小川糸のレビュー一覧
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今月前半は長島さんが亡くなって、ぽかーんとした気分で長島の活躍とともに青春を日本の右肩上がりの時代を生きた自分にとっての長島に思いをはせていた。
本屋で平積みになっていたこの本が何か気になり手にした。人生の節目で小川さんが八ケ岳のふもとに山小屋を手に入れて、また山小屋から力をもらって羽ばたこうとする都会人がはじめて経験する山の生活を描いてます。小川さんは根本はナチュラリストなのですね。
朝日新聞 2025/6/4 朝刊
鷲田清一 折々のことば
大きな、力強い物語が書きたかったら、それと同じ熱量で、反対側にブランコを振り切る。
(小川糸)
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ずーっと頑張っていると -
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ネタバレやっぱりいいよねぇ。小川糸のエッセイは、日々の何気ない幸せがいっぱい詰まっていて憧れる。大きな幸せも、小さな幸せも発見できる秘訣を教えてくれる。
あと、読んでいたらドイツについて知りたくなる。自分もドイツはそんなに美味しい物がなく塩辛いビールの国というイメージだが、この本を読めばそんなイメージは固定概念なんだと思わされる。
日本より住みやすいかと言われたら、そこは慣れなのかもしれない。日本独自の窮屈さにうんざりする事はあるが、宅配の話なんかを読んでいてると、あぁ、日本で良かったとしみじみ思った。
リトアニアやラトビアなど、普段なじみのないヨーロッパの国々の話を聞けることも嬉しい。これから -
Posted by ブクログ
ネタバレ駆け落ち
高橋泉
草介のお誕生日会の準備の帰りの駅で千代子を目撃する。仕事帰りの駅で千代子に話しかける。千代子を好きになる。離婚の慰謝料で車を買い、三人で街を出る。
草介
泉の息子。
島原千代子
女子高生。駅で自殺しようとしていた時に、泉に話しかけられる。泉が通っていた近所の島原医院の娘。家族にレズビアンと告白したが、受け入れられなかった。
千代子の父
島原医院の先生。
千代子の母
宝
千代子が産んだ赤ちゃん。草介が命名。
ゲストハウス虹、誕生
宝
生後半年を過ぎた頃から、赤い色に並々ならぬ執着を持つようになる。
泉
カカ。
千代子
ママ。
草介
ボス
集落をまとめるリー -
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ネタバレ無理を少なくする暮らしが綴られていて、いろいろと参考になった。
掃除はルンバ、ご飯のあとの片付けには食洗機。気が乗らないことには無理をしない。
眠りの質をあげることの大切さ、仕事はわたしの役割、できることを考えて他の人の方がうまくいきそうなことはお断りする、決まった時間に決まったことをすることで心の平穏を保つ、など。
気力、体力のいる仕事を続けるためには、
無理をしない、気分をリセットできるタイミングを用意しておくことが必要なんだな、
自分の好きという気持ち、自分には合わないものを嗅ぎ分ける感性を大切にした方がいいんだなと、何となく思ってたけど、この本を読んでやっぱりそうなんだと確信できた -
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ネタバレ2025.05.30-2025.05.31
小川糸の小説を読むのは、これが初めてだった。
短編集ということ、表紙がチャーミングで惹かれたことがきっかけだ。
読んでみると、不思議な体験が待っていた。頭の中で、文章がするすると自然に具現化されていく。一人称で進む小説だということもあるが、ある小説では真夏の富士山を横目に必死に自転車を漕ぐ姿がありありと、またある小説では、中華屋でとろけるような油に溺れたあと、プロポーズに心を揺らす主人公の仕草が、読んでいてまざまざと浮かび上がってくる。
それはさながら、運ばれてきた蒸し器の蓋を開けた時に、ぶわりと空気に解き放たれる湯気と香気のような勢いと場を支配