の女の子とわは大好きな母と二人暮らし。でもある日、母がいなくなり…。とわの成長物語り。
     母と娘の呪縛を絡めながら、とわは自立していく。孤独や、飢えに苦しむ場面は、物語りに引き込まれる。早く抜け出して〜って祈る様に、ページをめくった。一方で、苦しみだけではなくて、庭の移ろいや、鳥の声、本を読む時間、人とのつながりなど、人生の輝きもある。
     結局、親の愛情も、親から受けた傷も、人生を歩む中で少しずつ自分のものにしていくしかないのだと思う。
     母の呪縛から完全に自由になることは難しいかもしれない。それでも、自分の幸せは、自分の力でつかみ取るしかないのだと感じた。

    0
    2026年09月12日