小川糸のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ4章あり、家族4人それぞれの視点が描かれる。時系列は同じではなく章が進むごとにゆっくり進行していく。
最初の泉視点は新しい家族の幕開けで希望が感じられる。この雰囲気が続くのかなと思ったら少しずつこの家族の儚さや不安定さが見えてくるようになる。そうして3章の草介の視点でそれが浮き彫りになる。
草介の視点がとにかく苦しい。泉視点が明るい話なのは鈍感ゆえに物事を表面的にしか捉えらていなかったからと分かり、悲しい気持ちになる。
宗介の事故さえなければ、社会の常識から外れた形で家族になり、母千代子の死を乗り越えていく物語だとわかるが、草介が悲惨すぎて最後の前向きな描写も前向きに捉えられない。
性を超えた愛が息子を苦しめていた。駆け落ちは間違った選択だった?多様性を認めるというより多様性に翻弄される家族の物語に感じた。 -
Posted by ブクログ
美味しいごはんをその人のためにつくるということは、ちょっと手を伸ばせば手に入る幸せなんだよなぁと改めて思わせてくれるお話だった
コジマさんへのハンドマッサージ、山伏修行に行く理夢人、読んでるだけで涎の垂れそうなごはんの数々。
読んでる自分の感覚が研ぎ澄まされていると、目の前でその様子を見ているみたいにすーっと自分の中に入ってくるのに、心が落ち着かない日はどこか集中できない。そんな風にその日の心を試されているような文章たちだった。
病気と日々向き合う今の自分に必要な一冊だった
プレゼントしてくれた友達の気持ちが温かい。
以下心に残った文章
p187
すごく大きな悲しみとか苦痛とか、そういうものを吸い取ってくれるのは自然しかない気がする。
大自然の中に身を置いて修行してるとみっしりと空間を満たす目に見えないものの存在をありありと感じるし。
p189
とにかく祈って祈って祈りまくるのが山伏の勤め。そういう祈りが確実に世の中を支えている。
祈りって本当にすごいパワーを秘めている。
p259
私の体は常に更新されている。皮膚は毎日再生され、眼の細胞は二日ごと〜骨格細胞は3ヶ月ごとに生まれ変わる。人間の体は37兆もの細胞でできているが、7年ほどで全ての細胞が入れ替わる。
p265
死ぬ瞬間って案外気持ちいいんじゃないかな。
体という檻から解放されて宇宙に素粒子がパーっと広がっていく。